駅伝競走
駅伝競走(えきでんきょうそう、テンプレート:Lang-en-short)は、数人が長距離(最低でもフルマラソン相当距離、長いものでは数百キロ)をリレー形式で走り、そのタイム(時間)を競う陸上競技である。一般的に「駅伝」と略されている。
国際陸上競技連盟では、駅伝の国際名称をRoad relayとしているが、日本発祥であることからそのまま"Ekiden"と呼んだり、説明的に"Marathon relay"と呼ばれることがある。ちなみに、外国語版のウィキペディアでは多くが"Ekiden"の記事名である。
概要
各走者は途中の「中継所」またはゴールまで走り、走り終える毎に前の走者から受け継いだたすきを次の走者に渡していくが、公道使用上の制限から遅れが大きいチームの場合、前の区間の走者が来ない内に予備のたすきを持って「繰り上げスタート」を余儀なくされる場合もある。
各走者が走る距離、総距離、区間数、性別等の組み合わせは大会によって様々であるが、国際陸上競技連盟(国際陸連)が定める国際レースの基準では男女別にフルマラソンと同じ42.195kmを6区間(5km、10km、5km、10km、5km、7.195km)で走る。
歴史
競技としての最初の駅伝は、東京奠都50周年記念として讀賣新聞社会部長・土岐善麿[1]の発案で同社が主催し1917年4月27日に行われた「東海道駅伝徒歩競走」とされる[2]。京都の三条大橋を午後2時に出発し、東京の上野不忍池(しのばずのいけ)までの23区間、約508kmを走り抜き、到着したのは翌々日の午前11時34分であった。三条大橋と不忍池のほとりにはそれぞれ「駅伝発祥の地」の碑が現存する。
「東海道駅伝徒歩競争」の開催にあたり、当時の大日本体育協会副会長および神宮皇學館館長・武田千代三郎が名づけた。当時江戸時代における東海道五十三次における伝馬制からヒントを得たと言われている。駅伝という言葉自体は、日本書紀にも記載されているほど古いものである。首都と地方の間の道路網に30里(約16km)毎に置かれた中継所のことを「駅」といい、ここに宿泊施設や人、馬を配置していた。駅に朝廷の使者が到着すると、次の駅まで乗り継ぎの馬を用意する仕組みが整っており、この制度を「駅制と伝馬制」あるいは「駅伝貢進」といった。
日本で開催・施行される駅伝競走大会
ここでは日本国内で行われ、なおかつ全国もしくは地域ブロックでテレビ・ラジオ中継されている大会を挙げる。カッコ内はその大会の総距離。
男女混合
国際駅伝
都道府県対抗駅伝
- 全国車いす駅伝競走大会 (5区間/21.3km:開催地 京都府京都市)
男子
国際駅伝
実業団駅伝
- 全国大会
- 全日本実業団対抗駅伝大会(ニューイヤー駅伝。7区間/100.0km:開催地 群馬県)
- 地方大会
- 東日本実業団対抗駅伝競走大会(7区間/77.7km:開催地 埼玉県)
- 中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会(7区間/83.6km:開催地 愛知県)
- 関西実業団対抗駅伝競走大会(7区間/80.45km:開催地 和歌山県)
- 中国実業団対抗駅伝競走大会(7区間/82.8km:開催地 広島県)
- 九州実業団対抗毎日駅伝大会(7区間/79.7km:開催地 福岡県)
大学駅伝
- 全国大会
- 全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝。8区間/106.8km:開催地 愛知県・三重県)
- 出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝。6区間/44.5km:開催地 島根県)
- 地方大会
- 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝。往路 5区間/108.0km・復路 5区間/109.9km・総合計 10区間/217.9km:開催地 東京都・神奈川県)
- 関西学生対校駅伝競走大会(丹後大学駅伝。:開催地 京都府)
- 九州学生駅伝対校選手権大会(7区間/56.3km 開催地 長崎県)
高校駅伝
- 全国高等学校駅伝競走大会(7区間/42.195km:開催地 京都府)
中学校駅伝
都道府県対抗駅伝
- 全国大会
