トヨタ紡織
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トヨタ紡織株式会社(トヨタぼうしょく、テンプレート:Lang-en-short)は、自動車内装品と自動車用フィルターが主力の大手自動車部品メーカー。本社は愛知県刈谷市豊田町1-1に所在。1918年(大正7年)1月30日、豊田佐吉により創業された豊田紡織がルーツ。東京証券取引所第一部上場、証券コード3116。
目次
概要
- 創業者・豊田佐吉が自ら発明した自動織機を使って創めた製織・紡績業が淵源であり、そのため現在でも社名に『紡織』の名がついている。
- 現在の主力製品はシート骨格・メカ機能や内装用の繊維製品など自動車内装品である。また、羽毛・羊毛や毛糸などの繊維製品もこのほかに手掛けている。
- 第二次世界大戦中はトヨタ自動車工業に合併されたが、後に民生紡績として分離、その後に豊田紡織、トヨタ紡織と社名を変えた。
- トヨタアセットマネジメントが販売するトヨタグループ株式ファンドを構成する会社である。
- トヨタグループ内では「TB」の略称で表記される。
沿革
- 1911年(明治44年) - 豊田自働織布工場を新設。
- 1914年(大正 3年) - 豊田自働織布工場から豊田自働紡織工場へと改称。
- 1918年(大正 7年) - 豊田自働紡織工場を株式会社化し、豊田紡織株式会社を設立。
- 1921年(大正10年) - 中国上海に株式会社豊田紡織廠を設立。
- 1932年 (昭和 7年) - 刈谷工場に豊田佐吉像建立
- 1942年(昭和17年) - 豊田紡織・豊田押切紡織・中央紡織・内海紡織・協和紡織が合併して中央紡績となる(後にトヨタ自動車とも合併)。
- 1950年(昭和25年) - トヨタ自動車より分離(トヨタ自動車も工販分離)、民成紡績となる。
- 同時に繊維業種で名古屋証券取引所一部に上場。
- 1964年(昭和39年) - 名古屋市内にボウリング場を開業。
- ただし、3年後には紡績業に専念する経営方針を定めたため撤退。
- 1967年(昭和42年) - 豊田紡織へ社名変更。
- 1972年(昭和47年) - イグニッションコイルを皮切りに、自動車用シートファブリックなど自動車部品へ進出
- 2000年(平成12年) - 豊田化工株式会社と合併。
- 東証一部に上場
- 2004年(平成16年) - タカニチ(旧高島屋日発工業で高島屋、日本発条系)とアラコ(内装・シート部門)と統合し、トヨタ紡織に社名変更。
- 2007年(平成19年) - トヨタ紡織アメリカの100%出資となる、トヨタ・ボウショク・インディアナの設立を発表。
- 2008年(平成20年)
- 豊田市にトヨタ紡織グローバル研修センターを竣工。
- 刈谷工場敷地内に基礎研究所を設立。素材科学・バイオ科学・人間工学を研究分野とする。
- 2009年(平成21年) - 技能系職場の核となる人材の育成を目的として、トヨタ紡織学園を設立。
- 2011年(平成23年)4月 ‐ 上海国際モーターショーに初出展。
- 欧州でのデザインスタジオとして、トヨタ紡織ミラノデザインブランチを設立
- 2012年(平成24年)4月 ‐ 北京モーターショーに初出展[1]。
- 2013年(平成25年)2月 - ハイブリッドカー用モーターコアの製造に新規参入[2]。
- 2013年(平成25年)4月 - 北陸新幹線の最高級座席グランクラスのシートを受注[3]。
事業内容
- 内装システムサプライヤー事業と内装製品の製造および販売
- シート・ドアトリム・フロアカーペット・天井イルミネーション等
- 自動車用フィルターおよびパワートレイン機器部品の製造および販売
- オイルフィルター・キャビンエアフィルター等
- ハイブリッドシステム用モーターコア構成部品
- 二輪車用イグニションコイル等
- その他自動車関連部品の製造および販売
- フェンダーライナー
- 補給用バンパー等
- 繊維関連製品の製造および販売
- シートファブリック
- カーテンシールドエアバッグ
- 各種ユニフォーム等
国内生産拠点
- 本社/刈谷工場 - 愛知県刈谷市豊田町(旧豊田紡織)
- 大口工場 - 愛知県丹羽郡大口町(旧豊田紡織)
- いなべ工場 - 三重県いなべ市員弁町(旧豊田紡織)
- 木曽川工場 - 愛知県一宮市木曽川町(旧豊田化工)
- 堤工場 - 愛知県豊田市若林西町(旧豊田紡織)
- 岐阜工場 - 岐阜県岐阜市柳津町(旧豊田紡織)
- 猿投工場 - 愛知県豊田市亀首町(旧アラコ)
- 高岡工場 - 愛知県豊田市大島町(旧タカニチ)
- 土橋工場 - 愛知県豊田市清水町(旧タカニチ)
- 下山工場 - 愛知県豊田市下山田代町(旧タカニチ)・・・閉鎖
