オデッサ
テンプレート:世界の市 オデッサ(テンプレート:Lang-uk オデーサ、テンプレート:Lang-ru)は、ウクライナ南部、黒海に面した港湾都市である。オデッサ州の州庁所在地で、2006年現在の人口は約99.3万人。
重要な貿易港を持ち、またこれまでの歴史上様々な国の支配を受けてきたため、非常に国際色豊かな都市となっている。ロシア帝国からソビエト連邦時代に発展を遂げたため、主に現地人の間で使用されている言語はロシア語であるが、公用語はウクライナ語のみとなっている。住民はウクライナ人、ロシア人、ユダヤ人、ギリシャ人、ルーマニア人、ブルガリア人、トルコ人と多種多彩であり、今でもウクライナ国内の中ではユダヤ人の割合が最も高い都市である。
名称
ウクライナの独立以降、公用語はウクライナ語のみとなっている。従ってこの町の名もウクライナ語名Одесаのみが公式な名称と認められる。この名前については、日本語ではオデーサ、あるいはアクセント位置を示す長音符を用いずにオデサと表記する。古くはアクセント位置に長音符ではなく促音を用いていた慣習もあり、従来の表記オデッサがウクライナ語名からかけ離れているわけではない。
ウクライナの独立まで長らく公用語として用いられてきたロシア語では、Одессаと書き「アヂェーサ」のように発音する。
このページでは、「オデッサ」で統一する。
歴史
エカチェリーナ2世の治世に、1792年の露土戦争 (1787年-1791年)の結果、ロシア帝国領となり、1794年から港の建設が始められた。彼女はトラキアに存在した古代ギリシアの植民地オデッサス(現ヴァルナ)にちなみこの街をオデッサと名付けた。街は貿易都市として順調に発展した。1823年から翌1824年にかけてこの街に滞在したロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンは手紙の中で西ヨーロッパ色の強い街の様子について言及している。1821年にはオスマン帝国からのギリシャ独立を目指す秘密組織フィリキ・エテリアがこの街で結成された。1853年に勃発したクリミア戦争においては、ワラキアとモルドバの両地域へ侵攻したロシア軍の拠点でもあったため、1854年よりオスマン帝国を支持して参戦したイギリスとフランスの攻略目標となった。
19世紀を通じてユダヤ人が増加し、大きなコミュニティを形成した。1887年には街の人口の約3分の1がユダヤ人であった。ウクライナ出身でロシア革命の中心人物であるレフ・トロツキーは、8歳よりこの街で学んでいる。富裕なユダヤ人の存在のお陰で、オデッサは商業を中心とした文化先進都市として発展していた。その一方、19世紀を通じて何度かのポグロムを経験している。
日露戦争さなかの1905年に、この街で戦艦ポチョムキン=タヴリーチェスキー公の反乱が起こった。この反乱は後にソ連の映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインによって映画「戦艦ポチョムキン」として作品化されている。1917年にロシア革命が起こると、オデッサはウクライナ人民共和国の中央ラーダ軍を含めたいくつものグループ、フランス軍、赤軍、白軍による占領が繰り返され、最終的に1920年赤軍が支配権を取り戻した。この期間に街は大きな損害を被り、多くの住民が難民となり国外へ脱出した。第二次世界大戦中は1941年8月から10月にかけて激しい攻防戦が行われ、ドイツ軍とルーマニア軍により占領された。その後、1944年4月に赤軍が街を奪還した。
1960年代から1970年代にかけて、造船を中心として製油、化学工業、金属精錬などの重工業が発展し街は飛躍的に発展した。1970年代以降にはソ連の政策もあり、多くのユダヤ人がイスラエルやアメリカ合衆国へと移住した。1991年にウクライナが独立すると、オデッサはウクライナ領となった。現在ではウクライナ海軍の基地や漁業拠点がおかれている。 テンプレート:Clearleft
文化
この街の出身でもあるイサーク・バーベリによる短編集『オデッサ物語』の舞台である。彼の他にも多くのユダヤ人芸術家がこの街で生まれ育ち、イディッシュ文化の中心地となった。また、現代ギリシャの代表的な映画作家であるテオ・アンゲロプロスの製作した映画「エレニの旅」(2004年)では、革命に伴うオデッサからのギリシャ人難民が主人公となっている。
オデッサ市沿海地区には、大横綱大鵬の銅像がある[1][2]。
気候
ゆかりの人物
- エミール・ギレリス(ピアニスト)
- ミハエル・コーガン(実業家)
- イダ・カミンスカ(女優・演出家)
- アハド・ハアム(シオニズム思想家)
- ユーリ・ニキフォロフ(サッカー選手)
- ワシリー・カンディンスキー(美術家)
- レフ・トロツキー(マルクス主義思想家)
- ゲオルギー・ジューコフ(軍人・政治家)
- ジョージ・ガモフ(理論物理学者)
- アレクサンドル・プーシキン(詩人・作家)
- ユーリー・マルトフ(社会運動家)
- ショーレム・アレイヘム(劇作家・小説家・ジャーナリスト)
- イオン・アントネスク(軍人・政治家)
- ヴラディーミル・ド・パハマン(ピアニスト)
- グリゴリー・ガリツィン(写真家)
- フリスト・ボテフ(詩人・革命家)
- ワシル・アプリロフ(教育家・文筆家)
- アンドレイ・ヴィシンスキー(法律家・外交官)
- ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリニスト)
- ミッシャ・エルマン(ヴァイオリニスト)
- カロル2世(ルーマニア国王)
- ウラジーミル・アーノルド(数学者)
- イズライル・ゲルファント(数学者)
- ベンノ・モイセイヴィチ(ピアニスト)
- シューラ・チェルカスキー(ピアニスト)
- マリヤ・グリンベルク(ピアニスト)
- ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリニスト)
- スヴャトスラフ・リヒテル(ピアニスト)
- ウラジーミル・トゥクマコフ(チェスプレーヤー)
- イーゴリ・ベラノフ(サッカー選手)
- アナスタシア・チェボタリョーワ(ヴァイオリニスト)
- マ・クベ(軍人・架空の人物)
姉妹都市
- テンプレート:Flagicon - ボルチモア(アメリカ)
- テンプレート:Flagicon - 横浜市(日本)
- テンプレート:Flagicon - レーゲンスブルク(ドイツ)
- テンプレート:Flagicon - ジェノヴァ(イタリア)
- テンプレート:Flagicon - キシナウ(モルドバ)
- テンプレート:Flagicon - ジッダ(サウジアラビア)
- テンプレート:Flagicon - スプリト(クロアチア共和国)