アナザヘヴン
テンプレート:暴力的 テンプレート:出典の明記 『アナザヘヴン』は、角川書店から刊行されている飯田譲治と梓河人による ホラー小説(1995年から『小説ASUKA』(角川書店)で連載、連載時の挿絵は茶屋町勝呂)。またはそれを原作として2000年に公開された映画。その作品群は「アナザヘヴン・コンプレックス」(複合体の意)と総称される[1]。
概要
二人の刑事が正体不明の犯人を追うスリラー作品。「SFホラー」というジャンルで人気を博した。
映画「アナザヘヴン」と世界観を共有した『アナザヘヴン〜eclipse〜』がテレビドラマとして放送された。さらにゲームソフト『アナザヘヴン〜memory of those days〜』も発売されている。大規模なメディアミックスが展開されたが、映画興行やテレビ視聴率は想定を下回る結果であった[1]。
近年テンプレート:いつには続編の小説『アナザヘヴン2』がある。
あらすじ
殺害した被害者の脳を料理し、食べるという猟奇殺人が起こる。ベテラン刑事・飛鷹健一郎とその部下・早瀬学は犯人を追うが、それをあざ笑うかのように次々と犯行は繰り返されていく。
ある被害者が書いた犯人の似顔絵を元についに犯人を逮捕するが、犯人の頭には脳が入っていなかったのだった。事件は解決したと思った矢先、また同じ手口の殺人事件が発生し、早瀬は「犯人は人間ではないのではないか」という疑問を抱き始める。
登場人物
- 早瀬学
- 本編の主人公。警部補。かつては犯罪マニアだった。料理はプロ並。父親は警視庁上層部の人間。
- 映画版や続編では下の名前がマナブに改名されている。
- 飛鷹健一郎
- 警部補。妻の美冴と中学生の娘チカがいる。硬派で、UFOや心霊などの超常現象・オカルトを信じない現実主義者。
- 大庭朝子
- 学の恋人を自称する女。露出癖がある。白血球が異常に多い。
- 幕田ユウジ
- 飛鷹の大ファンである未成年の犯罪マニア。盗聴器セールスで生計を立てる。
- 笹本瑞紀
- 笹本クリニックの女医。コンビニで偶然、早瀬と出会う。
- 赤城幸造
- 検死官。82歳。早瀬、飛鷹とは仕事柄よく出会う仲。
- 柏木千鶴
- S大学文学部4年生。性格は大人しく清楚。料理は得意だが魚をさばくのは苦手。行方不明後は11人の男性を殺害。
- 木村敦
- 18歳。新入社員。アイドルのような容姿の美少年。ビデオはアクション物などよりも恋愛物が好み。
- 両角圭太
- 「モグラ」と呼ばれる新米刑事。ドジが多い。
- ナニカ
- 脳味噌料理に始まる猟奇殺人事件の裏に潜む正体不明の存在。
刊行情報
- アナザヘヴン 上 (1999年12月、ISBN 4043493010)
- アナザヘヴン 下 (1999年12月、ISBN 4043493029)
- アナザヘヴン Comic(2000年6月、ISBN 978-4048532051)
- コミカライズ担当は小野双葉。
映画
『アナザヘヴン』は、2000年4月29日に日本で製作・全国松竹系で公開されたホラー映画。上映時間131分。当初は映倫審査によりR15+版指定を受けて公開されたが、上映期間中に死体などの残酷な描写の画面を暗くするなど修正されたPG12版に差し替えられた[1]。映像ソフトはR15+指定のノーカット版。
主演の江口洋介と、木村敦役の柏原崇とのキスシーンがあることで話題となった。
- 脚本・監督:飯田譲治
- 原作:飯田譲治、梓河人
- 撮影:高瀬比呂志
- 美術:斎藤岩男
- 編集:阿部浩英
- 音楽:岩代太郎
- 主題歌:『gravity』 LUNA SEA (テレビドラマ版も同一)
- 配給・宣伝:松竹
- 制作:オメガ・プロジェクト、アナザヘヴンカンパニー
- 宣伝協力:ギャガ
- 製作:アナザヘヴン・フィルムパートナーズ(オメガプロジェクト・ホールディングス、松竹、オフィス・トゥー・ワン、ポニーキャニオン、博報堂、テレビ朝日、ヤン・エンタープライズ、衛星劇場)
キャスト
- 早瀬マナブ:江口洋介
- 大庭朝子:市川実和子
- 笹本美奈:松雪泰子
- 木村敦:柏原崇
- 幕田ユウジ:加藤晴彦
- 飛鷹健一郎:原田芳雄
