ベガ (ストリートファイター)
テンプレート:対戦型格闘ゲームキャラクター ベガ (テンプレート:Lang-en) はカプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズなどに登場する架空の人物。欧米ではM. Bisonと呼ばれる(名前の節を参照)。
目次
概要
『ストリートファイターII』(以下『ストII』と表記)および『ストリートファイターZERO』(以下『ZERO』と表記)シリーズの悪役で、豪鬼と共に『ストリートファイター』シリーズを代表する重要なボスキャラクター。それらのシリーズに登場する悪の組織「シャドルー」の総帥である。
『ストII』にてCPU専用キャラクターとして初登場。シャドルー四天王最後の1人にして、同作の最終ボスである。当初は存在が伏せられており、四天王の3人目であるサガットを倒した直後に初めて姿を見せる。これはサガットが最終ボスだと思わせておいて、実は最後にベガがいたという演出を意図したもの[1]。プレイヤーキャラクターとして使用できるのはバージョンアップ版の『ストリートファイターII'』(以下『ダッシュ』)からになる。『ストII』シリーズ以外の作品でも最終ボスとして登場することがある。
多くのクロスオーバー系の作品に登場している。
キャラクター設定
肩にアーマーのついた真っ赤な軍服と帽子に身を包み(黒いマントを着用することもある)、サイコパワーと呼ばれる悪のオーラを操る謎の男。帽子についた徽章はシャドルーの紋章である(アーケード版『ストII』などの当初は単純な星型のみの徽章だったが、『スーパーストリートファイターII』(以下『スパII』)からは翼の付いた髑髏に変更された[2])。
一組織の総帥でありながら、サイコパワーと独自の体術を組み合わせた格闘術は非常に強力で、「格闘王」と呼ばれるまでに至っている。
アニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』(以下『ストII MOVIE』)におけるベガはより大柄で筋肉質な体格に変わっている。さらに両手でサイコパワーの衝撃波を放つ技や、相手の頭を片手で掴み上げてサイコパワーの光柱に包み、その直後にサイコパワーを纏った片手での掌底打を放ち吹き飛ばす技を放っていたり、相手の頭部を脇締めしながら拳で殴った後に投げる技を使用している。
3DO版『スーパーストリートファイターIIX』(以下『スパIIX』)の公式イラストでも『ストII MOVIE』と同様の体格に描かれている。ゲーム上では『ストII』以前の時代を描いた『ZERO』シリーズにおいて『ストII MOVIE』などと同様の体格になっており、『ZERO』の開発スタッフによると「この時期のベガはサイコパワー全盛期であり、シャドルーの組織拡張に積極的な時期だった」とされる[3]。その後、『ストリートファイターZERO3』(以下『ZERO3』)や『MARVEL VS. CAPCOM2』(以下『MVC2』)などを経て、『CAPCOM VS. SNK』(以下『CvS』)からは『ストII』時代の体型に戻っている。
『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』)シリーズには登場しないが、シャドルーとともに健在とされている[4]。同シリーズ『3rd』における春麗のCPU戦では、ユリアンに春麗が「かの組織」[5]を崩壊に追い込んだと語られている。
『ストII』と『ストIII』の中間の時代を描いた作品『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』)の『オリジナルアニメーション feat.Cヴァイパー』では、シャドルー崩壊の経緯はリュウ、ケン、春麗、ガイル、キャミィの5人に一斉に襲い掛かられ、追い詰められたベガが基地もろとも自爆したことによるとされているが、ベガ自身は後に復活を果たしている。
開発時の名称は「鷲崎」[6]または「イーグルヘッド」[7]。
サイコパワー
サイコパワーとは、端的に言えば超能力のことで、ベガのそれは悪意と憎しみを攻撃力に変換したもの。青白い炎のような「オーラ」で表現されることが多い。対戦時に拳や身体に纏って技の威力を上げるほか、サイコパワーを相手に注入(主に頭部に)することで対象者を洗脳し、ベガの忠実な部下にすることもできる。『NAMCO x CAPCOM』(以下『ナムカプ』)では、ロボットや恐竜までもサイコパワーで自身の手駒にするシーンがある。
ソウルパワーを操るローズとは直接の因縁はないとされている[8]が、『ZERO3』ではローズのかつての師匠と設定され、さらに両者は「魂を同じくする者」となっている。ローズのエンディングではベガは彼女の体を貫き、仮にベガが完全に消滅したとしても、彼女が次のベガになるということを予感させつつベガの体は滅びる。
SNKのキャラクター・麻宮アテナも同名の力を使用し、クロスオーバー作品でもそれについて触れる場面がある。
代替ボディ
『ZERO3』では殺意の波動という"気"に興味を持ち、それが使えるリュウの肉体に乗り換えようと彼を付け狙っている。また、キャミィもサイコパワー研究の副産物として作られたベガの代替ボディだとされる。
『ストIV』でのベガはシャドルーの崩壊とともに死亡したとされていたが、新たな代替ボディ(詳細は不明)を得たことで復活している。同作ではシャドルーが彼の代替ボディとして人造人間を多数製造しており、最終ボスのセスはベガの代替ボディとなる予定だったが反旗を翻したという設定である。そのため同作におけるベガの目的は反乱を起こした部下の鎮圧になっている。
『ナムカプ』においても、強靭な肉体を持ち代替ボディとして相応しいとして、リュウを付け狙っていた。
名前
シャドルー四天王のうち、初代『ストリートファイター』の最終ボスであったサガット以外の3人は欧米版で名前が交換されている。