- 藤岡工場 - 愛知県豊田市西中山町(旧タカニチ)
- 豊橋北工場 - 愛知県豊橋市明海町(旧アラコ)
- 豊橋南工場 - 愛知県豊橋市明海町(旧タカニチ)
- 豊橋東工場 - 愛知県豊橋市明海町(旧豊田紡織)
- 田原工場 - 愛知県田原市浦町(新工場)
- 御殿場工場 - 静岡県御殿場市印野(旧タカニチ)
- 東京工場 - 東京都羽村市神明台(旧タカニチ)
- 富士裾野工場 - 静岡県裾野市須山(新工場)
関係会社
国内
- TBコーポレートサービス株式会社(豊田市)
- 株式会社TBテクノグリーン(豊田市)
- タカテック株式会社(豊田市)
- TB物流サービス株式会社(岐阜市)
- 株式会社ティービーハイテック(丹羽郡大口町)
- 株式会社テクニカルリンクスデザイン(日進市)
- トヨタ紡織九州株式会社(神埼市)
- アラコ九州相知株式会社(唐津市) ※トヨタ紡織九州の100%子会社
- ファミック株式会社(御殿場市)
- トヨタ紡織滋賀株式会社(滋賀県甲賀市)
- 株式会社KYOEI ARACO(豊田市)
- 株式会社TBエンジニアリング(名古屋市名東区)
- TBクリエイトスタッフ株式会社(豊田市)
- トヨタ紡織ユニフォーム株式会社(名古屋市)
- 株式会社コベルク(刈谷市)
- トヨタ車体精工株式会社(高浜市)
- トヨタ紡織東北株式会社(旧・株式会社関東シート製作所、岩手県北上市)
- 株式会社TBソーテック東北(岩手県奥州市) ※トヨタ紡織東北の100%子会社
- ナルコ株式会社(豊田市)
- ハイニード工業株式会社(不破郡関ケ原町)
海外
北中南米地域
中国地域
アジア・オセアニア地域
- トヨタ紡織 アジア(タイ、サムットプラカーン県):地域統括会社
- トヨタ紡織 オートモーティブ インディア(インド、バンガロール市)
- アバディ バリンド オートテック(インドネシア、ブガシ市)
- トヨタ紡織 UMW(マレーシア、シャーラム市)
- トヨタ紡織 フィリピン(フィリピン、ラグナ州)
- 新三興股份有限公司(台湾、新竹県)
- ARSTタイランド(タイ、チョンブリ県)
- SK オートインテリア(タイ、チョンブリー県)
- STB テキスタイルズ インダストリー(タイ、チョンブリー県)
- タイ シートベルト(タイ、チョンブリー県)
- トヨタ紡織 フィルトレーションシステムタイランド(タイ、ラヨーン県)
- トヨタ紡織 ゲートウェイタイランド(タイ、チャチューンサオ県)
- トヨタ紡織 ハイフォン(ベトナム、ハイフォン市)
- トヨタ紡織 ハノイ(ベトナム、ビンフック省)
- トヨタ紡織 オーストラリア(オーストラリア、ヴィクトリア州)
欧州・アフリカ地域
- トヨタ紡織 ヨーロッパ(ベルギー、ザベンタム市):地域統括会社
- トヨタ紡織 フランス(フランス、ノール県オナン市)
- トヨタ紡織 ソマン(フランス、ノール県ソマン市)
- TBAI ポーランド(ポーランド、ドルノ・シロンスク県)
- TBMECA ポーランド(ポーランド、レグニツァ市)
- トヨタ紡織 ロシア(ロシア、サンクトペテルブルク市)
- トリムリーダー(スロバキア、マルティン市)
- トヨタ紡織 トルコ(トルコ、サカリヤ県)
- トヨタ紡織 南アフリカ(南アフリカ共和国、クワズール・ナタール州)
提携関係
以下は関係会社の共同出資などを行っている会社である。
国内
海外
広告協賛
- ラジオ
- SPORT TIPS(ZIP-FM「MORNING CHARGE」内プログラム。月~木[4])
スポーツ活動
- 女子バスケットボール部、陸上競技部とボート部の存在が広く知られている。
- 女子バスケットボール部はトヨタ紡織サンシャインラビッツとしてW1リーグに参加している。
脚注
- ↑ 【北京ショー】トヨタ紡織が初出展、移動空間モデルなどを出品(TechOn)
- ↑ 新型「クラウン」のハイブリッドシステム、モーターコアはトヨタ紡織が供給 - MONOist・2013年2月1日
- ↑ 北陸新幹線の最高級座席にトヨタ車の技術 鉄道で初採用 - SankeiBiz・2013年4月16日
- ↑ かつては金曜日もスポンサーだった。
関連項目
- トヨタ自動車
- 豊田自動織機
- トヨタグループ
- 産業技術記念館 - 同社本社工場跡地(名古屋市西区)を活用したトヨタグループの企業博物館。
- 刈谷豊田総合病院
- カラフルタウン岐阜 - 同社工場跡地(岐阜市柳津町)に建設された大型ショッピングモール。
- 日本の陸上競技の実業団の一覧
- トヨタ紡織サンシャインラビッツ
- 名古屋グランパスエイト
- 加子母村 - 岐阜県の推進する「企業との協働による森林づくり」の協定の第1号として活動。