- 両角刑事:井田州彦
- 柏木千鶴:岡元夕紀子
- 坂木警部:六平直政
- 赤城幸造:柄本明
- 熊倉刑事:康喜弼
- 池上検死医:塩屋俊
- 大野慎次:阿藤快
- 大野和子:大島蓉子
- 田口鑑識:諏訪太朗
- 溝口鑑識:山本密
- 田宮寛典:芦田誠
- 横山敬吾:向井智紀
- 大家の中村:つじしんめい
- 友枝智:荒川良々
- ホテルのマネージャー:信太昌之
- ニュースキャスター:真鍋由
- アシスタント:乾貴美子
- コメンテーター:京極夏彦
- コメンテーター:綾辻行人
- 大学教授:佐藤治彦
- アナウンサー:武田肇
原作との変更点
- 笹本美奈(原作では瑞紀)は警察病院女医となっている。
- 赤城幸造がナニカに取り憑かれ自殺せず、彼はナニカに取りつかれた美奈に殺害され死亡している。
関連商品
ファンブック関連
- アナザヘヴン完全攻略マニュアル(2000年4月、ISBN 978-4048532105)
ソフト化
- アナザヘヴン another heaven
テレビドラマ
『アナザヘヴン〜eclipse〜』は、テレビ朝日系列の木曜ドラマで放映されたテレビドラマ。2000年4月20日から2000年6月29日。全11回。映画と連動する形で放映され、映画の事件と前後する形で事件が起こる内容となる。脳味噌料理に始まる猟奇殺人の映画や原作と異なり、女性の連続失踪事件をテーマにしている。「紫の石」と失踪者が目撃する「黒い男」がキーワードとなる。
あらすじ
OLの恋人大石紀子がいる停職刑事皆月悟郎は、満月の夜、失踪した婚約者の矢野祥子を探して欲しいと稲富圭一という男からの依頼を興信所の所長綿引亜希美から受ける。
やがて、祥子と同時期に失踪した女子大生、柏木千鶴の存在に辿り着き、刑事の早瀬マナブと飛鷹健一郎と犯罪マニアの幕田ユウジと出会う。その後、ある事件で記憶を失う悟郎。謎の美術商黒川忠夫に助けられた時、28日間が経過していた。
事件を追ううち、紫の石を使って世界の構造マルデックを変革しようと企む大富豪戸津山統五郎と協力者大貫太一に月食祭の巫女として紀子を誘拐され悟郎とユウジは彼らに戦いを挑むことになる。
キャスト
- 坂木:六平直政
- 柏木千鶴、山辺綾子:岡元夕紀子
- 篠原加奈子:新山千春
- 稲富圭一:松重豊
- 木内ルミ:柴咲コウ
- 須賀静江:松下好
- 吉村香織:谷口智
- 大貫太一:美木良介
- 小山昌:橋本さとし
- 峰村順一:矢島健一
- 樋口武典:永山たかし
- 掛川知美:とよた真帆
- 榊原敦夫:日野陽仁
- 池上:塩屋俊
- 戸津山統五郎:佐藤誓
- 黒川忠夫:篠井英介
スタッフ
- 脚本:飯田譲治
- 監督:飯田譲治、舞原賢三、瀧川治水、下山天
- 企画:梅沢道彦(テレビ朝日)、河井真也(アナザヘヴンカンパニー)
- プロデューサー:佐々木基(テレビ朝日)、谷古浩子(アナザヘヴンカンパニー)
- 共同プロデューサー:山下泰英(アナザヘヴンカンパニー)
- 協力プロデューサー:豊田俊穂(オフィス・トゥー・ワン)、遠田孝一(MMJ)
- 音楽:岩代太郎
- 技術協力:テイクシステムズ、神宮前スタジオ、多摩スタジオ
- 美術協力:東京美工
- 協力:オフィス・トゥー・ワン、ポニーキャニオン、MMJ、COCOON、ナンバーワンプロモーション
- 制作:テレビ朝日、アナザヘヴンカンパニー
サブタイトル
各話 | 放送日 | サブタイトル | 監督 | 視聴率 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1st moon | 2000年4月20日 | 事件は満月の夜に始まった | 飯田譲治 | 13.0% | 初回69分拡大 |
2nd moon | 2000年4月27日 | 逃亡 | 8.8% | - | |
3rd moon | 2000年5月4日 | 胸騒ぎの恋の予感 | 舞原賢三 | 6.2% | |
4th moon | 2000年5月11日 | 結ばれない2人…涙のキス | 6.5% | ||
5th moon | 2000年5月18日 | 第2章始動! 今夜全ての謎が | 下山天 | 4.9% | |