本項で解説するベガは欧米ではM. Bison、そして同様にマイク・バイソンはBalrog、バルログはVegaとなっている。これらの変更を表にすると以下の通り。
立ち位置 | 日本名 | 欧米名 |
---|---|---|
シャドルーの首領 | ベガ(Vega) | M.Bison(マスター・バイソン) |
黒人のボクサー | マイク・バイソン(M. Bison) | Balrog(バルログ) |
スペイン人の闘士 | バルログ(Balrog) | Vega(ベガ) |
この変更の理由は、
- 「実在のボクサーであるマイク・タイソンの肖像権の問題」
- 「欧米ではVegaという名称は非常に女性的な印象が強いこと(ベガ=琴座の一等星、日本でも織姫星として知られる)」
- 「サガットは既に初代『ストリートファイター』で登場済みであったため名前が変更できなかったこと」
などが関係しての判断とされている[9]。
このM. Bisonの「M」が何の略かについてカプコンの公式発表はないが、『Street Fighter Alpha3(ZERO3の欧米版)』やアニメ映画などいくつかの作品では「Master Bison(マスター・バイソン)」とされていた。また、『ストIV』では「The Mighty Bison(ザ・マイティ・バイソン)」と呼ばれている。この他、「Major Bison(メイジャー・バイソン、バイソン少佐)」の略とされている場合もある。
なお、1994年のハリウッド実写映画版『ストリートファイター』、およびそれとのタイアップで作られたゲーム『ストリートファイター ザ・ムービー』『ストリートファイター リアルバトル オン フィルム』では欧米版の設定に準拠し、日本版でもバイソン将軍 (General M. Bison) の名で呼ばれる。ただし、2009年の実写映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』の日本公開版では、日本でのゲーム版と同じベガの名で呼ばれている。
ベガ親衛隊
ベガは世界中から、寿命を代償に肉体を強化し格闘術を教育してマインドコントロールを施した親衛隊を作り上げて、世界征服のために活動させている。全員が10代〜20代の若い女性で構成され、キャミィ、ユーニ、ユーリなどが所属。英語版では「Dolls」(ドールズ、「人形たち」の意)と表記。
『ZERO3』のゲーム中では、ユーニとユーリの登場時の演出で彼女たちを含め12人の親衛隊が登場するが、この演出に登場する隊員たちにもおおまかな役割などの公式設定が存在している。キャミィ以外のベガ親衛隊は各国語の暦の月名にちなんで名付けられている。ユーリは本名ではなくコードネームだが、アプリーレのようにそのまま本名で呼ばれるケースもある。
シャドルー#ベガ親衛隊の項も参照。
ベガ親衛隊コードネーム
- エネーロ(スペイン語の1月)
- フェヴリエ(フランス語の2月)
- メルツ(ドイツ語の3月)
- アプリーレ(イタリア語の4月)
- サツキ(旧暦の5月)
- ユーニ(ドイツ語の6月)
- ユーリ(ドイツ語の7月)
- サンタム(ベトナム語の8月「ターン・タン」の英語読み)
- ジウユー(中国語の9月)
- ヤンユー(中国語の10月)
- ノウェンベル(ラテン語の11月)
- ディカープリ(ロシア語の12月)
補足
スロット『春麗にまかせチャイナ』(エンターライズ製) にも、「Dolls」の名で登場する。個々人に特徴的な服装はなく、全員が『ZERO』版のキャミィやベガ親衛隊のようなレオタードを着用した姿をしており、顔の部分にはインカムと暗視ゴーグルの付いたヘルメットを装着している。
クロスオーバー作品
キャラクターごとにライバル関係が設定されているSNK(現・SNKプレイモア)とのクロスオーバー作品では、ベガの場合はギース・ハワードがその相手となっていて専用の演出がなされている。テリー・ボガードからは「ヤツ(ギース)の同類」、キム・カッファンからは「更生不可能のようで、粛清しかない」、藤堂竜白からは「世界征服はもってのほか」と憤慨されている[10]。逆にチャン・コーハンとチョイ・ボンゲは同じ悪党でありながら捕まっていないことに不満を爆発させており、シャドルーに入ろうと考えている。ベガ自身は八神庵の力を利用するため、部下にしようと企んでいた。また、草薙京の力はリュウと同等か、それ以上であると知って興味を示している。逆にルガール・バーンシュタインからはサイコパワーを自分のものにしようと狙われている。
『X-MEN VS. STREET FIGHTER』からの『VS.シリーズ』ではマグニートーがライバル関係に据えられており、エンディングではお互いを倒し合っている(プレイヤーキャラクターがベガならマグニートーを、マグニートーならベガを倒す)。ボスキャラクターのアポカリプス戦直前のステージにおいて、チームを組んで出現することが多い。
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』(以下『MSHVSF』)と『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』(以下『MVC』)ではメカザンギエフ、シャドウ、シャドウレディなどストリートファイターを改造した改造人間を送り込むといった行為をしている。マーヴルvs.シリーズでは『MVC』と『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』を除く全ての作品に使用キャラクターとして登場している[11]。
人物像
かつては一介の青年で、上昇志向が強すぎる性格に自身も悩んでおり、その解消のために始めたのが格闘技だった。ある日、ベガはサイコパワーを操る人物に弟子入りすることになる(この人物にはベガの他に少なくとも2人の弟子がいた)。卓越したセンスでサイコパワーを身に着け、実力で師を越えるようになったが、師からは常に見下された態度をとられていた。そのことに我慢の限界を感じた彼は師を殺害して暴走を開始することになる。
