ノール県
ノール県 (Département du Nord) は、フランスのノール=パ・ド・カレー地域圏の県である。フランス最北部に位置することから、北(Nord)を意味するその名がつけられた。ノール県はフランドル・フランセーズ(Flandre française、フランス領フランドル)と呼ばれる、ダンケルクとリール(旧フランドル伯領)、カンブレジ(旧司教公領)、そして旧エノー伯領から構成されている。
歴史
ノール県は、フランス革命後の1789年12月22日の法令施行により、1790年3月4日、フランドル、エノー、カンブレジの各州、そして郡庁所在地ドゥエーを加えて誕生した。県は、アヴェーヌ、ベルグ、カンブレー、ドゥエー、アーズブルック、リール、ル・クスノワ、ヴァランシエンヌの8つの地区に分けられていた。1800年に再編され、アヴェーヌ、ベルグ、カンブレー、カスル、ドゥエーとリールの6つとなった。1803年、県庁所在地がドゥエーからリールへ移された。その後も再編が続いた。ベルグ地区はダンケルク地区と合併し、カスルは1857年にアーズブルックと合併した。
地理
ノール県はベルギーと国境を接している。その他に、パ=ド=カレー県、エーヌ県、わずか数kmほどだがソンム県と接する。最北部は北海に面しており、県内をいくつもの河川が流れている。最も有名なのはイゼール川である。ドゥール運河はリールを横断している。
標高176mのカスル山は、リールにほど近い平野の中にあることから、しばしばノール県最高地点とみなされている。この考えは、ベーヴ山が標高239mであることが判明するまで一般に広まっていた。実際にノール県で最も標高の高い地点は、アヴェーヌ近郊にあるアノルで、標高272mである。
統計
ノール県には653のコミューンがある。そのうち人口5万人以上のコミューンは、リール、ダンケルク、ルーベ、トゥールコワンである。600ほどのコミューンは人口1万人を下回る。
- Boulevard Faidherbe Cambrai.JPG
カンブレー
- Douai - Vue à partir du Beffroi (03).JPG
ドゥエー
- STEENVOORDE-2006 0114.JPG
ステーンヴォオルドの祭り
- Opera of Lille.JPG
リールのオペラ劇場
文化
言語
- ピカール語 - エノー、カンブレジ、アルトワ、フランドル(リールやドゥエー周辺)で話される、フランス語と同じ発祥である言語。
- フラマン語(西フラマン語) - リス川流域から北海沿岸、とくにバイユールからダンケルクにかけて話される。フランス内のフラマン語圏では、その特性からダンケルク語と呼ばれることが多い。話者の減少が懸念されている。