6th moon | 2000年5月25日 | もう逢えない…トラウマの恋 | 瀧川治水 | 7.2% | |
7th moon | 2000年6月1日 | ストーカーとの再会壊れた愛 | 6.7% | ||
8th moon | 2000年6月8日 | 愛し続けた真の目的涙の復讐 | 下山天 | 6.3% | |
9th moon | 2000年6月15日 | 悟郎の子供が欲しい涙の銃声 | 瀧川治水 | 6.6% | |
10th moon | 2000年6月22日 | 裏切りの罠…愛する仲間の死 | 舞原賢三 | 5.7% | |
11th moon | 2000年6月29日 | 衝撃の結末…さよなら悟郎… | 下山天 | 5.2% | |
平均視聴率7.01%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
関連商品
ファンブック関連
- アナザヘヴンeclipseマル裏マニュアル 驚きの新事実大公開!(2000年6月、ISBN 978-4049300192)
ソフト化
- VHS
- アナザヘブン~eclipse~ vol.1
- アナザヘブン~eclipse~ vol.2
- アナザヘブン~eclipse~ vol.3
- アナザヘブン~eclipse~ vol.4
- DVD
- アナザヘブン~eclipse~ vol.1
- アナザヘブン~eclipse~ vol.2
- アナザヘブン~eclipse~ vol.3
- アナザヘブン~eclipse~ vol.4
- アナザヘヴン~eclipse~ BOXセット
外部リンク
テンプレート:前後番組 テンプレート:木曜ドラマ (テレビ朝日)
ゲーム
テンプレート:Infobox 『アナザヘヴン〜memory of those days〜』は、2000年12月21日にオメガ・ミコットから発売されたワンダースワン/ワンダースワンカラー両対応ゲームソフト。
概要
「ノベルシアター」と銘打ったサウンドノベル。このジャンル名は、同じワンダースワンで先行して発売されていた『リング∞(インフィニティ)』や『TERRORS』に倣ったためで、システムや画面のデザインはまったく異なっている。
映画やドラマと世界観を共有しつつ、オリジナルストーリーが展開される外伝的作品。早瀬マナブ、木村敦、飛鷹健一郎、皆月悟郎といった映画版・ドラマ版の主人公たちも登場する。
シナリオはテレビ朝日系列の番組『D's Garage21』内で一般公募されたもので、執筆はあすか正太。さらに飯田譲治が自ら監修を担当している。
システム面では、フローチャートを参照し、章の間を行き来できる機能が採用されているものの、ストーリーの分岐条件がかなり複雑なため、攻略の難度は高い部類に属する。なお、読み戻し機能は存在しない。
あらすじ
人を殺し、その脳を食べるという「マッドクック」事件が世間を騒がす中、もう一つの連続殺人事件が密かに進行していた。連続放火殺人――「パイロマニア」事件。現場の状況から、人体が自然に発火したとしか考えられないという奇怪な殺人事件だった。しかし、これが「マッドクック」事件と相俟って市民にパニックを招きかねないと考えた警察組織上層部は、殺人の絡まない単純な放火として発表。かくして警視庁は「マッドクック」事件の解決に総力を挙げて取り組むこととなり、「パイロマニア」事件の捜査は、ごく少数の人間の手に委ねられた。
「パイロマニア」事件を担当する長谷川浩一郎刑事は、相棒の西谷夏子刑事とともに捜査を進めるうち、「マッドクック」事件との奇妙な共通点を発見する。さらに、浩一郎のプライベートなメール友達であるマコトとおぼしき人物が「パイロマニア」に殺害されてしまう。のちにマコトからメールが来たことから犠牲者は別人と分かり、ひとまず安堵する浩一郎。しかしその後も、事件は浩一郎やマコトが加入するメーリングリストのメンバーを中心に進行していく。いったい「パイロマニア」とは何者なのか? どのようにして人を焼き殺しているのか? そして、「パイロマニア」と浩一郎の間には、何らかの接点があるのだろうか?
