小値賀町
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テンプレート:Infobox 小値賀町(おぢかちょう)は、長崎県の五島列島北部の小値賀島と周辺の島々を行政区域とする町で、北松浦郡に属する。
春にはおぢか国際音楽フェスティバルがあり、多くの観光客が来島する。2004年(平成16年)より、九州鹿をモデルとしたちかまるが小値賀町のマスコットキャラクターとなっている[1]。
地理
五島列島の北、佐世保市の宇久島(旧北松浦郡宇久町)と新上五島町の間に位置し、小値賀島とその周辺に散在する大小17の島(小値賀火山群島)からなる。町の中心部は小値賀島の南部にある笛吹(ふえふき)地区で、この付近が最も人口が多い。
- 町の面積 - 25.46km² (小値賀島 - 12.22km²)
- 有人島:小値賀島、斑島(まだらしま)、黒島、大島、納島、六島(むしま)
- 無人島:野崎島[2]、小黒島、宇々島、藪路木島、赤島など
- 山:番岳(小値賀島、標高104m)、本城岳(小値賀島、標高111m)、二半岳(野崎島、標高305m)
隣接している自治体
地域
人口
地名
各地名とも最後の「郷」は「ごう」と読む。
- 旧笛吹村
- 宇々島郷(ううじま)
- 大島郷(おおしま)
- 黒島郷(くろしま)
- 中村郷(なかむら)
- 笛吹郷(ふえふき)
- 藪路木島郷(やぶろきじま)
- 旧柳村
- 納島郷(のうしま)
- 浜津郷(はまづ)
- 斑島郷(まだらしま)
- 柳郷(やなぎ)
- 旧前方村
- 野崎郷(のざき)
- 前方郷(まえがた)
- 六島郷(むしま)
歴史
沿革
旧藩時代
- 平戸藩主松浦家の所領で、当時、笛吹・前方・柳各村の農業者は各村における庄屋が統治していた。また笛吹浦・筒井浦・斑浦の漁業者は浦役所を設け、その管轄に属した。
明治
- 1872年(明治5年)- 区政施行により第26大区となり、区務所を笛吹村に置かれ、さらに5小区に分割され、笛吹村を1の小区、柳村を2の小区、前方村を3の小区と称した。
- 1879年(明治12年)- 郡制施行により、北松浦郡の管轄となり、各村に戸長役所が置かれた。
- 1882年(明治15年)7月 - 町村行政区画が改正され、3村を合わせて笛吹村外2ヶ村戸長役所が置かれた。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、現在の町域にあたる北松浦郡笛吹村・柳村・前方村が発足。いずれも単独村制施行。
大正
昭和
平成
- 2002年(平成14年)3月 - 町立小値賀中学校六島分校を休校(実質廃校)。
- 2004年(平成16年)- 小値賀町において佐世保市、宇久町、小値賀町の合併についての住民投票が行われた。
- 反対が1297票、賛成が1243票(投票率85.42%)で、合併は反対された[3]。
- 2006年(平成18年)3月 - 小値賀空港を閉鎖。
- 2007年(平成19年)3月 - 町立斑(まだら)小学校を廃校。
- 2008年(平成20年)1月と4月に佐世保市長が小値賀町を訪問し、合併協議の申し入れを行ったが、町長(当時:山田憲道町長[4])はこれを受け入れなかった[5]。これにより、小値賀町は他の自治体と合併せず、単独で歩んでいく道を選んだ。
- 2010年(平成22年)4月1日 - パスポート業務が長崎県から小値賀町に移管され、小値賀町役場でパスポートの申請・受け取りができるようになった[6]。
行政
町長
- 現職 - 西浩三(にしこうぞう)- 2011年(平成23年)4月~現在
町議会
- 小値賀町議会 - 定員10
組織
衆議院選挙区
県議会
県の行政所管
警察
消防・救急
- 佐世保市消防局
- 西消防署
- 小値賀出張所
- 西消防署
病院
- 国民健康保険診療所
- 小値賀歯科診療所
ごみ処理
- ごみ焼却場
- 西目最終処理場
- 小値賀町立し尿処理場
ダム
- 野崎ダム(野崎島水源の森)
産業
漁業
- 町の中核産業であり、恵まれた漁場を利用し、ブリ、ヒラス、イサキ等の一本釣りを中心に、採貝藻、曳縄、延縄、刺網、シイラ漬等の漁船漁業が行われている。また、水産資源を守り育てるため、アワビ等、漁場や漁具採捕サイズ等の自主規制や稚魚の放流、アワビの種苗生産、イカの人工産卵礁の設置、藻場の維持・回復への対策など、資源保全活動にも積極的に取り組んでいる。
- 1999年(平成11年)度から2000年(平成12年)度にかけ、主要魚種のイサキとタチウオをそれぞれ「値賀咲」(ちかさき)、タチウオを「白銀」(はくぎん)と名づけ、ブランド化を行い、販売促進を行っている。
農業
商業