側近であるマイク・バイソン、バルログ、サガットの3人は『ストII』シリーズでは部下という扱いをされることが多く、『ストII MOVIE』でも3人はベガの命令で動いている。後にサガットは『ZERO』シリーズでリュウとの再戦を望む純粋な格闘家として描かれるようになり、『ストIV』シリーズではベガの計画に加わらないなどシャドルーに所属していることが希薄になっている[12]。『ZERO3』以降のシリーズではバイソンとバルログも部下ではなく互いを利用し合っているような微妙な関係になっている。なお『X-MEN VS. STREET FIGHTER』のマグニートーのエンディングでは、ベガが倒されると3人揃ってマグニートーの配下に鞍替えされている。
『ストII』で春麗の父とナッシュを殺害していることが明らかになっているが、『スパII』ではさらに、サンダー・ホークの故郷を奪い彼の父親も殺害したり、キャミィをスパイとして英国情報部に送り込むなどの旧悪が露呈した。
『ストII』シリーズのガイル、キャミィ、サンダー・ホークのエンディングで掛け合いがあるが、その際には敗者としての潔い一面も見られた。また、リュウのエンディングにおいては、律儀に表彰式に出席し2位の表彰台に立つ姿も見られた。初期『ストII』シリーズの勝利時の台詞では「お前も俺を倒せないのか。俺より強い奴はもういないのか」と最強ゆえの悩みを漏らすことがしばしばあった。最強である自分の強さに辟易している様子も見せ、豪鬼に乱入された場合のガイルのエンディングにおいて「オレもヤキが回ったな…」と漏らしている。
自身に憎悪を向けてくる相手の感情をサイコパワーとして取り込んで力の増幅を図っており、そのために屈強な格闘家たちに戦いを挑んでいる。一方、『ZERO2』のベガのエンディングではリュウの体にサイコパワーを注入して痛めつけている。
『ストII』シリーズや『ZERO3』ではタイを本拠地にしており、大型VTOL機で世界中を移動している。『ZERO』ではアメリカをホームステージとしているが、開発スタッフからは「まだシャドルーの秘密基地を完成させる前で世界征服のための人材探しを行っている最中で、タイ以外ならどこに登場してもよかった」と説明されている[13]。
一人称は「私」「俺」「ベガ様」「我」など[14]。長い割れ顎で、髪型はオールバック。『CvS』シリーズなどでは挑発の際に帽子を脱ぎ、それを見ることができる。瞳が白目だけであるが、これは目線で自分の動きを悟られるのを防ぐため、サイコパワーで黒目を隠していると説明されている[15]。ただし『ストII』から『ストリートファイターII'ターボ』(以下『ターボ』)までの初期作品では黒目が描かれていた。顎について『ナムカプ』でさくらから「アゴ…割れ過ぎじゃない?」と突っ込まれている。また、面長でもあり『CvS』シリーズで不知火舞から「顔も鼻の下も長い変態オヤジ」と罵倒されている。
『スパIIX』と『ストリートファイターEX』(以下『EX』)では、特定条件下で最終ステージにおいて豪鬼に乱入され「瞬獄殺」により瞬時に叩きのめされる演出がある等、珍しくかませ犬と成ってしまった。また、『EX』での人物相関図では豪鬼を嫌っているという記述がある[16]。中平正彦の漫画『ストリートファイターZERO』では、豪鬼が自分の邪魔をしないと分かった途端に東京への侵攻を開始し、ローズから「現金なものね」と皮肉られている。
『ZERO』シリーズ以降、対戦中のボイスに日本語が多く用いられている。
ゲーム上の特徴
シリーズに共通する特徴として、高い機動力と平均以上の体力を兼ね備え、タメコマンドによる奇襲技を多数所持する。また、強力な対空技を持たない。
初代『ストII』の最終ボスとして登場。攻撃力が高く、奇襲的な性質の技を多く持ち、非常に軽やかな動きでダメージを与えてくる。ベガをパーフェクトで倒すと手に入るパーフェクトボーナスが80,000点に跳ね上がる(バイソン、バルログ、サガットの3人は50,000点で、それ以外のCPUキャラクターは30,000点)。
プレイヤーキャラクターとして使えるようになった『ダッシュ』では基本性能が非常に高く、さらに「サイコ投げ」や「ダブルニーハメ」(ともに後述)と呼ばれるハメ技も使え、最強キャラクターとして君臨した。『ターボ』以降はダブルニープレス後の隙が大きくなるなど弱体化が施されたが、『スパIIX』では高性能なスーパーコンボ「ニープレスナイトメア」の追加や、キャンセル可能な通常技も増加したことで漸く性能的に報われることになった。
『ZERO』では、オープニングで悪の帝王的な演出をもって登場する。『ZERO』シリーズからはベガの声は西村知道が担当し、この体格のベガが登場する作品全てで声を当てている(『マーヴルVS.シリーズ』や『ナムカプ』など)。同作では体格が変わったのに合わせ、技の構成にやや変更が加えられた。『ストII』からの主な変更点は以下の通り。
- 「サイコクラッシャーアタック」が「サイコクラッシャー」に改称され、スーパーコンボに格上げされた。
- 上記により←タメ→のコマンドに飛び道具技の「サイコショット」が追加。
- 「デビルリバース」が廃止され、「サマーソルトスカルダイバー」が単体でも出せる。
- 溜め不要でコマンド入力できる移動技「ベガワープ」が追加。
- ジャンプやヘッドプレスの速度が速くなった。
本作では隠しキャラクターということもあり、各技の性能が高く設定されている。一方で基本技は弱攻撃に連打キャンセルがかからないなど、『ストII』時代のような連係はできなくなった。
続編の『ZERO2』からは性能が削ぎ落とされ、弱体化がみられるようになる[17]。『ストリートファイターZERO2 ALPHA』(以下『ZERO2 ALPHA』)でも微調整が施され、さらに弱体化している[18]。ただし空中投げ「サイコフォール」の追加によって攻撃手段が若干増えたり、パンチのZEROカウンターがガード不能になったことで防御面は強化された。また、『ZERO』に存在したシステム「ZEROコンボ」が一部キャラクターを除いて使えなくなったが、『ZERO』で唯一ZEROコンボが使えなかったベガはデメリットを被らなかった。