登場人物
- 長谷川浩一郎
- 本編の主人公。「パイロマニア」事件を担当する杉並警察署の刑事(階級は巡査部長)。基本的に能天気ながら、正義感が強く、他人への思いやりに溢れた性格。元々はキャリア組だったが、かつてある事件で被害者をかばって虚偽の報告をしたことが露見し、将来を棒に振ってしまった。とはいえ、当人はそれを悔やんではいない。
- 西谷夏子
- 「パイロマニア」事件で浩一郎とコンビを組む警視庁捜査一課の刑事(階級は警部補)であり、キャリア組。意思の強さと行動力を兼ね備えており、友人たちが「パイロマニア」事件の犠牲となったことで動揺する浩一郎を励まし、捜査を進めていく。浩一郎とは同期で、大学時代からの知り合いでもある。童顔を気にしているらしく、度の入っていない眼鏡をかけている。
- UG
- 浩一郎のメール友達(ただし、浩一郎は自分の刑事という職業を伏せている)。ハンドルネームは「アンダーグラウンド」の意味だという。警察無線の盗聴を趣味とする犯罪マニアだが、警察にはむしろ親近感を抱いている様子である。しばしば浩一郎に有益な裏情報を提供してくれる。その正体は、映画版・ドラマ版にも登場する幕田ユウジ。
- アラタ
- 浩一郎が加入するメーリングリストのメンバー。大学生。人当たりのよい青年で、奇抜なファッションセンスの持ち主。かつて浩一郎がキャリアを犠牲にしてかばったのがこのアラタで、それ以来親しく付き合っている。その事件からしばらく人間不信のため荒んでいたが、今は明るさを取り戻しているように見える。
- マコト
- 浩一郎が加入するメーリングリストのメンバー。浩一郎とはメーリングリスト以外でもメールのやり取りがあるが、控えめな性格であること以外、性別も含めてその素性は一切不明。東京に出てくるマコトと会う約束をしたことで、浩一郎は個人的にも「パイロマニア」事件に巻き込まれていく。
- 早瀬マナブ
- 映画版の主人公。上司の飛鷹健一郎とともに「マッドクック」を追う刑事。浩一郎が彼との会話から「パイロマニア」事件の真相について重要な示唆を得るなど、カメオ出演の面々の中ではもっとも存在感のある人物といえる。
- 木村敦
- 「マッドクック」に殺されかけた被害者にして、その後に新たな「マッドクック」となった青年。その能力は人間離れしており、常軌を逸した言動で刑事たちを翻弄する。展開次第で、浩一郎はこの危険な男と単身対峙することとなる。
- ???
- 浩一郎が見る夢の中に出てくる少女。子供の姿の浩一郎と一緒にタイムカプセルを埋めている。幼稚園時代、彼女が花瓶を割って保母に叱られそうになっていたところを、浩一郎がかばったことがきっかけで親しくなったらしい。しかし、浩一郎はその名前をどうしても思い出すことができない。
音楽
プロジェクト「アナザヘヴン・コンプレックス」よりアルバムが製作されている。
- アナザヘブン コンプレックス-VARIOUS(コンピレーションアルバム、2000年4月28日)
- アナザヘヴン・コンプレックス-SCORE ― オリジナル・サウンドトラック(コンピレーションアルバム、2000年4月28日) - 「gravity」のスペシャル・ヴァージョンも収録
アナザヘヴン2
原作での続編。展開はドラマ版「アナザヘヴン〜eclipse〜」をベースに、ドラマでの説明が不十分だった部分の補完と共に「早瀬マナブ」「飛鷹健一郎」「皆月悟郎」の3人を主人公に進んでいく。
あらすじ
登場人物
主人公
- 早瀬マナブ
- 前作・映画版の主人公。マッドクック事件により朝子を失い、刑事を辞めて海外に飛んでいたが、そこでマッドクック事件が過去に予言されていたことを知る。
- 飛鷹健一郎
- 前作・映画版の主人公。早瀬と同じく刑事を辞め、家族と共に暮らしていたが、あるとき警察上層部に呼び出され、新たな事件の始まりを聞くことになる。
- 皆月悟郎
- ドラマ版の主人公。刑事だったが、現在は停職中で興信所で働いている。ある女性失踪事件を捜査することになるが、依頼人が突如老化して死亡、依頼人殺害の犯人として追われながらも事件の真実を解明しようとする。
警察
事件関係者
その他
刊行情報
- アナザヘヴン2 Vol.1(2003年11月、ISBN 978-4043493104)
- アナザヘヴン2 Vol.2(2003年11月、ISBN 978-4043493111)
- アナザヘヴン2 Vol.3(2004年01月、ISBN 978-4043493128)
- アナザヘヴン2 Vol.4(2004年01月、ISBN 978-4043493135)
関連イベント
- 3Dサウンドホラーアトラクション「アナザヘヴン〜触れてはいけない恐怖〜」
- 殺人鬼の女性にゲストが襲われるオリジナルストーリー。映画版が原作。
脚注
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