- 物産展やインターネットを用いた販売によって、町の特産(じげもん)の販売促進を行っている。
観光業
- 恵まれた自然を活かし、農業・漁業等による体験・交流を通して活性化を図る「体験型ツーリズム」をキーワードに事業を展開し、海・農業・自然を包括的・総合的に体験できる島暮らし体験型観光「アイランドツーリズム」を推進している。
- 事業推進のため、2007年(平成19年)から、行政や住民が参画して構成する「NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会」に観光の窓口を一本化している。
金融
- 銀行 - 親和銀行小値賀支店
- 長崎県内の自治体で唯一、十八銀行の支店がない。
- 郵便局(ゆうちょ銀行)
- 農業協同組合(JAバンク)
- ながさき西海農業協同組合小値賀支店
- 支店以外に、農機具センター、野菜集出荷場がある。
- ながさき西海農業協同組合小値賀支店
- 漁業協同組合(JFマリンバンク)
- 宇久小値賀漁業協同組合
教育
高等学校
中学校
- 小値賀町立小値賀中学校
- 廃校(休校)になった中学校に関しては長崎県中学校の廃校一覧#北松浦郡を参考。
小学校
- 小値賀町立小値賀小学校
- 大島分校
- 廃校になった小学校に関しては長崎県小学校の廃校一覧#北松浦郡を参考。
幼稚園
- 小値賀町立小値賀幼稚園
保育所
- 小値賀町立笛吹保育所
教育・文化施設
- 小値賀町立図書館
交通
航空
- 小値賀空港(閉鎖)
- 2006年(平成18年)3月末をもって閉鎖されている。かつてはオリエンタルエアブリッジ(ORC)が2004年(平成16年)まで福岡路線を、2006年(平成18年)まで長崎路線を運航していた。[9]
航路
小値賀島の南部に小値賀笛吹港があり、佐世保市や福岡市からの航路が発着している。笛吹港(離島待合所)からは町内の六島、野崎島、大島への航路もあり、小値賀島北部の柳港からは納島、寺島(佐世保市宇久町)方面の航路もある。
- 九州商船
- 野母商船
- 佐世保市営交通船[10]
- 小値賀町営渡船[12]
- 「第3はまゆう」
- 笛吹港 ~ 六島 ~ 野崎島 ~ 笛吹港
- 所要時間は六島まで20分。野崎島までは往路(六島経由)約35分、復路約20分。
- 笛吹港 ~ 大島
- 所要時間は約10分。
- 笛吹港 ~ 六島 ~ 野崎島 ~ 笛吹港
- 「さいかい」
- 柳港 ~ 納島
- 所要時間は約7分。
- 柳港 ~ 納島
- 「第3はまゆう」
道路
国道はなく、一般県道と町道が走っている。
一般県道
バス路線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- ポットホール(玉石様):斑島にある甌穴
- 牛の塔:小値賀島笛吹にある。干拓工事の際に生き埋めになった牛の慰霊碑
- 神島神社:遣唐使の航行を助けたと言われる一対の神社。小値賀島の「地神島神社(ちのこうじまじんじゃ)」と野崎島の「沖神島神社(おきのこうじまじんじゃ)」が向かい合っている。
- 野崎島自然学塾村:野崎島にある生涯学習用宿泊施設
- 旧野首教会:野崎島にある1908年建造の煉瓦造りのカトリックの教会。世界遺産暫定リストに掲載された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」に含まれている。
- 柿の浜海水浴場
脚注
関連項目
外部リンク
- 小値賀町へようこそ(公式ウェブサイト)
テンプレート:Navbox テンプレート:日本で最も美しい村連合
- ↑ のちに鹿をモチーフにしたキャラクター「はなちゃん」も作られた。
- ↑ 野崎島 - 日本の島に行こうウェブサイト
- ↑ 小値賀町 合併賛否を問う住民投票
- ↑ 2003年(平成15年)4月~2011年(平成23年)までの2期8年間務めた。
- ↑ 県内町村の動き(佐世保・北松浦地域) - 長崎県ウェブサイト
- ↑ 以前は、船で佐世保市の県北振興局に行かなければならなかったので、これによりとても便利になった。詳しくは長崎パスポートインフォメーションを参照
- ↑ 長崎弁で、「地元の人、地元のもの」という意味。
- ↑ 小値賀郵便局は2010年(平成22年)4月現在、ホリデーサービスを実施し、土曜・日曜・祝日(日曜・祝日は午前中のみ)にも郵便窓口およびゆうちょ銀行ATMの取り扱いがある。
- ↑ 時を同じくして、上五島空港も閉鎖された。
- ↑ 佐世保市営交通船(PDF)-佐世保市ウェブサイト
- ↑ 寺島を経由しない便もある。その場合神浦港まで約15分。
- ↑ 船便早見表-小値賀町ウェブサイト
- ↑ 1992年(平成4年)3月まで西肥自動車がほぼ同じ路線で運行していたが、撤退した。