QVC
テンプレート:Infobox QVC(キューヴィーシー)は、24時間テレビショッピングを放送する専門チャンネル。名称の由来は quality(品質)、value(価値)、convenience(便利)の頭文字である。アメリカ合衆国で1986年に開局。2012年現在、アメリカ以外には日本、イギリス、ドイツ、イタリアでも放送している。
目次
沿革
QVCはジョセフ・シーゲルによって1986年にアメリカ合衆国で創業された。1986年11月24日に放送開始。最初の商品は$11.49のシャワーラジオであった。当初は1日16時間放送で、1987年初頭に24時間放送に拡大した。公開会社として創業後1年間の売り上げが当時最大(112百万ドル)を記録した。
1989年、当時倍の規模であった競合のCVNを買収。
1993年1月、バリー・ディラー(元パラマウント映画・20世紀フォックスのCEO兼会長)が会長に就任。
1993年にイギリスでBスカイBと提携し、同年10月よりイギリス版(QVC UK)の放送を開始。
1995年にはケーブルテレビ大手・コムキャストとTCI(1999年AT&Tにより買収、メディア部門・リバティメディアは2001年独立)が買収。コムキャストが経営権を握り、QVCの資金力を背景にパラマウント映画やCBSの買収を企てていた(いずれも失敗に終わる)バリー・ディラーが追放される[1]。
2003年7月、リバティメディアがコムキャストが保有する株式を79億ドルで買収、完全子会社とする。
各国での運営
QVCジャパン
テンプレート:日本の衛星放送チャンネル テンプレート:Infobox
- 日本では、米国QVC Inc.と三井物産の合弁による株式会社QVCジャパンにより運営。スカイパーフェクTV!(現・スカパー!プレミアムサービス)の委託放送事業者(現・衛星一般放送事業者)・QVCサテライト(QVCジャパンの完全子会社)により2001年4月1日開局。開局最初の商品(TSV)はジュエリーでナビゲーターは田代ナビ(2011年1月1日放送より)。
- スカパー!プレミアムサービス、スカパー!(東経110度CS放送)および一部のケーブルテレビで24時間放送しているほか、BSデジタル放送のTwellV[2]でも1日最大12時間ないし11時間[3]、BS日テレで2時間のサイマル放送を行っている。
- 千葉県千葉市にあるスタジオからの生放送が編成の中心。[4]
- テレビショッピングにありがちな過剰な演出を極力排除し、商品を直接手にすることが出来ない視聴者に代わり、商品の魅力や機能を専属のナビゲーターとゲスト(商品を開発・販売している企業の担当者等)が紹介する。あわせて、視聴者からの質問も受け付ける。
- 商品の購入手段は電話・インターネット・携帯サイトがある。
- 品質保証のための全額返金制度がある。購入した商品に不満や不具合などがある場合、たとえ消耗品(化粧品・洗剤など)であっても30日以内であれば返金が可能(→クーリング・オフ)。
- 2006年度の売上高は734億円で、テレビショッピングとしては先発のショップチャンネルとともに大きなシェアを占めている。視聴世帯数は2000万人弱(TwellV・BS日テレでの視聴者を除く)。
- 2011年には放送開始10年目に入り、10周年記念のイベントやセールが行われている。
- 2011年3月より10年間、千葉マリンスタジアム(千葉ロッテマリーンズ本拠地)の命名権を取得。球場名を「QVCマリンフィールド」に改称[5]。
- 東京以外の地方都市に拠点を置く数少ない委託放送事業者である[6]。
- かつては、旧本社があったワールドビジネスガーデン(WBG)マリブアネックスから番組を制作、日本全国に送出していたが、2010年11月にWBG向かいにある、三井アウトレットパーク 幕張のセンター駐車場(2011年1月10日に閉鎖[7])に新社屋を建設する事を発表。2013年1月17日に新社屋「QVCスクエア」が竣工、2013年4月1日から「QVCスクエア」からの放送を開始した[8]。
- 2011年3月11日に発生した東日本大震災では本社自体は被害を受けなかったものの同日から放送休止とし、終日「しばらくお待ちください」の字幕が放送された。その後「震災の影響で放送を休止しております」に字幕が変更され、23日に放送再開。なお、放送休止直後には字幕で地震速報や津波の情報を伝えていた。
- 2011年6月5日には各国のQVCに追い付く形でロゴを一新。“リボンロゴ”と呼ばれる物になった[9]。また、常時画面に表示されている“プロダクトボックス”も同時に変更された。そして、新スローガン「ショッピングを超えてゆく。」を掲げている[10]。
