ロシア人

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ロシア人

  1. ロシア民族(ルースキエ;русскиеルースキイェ) - 東スラヴ族の一つの民族
  2. ロシア連邦国民(ロシヤーネ;россиянеラスィヤーニェ) - ロシア国民

日本語では両者を区別しない曖昧な表現となるが、ロシア語では明確に区別される。2は1以外にも多数の民族がおり、1と2は別の概念である。本項では1の民族について解説する。


テンプレート:Infobox 民族 ロシア人(-じん)、ロシア民族(ルースキエ;русскиеルースキイェ)は、東スラヴ人に属する民族である。ロシア語を母語として話す。ロシア連邦(80%以上)・ウクライナ(17.3%)・ベラルーシ(11.4%)などを中心として旧ソビエト連邦構成国に広く居住する。

人口

居住各国の統計から算出すると1億3,000万人を超えており、世界でも人口の多い民族の一つである。およそ1億1600万人がロシア連邦内に、1600万人がロシアの近隣諸国に住んでいる。その他、約460万人が世界各国に居住し、その多くはアメリカ合衆国と西ヨーロッパ諸国である。

文化

ファイル:Danceinalanya.jpg
民族衣装テンプレート:仮リンク(ロシアの帽子)をかぶって踊る民族舞踊。

東欧の森林地帯で独自の宗教・信仰と生活様式を持っていた東スラヴ人の文化に起源をもつ。 はじめ、ロシア人の先祖は、近隣のフィン・ウゴル人遊牧民、特にポントス・ステップ黒海沿岸のステップ)のテュルク系民族から文化的影響を強く受けていた。またスカンディナヴィアから来てキエフ・ルーシという国を建国に関わったとされるヴァイキングヴァリャーグ達も、ロシア人のテンプレート:仮リンクの形成に重要な役割を果たした。このキエフ・ルーシは988年にビザンツ帝国からキリスト教を受容したが、このことによりロシア文化はスラヴ文化とビザンツ帝国文化の融合した文化としてその後1000年発展を続けることとなった[1]

1453年コンスタンティノープルの陥落後、ロシアは世界最大の正教国家となり、ビザンツ帝国に次いで「第3のローマ」を自称した。一方でヨーロッパ文化の影響を強く受け、特にピョートル大帝の大改革の以後ロシア文化は西欧文化を背景として大きく発展した。20世紀は共産主義イデオロギーがソビエト連邦とその最大・主導的構成国であったロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の文化を形作った。

ロシアの文化は極めて多様である。また豊かな歴史をもち芸術の様々な面[2]で卓越性と長い伝統を誇っている。特に文学[3]哲学音楽[4][5]バレエ[6]建築絵画映画アニメ[7]といった分野で世界各国の文化に一定の影響を及ぼした。

ロシア文学における著名な作家としては、アレクサンドル・プーシキンレフ・トルストイフョードル・ドストエフスキーアントン・チェーホフイワン・ツルゲーネフウラジーミル・マヤコフスキーボリス・パステルナークアンナ・アフマートヴァヨシフ・ブロツキーマクシム・ゴーリキーウラジーミル・ナボコフミハイル・ショーロホフミハイル・ブルガーコフアンドレイ・プラトーノフアレクサンドル・ソルジェニーツィンヴァルラーム・シャラーモフなどが挙げられる。

クラシック音楽の分野においてもピョートル・チャイコフスキーや、同年代のロシア5人組、特にモデスト・ムソルグスキーニコライ・リムスキー=コルサコフなど世界的に有名な作曲家を輩出した。また20世紀になってからも、ドミートリイ・ショスタコーヴィチセルゲイ・プロコフィエフセルゲイ・ラフマニノフイーゴリ・ストラヴィンスキーゲオルギー・スヴィリードフアルフレット・シュニトケといった作曲家が活躍した。

言語

テンプレート:Main ロシア語русский язык)はユーラシア大陸でもっとも広い地域で話され、スラヴ語の中で話者数がもっとも多い言語である。ロシア語はインド・ヨーロッパ語族に属し、ベラルーシ語ウクライナ語と共に東スラヴ語群を形成する。

10世紀以降確認された古東スラヴ語の資料から、ロシア語には東スラヴ語の文法の特徴とスラヴ祖語の語彙の多くが残されているが、政治、科学、テクノロジー分野では他国の言語に由来する語も多い。冷戦期ソ連が超大国として位置付けられたことから、ロシアは20世紀の政治において多大な影響力をもった国家であり、ロシア語は国連の公用語ともなった。

ロシア語では、口蓋化した子音二次的調音を含む、いわゆる軟音硬音がある。ほぼ全ての子音で口蓋化音と非口蓋化音があり、ロシア語の大きな特徴となっている。また、母音弱化アクセントの無い母音の発音も英語など他言語と違う重要な特徴である。ロシア語では語のどの音節にもアクセントをおけるため、学習者にとってもっとも難しい点のひとつとなっている。

宗教

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ロシアでは正教イスラム教仏教ユダヤ教等、様々な宗教が信仰されているが、中でも正教がもっとも広く信仰されている。2007年にロシア国民に対して行われた世論調査によると、回答者の63%は正教の信者であると回答しており[8]、回答者の内ほぼすべての人がロシア正教会に属している。ロシア正教会はロシアのナショナル・アイデンティティ発達において重要な役割を担ってきた。ロシア国外では、ロシア正教会の信者はロシア正教会モスクワ総主教庁と直接関係を持つ教会(例:ウクライナではウクライナ正教会 (モスクワ総主教庁系))、又は歴史的に関係を持つ教会(アメリカ正教会在外ロシア正教会)に所属することが多い。正教の古儀式派(「ラスコーリニキ」は主流派正教会側が用いる蔑称であり中立的な立場の者は使用しない。17世紀の奉神礼改革を拒絶し主流派ロシア正教会に破門された諸教派)に所属するロシア人もいる。

信仰を持たないロシア人も、文化的な理由で正教会の信仰と自分を関連付けることがある。 ロシアに伝統的なキリスト教の教派としては、モロカン派ドゥホボル去勢派スコプツィ)、鞭身派フルィスティ)及びその他の教派からなる霊的キリスト教の諸派がある。ドゥホボルは17世紀ごろ現れ19世紀末に多くの信徒がカナダに移住した。モロカン派は、1550年頃現れ、王権神授説を否定し、イコンを拒絶、兵役も拒絶した。

その他にも、少数派の教派がある。バプテスト教会は8万5千人以上のロシア人信徒をもち、他にはペンテコステ派福音主義セブンスデー・アドベンチスト教会ルーテル教会エホバの証人などがある。

2000年代になってからは、スラブ・ネオペイガニズム(スラヴ人社会における復興異教主義)が一定の信者を獲得している。また古代スラヴ宗教の伝統と思想研究についてのウェブサイトも数多くある[9][10][11]

脚注

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参考文献

関連項目

外部リンク

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