この頃から主人公リュウの対極を担うキャラクターが、サガットやベガから豪鬼に傾いていった。もっとも、ベガがリュウに目を付け始めたのもこの頃であり、ベガの最終対戦相手が『ZERO』ではローズだったが、『ZERO2』および『ZERO3』ではリュウになっている。『ZERO2』のオープニングは、冒頭で豪鬼が登場する演出で始まり、登場キャラクターのカットが順を追って入り、リュウとケンの波動拳で締めくくる構成になっているが、その中でベガの露出時間が少ない。ただしキャラクター別にボスが登場する今作では、全18人中6キャラクター分の最終ボスを担っている。
『ZERO3』においては、これまで具体的に描かれることの少なかった世界征服に本格的に乗り出すべく悪役ぶりを発揮している。ユーリとユーニを初めとするベガ親衛隊の登場や『ストII』時代からの配下のバイソンとバルログの復活により、キャラクターの設定も『ストII』時代をより意識したものになっている。本作ではほとんどのキャラクターの最終ボスとして登場するが、その際CPUベガは高い能力を持つ「ファイナルベガ」として登場した(後述)。『ZERO』同様、しゃがみ中攻撃をキャンセルして「ダブルニープレス」を出すと連続技として成立する。
『EX』シリーズでは、『ZERO』シリーズと同様の体格だがマントは付けていない。使用する技も『ストII』に準じており、未登場の『EX2』を除いて最終ボスとして登場する。他のシリーズよりもキャンセルできる通常技が多く、必殺技やスーパーコンボも扱いやすいものが多い。
『ストIV』ではボスではなく一般キャラクターとして登場している。しかし、同作の最終ボス・セスが率いるS.I.N社の背後に潜む黒幕であったり、その他多数のキャラクターにとって因縁深き存在であるなど物語上では強い存在感を放っている。
前述の通り、『CvS』シリーズと『CAPCOM FIGHTING Jam』(以下『CFJ』)と『ストIV』では『ストII』時代の体型になり、それと同時に声優も若本規夫へ変更された。使用する技の構成も『ストII』に準じている。主力技の「ダブルニープレス」は『ストII』時代に比べると溜め時間の短縮、移動飛距離の大幅増加がみられる。他には溜め不要の技「サイコパニッシュ」が使えるようになった。『ZERO』時代に追加されたベガワープも使用可能。
技の解説
特殊技
- ヘルアタック
- 斜めジャンプ中P(ヘルナックル)からの追加入力技。「ヘルナックル」とは逆の手で、素早くパンチを繰り出す。
- 特定の通常技をキャンセルして出すタイプの特殊技で「ヘルナックル」から連続ヒットする。また、空中ヒット時相手は吹っ飛び状態になるため一部の技で追撃可能。
- サイキッククラッシュ
- 『EX』シリーズのみの技。空中で回転して蹴りを放つ。『EX』から『EX2 PLUS』まではガードブレイクとして、『EX3』ではハードアタックとして使用する。宙に浮きながら攻撃するため、相手の下段技を避けつつ攻撃可能。
投げ技
- デッドリースルー
- 相手を掴んで背負い投げのように前方へ投げ飛ばす。『ストII』シリーズでは総じて有効間合いが広い。『ZERO』シリーズでは、受け身を取られてもベガ側が先に動くことができる。
- サイコフォール
- 『ZERO2』にて追加された空中投げ。相手を捕え、サイコパワーを流し込んで地上へ投げ飛ばす。相手はサイコパワーの衝撃に包まれてダウンする。
- デススルー(デスタワー)
- 『EX』シリーズで登場した投げ技。相手を掴み、蹴り上げて後方に飛ばす。追い討ちが可能。
- 『CvS』シリーズと『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』(以下『SvC』)、『CFJ』、『ストIV』にも同様の技が存在するが、これらの作品では技名が「デスタワー」で、追い討ちは不可能だが威力は上昇している。
必殺技
- サイコクラッシャーアタック
- ベガのサイコパワーを象徴するような技。突き出した掌からサイコパワーを放出しつつ、錐揉み回転しながら勢いよく前方に突っ込む。発動中は悪のオーラが全身を包み、体を覆うように攻撃判定が発生する。エドモンド本田の「スーパー頭突き」を参考にした技とされる。
- ヒット時は一撃で相手を吹き飛ばし燃焼ダウンさせるが、ガードされた際は相手の体力を複数回削ることが可能。
- 基本的に隙が少なく、突進中の全身に攻撃判定があることを生かした使用方法があり、一部の作品ではガードさせてから相手の近くに着地し、すかさず投げを仕掛けるハメ技「サイコ投げ」、途中からガード方向が逆になる「サイコテイル」[19]などのテクニックも存在する。
- 一部の作品では、スーパーコンボ扱いの「サイコクラッシャー」[20]、「サイコクラッシャーアタック」のパワーアップ版「メガ・サイコクラッシャー」[21]、「サイコ投げ」をモチーフにした「ハートブレイクディスピアー」など、本技に関連する技も多く存在する。
- CPU専用キャラクターとして登場した初代『ストII』では、繰り出す前に身構えサイコパワーを掌中に溜めるモーションがある(『ダッシュ』以降もこの動作はあるが、表示される時間が極度に短い)。この際ベガの動きは完全に停止しており、無防備な状態である。さらに突進するベガ本体の先端に食らい判定が存在し、通常技でも迎撃が可能(初代のみ、カウンターダメージとして2倍のダメージになる)。弱と強とで移動スピードに大きく差がある。
- 『ストIV』のEX必殺技(EX必殺技は「ベガワープ」以外の全部の必殺技に対応)版は、技の出がかりに無敵時間が付く。
- 『ダッシュ』の開発当初、ガード時の削り回数が6回となり、ヒット時よりガード時の方がダメージが多いという事象が発生し調整が行われた。