- 2011年7月上旬に「予約注文」が「ウェイトリスト」という表記に変わった。同時期に不定期であるが23時30分頃に“ワンモアチャンス”という当日のお買い得商品を振り返るコーナーが出来た。
主な番組
以下が主なカテゴリーである。商品のジャンル毎に大抵1時間の放送枠で括られるが、殆どが定曜日定時間帯編成とはなっていない。
とくに注釈のない限り、時間は日本時間での表記。
宝飾品
- ジュエリーボックス(Jewelry Box)
- アクセサリー・ア・ラ・モード(Accessories A la mode)
- ブランドアクセサリー(Brand Accessories)
美容・健康
- ビューティー&コスメ(Beauty & Cosmetics)
食文化
- グルメタイム(Gourmet Time)
- Let'sクッキング(Let's Cook)
- 有名人厳選グルメ(各界の有名人が商品を紹介する番組。毎週火曜12時)
- QVC青果市場(毎月第3金曜)
- 筧晃司の旨いよ!コレ(筧ナビが自らセレクトした、グルメやキッチンツールを紹介。2012年10月27日~、月1回)
服飾
- ファッションワードローブ(Fashion Wardrobe)FとGに区分されている。Fはファッション、Gはグッズの略。
- Style by k.nakaura (QVC社員でファッションコーディネーターの仲浦好一が、独自のルートで仕入れてコーディネートした商品を販売する。仲浦は毎回出演し、モデルに直接コーディネートする時もある。毎週水曜20時と木曜13時)
- 澤崎隆人のドラマティックファッション(澤崎隆人が毎回出演。毎週火曜1時)
- 田代真弓の自分を楽しむ装い(シニアナビゲーターの田代が惚れ込む商品を紹介する。ほとんどが大野ノコブランドである。2010年3月から月2回)
- 岡田可愛、南野陽子、ピーターなどの芸能人デザイナーによるブランド。
その他
- レジャー&ホビー(Leisure & Hobby)
- 快適生活/快適家電(Make Life Easier)
- ホームリビング(Home Living)
- ヘルシーライフ(Healthy Life)
- ブランドアニバーサリー(Brand Anniversary)毎週木曜15時
- マーフィーセレクト快適グッズ
セレビスタ
特売品枠
- TSV(Today's Special Value) - 原則その日1日1品限りで(2品もある「ダブルTSV」)価格が通常より値引きされる。番宣等では「放送時間は公表されていない」とされているが、実際には原則0:00、8:00、11:00、17:00、22:00にそれぞれ放送(特別編成やその日の早い時間に売り切れた際は除く)する。海外でも同様に存在する。
- 2010年5月10日からは、17:00~18:00(TSV時間枠)を「QVC17( - ワンセブン)」と称し、BS日テレでのサイマル放送を開始した。
- 更に2011年春頃から呼称を「Q17」と変更しているが、内容は「QVC17」と同じである。
- ODO(One Day Only) - 上記TSVにほぼ準ずるが、放送日は極めて少ない。TSV商品の売り切れや品不足により放送される場合がある。長らく放送されていなかったが、2011年5月20日放送された。
- QVCセレクション(Qセレ) - 毎週水曜日15時台放送。毎回テーマを設けて、それに応じた商品を多ジャンル紹介。担当ナビゲーターは不定だが、2人で出演し、同時に進行するのが特徴である。
- 「今週のValue!Value!」「.jp発売れ筋TOP3」「ナビのイチオシ」「今週のメインターゲット」等のコーナーを設けている。
- 2011年春頃から「Q SELECTION(キュー・セレクション)」に番組名を変更。
- HOTPICK(ホットピック) - 放送時刻は基本的にTSV放送前後の30分番組。その日注目アイテムを、1日数回に分けて放送する。
イベント
毎月数回(主に土日・祝日)に、1日24時間を通して1つのジャンルに特化した「イベントデー」を設け、当日はそのジャンルの商品のみを紹介する。時にはスタジオを飛び出し、公開放送を行うこともある(会場はラフォーレ六本木や東京ビッグサイトが多い)。
この日は原則としてNEW2Qは休止となり、まれではあるがTSVの放送時間が不規則になる場合もある。
ここ数年、毎週土曜日か日曜日に一日をかけて何かしらのイベントが組まれている。
ショッピングナビゲーター
- ショッピングナビゲーターとは、「QVC」の各番組進行役のこと。「QVC」公式サイト内の"ナビゲーターの紹介"ページに、各ナビゲーターからのメッセージが掲載されている。長らく更新されていなかったが、2011年8月に更新され、各ナビゲーターの出身地と星座が表示された。
女性
五十音順
