わたなべひろし
テンプレート:存命人物の出典明記 わたなべひろしは、熊本県熊本市出身の男性アニメーター、アニメーション監督、アニメ演出家である。スタジオ・ライブ出身。
別名義に本名の渡辺浩や渡辺ひろしがある。
1980年代半ばに『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の作画監督を務めて、人気を博する。1986年に『強殖装甲ガイバー』で演出家デビュー。1990年代半ばから本格的に演出家へ転身、スタジオディーンを活動の拠点としている。その他の代表作品には、『逮捕しちゃうぞ』(監督)などがある。
来歴
中学時代に見たアニメ『宇宙戦艦ヤマト』でアニメーターになることを決意。芦田豊雄率いるスタジオライブでの面接にも、8ミリ映画で自主製作した『宇宙戦艦やまと』を持参した[1]。1978年にテレビアニメ『まんが日本絵巻』の動画でデビュー。初原画は1979年の『サイボーグ009』の第1話。1982年には出世作となる『魔法のプリンセス ミンキーモモ』で作画監督を担当して、アニメ雑誌から注目を集める。キャラクターデザインの芦田豊雄に代わり、主役キャラクター・モモをものにした渡辺は版権イラストの多くを手がけ、アニメ雑誌がミンキーモモを表紙にするときはそのイラストを描いている。8年後に制作された続編では、芦田に代わりモモのデザインを任された。
1982年にスタジオ・ライブの同僚だった長谷川桂子(のちにわたなべけいこと改名。改姓後の本名は渡辺桂子。2000年8月頃死去[2])と結婚。長谷川は結婚後、安彦良和が率いるアニメスタジオの九月社に入社し、『クラッシャージョウ』、『巨神ゴーグ』などの作品を手がけた後、アニメーターを退き、わたなべが手掛けるイラストの彩色などを担当するようになった。
神志那弘志やヤマサキオサム、平田智浩を輩出した熊本工業高等学校インテリア科の出身であり、同校ではアニメーション同好会を設立して初代会長を務めた。
参加作品
テレビアニメ
- ヤッターマン (1977年-1979年、動画)
- 野球狂の詩 (1977年-1979年、動画)
- サイボーグ009 第7期 (1979年-1980年、原画)
- メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行 (1980年、原画)
- 宇宙戦艦ヤマトIII (1980年-1981年、原画)
- 伝説巨神イデオン (1980年-1981年、原画)
- Dr.スランプ アラレちゃん (1981年-1986年、原画)
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ(第1作)(1982年-1983年、作画監督・原画)
- 銀河漂流バイファム (1983年-1984年、作画監督・原画)
- 超力ロボ ガラット (1984年-1985年、作画監督・原画)
- らんぽう (1984年、オープニング・エンディング原画)
- ハイスクール!奇面組 (1986年、作画監督)
- 仮面の忍者 赤影 (1987年-1988年、作画監督・原画)
- ミスター味っ子 (1987年-1989年、作画監督)
- 魔神英雄伝ワタル (1988年-1989年、作画監督)
- 楽しいムーミン一家 (1990年-1991年、原画)
- ふしぎの海のナディア (1990年-1991年、原画) ※渡辺浩名義
- つる姫じゃ〜っ! (1990年、作画監督・原画・演出)
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ (第2作)(1991年-1992年、キャラクターデザイン・作画監督・演出)
- 七つの海のティコ (1994年、原画)
- クマのプー太郎 (1995年-1996年、絵コンテ) ※渡辺浩名義
- 少年サンタの大冒険! (1996年、エンディングアニメーション 絵コンテ・原画・演出)
- 逮捕しちゃうぞ (1996年-1997年、監督・シリーズ構成)
- 魔術士オーフェン (1998年-1999年、監督)
- HUNTER×HUNTER (1999年、絵コンテ)
- 魔術士オーフェン Revenge (1999年-2000年、監修)
- レレレの天才バカボン(2000年、#22 絵コンテ・作画監督)
- 妖しのセレス (2000年、絵コンテ)
- スターオーシャンEX (2001年、監督)
- おとぎストーリー 天使のしっぽ (2001年、絵コンテ)
- 王ドロボウJING (2002年、監督)
- 満月をさがして (2002年-2003年、絵コンテ)
- 魔探偵ロキRAGNAROK (2003年、監督)
- tactics (2004年-2005年、監督)
- うえきの法則 (2005年-2006年、監督)
- 地獄少女シリーズ
- ひぐらしのなく頃に (2006年、絵コンテ・エンディングアニメーション)
- シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド (2007年、監督)
- 素敵探偵ラビリンス (2007年-2008年、監督)
- 俗・さよなら絶望先生 (2008年、#7 鉄道写真)
- ギャグマンガ日和3 (2008年、#8 演出・作画)
- クッキンアイドル アイ!マイ!まいん! (2009年-2013年、監督)
- のだめカンタービレ フィナーレ (2010年、絵コンテ)
- おとめ妖怪 ざくろ (2010年、絵コンテ)
- さんかれあ (2012年、色彩設計)
- ローゼンメイデン(新アニメ) (2013年、絵コンテ)
- メガネブ! (2013年、助監督・# 3絵コンテ・#3 演出・OP演出・原画、EDムービー撮影)
- 桜Trick (2014年、色彩設計・演出補佐・演出)
OVA
- 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞 (1985年、作画監督)
- 吸血鬼ハンターD(1985年、原画)
- 恐怖のバイオ人間 最終教師 (1988年、原画) ※渡辺浩名義
- デビルマン 妖鳥死麗濡編 (1990年、原画)
- ダウンロード 南無阿弥陀仏は愛の詩(1992年、原画)※渡辺浩名義
- ぼくの地球を守って (1994年、演出・作画監督)
- MINKY MOMO IN 旅だちの駅 (1994年、キャラクターデザイン・作画監督・絵コンテ・演出・原画)
- スレイヤーズすぺしゃる (1996年-1997年、監督)
- でたとこプリンセス (1997年、OP原画)
- 夢で逢えたら (1998年、監督・キャラクターデザイン)
- スレイヤーズえくせれんと (1998年-1999年、監督)
- 王ドロボウJING in Seventh Heaven (2004年、監督・絵コンテ・演出)
劇場アニメ
- ルパン三世 ルパンVS複製人間 (1978年、動画)
- FUTURE WAR 198X年 (1982年、原画)
- Dr.SLUMP “ほよよ!”宇宙大冒険(1982年、原画) ※渡辺浩名義
- アリオン (1986年、原画)
- 強殖装甲ガイバー (1986年、監督) ※渡辺浩名義
- ヴイナス戦記 (1989年、原画) ※渡辺ひろし名義
- 魔女の宅急便 (1989年、原画) ※渡辺浩名義
- スレイヤーズ (1995年、監督)
- スレイヤーズRETURN (1996年、監督) ※渡辺ひろし名義
- スレイヤーズぐれえと (1997年、監督)
- スレイヤーズごぅじゃす (1998年、監督)※総監督兼任
- 頭文字D Third Stage -INITIAL D THE MOVIE- (2001年、演出)
Webアニメ
- ヘタリア The Beautiful World (2013年、監督)
書籍・その他
- サンダーバード(パイロット版)(原画・メカニック作画監督(TV未放送))
- 『それからのモモ』(徳間書店アニメージュ文庫、1984年、挿絵) ※「魔法のプリンセス ミンキーモモ」第1作の後日談にあたる絵物語。
- 『ジャパニーズ・ドリーム』(蜂屋誠一/著、偕成社、1988年、絵)※渡辺浩名義、渡辺桂子と共同で絵を担当
- 『スターライト・キッズ』(蜂屋誠一/著、偕成社、1990年、絵)※渡辺ひろし名義、渡辺けいこと共同で絵を担当
- 『春一番によろしく』(堤しゅんぺい/著、偕成社、1991年、絵)※渡辺ひろし名義
- 『パソコンライダーたけし』(和田はつ子/著、偕成社、1991年、絵)※渡辺ひろし名義
- 『101人めのおかあさん』(雪室俊一/著、偕成社、1992年、絵)※渡辺ひろし名義
- 『お見合い相手はエイリアン』(堀直子/著、偕成社、1992年、絵)※渡辺ひろし名義
- 『Painterで日曜画家: 絵筆をタブレットにもちかえて、絵本を作ろう!』(アスキー、1996年)※渡辺ひろし名義
- 『快適iBook術: パソコン、インターネットはこれ1台で完璧』(江阪俊哉・林知波との共著、双葉社、2000年)※渡辺ひろし名義
- 『地獄少女: 恨の紋章』(地獄少女プロジェクト/原作、広真紀/著、金巻兼一/監修、ホビージャパン、2007年、原案)
- 『小説: 地獄少女』(地獄少女プロジェクト・永遠幸/原作、石崎洋司/著、永遠幸/絵、講談社KCノベルスなかよし文庫、2008年、原案)
- 『COMIC鉄ちゃん』わたなべひろしの世界鉄道めぐり ハンガリー編(辰巳出版 2014年、文・写真)
- ドラマ版地獄少女(第10話にカメオ出演)
脚注
- ↑ 面接で描いたのは『ヤッターマン』のヒロインのアイだったという(『アニメック』Vol.31、ラポート、p.70)。
- ↑ 「日本ミンキーパーク」内・モモグッズ新着情報 - 2000年9月24日の記事より。インナージャケット紹介欄の下に小さくコメントされている。