大和トンネル
大和トンネル (やまとトンネル)は、東名高速道路の横浜町田ICと厚木IC間にあるトンネルであり、神奈川県大和市上草柳にある。
東名高速道路の起点となっている東京ICから約23kmの地点にあり、下り線では最初のトンネルである。頻繁に渋滞が発生する箇所として知られており、テレビやラジオの渋滞情報でよく出てくる名所である。
構造
市街地にあり、トンネルと言うより地下道のような構造である。長さは280mしかない。厚木飛行場の滑走路の延長線上にあり、東名高速道路建設前の1961年1月には離陸に失敗した米軍機の墜落事故が起きており、当時地上を走っていた相模鉄道大和駅-相模大塚駅間の架線が切断される被害があった。このため墜落事故に備え、被害を軽減させるために天井が低いトンネル構造として作られた。
なお、当トンネルは東名高速道路では唯一、100km/h制限となっているトンネルである。
渋滞
トンネルとしてそれほど規模は大きく(長く)ないが、入口付近で渋滞が頻繁に起こることで有名である[1][2]。渋滞が発生する原因として、主にトンネル付近が緩やかな下り坂から上り坂となっている場所(サグ)であること[3][4][5]、トンネルに入り照度が落ち減速してしまうこと[3]が挙げられている。また、名古屋寄りの出入口付近にNシステムが設置されており、これをオービスと誤認した車が減速することも渋滞に拍車をかけている。
年末年始、5月の大型連休、旧盆の時期、10月の大型連休による3連休には上下線ともに渋滞は30km以上になることもあり、上り線は足柄SA付近まで、下り線は東京ICを過ぎて首都高速道路3号渋谷線まで伸びる事もある[6]。
テレビ・ラジオなどの交通情報では、関東地方における交通機関の混雑状況を示す象徴的な場所として取り上げられ、「大和トンネル(付近)を先頭に○○キロの渋滞」などとしてしばしば伝えられ[7]、相模鉄道相模大塚駅付近にはNHKの情報カメラが大和トンネル方向に向けて設置されている。この他、下り線方向からは大和バス停付近、そして、上り線方向からは綾瀬バス停付近としても登場する。
上り線方向へ進行して大和トンネルを抜けた辺りの路面(大和バス停)にうねりがあり、積載物の落下事故も多い。これにより、事故渋滞になる事もある。
この渋滞対策として、料金社会実験[2]やLED情報表示板による情報提供[8]などが行われているほか、綾瀬バス停付近にETC車のみ利用できるスマートICの建設、更には拡幅工事も計画されている[9]。
隣
脚注
参考文献
- 西成活裕、『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』、宝島新書、2009、ISBN 978-4-7966-5843-0。
- 畠中秀人ほか、『サグ部円滑化走行支援サービスにおける態度・行動変容アプローチ』、第四回日本モビリティ・マネジメント会議、2009。
関連項目
- 宝塚東・宝塚西トンネル(名塩坂。中国自動車道にあり、関西圏最大の渋滞名所として有名)
- 天王山トンネル(1998年に2ルート化されるまで名神高速道路最大の渋滞名所だった)
- 小仏トンネル(中央自動車道最大の渋滞名所)
- 三ヶ日JCT-豊田JCT(東名高速道路では大和トンネルと並ぶ、中京圏の渋滞名所)
- 四日市JCT-亀山JCT(東名阪自動車道にある、中京圏の渋滞名所)
- ↑ 『…有名な大和トンネル付近を先頭にした大型の渋滞…』「会長定例記者会見テンプレート:リンク切れ」 中日本高速道路,2009年1月22日
- ↑ 2.0 2.1 2007年資料『ほぼ毎週約18kmの大渋滞が発生』「高速道路ネットワークの更なる有効活用に向けた料金社会実験の実施について」別添2 p5 国土交通省道路局有料道路課,2007/6/8
- ↑ 3.0 3.1 西成,2009,p27/p58 引用エラー: 無効な
<ref>
タグ; name "jtkg"が異なる内容で複数回定義されています - ↑ 畠中ほか,2009
- ↑ 『渋滞原因の第一位は、昨年度は上り坂でした。(中略)渋滞の名所である、東名大和トンネル(中略)全てこれが原因です』NHK視点・論点「渋滞の科学」 西成活裕,2007年8月20日
- ↑ 例えば上り55.3km/下り33.9kmなど(2009年9月の連休中夕方夜間)。「9月の大型連休時期における高速道路の交通状況(速報)テンプレート:リンク切れ」 中日本高速道路株式会社,2009/9/24
- ↑ 報道例「 日テレNEWS24 『大和トンネル』の検索結果」など 日本テレビ
- ↑ 「LED表示板による情報提供」中日本高速道路
- ↑ http://media2.c-nexco.co.jp/images/notice/1895/943263552cca4b797824.pdf