古賀潤一郎
テンプレート:政治家 古賀 潤一郎(こが じゅんいちろう、1958年(昭和33年)3月22日 - )は、日本の元政治家。元ダーツバー経営者。
経歴
福岡県福岡市出身。重富吉之助参議院議員[1]や福岡市議会議員の秘書を務めた後、1995年の福岡県議会議員選挙にて初当選。2001年には県議を辞職して第19回参議院議員通常選挙に立候補するも落選。その後は平野貞夫参議院議員の公設第一秘書を務めた[2]。
2003年の第43回衆議院議員総選挙において福岡2区に出馬。前自民党幹事長で現職副総裁の山崎拓を破り、衆議院議員に当選する。
学歴詐称疑惑
「ペパーダイン大学卒業」としていた経歴が偽りではないかとの疑惑が浮上。経歴詐称は公職選挙法の定める虚偽事項の公表にあたる。当初は「弁護士を通じて卒業証書を受け取ったが、紛失し、弁護士の名前も忘れた」などと弁明をしたが、大学側が「古賀は卒業していない」と発表。また、自身のホームページに記載していたUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への留学経験という経歴も、CSULA(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校・en:California State University, Los Angeles)に訂正したり、そのいずれにも在籍の記録がないなどの疑惑も浮上。国会期間中にもかかわらずアメリカへ渡り、大学側に確認をとるもやはり卒業とは認められないとの回答だった。ロサンゼルスでは名前も忘れた弁護士を探し回ったとされるが、真偽は不明。一般にペパーダイン大学は水準の低い大学とは見做されておらず[3]、古賀が在学していたことは事実である。それはペパーダイン大学側も認めている。しかし、帰国後、西鉄大橋駅前の街頭で涙ながらに調査結果の報告演説をしたが[4]、世論はおおむね冷淡であった。その後もアメリカでの経歴には数多くの疑問が出ている。
2004年1月に離党届を提出したが[5]、受理されず、民主党を除籍処分(除名)となった[6]。歳費を受け取らずに活動を続けると表明したものの、法律上問題が多く衆議院事務局がこれを拒否[7]、供託申請も東京法務局に却下された[8]。
学歴詐称について公選法違反容疑で告発され[9]、福岡県警が米国に捜査員を派遣するなど捜査が進められた[10]。2004年9月22日、福岡地検の事情聴取に対して、古賀が選挙時から大学を卒業できていないと認識していたことを認めていると報道された[11]。同年10月、福岡地検は起訴猶予処分とした[12]。
プロテニス選手としての経歴疑惑
又、「プロテニス選手」としても当時の公式サイトでUSTAプロテニスサーキットツアー出場、ヨーロッパプロテニスサーキットツアー出場などの経歴を掲げていた[13]が、この大会は上位組織であるITFの管轄する大会群であり、出場するにはプロアマ問わずITFへの選手登録が必要である。しかしながら2008年現在もITFのサイトに古賀の名前は無く(一度選手登録されると記録は永続的に残り、引退後にプライバシーに関わる現居住地等の記録が削除される事は稀にあるものの、選手経歴のページ自体が消えることは本来あり得ない)、プロとしての具体的な出場履歴、戦績は明らかになっていない。
政治資金規正法違反容疑
福岡県の在日韓国人の男性のパチンコチェーン店社長から、計300万円の政治献金を受けていた事が2004年2月16日に発覚し[14]、同年7月に政治資金規正法違反容疑で書類送検されたが、立証が難しいため起訴は見送られた[15]。外国人からの献金を受けるのは違法だが、古賀側は「社長が通名(日本名)を使用していたため、社長が在日韓国人とは全く知らなかった」と主張している。
衆議院議員辞職後
2004年9月24日に辞職願を出し[16][17]、同月27日に衆院議員の辞職が許可された[18]。
2005年12月、九州でダーツバーを開店した[19]。詳細な場所についてはマスコミなどには公開していない。
2009年11月、ダーツバーを閉店し、現在行方不明となっている。
略歴
学歴
- 1973年
- 3月 - 福岡市立警固中学校卒業。
- 1976年
- 3月 - 柳川商業高等学校(現:柳川高等学校)卒業。
- 1977年
- 1月 - カリフォルニア州立大学ベーカーズフィールド校入学[20]。(Physical Education専攻)
- 1978年
- ペパーダイン大学に編入。
政歴
- 1995年
- 4月 - 福岡県議会議員選挙(福岡市南区・無所属)当選。
- 自民党入党。
- 1999年
- 4月 - 福岡県議会議員選挙(福岡市南区・自民党公認)2期目当選。
- 2001年
- 自由党入党。
- 7月29日 - 第19回参議院議員通常選挙(福岡県選挙区・自由党公認)落選。
- 2003年
- 11月9日 - 第43回衆議院議員総選挙(福岡2区・民主党公認)当選。
- 2004年
脚注
- ↑ 「《選挙劇場福岡2区 終幕:下》憲法への思いは三様(インターネット・アーカイブ)」asahi.com、2003年11月7日。
- ↑ 「経歴詐称の9年間 無所属→自民→自由→民主」しんぶん赤旗、2004年1月28日。
- ↑ 2006年度版のU.S. News誌のランキングでは、全米55位にランクしている中堅校である。但し一般に米国の大学は入口が広く出口が狭く、中退はキャリアとは看做されないのも事実である。
- ↑ 「古賀潤議員、民主党離党を表明 議員報酬を受けぬ意向」asahi.com、2004年1月27日。
- ↑ 「離党届提出の民主・古賀議員、党は29日に最終判断」asahi.com、2004年1月27日。
- ↑ 「民主党、古賀議員を除名 常任幹事会、全会一致で決定」asahi.com、2004年1月29日。
- ↑ 「古賀議員の歳費返納、国が拒否 法務局に供託申請へ」asahi.com、2004年2月10日。
- ↑ 「議員歳費供託申請、法務局が却下 古賀氏学歴詐称疑惑」asahi.com、2004年2月17日。
- ↑ 「古賀潤議員を告発、福岡地検は受理 虚偽事項公表容疑で」asahi.com、2004年2月2日。
- ↑ 共同通信「渡米の捜査員ら帰国 古賀議員の学歴詐称問題」47NEWS、2004年8月12日。
- ↑ 共同通信「古賀議員が学歴詐称認める 有罪確定なら失職へ」47NEWS、2004年9月22日。
- ↑ 共同通信「古賀前議員を起訴猶予 学歴詐称で福岡地検」47NEWS、2004年10月5日。
- ↑ 自由党福岡県第2総支部会長 古賀潤一郎(インターネット・アーカイブ)
- ↑ 「古賀潤一郎議員、韓国籍社長から献金 規正法違反の疑い」asahi.com、2004年2月17日。
- ↑ 共同通信「違法献金問題で不起訴処分 古賀議員を福岡地検」47NEWS、2004年8月2日。
- ↑ 共同通信「古賀潤一郎議員が辞職願 虚偽の学歴公表で引責」47NEWS、2004年9月24日。
- ↑ 「古賀潤議員が辞職願 学歴詐称巡り引責 衆院福岡2区」西日本新聞、2004年9月24日。
- ↑ 共同通信「来年4月24日に補選 古賀衆院議員の辞職許可」47NEWS、2004年9月27日。
- ↑ 『FLASH』2007年1月2・9・16日号(通巻942号)、103頁。
- ↑ 「米大学、『卒業せず』と本人に通告 古賀議員学歴問題」asahi.com、2004年1月23日。