相図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
相図(そうず、phase diagram)は物質や系(モデルなどの仮想的なものも含む)の相と熱力学的な状態量との関係を表したもの。状態図ともいう。 例として、合金や化合物の温度や圧力に関しての相図、モデル計算によって得られた系の磁気構造と温度との関係(これ以外の関係の場合もある)を示す相図などがある。
三態と温度、圧力の関係で、液相(liquid phase)と固相(solid phase)の境界が融解曲線、気相(gaseous phase)と固相の境界が昇華曲線、気相と液相の境界が蒸発曲線である[1]。 蒸発曲線の高温高圧側の終端は臨界点で、それ以上の高温高圧では超臨界流体になる。 三つの曲線が交わる点は三重点である。 融解曲線はほとんどの物質で図の通り蒸発曲線側に傾いているが、水では圧力が高い方が融点が低いので、逆の斜めである。
相律によって、純物質の熱力学的自由度は最大でも2なので、温度と圧力によって,全ての相を表すことができる[2][3]。
金属工学においては工業的に制御が容易な組成-温度の関係を示したものが一般的で、合金の性質予測に使用される。