- ダブルニープレス
- 前方に低い軌道で飛び込み、空中で前転するようにして両脚を振り下ろす。アドンの「ジャガーキック」を参考にした技とされる。
- シリーズを通して突進速度が速く、「サイコクラッシャーアタック」と並んでベガを代表する必殺技。作品によっては、「ダブルニープレス」からしゃがみ中パンチ→立ち中キック→再び「ダブルニープレス」(以下繰り返し)という「ダブルニーハメ」で「詰み」のような状態に持ち込むことができる[22]『ダッシュ』『ハイパー(『ダッシュ』性能)』では「ダブルニープレス」がヒットした直後に通常技に繋げることもできるため、「気絶→気絶→KO」という連続技も可能であった。
- 初代『ストII』のベガは絶え間なしに連発してくるが、ガードされた際に体力を削る能力がなかった。
- 『ダッシュ』以降は削り能力がつき、『スパII』からは2段目の蹴りがヒットすると相手をダウンさせるように変更された。
- 『ZERO』では溜め時間が大幅に短縮され、他の溜め技と同じになった。隠しキャラクターということもあり、移動距離が大きく調整されている。近距離でしゃがんでいる相手に対して強で出すと、相手を飛び越えてしまうことがある。『ZERO2』からは移動距離、動作速度が低下した。
- 『ストIV』のEX必殺技版は、飛び道具を抜けつつ攻撃することが可能になっている。
- ヘッドプレス
- 素早いジャンプで相手の頭上めがけて飛来し、両足で踏みつける。踏んだ後は上空へ大きく飛び上がり、後述の「サマーソルトスカルダイバー」へ派生させることが可能。
- レバー入力により軌道調整が可能で、めくり攻撃になることもある。攻撃判定は比較的強めである。
- 初代『ストII』から『ターボ』まではガードされた際の削り能力が無いが、『スパII』からは相手の体力を削れるようになった。
- 『ZERO』や『ZERO2』では相手が飛び道具を出すと同時にカウンター狙いで出すと、相手を飛び越してしまうため、ヒットさせるには若干タイミングを遅らせる必要がある。『ZERO3』ではこの点については是正され、飛び越えることは少なくなった。
- サマーソルトスカルダイバー
- 『ストII』シリーズでは「ヘッドプレス」からの派生技として使用。踏みつけた直後に身を翻し、前方に両手でチョップを繰り出す。
- これも『ストII』から『ターボ』までは削り能力がなく、『スパII』以降削り可能になった。
- 『ZERO』シリーズではサイコパワーを纏った掌底による攻撃になり、「ヘッドプレス」からの派生のほかに、単体の技として直接飛び上がって繰り出すことも可能。前者と後者とで動きが異なる。
- デビルリバース
- 『スパII』で追加された技。相手の頭上へ飛び上がり、一度空中で身を翻してから下方向にサイコパワーを纏った手刀を繰り出す。
- 攻撃判定は強く、相手の技を潰しやすい。技の動作が途中まで「ヘッドプレス」と似ており、やや変則的な軌道を描きつつ攻撃するため、併用すると見切られにくい。初出の『スパII』のみ弱・中・強で軌道が一定であった(高度は弱が低く、強が高い)が、『スパIIX』以降は最初のコマンド入力でジャンプした後、追加入力で攻撃が出るように変更された。また空中での軌道を調整可能。『ZERO』シリーズでは使用しない。
- ベガワープ
- 『ZERO』シリーズからの技。腕を組んで笑った直後に姿を消し、別の場所に瞬間移動する。
- ボタンによって姿を現す場所が異なる。姿を現した直後に隙が生じる。
- サイコショット
- 『ZERO』シリーズや『マーヴルVS.シリーズ』の技で、サイコパワーを球状にして飛ばす飛び道具。『ZERO』では画面内に弾が残っていても2発目が発射できる。技後の硬直時間は長いが、弾の飛行位置がやや高い分、飛び越えづらいのも特徴。
- 『マーヴルVS.シリーズ』では溜めコマンドではなく、曲線を描いて変則的な軌道で飛んでいく。
- サイコフィールド
- サイコパワーのバリアーを張る技。『マーヴルVS.シリーズ』や『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』(この作品では隠し技)などで使用。予備動作が大きいが、攻撃判定が発生すればベガに対する反撃が困難なほど高い性能を誇る。シリーズが進むごとにヴァリアブルアシストなどの援護攻撃で動作の大きさをフォローできるようになったため、使い勝手が向上した。
- 飛行
- 『マーヴルVS.シリーズ』で採用された技。コマンドが成立すると、一定時間レバー操作により画面中を自由に動き回ることが可能。飛行中にも「サイコショット」「サイコフィールド」「ニープレスナイトメア」以外の技を発動できるが、ガードはできない。
- サイコバニッシュ
- 『CvS』で追加された技。サイコパワーを纏った腕を振り下ろす。『PRO』以降、飛び道具を消す効果が追加された。技のリーチが短いが、多段ヒットする上に動作も早いため、『CvS2』ではAグルーブのオリジナルコンボ発動中に連発すると、大ダメージを与えることができる。
- サイコインパクト
- 『CvS』で追加された技。踏み込みつつ顎狙いの掌底からストレートを打ち抜く。「ダブルニープレス」より威力が低く、ガードされたときの隙も大きい。『CvS2』では必殺技としては削除されたが、ガードキャンセルの動作がこの技になっている。技のモーションは「デッドリースルー」の流用。
- サマーソルトスカイダイバー
- 『ストリートファイター ザ・ムービー』に登場した技。空中でパンチを繰り出す。
- エレクトリックアーク
- 『ストリートファイター ザ・ムービー』に登場した技。電撃を発射する。同作に登場するアーケインとF7も使用。
スーパーコンボ
- ニープレスナイトメア
- 『スパIIX』で初登場した最初のスーパーコンボ。「ダブルニープレス」を2回連続で繰り出し、1回目を出し終えるまで全身無敵になっている。