- 全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(ひろしま男子駅伝。7区間/48.0km:開催地 広島県)
ジャンルなし
女子
国際駅伝
実業団駅伝
- 全国大会
- 全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(6区間/42.195km:開催地 宮城県)
- 地方大会
- 東日本実業団対抗女子駅伝(6区間/42.195km:開催地 埼玉県)
大学駅伝・女子の部
- 全国大会
- 全日本大学女子駅伝対校選手権大会(杜の都駅伝。6区間/38.6km:開催地 宮城県)
- 全日本大学女子選抜駅伝競走大会(富士山女子駅伝。7区間/43.4km:開催地 静岡県)
- 地方大会
- 九州学生駅伝対校選手権大会(5区間/22.87km 開催地 長崎県)
高校駅伝
- 全国高等学校駅伝競走大会(6区間/21.0975km:開催地 京都府)
中学校駅伝
- 全国中学校駅伝大会(5区間/12km:開催地 持ち回り)
都道府県対抗駅伝
- 全国大会
- 全国都道府県対抗女子駅伝競走大会(9区間/42.195km:開催地 京都府)
- 地方大会
ジャンルなし
- FUKUIスーパーレディス駅伝
- 富士登山駅伝
- 選抜女子駅伝北九州大会(一般5区間・高校6区間/32.8km:開催地 北九州市)
過去に日本で開催・施行されていた駅伝競走大会
ここでは過去に日本国内で行われ、なおかつ全国もしくは地域ブロックでテレビ・ラジオ中継されていた大会を挙げる。カッコ内はその大会の総距離。
男子
都道府県対抗駅伝
- 地方大会
ジャンルなし
女子
国際駅伝
日程表
(2013年度)
時期 | 駅伝大会 | マラソン大会 | |
---|---|---|---|
10月 | 第2月曜日 (体育の日) |
出雲全日本大学選抜駅伝競走 | |
最終日曜日 | 全日本大学女子駅伝対校選手権大会 | ||
11月 | 第1日曜日 | 全日本大学駅伝対校選手権大会 | |
11月3日 (文化の日) |
東日本実業団(男女別大会) | ||
第2日曜日 |
東日本女子駅伝 |
||
第3日曜日 | |||
11月23日 (勤労感謝の日) |
国際千葉駅伝 | ||
第4日曜日 | 関西学生対校駅伝競走大会 | ||
12月 | 第1土曜日 | 九州学生駅伝対校選手権大会 (男女別大会) |
|
第1日曜日 | |||
第2日曜日 | 全日本実業団対抗女子駅伝大会 | ||
第3日曜日 | |||
第4日曜日 | 全国高等学校駅伝競走大会 (午前:女子、午後:男子) |
||
12月23日 (天皇誕生日) |
全日本大学女子選抜駅伝競走大会 | ||
1月 | 1月1日 (元日) |
全日本実業団対抗駅伝大会 | |
1月2日 | 東京箱根間往復大学駅伝競走/往路 | ||
1月3日 | 東京箱根間往復大学駅伝競走/復路 | ||
第2日曜日 | 全国都道府県対抗女子駅伝競走大会 | ||
第3日曜日 | 全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 | ||
第4日曜日 | |||
2月 | 第1日曜日 | ||
第3日曜日 | |||
第4日曜日 | |||
3月 | 第1日曜日 | ||
第2日曜日 |
記録
42.195kmを6区間で走る国際陸上競技連盟公認ルールでの記録は下記の通り。
男子世界記録
ケニア代表 1時間57分06秒 (2005年11月23日 国際千葉駅伝)
男子日本記録
日本代表 1時間58分58秒 (2005年11月23日 国際千葉駅伝。メンバーは佐藤敦之、細川道隆、松宮隆行、佐藤悠基、瀬戸智弘、家谷和男、大坪隆誠)
- この記録は同時にアジア記録でもある。
女子世界記録
中国代表 2時間11分41秒 (1998年2月28日 北京国際女子駅伝)
女子日本記録
日本代表 2時間16分13秒 (1998年2月28日 北京国際女子駅伝。メンバーは渋井陽子、藤川亜希、里村桂、大南敬美、下司則子、大南博美)
男女混合世界記録
ケニアチーム 2時間4分40秒(2011年11月23日 国際千葉駅伝)
男女混合日本記録
日本代表 2時間4分59秒 (同大会。メンバーは上野裕一郎・西原加純・竹澤健介・小林祐梨子・鎧坂哲哉・新谷仁美)