圧力
テンプレート:出典の明記 テンプレート:物理量 圧力(あつりょく、英語:pressure)は、単位面積当たりにかかる力である。国際単位系(SI)における圧力の単位は、パスカル(Pa)である。
P = F / S、すなわち 1 Pa = 1 N / m2 である。
圧力に関する現象
圧力をかけたり変化させたりすることで、以下のような性質を示す物質がある。
- 沸点、融点の変化
- → 相図
- 結晶構造の変化
- 圧力によって物質の構造が変化する物質がある。→ 構造相転移
- 電荷の発生、電気抵抗の変化
- 圧力を加えることで物体の表面に電荷が生じたり(圧電効果)、電気抵抗が変化したりする。圧電素子はガスレンジの着火装置などに利用される。
- 磁化の変化
- 圧力によって磁化の強さが変化する。→ ビラリ現象
超高圧の実験
超高圧実験装置にはプレス型とダイヤモンドアンビルを使ったものとに二分できる。
プレス型は、ピストンシリンダーなどを使って生じた圧力を油圧(直接加圧する場合もあり)で伝達して試料を押す。発生可能な圧力の大まかな目安は数万気圧(数GPa)である。比較的広い圧力発生空間を確保することができ、多彩な物性測定実験が可能となっている。
ダイヤモンドアンビルセル(Diamond Anvil Cell: DAC)は、天然または人工合成のダイヤモンドを使って超高圧を実現するもので、小型(手のひらサイズ)で、透明(光学的な観測が可能)であり、サブテラパスカル(数百万気圧、数百GPa)までの加圧が可能である。一方、ダイヤモンドそのものが大型化できないので、試料は大変小さなものにしなければならない。ダイヤモンド以外に、サファイア、炭化ケイ素を使ったアンビルセルもあるが、加圧できる圧力はダイヤモンドよりも劣る。
上記の高圧実験は通常、静水圧が前提であるが、動的に圧力を加える実験として衝撃圧縮実験がある。
他に非等方的な圧力実験の試みもある。
分子運動論での圧力の求め方
ビリアルの定理から求める。圧力Pは、
- <math> P = \left\langle {1 \over 3V} \left(\sum_i { {P_i}^2 \over m_i } - \sum_i r_i { {\partial \phi } \over {\partial \vec{r}_i } } \right) \right\rangle </math>
で求まる。上式で、<math> < > </math>は統計的な平均、右辺()内第一項は、粒子の全運動エネルギーの和、第二項は粒子間に働く力(= <math> - { {\partial \phi } \over {\partial \vec{r}_i } } </math>)と粒子の座標との積の和である。iは粒子の指標。 mi は粒子の質量。<math> \vec{r}_i </math>は粒子の座標の位置ベクトル。<math> \phi \, </math>は適当なポテンシャル。 V は系の体積。
バンド計算での圧力の求め方
系の全エネルギーの体積微分が、圧力(静水圧)である。歪に対する微分がストレスになる。圧力Pの表式は(Vを系の体積として)、
- <math> P = - { {\partial E_{\rm tot} } \over {\partial V} } </math>
- <math> E_{\rm tot} \, </math> : 系の全エネルギー
となる。バンド計算でのより具体的な圧力(ストレス)の求め方は、ニールセンとマーティンによる論文[1][2]が参考になる。
圧力計
テンプレート:Main 圧力を測定する装置を「圧力計」といい、次のようなものが代表的である。また、圧力計は液位計としても利用される。
- ブルドン管圧力計
- ブルドン管の弾性変形を用いて測定する。
- ダイヤフラム圧力計
- 流体とブルドン管圧力計との間にダイヤフラムを設け、受圧部とブルドン 管の間に封入液を充満して圧力の伝達媒体としたもの。