- 『ZERO』シリーズではLV3で出すと、2回目の「ダブルニープレス」から「ホバーキック」(しゃがみ強キックのスライディング)につなぐ(『CvS』シリーズではLV2がこの動作)。『CvS』でのLV3や『EX』シリーズでは最後に後方宙返りするように両脚で蹴り飛ばす。相手の足払いなどに対して出すと大きな効果を発揮する。『マーヴルVS.シリーズ』では3人に分身して攻撃する。『MSHVSF』では新たにボイスが用意された。
- サイコクラッシャー
- 『ZERO』シリーズから使用する技で、「サイコクラッシャーアタック」の強化版。オーラを纏って空中を突進し、大ダメージを与える。発動時の無敵時間は「ニープレスナイトメア」より短い。空中ガード不可で、攻撃判定の性質上、空中の相手にも全段ヒットしやすい。しかし地上の相手にカウンター狙いで出すと1発目がヒットした時点で相手が吹き飛びダウンして、全段ヒットしないことがある。『MSHVSF』では空中でも出すことが可能になり、新たなボイスも追加されている。
- メガ・サイコクラッシャー
- 『CvS』シリーズで使用する技。『ZERO』シリーズの「サイコクラッシャー」とほぼ同様だが、LV3・MAX専用。無敵時間は上記の「サイコクラッシャー」より長く、「波動拳」などの飛び道具を引き付けてから出せば完全にすり抜ける。同じく「サイコクラッシャーアタック」のある『ナムカプ』でもこの名称が使われているが、動作は後述の「ファイナルサイコクラッシャー」と同じ。
- ハートブレイクディスピアー
- 『CvS』および同『PRO』のみの技。「サイコクラッシャーアタック」のモーションで突進し、相手を抉るように回転した後に後方へ投げ飛ばす。
- サイコエクスプロージョン
- 『MARVEL VS. CAPCOM 2』の技で、「サイコフィールド」を強化したもの。相手にヒットすると大爆発する。
- サイコキャノン
- 『EX』シリーズの技。腕にサイコパワーを溜め、球体にして飛ばす技。コマンド入力時にパンチボタンを押し続けることで球体が大きくなり、攻撃力も増す。溜めている最中も攻撃判定があり、これがヒットしても発射されない。
- ベガII、トゥルーベガは「サイコキャノン」にバリエーションがある。
- サイコブレイクスマッシャー
- 『EX』シリーズで使用するメテオコンボ。名前こそ異なるが「サイコクラッシャー」に似ている。決め台詞を言い放ったあと攻撃に入る。
- メテオタッグコンボ・ベガ&バルログ
- 『EX3』でバルログがパートナーの時に発動可能なメテオタッグコンボ(個別の技名はない)。ベガが「ヘッドプレス」で相手を踏みつけた後、ひるんだ相手に両側から「サイコクラッシャー」と「スカイハイイリュージョン」で攻撃する。
- ヘッドプレスナイトメア
- 『ザ・ムービー』に登場した技で、「ダブルニープレス」ではなく「ヘッドプレス」で連続踏みつけをする。
ウルトラコンボ
- UC1 - ナイトメアブースター
- 『ストIV』で初登場のウルトラコンボ。ベガの持つ複数の必殺技を連続して繰り出す。決め台詞を言い放った後、「ダブルニープレス」2回→「サイコクラッシャーアタック」の連係で突進。「サイコクラッシャーアタック」部分がヒットすると固定演出に入り、相手を空中へ持ち上げてから両手で地面に叩き付け、急降下し両足で踏み潰す。
- UC2 - サイコパニッシャー
- 『スパIV』で実装されたウルトラコンボ。「ヘッドプレス」の動作で移動し、ヒットした相手の頭を片手で掴み上げ手刀を腹部に刺し込んだ後、そのままサイコパワーのオーラで貫く。
バリエーション
ファイナルベガ
『ZERO3』ではCPU専用の最終ボスとして、ベガが強化されたファイナルベガが登場する。見た目は通常のベガと変わらないが、強パンチのグラフィックが異なるほか、スーパーコンボの「サイコクラッシャー」が後述の「ファイナルサイコクラッシャー」に変化している。ファイナルベガは、S-ISM(Shadoloo-ISM)という専用のISMを持っており、スーパーコンボゲージはX-ISMと同様に1本のみだが、X-ISMと異なり「ニープレスナイトメア」も使用でき、ZEROカウンターや空中ガードも可能であるなど、X-ISMとZ-ISMを組み合わせたような能力となっている。なお、ファイナルベガに負けるとバッドエンディングに移行する。
アーケード版『ZERO3』ではプレイヤーは使用できないが、『ZERO3↑(ゼロスリーアッパー)』では基板の初期設定で使用可能となっている。家庭用移植版では、プレイステーション版を除いて使用可能である。
技の解説
通常技
- サイコセイバー
- 立ち強パンチ。サイコパワーをまとったフック攻撃。
- サイコアックス
- しゃがみ強パンチ。サイコパワーをまとったアッパー攻撃。
- サイコデスサイズ
- ジャンプ強パンチ。サイコパワーをまとった掌底攻撃。
- 上記の技はいずれも通常のベガの技より判定が強い。その他にも、いくつかの通常技が高性能になっている。
スーパーコンボ
- ファイナルサイコクラッシャー
- スライドするように画面外に後退してから全画面を覆う(縦幅は全画面を網羅し、その状態で攻撃判定がベガの体格に合わせて移動する)程の強大なサイコパワーを纏った「サイコクラッシャー」で高速突進する技。そのまま画面外へと通り抜け、その後に「ベガワープ」で戻ってくる。『ZERO3』でファイナルベガが使用したのが初出で、以降は『SvC』などでも使用されている。
- 発動した瞬間から「ベガワープ」で戻ってくるまで完全無敵で攻撃力も大きいが、終わり際に大きな隙ができる。
- 攻撃判定は縦方向に広いものの、横幅は1キャラクター分程度の狭さである。無敵時間の長い必殺技の使用や、三角飛びの使えるキャラクターは画面上空まで飛ぶことで回避可能。
- 最大ヒット数は9で、相手の体力の7〜8割を奪う。
- 『SvC』のEXCEEDでは縦方向の攻撃判定が狭くなっている。
ベガII