- 朝倉美穂(2004年~、元商品アドバイザー)
- 石川小百合(2010年11月2日~、元テレビ静岡アナウンサー、太田プロダクション所属)
- 加賀真帆
- 梶原冨美代(2003年~)
- 河口美和(2000年~、産休育休を挟む)
- さとう晴美(2011年12月16日~)
- 芝尚子(元南海放送アナウンサー)
- 志波むつみ(2001年~、既婚者)
- 田代真弓(元鹿児島テレビ放送アナウンサー)
- 永田佳代(2010年~、オフィスケイアール所属)
- 西貝真里子(2004年~、旧姓小向、元エフエムラジオ新潟アナウンサー、元文化放送アナウンサー)
- 長谷井えみ子(2009年~)
- 日比野ようこ(2004年~、2010年10月頃から2012年1月9日まで休養)
- 堀田ゆかり
- 牧野美保(2004年~、旧姓山口、元北海道テレビ放送アナウンサー)
- 森みな(2002年~)
- 山越和枝(2002年~)
- 湯浅明美(開局~、元NHK福岡放送局契約キャスター)
- 渡辺公海(開局~)
男性
- 石橋尚弘(2013年~)
- 筧晃司(2001年~、元俳優)
- 道田真一(2003年~、元モデル)
ナビゲーター犬
- Qヴィック[11]:愛称は「Qちゃん」で、犬種はゴールデンレトリバーのオス。幼い頃に社長に連れて来られた。生年月日は2001年1月23日。名前は一般公募で決まった。月数回出演し、大人しく、泰然としている様に癒される視聴者も多い。イベントでは出張して視聴者と触れ合う事もある。2010年6月一杯で一旦ナビゲーター犬としての役目を終え、以後は先輩犬としてヴィッキーをサポートしていくとの事。ヴィッキーのコーナー「ハッピー☆ヴィッキー」にはたまに登場する事もある。
- ヴィッキー:二代目ナビゲーター犬として、一般公募による6つの候補より視聴者の投票が行われ、2010年5月14日に名前が発表された。Qヴィックと同じくゴールデンレトリバーのオスで、生年月日は2009年12月27日。2010年6月17日に彼のサイトが立ちあがった[12]。
過去に在籍したナビゲーター
- 山名恵子
- 木田まつり(田代の前任のシニアナビゲーター、~2003年)
- 永嶋みや
- 石黒馨子(~2007年9月)
- 小野田知永子(開局~2008年12月)
- 小川みどり(~2009年)
- 桑原希(2003年~2009年7月)
- 奥田可能子(現ジャパネットたかた所属)
- 橘俊江(元北陸放送アナウンサー、2009年~2010年5月)
- 三上理恵(2009年~2010年夏頃、2010年10月に「株式会社ネットチャンネル」を立ち上げ代表に就任[1])
- 御藤博子(元東海テレビ放送アナウンサー、2009年~2010年10月)
- 田中花木(元長崎放送アナウンサー・ディレクター、2010年秋頃~2010年12月初旬)
- 佐竹由美子(2011年1月19日~2011年12月初旬)
- 田井麗花(2011年1月19日~2011年12月31日)
(順不同)
モデル
- 汐見吏沙
- 奈良岡ゆきよ
- 藤田あゆみ
- 野瀬春沙
- 大浦里子
- 本城くれは
- 石田明穂
- 工藤晴未
- 加藤里奈
- 笑京
- 山本莉子
- 赤羽小百合
- 薫子
- 木原崇江
- 荒川姫央
- 綾乃
- EVA
- 山田知佳
- 崎本ゆかり
- 上田千尋
- 森木美和
- 菅原ブリタニー
- 目黒陽子
- 小幅由香
- 土屋綾子
- 芹沢佳代
- 亀山絵里子
- HIROKO
- 小野あかね
- 多田恭子
- 沙亜矢
- 梶田麻衣
- 佳菜子
- 岩崎麻梨子
QVCジャパンに関する事件・諸問題
- 2007年6月29日、公正取引委員会は景品表示法違反(優良誤認)でQVCジャパンに排除命令を出した。排除命令を受けたのは同社が販売をしていた「びっくり湯桶」という浴室用製品。浴室に置くだけで銀イオンの効果で浴室内のカビの発生が防げると偽って宣伝をしていた[13]。
- QVCジャパンは、2008年1月18日・2009年1月31日・2月5日・8月20日・9月11日の5日間、「上層ウール100% 下層ウール100%」である所を「上層ウール100% 下層カシミヤ80% ウール20%」とウール100%の商品をカシミヤが使用されていると表示し、販売を行っていた。住金物産が、QVCを通じて2009年11月5日に消費者庁に報告を行った。本件につき2009年12月14日4時の番組の冒頭で経緯を説明し、謝罪した。消費者庁はQVCジャパンに対し2010年3月31日、景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を出した。[14]
