ドミナント戦略
テンプレート:複数の問題 ドミナント戦略(ドミナントせんりゃく、strategic dominance)とは主にチェーン展開している店舗の出店施策の一つでビジネス用語。ドミナント出店、エリア・ドミナンス戦略とも言う。時に出店そのものを指すことがある。dominant の元来の意味は優位・支配。
日本であれば47都道府県や市町村全てを対象にした絨毯爆撃のような出店を行なわず、特定の地域を対象とした集中的な出店や特定路線沿いに次々と出店し同一商圏内の競業他社や競合他店に比べて市場シェア率の向上獲得や独占を意図した出店戦略や出店計画を言う。
商圏
一般に商業施設には業種ごとにある距離内に一店舗もなければ不便と感じられる範囲があり、また、一店舗当たり一日でさばける商品量には限界がある。さらに、客が店舗に行き着くまでに要する時間(アクセス時間)は交通網の整備いかんによって左右される。これらの要素を複合的にとらえることによって、商圏が定義される。時には事業協同組合等が仲介して、過度な競争が起きないように業種ごとに一定の距離が保たれることもある。
グループ企業やチェーン店展開を行なっているスーパーマーケットやコンビニエンス・ストア等では、出店する際に集客力を左右する商圏の見地から立地特性の人口・年収・年齢層・主たる家族構成・昼夜間人口・競業他社の有無・交通アクセス・周辺施設等を調査し出店の是非を決定する。
物流
チェーン展開している業種では、POS等の導入によりリアルタイムな売れ筋や客層の動向を把握することが出来ても、孤立店舗では商品輸送等の物流ルートや搬送時間の観点からスムーズに店先に商品を列べるのは困難であり、チェーン展開によるメリットが生まれない。
南関東1都3県を地盤とするイトーヨーカ堂、東海3県と静岡県を地盤とするユニー、関西2府4県を地盤とするイズミヤ 、滋賀県を地盤とする平和堂、和歌山県と奈良県を地盤とするオークワ、四国4県と広島県と山口県を地盤とするフジ、中四国9県と九州7県を地盤とするイズミ(ゆめタウン)等がある。
コンビニエンス・ストア
コンビニエンス・ストア(以下、CVS)の商圏は人口1万人当たり1軒と言われる一方で沿道サービス商業施設の一つでもある。CVSの主たる商品は日用品であり身の回り品であるが、売上の大半を占めるものは弁当等の食料品である。これら食料品で食中毒等が起きた場合、営業停止は元より企業イメージの失墜を意味するため、配送時間には最大限の配慮がなされている。加えて、小売業の中でも最新鋭のPOSシステムを導入することで遅滞のない物流が期待されている。これを経済的な見知から実現するためには特定地域のみならず特定路線沿線をいわゆる一筆書きで搬送できるか否かにかかっている。
また、フランチャイズ店では本部機構の職員が定期的に視察に訪れることがあり、効率良く各店舗を周回することが期待されている。孤立店舗では行き来に時間がかかり面談や相談などの時間が減るが前述のような一筆書きの行程が組めれば効率良く視察が行なえる。
そのため、物流面・経営指導面の点からCVSは当初からドミナント出店を重視している。反面、地域限定のCVS(北海道のセイコーマート等)や、最大手のセブン-イレブンのように今日においてもエリアによって全く出店していない地域(青森、鳥取、沖縄)があるなど、物流面を確保してから出店しなければならない面がある。
加えて競争の激しいCVS業界では、同一商圏内に存在する競業他社を買収・囲い込み等の手段で吸収したり(例:ファミリーマートによるam/pmの買収)、競業他社の大手フランチャイザーを鞍替えさせる(一気に他のCVSに切り替える。CVSベイエリア、南九州サンクスなど)などの動きもある。
ファミリー・レストラン
ファミリーレストランではグループ企業内の関連店舗を客層に合わせて同一商圏内に複数配置し、高い市場シェアを獲得する可能性が高くなる。
量販店
前記2業種に比べ、消費サイクルの長い商品を扱う量販店では一店舗当たりの商圏が広く、建設費等の設備投資や先行投資の費用がかかる。加えて同一量販店であっても商圏が異なれば客層も異なる。 テンプレート:節stub
関連項目
外部リンク
- チェーンストアにおけるドミナント出店戦略の経済分析(1997.9 ニッセイ基礎研究所 小本恵照)
- セブン-イレブン徹底解剖 出店の考え方 (セブン-イレブン・ジャパン)