『ストリートファイターEX2 PLUS』以降に登場する。スーパーコンボゲージが常に最大の状態であり(『EX3』ではその点が廃されている)、スーパーコンボに「サイコキャノン」の新しいバリエーションとして追加されている。スーパーコンボからメテオコンボをつなぐ連続技も可能だが、メテオコンボ単体のダメージは本来のベガより少し劣っている。プレイヤーは使用不可能となっている(『EX3』のオリジナルモードのみ使用可能)。
技の解説
スーパーコンボ
- サイコキャノンR
- 赤色の「サイコキャノン」で、従来の「サイコキャノン」に比べて球体が大きい。従来の「サイコキャノン」と性能は同じ。
- サイコキャノンG
- 緑色の「サイコキャノン」で、従来の「サイコキャノン」に比べて球体が大きい。発生時間が長く、球体が相手にゆっくり近づいていく。相手をサーチする効果があるが、射程距離はやや短い。地面を這う様に移動する。
- サイコキャノンB
- 青色の「サイコキャノン」で、従来の「サイコキャノン」に比べて球体が大きい。2人に分身して挟み撃ちにする。本物の配置位置(相手の前方または後方)を決定する必要があるため、コマンドが2つ用意されている。本物を攻撃するとベガがダメージを受け、技は中断されるが、偽者を攻撃しても技は止まらない。
トゥルーベガ
『ストリートファイターEX3』に登場する青白い姿をしたベガ。スーパーコンボゲージは常時最大の状態である。『EX2 PLUS』でのベガIIの性能に加え、エクセル並みの通常技を通常技でキャンセルしてくる。また、3人に分身してのニープレスナイトメアをメテオコンボとして使用する。プレイヤーは使用不可能となっている。
技の解説
スーパーコンボ
- (名称不明)
- 発動と同時に画面が暗転し、その瞬間に分身が前方と前方上空に2体現れ、その後にニープレスナイトメアを放つ。
登場作品
- ストリートファイターIIシリーズ
- ストリートファイターZEROシリーズ
- ストリートファイターIVシリーズ
- ストリートファイターEXシリーズ
- ストリートファイター ザ・ムービー - キャラクター名が「バイソン将軍」になっている。
- ストリートファイター リアルバトル オン フィルム - 同上
- VS.シリーズ
- X-MEN VS. STREET FIGHTER
- マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター
- MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES
- カプコン バーサス エス・エヌ・ケイ ミレニアムファイト 2000
- CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ 全シリーズ(カードゲーム トレーディングカードゲーム版も含む)
- 頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM
- SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS
- CAPCOM FIGHTING Jam
- NAMCO x CAPCOM(シミュレーションゲーム)
- ストリートファイター X 鉄拳
- 拳聖土竜(モグラ叩き) - 最終ボスとしてリュウまたは春麗の相手として登場。
- ポケットファイター - 背景に登場。なお、背景出現率が最も高いキャラクターとなっている。
他のメディアでのベガ
『月刊コロコロコミック』で連載されていた『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』(橋口隆志作)では、他のキャラクターにも増してギャグ化されている。単なるバイト好き人間と設定され、ゲームで見せるような威厳は全くない。郵便貯金に預金して銀行よりわずかに利息が高いことに大喜びしたり、バーゲンセールに張り切って出かけるシーンなど、庶民の哀愁が漂うキャラクターにされている。また、豪鬼に一瞬で倒されたことがトラウマとなっており、「ゴーキ」に似た言葉(ホウキなど)を耳にする度に怯え出す情けない帝王として描かれている。
色々な4コマ漫画(上記の『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』含む)ではサガットと同じく、リュウにしか興味が無いかのように描かれることもある。
アニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』では強大な力を持つ悪役として登場。ガイルやリュウをまったく寄せ付けぬ強さを見せたが、復活したケンとリュウの二人組を相手に武闘家として戦う。二対一でも優位は変わらなかったが、最後はケンの竜巻旋風脚とリュウの昇龍拳を喰らい、とどめに二人の双竜(ダブル)波動拳で吹き飛ばされVTOL機に突っ込んだ。エピローグでは大型トラックを運転してリュウを轢き殺そうとし、リュウがトラックに立ち向かうシーンで終わる。監督の杉井ギサブローは、2人がかりでも絶対に倒せない相手でダブル波動拳程度では死なないと考えていたが、ベガが倒れないことには映画の決着にならないので、その辺は勢いで行ったところがあると語っている[23]。
TVアニメ『ストリートファイターII V』では青い軍服と帽子を身につけている。その容姿からケンに「軍服野郎」と呼ばれた。
1994年のハリウッド実写映画『ストリートファイター』では、自ら作った通貨「バイソンドル」で支払いをしようとしたり、ザンギエフに給料を払わなかったりとケチな一面を見せる。また、サイコパワーではなく「日本のリニアモーターカーの技術を利用した」ブーツで浮遊する。
2009年の実写映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』でも黒幕だが、金髪碧眼で髭を生やした外見になっていて、原作ゲームとは印象が全く違っている。また、ゲーム作品には無いベガの両親の設定が追加されている。