- 2009年1月14日、公正取引委員会は景品表示法違反(優良誤認)でQVCジャパンに排除命令を出した。同社はプラスチック製のスプーンとフォークのセットを「木製」「漆塗り」などと偽って販売していた。[15]
- 2012年9月12日、ナビゲーターに関することでQVCジャパンを脅迫していた男が逮捕された[16]。因果関係は不明だが、同年7月中旬頃から事件解決日まで、プロフィールや出演予定など、ナビゲーターに関することが公式ウェブサイトから削除または閲覧不可となっていた。
放送メディア
CSデジタル放送では24時間無料放送を行っている。同放送での局名表記は、2010年11月30日まではQVCであったが、翌12月1日以降はキュー・ヴィー・シーとなっている。
特に注釈のない限り、時間は日本時間での表記。
東経124・128度CSデジタル放送
- スカパー!プレミアムサービス Ch.HD525(ハイビジョン放送、衛星一般放送事業者:スカパー・ブロードキャスティング)
- スカパー!プレミアムサービス Ch.SD222(4:3SD放送、衛星一般放送事業者:QVCサテライト)
東経110度CSデジタル放送
- スカパー! Ch.CS161(16:9SD放送、衛星基幹放送事業者:シー・ティ・ビー・エス)
- 2012年4月2日1:00までは4:3SD放送だったが、同日4:00から16:9フルサイズのSD放送に切り替えた。
- 2012年3月31日までは「C-TBSウエルカムチャンネル」(Ch.CS160)でも同時放送を行っていた。
- C-TBSウエルカムチャンネルは2012年3月31日限りで放送終了となったため、それ以後は同チャンネルに代わり、Ch.CS161がスカパー!加入に際しての受信テスト用チャンネルとなる。
BSデジタル放送・地上波放送におけるCS再送信ネット
- TwellV
- 放送時間:(月 - 金)8:00 - 16:00・22:00 - 翌2:00、(土)7:00 - 13:00・22:00 - 翌3:00、(日)6:00 - 13:00・22:00 - 翌3:00(何れもハイビジョン放送。宣伝や「お知らせ」も含む)
- BS日テレ
- 放送時間:(月 - 金)7:00 - 8:00・17:00 - 18:00(何れもハイビジョン放送)
- 2010年5月10日放送開始。ラテ欄では「お買物・生放送!」と記載されるが、枠名は「QVC17」、2011年春頃から「Q17」。内容は最初の数カ月冒頭にQVCを紹介するVTRを流した後は通常のTSVと変わりない。未明帯(毎日0:00 - 1:00)は「Qスタイル」と題し、2011年4月2日に放送開始したが、10月1日をもって終了。代わって同日より月曜 - 金曜の朝帯での放送が開始された。
- 未明帯に関してはプロ野球中継・巨人戦のクッション番組の意味合いも兼ねており、放送時間短縮・放送休止を行う事があった。
- 放送時間:(月 - 金)7:00 - 8:00・17:00 - 18:00(何れもハイビジョン放送)
- TOKYO MX
- 放送時間:(月 - 金)8:00 - 8:59
- 2013年7月1日放送開始。「QVC 世界最大級のテレビショッピング」の番組名でサイマル放送を実施。
- マルチ放送のメインチャンネル(091ch)での16:9標準画質放送。サブチャンネル(092ch)にて『東京マーケットワイド』を放送する時間帯のため、標準画質での放送を行う。
- 放送時間:(月 - 金)8:00 - 8:59
アメリカQVC
本社のあるペンシルベニア州ウェストチェスターのスタジオ・パークを本拠地として放送、運営を行っている。小売店も全米にある。年間364日は生放送(クリスマスのみ録画)。約9,000万世帯に向け放送している。ちなみに、本社ビルはかつてのコモドール(1994年倒産)の本社である。
イギリスQVC
BスカイBとの合弁で設立。イギリスではロンドンのバターシー地区にある本部より放送。コールセンターと配送センターはリバプールにある。24時間放送だが生放送は一日17時間。ケーブルテレビ、衛星放送、地上波デジタル放送を通じ540万世帯向けに放送。
ドイツQVC
1996年12月放送開始。ドイツではデュッセルドルフに本部があり、24時間生放送(クリスマスを除く)で3380万世帯向けに放送。
イタリアQVC
地上波デジタル放送にて放送を計画するものの、2008年には認可が下りなかったが、2010年10月1日に開局。QVCジャパンでも記念イベントを行った。
脚注
関連項目
外部リンク
- QVCジャパン(日本)
- QVC テレビ - live streaming (日本)
- QVC(アメリカ合衆国)(英語)
- QVC UK(イギリス)(英語)
- QVC Germany(ドイツ)(ドイツ語)
- QVC Italy(イタリア)(イタリア語)