競艇の競走格付け
日本における競艇の競走格付けには1988年度よりグレード制が採用されており、以下に示す順で5段階にランク分けされる。なおGI・GII・GIIIの本来の数字表記はローマ数字である。
ランクは上位から
- SG（スペシャルグレード）
- GI（G1）（全国発売規模の「プレミアムGI」（2014年度より新設）を含む）[1]
- GII（G2）
- GIII（G3）
- 一般戦
の順である。
上記の中でもSGやGIは競艇のトップレーサーが一堂に集うことで人気が高い。
目次
SG
SGとは、Special Grade（スペシャル・グレード）の略称である。グレード制導入以前は、総理大臣杯競走・全日本選手権競走・全国地区対抗競走（その後、笹川賞競走に）・モーターボート記念競走を総称して「四大特別競走」（その後、新設された賞金王決定戦を加えて「五大特別競走」）と呼んでいた。
参加資格は原則A1級のボートレーサーにしか与えられない。それゆえに全国から最上級レベルの選手が集まる競走である事を表し、中でも「賞金王決定戦」は賞金額が1億円と破格な事もあり、別格として扱われる。
各SGは各競艇場の持回り（各開催競艇場の立候補制）で開催されている。
- 総理大臣杯競走（3月）
- 笹川賞競走（オールスター）（5月）
- グランドチャンピオン決定戦競走（6月）
- オーシャンカップ競走（7月）
- モーターボート記念競走（8月）
- 全日本選手権競走（ダービー）（10月）
- チャレンジカップ競走（11月）
- 賞金王決定戦競走（12月）
詳細については各競走のページおよびスペシャルグレードを参照のこと
GI（G1）
SGほど出場条件は厳しくないが、GIも全国の競艇場から精鋭が集まる競走である。SGが全国から精鋭が集まるのに対し、GIは開催場地元の名手をやや重点的に斡旋する傾向がある。プレミアムGIはヤング・女子・シニアのチャンピオン、GIは各競艇場・各地区のチャンピオンを決めるレースでもある。実力のある女子選手のGI斡旋が少ないことと各地区選手権の地区間のレベルの差がよく話題としてのぼる。なおGIは全て6日間開催である。
プレミアムGI
次にあげる4競走はSGに準ずる規模の全国発売競走であるため特に「全国発売GI」とも呼ばれているが、2014年度からこれらの競走については他のGIと比べて格上に値するため「プレミアムGI」と呼称することになった[1]。
SGおよびプレミアムGIでは、開催直前にはテレビ・ラジオCMやポスターなどで事前告知も多く行われる。SG・全国発売G1のキャッチフレーズも参照。
- 名人戦競走（4月 48歳以上限定）
- 女子王座決定戦競走（8月 女性のみ出場可能）
- 新鋭王座決定戦競走（9月 デビュー6年以内の選手限定、新鋭リーグ戦競走の参加が必要。2013年まで）→ヤングダービー（2014年から、30歳未満限定）
- 賞金女王決定戦競走（2012年度追加）[1]（12月 女子選手のみ出場可能でオール女子一般戦併催）
その他のGI
- 周年記念競走（各競艇場ごとに年1回）
- ダイヤモンドカップ競走（随時）
- 高松宮記念特別競走（10月 住之江競艇場）
- 24レース場対抗戦（12月開催 全場男女ペアによる対抗戦）
- 地区選手権競走（翌年1月 - 2月 地区毎の競艇場持ち回り 6地区同時期に開催）
周年記念競走、ダイヤモンドカップ、高松宮記念特別競走の出場選手はA1級。52名の斡旋の場合は施行者希望選手21名、斡旋課提示選手31名でその内、1〜4名程度が新鋭対象選手が選ばれる。
GII（G2）
GIIは以下の3競走（年間7節）のみである。グレード分類の観点からすると極端に分類が偏っているため、グレード分類の再編成の必要性がしばしば話題に挙げられる。なおGIIは全て6日間開催である。出場資格はA1,A2級（MBトライアルから勝ち上がった選手はB1,B2級も可であった）。
- モーターボート誕生祭競走（大村競艇場 春 - 秋 6日間）
- 秩父宮妃記念杯競走（びわこ競艇場 春 - 秋 6日間）
- モーターボート大賞（随時）年度内にSG・全国発売GIが開催されない競艇場で開催（年間5節 同時期開催あり）。
- 現在は廃止
GIII（G3）
- オールレディース競走（随時）
- 企業杯競走[2]（各場ごとに年1回）
- イースタンヤング・ウェスタンヤング（東西同時期開催で年1回、7月開催）
- 廃止
- モーターボート大賞トライアル（2007年〜2011年）[2]
- 新鋭リーグ競走
一般戦
一般戦は開催期間が4 - 7日間と流動的である。開催期間が長くなるほど上位選手が斡旋される傾向にあるが、4日間の開催に豪華なメンバーが呼ばれることもある。地元のトップレーサーはこのレベルのレースに出るとシリーズリーダーとなり優勝候補の本命となる。
なお「フライング休み」（フライングや出遅れのため、斡旋が一時停止される期間）を終えた選手の復帰戦は原則として必ず一般戦となる。
- スポーツ新聞や放送局などのタイトル戦
- ゴールデンウィーク・お盆・年末年始のレース
- ダブル優勝戦（東西や男女、AB級等）
- ヴィーナスシリーズ※オールレディース競走と異なり、選手登録16年まで出場可能。
- ルーキーシリーズ※登録6年未満
- 匠シリーズ※45歳以上
- ノンタイトルの一般戦
上記のうち、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始のレースは地元の選手を大勢集めてレースを行う。地元の選手には普段一般戦に斡旋される機会が少ないトップレーサーも含まれるため、一般戦の中では一番華やかでかつ売上の大きいレースとなる。平和島競艇場における東京ダービーなどが代表例。
ダブル優勝戦は各部門に分かれて予選から優勝戦までレースを行う、そのため1節で2人の優勝者が出る。
※各競走の開催予定については外部リンクの「BOAT RACE official web」を参照のこと。
2014年度からの格付け改正[3]
先述のSGに準ずる全国規模発売GIを「プレミアムGI」と位置付けるほか、女子及び新鋭レーサー対象競走の見直しの観点から以下のとおり格付けが変更される。
女子競走
- 賞金女王決定戦進出のステップとなるレディースチャレンジカップをGIIとして新設。
- 賞金女王決定戦と同日に行われる賞金女王シリーズ戦を一般競走からGIIIに格付けを昇格（これは2015年度より実施予定）
- オール女子戦の格付けは、一般競走からGIIIに昇格させる。
- 女子リーグ戦競走の格付けは、GIIIから一般競走に降格させる（名称変更予定）。
新鋭競走
- 新鋭王座決定戦を廃止する代わりに、ヤングダービー（プレミアムGI）を新設。
- このヤングダービーの出場権（各地区優勝者が出場権獲得）をかけた「イースタンヤング」と「ウェスタンヤング」をそれぞれGIIIとして施行する。
- 新鋭リーグ戦の格付けは、GIIIから一般競走に降格させる（名称変更予定）。