2013年のディズニーCGアニメ映画『シュガー・ラッシュ』では、アーケードゲームの悪役キャラクターとしてザンギエフと共に登場する。
その他
『ストII』シリーズではタイ王国の寺院を本拠地にしており(ゲームボーイアドバンス版は除く)、背景に仏像が2体建っているが、戦闘中に壊れると隣に座っていた人物が立ち上がって怒り出す演出がある(『ハイパー』ではこの演出はない)。
日本語版『ストII』シリーズでは『ターボ』以前と『スパII』以降での勝利メッセージが違っている(例として前者では相手を「お前」呼ばわりするが、後者では相手を「貴様」呼ばわりする)。『ハイパー』では『ダッシュ』仕様と『ターボ』仕様を選んでも、『スパII』以降のメッセージになる。
映画『帝都物語』で加藤保憲を演じた嶋田久作はTV番組ウゴウゴルーガに出演した際、黒いマントの姿で現れ、「サイコクラッシャーアタックより強力な…(以下は発言が中断したので不明)」と発言した。
演じた俳優(声優)
- 西村知道(『ZERO』シリーズ、『EX』シリーズ、マーヴルVS.シリーズ、『NAMCO x CAPCOM』)
- 若本規夫(『CvS』シリーズ、『SvC』、『CAPCOM FIGHTING Jam』、『ストリートファイターIV』)
- 銀河万丈(CDドラマ『春麗飛翔伝説』など)
- 日下武史(劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』)
- 内海賢二(TVアニメ『ストリートファイターII V』、実写映画版『ストリートファイター』テレビ版吹替)
- 佐藤正治(CDドラマ『ストリートファイターZERO 外伝 〜春麗旅立ちの章〜』)
- 玄田哲章(実写映画版『ストリートファイター』ビデオ・DVD版吹替)
- 山路和弘(ハリウッド映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』吹替)
- 軍司眞人(スーパーファミコン『ストリートファイターIIターボ』CM)
- ラウル・ジュリア(ハリウッド映画版。上述の名義変更に伴い「バイソン将軍」としての出演)
- ニール・マクドノー(ハリウッド映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』)
- 阿藤快(テレビ番組『第34回新春かくし芸大会』(1997年)内の出し物『ストリートファイター 炎の戦い』)
- 楠大典(ディズニー映画『シュガー・ラッシュ』)
脚注
- ↑ 月刊ゲーメスト10月号増刊『ストリートファイターII』P88。
- ↑ スーパーファミコン移植版では初代『ストII』から翼付き髑髏の徽章。
- ↑ 『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』(電波新聞社)でも「サイコパー全盛期にあたり、調子はバリバリ、体重もヘヴィ」と説明されている。
- ↑ ゲーメストムック『ストリートファイターIII ファンブック』のオフィシャル回答より。
- ↑ 『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』(電波新聞社)ではシャドルーであると説明されている。
- ↑ 月刊ゲーメスト10月号増刊『ストリートファイターII』P83。
- ↑ 『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』P59(発行:カプコン、発売:朝日ソノラマ・1992年刊)。
- ↑ ゲーメストムックVol.47『ギャルズアイランド スイートメモリー』の開発者インタビューより。
- ↑ カプコン公式サイト ストリートファイターの歴史・座談会第2回(インターネットアーカイヴに保存されたもの) - ここで名前の変更の経緯について触れられている。
- ↑ カプコン側でも『ジャスティス学園』シリーズの鑑恭介が「悪は許さない」と憤慨している。
- ↑ 『MVC』では春麗のエンディングに登場する。
- ↑ サガット自身から「配下になった覚えは無い」との意思を伝えられたときは、「そんなことは最初から望んでいない」と自分の意見を明示している。
- ↑ ゲーメストムックVol.16『ストリートファイターZERO』より。
- ↑ 『ZERO3』のさくらのエンディングと、『ナムカプ』のアイビス島での沙夜との会話中や、コミック『スリートファイターII RYU』では「わし」を使用している。
- ↑ 『映画ストリートファイターIIメモリアル公式ファンブック』より。
- ↑ 『ALL ABOUT ストリートファイターEX』より。
- ↑ 「ダブルニープレス」の移動距離の短縮および技の隙の増大、「ヘッドプレス」から「サマーソルトスカルダイバー」への派生時の速度低下、キャンセルして必殺技に繋げられる通常技の減少など。
- ↑ ジャンプの滞空時間が長くなり、「ニープレスナイトメア」(Lv1)の無敵時間の減少、「サイコクラッシャー」での攻撃後の着地モーションが地上判定になるなど
- ↑ スパIV・開発ブログ『第25回:旧キャラの改善点について その2』より。
- ↑ 『ZERO』シリーズではスーパーコンボに変更され、技の破壊力が上昇した。『ZERO2'』(家庭用作品)のEXベガや『ZERO3』のX-ISMのベガは通常の必殺技として使用する。『ZERO3』のX-ISMのベガは技名を叫び、3ヒットするようになっている。
- ↑ 『CvS』シリーズ。
- ↑ 『ストII』シリーズでは通常の溜め技よりも溜め時間が長く設定されている。
- ↑ ロマンアルバム 映画「ストリートファイターII」 華麗なる春麗の世界(徳間書店)より。
参考文献
- スタジオベントスタッフ『ALL ABOUT ストリートファイターZERO3』電波新聞社、1998年11月30日、ISBN 4-88554-495-5