爆発卵
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爆発卵(ばくはつたまご)とは、電子レンジで殻のまま加熱してレンジ内で破裂した卵、またはレンジ内では破裂・爆発していなくても、黄身が外気にさらされれば同様の爆発を起こす状態の卵の俗称である。
概要
電子レンジで殻のままの卵を加熱すると、通常はレンジ内で破裂してしまう。これは以下のような理由によるものである。
- 電子レンジによる加熱で卵の中心部から均等に加熱されることにより、黄身の部分から水分の沸騰が発生する。
- 黄身は白身と殻に包まれているために外気よりも高圧となり、沸点が上昇する。
- 黄身は熱膨張による体積の増加に伴い、白身と殻を押し破って外気に触れ、この瞬間に急激な減圧が起こる。
- 沸点が下がることで黄身に含まれる水分が一気に蒸発気化し、平衡破綻型の水蒸気爆発が発生する。
ところが、破裂する前に取り出された場合にも、白身に包まれた内部には100℃を超えても沸騰せずに残留している水分が存在しているため、殻むきの際や口に運んだ時に黄身が外気にさらされれば同様の爆発が発生することになる。このような状態のゆで卵のことを、俗に爆発卵と呼ぶ。こうした現象は殻をむいた状態のゆで卵の再加熱においても発生するほか、圧力鍋による加熱、ごくまれではあるが通常の鍋による調理によっても起こることがある。
電子レンジでゆで卵を調理する際、卵を破裂させないためには、卵内部の温度を100℃以内に保てば良い。このため卵をアルミホイルで包んでから水の入ったコップなどに入れてゆで上げる方法も存在するが、アルミホイルが電磁波を受けると発火する危険性があることや、必ずしもこの調理法で作ったゆで卵が破裂しないとも言い切れないため、専用の調理器具を用いる場合を除いては行わないことが望ましい。
また、殻が付いたままの銀杏や栗、薄い膜で覆われているイカ、ソーセージなどでもこうした破裂が発生する恐れがあるので、電子レンジで調理する場合は殻をむくなり切れ込みを入れるなりして蒸気を逃がす必要がある。
関連事項
- ゆで卵
- 電子レンジ
- 探偵!ナイトスクープ - 1993年12月24日放送。爆発卵をバラエティー番組の題材として紹介し、この呼び名を広めた。
- ためしてガッテン - 1999年2月17日放送。電子レンジで卵料理を作る方法を紹介し、事故を起こす家庭が相次いだ。
外部リンク
- 日本火山学会2005年秋季大会 電子レンジ卵の爆発実験 - 爆発たまごのメカニズム
- 電子レンジ、正しく使ってますか…ゆで卵注意を!(神戸新聞…Internet Archive) - 『探偵!ナイトスクープ』で放送されたことに関する記述がある。