富山市ファミリーパーク
富山市ファミリーパーク(とやましファミリーパーク)は、富山県富山市古沢にある動物園である。
歴史
富山市ファミリーパークは、富山市の西方、呉羽丘陵の城山公園内に位置する[1]。 建設計画は、1971年(昭和46年)3月から数年おきに公園の構想や計画がまとめられ、1981年(昭和56年)2月に、建設基本計画が決定され、1982年(昭和57年)9月に建設着工、1984年(昭和59年)4月27日に竣工し翌日28日に開園する[1]。日本動物園水族館協会に所属している。
1990年代の動物園の「バードハウス」は、設計したプレック研究所によると、当時最先端のアメリカ型のランドスケープ・イマージョンの手法を用いたもので、従来型の展示に比較して、動物の生態環境を見せる方向へと進化しているものと考えている[2]。
2006年、富山ファミリーパークは、環境エンリッチメント大賞の飼育施設部門大賞を受賞した[3]。受賞対象は「穴掘りグマの展示」で、従来のアナグマ舎の外側の観客側スペースに、柵とモート(溝)を越えてアナグマの回廊を作ったこと[3]。選評は「他施設を参考に、アナグマに適したものを独自の方法で安価に制作し、アナグマの穴掘り行動という特性を活かし、アナグマの行動空間を広げ、見学者の目の前で行動観察できる工夫を評価した」としている[3]。
動物園のマスコットキャラクターは「里ノ助」(さとのすけ)という「オスのメタボのタヌキの着ぐるみ」であり、2006年5月5日に産まれ[4]、里山に住んでおり、富山の自然で遊ぶことが好きと説明されている[5]。
2009年、事業者である富山市市長の森雅志は、園について、「里山そのものに着目し、里山を再生したり、里山の果たしている役割を発信しており、動物の保存などにあわせ、里山の役割に着目するなどという役割なども担ってきている」と、動物園の意義や役割を述べた[4]。
2011年春にオープンした「里山生態園」は、コンクリートではなく動物の足に優しい土でおおわれ、広さ約3,600m²の傾斜地に制作された[6]。日本のシカや日本のカモシカ、日本のサル、日本のタヌキが良好な環境で飼育される[6]。これについて、朝日新聞は、日本国外の珍種が少ないことで「日本一地味な動物園」と言われるとし、「相変わらずの地味さ」と感想を述べたうえで、動物園の様々な取り組みを紹介し、「地味とあなどるなかれ」と締めくくった[6]。動物園はもともとは里山であり、里山環境の崩壊で里山動物が害獣として扱われているため、「害獣と敵視するだけではいけない」というメッセージを動物園が発しているとも報じた[6]。
2013年、ポニーの「コスモ」(オス、1981年8月16日産)が、公益財団法人日本動物愛護協会主催の第5回日本動物大賞「功労動物賞」を受賞した[7]。コスモは1984年4月21日に移入され、富山ファミリーパーク開園の時点から、人間に換算すると100歳を超える現時点まで、入園者とのふれあいに貢献したためである[7]。
施設概略
飼育動物の一覧
動物ゾーン
- キリン舎
- アミメキリン・グレービーシマウマ
- トラ舎
- トラ(アムールトラ)
- 子供動物園
- ワラビー・プレーリードッグ・リスザル・カピバラ・ミニブタ・マーラ・ウサギ・ミーアキャット ほか
- カワウソ舎
- 郷土動物館
- タヌキ・キツネ・アナグマ・ノウサギ・テンほか
- フラミンゴ池
- チリーフラミンゴ
- ペンギン池
- フンボルトペンギン
- シカ舎
- ニホンジカ
- イノシシ舎
- イノシシ
- クマ舎
- ツキノワグマ
- ニワトリ舎
- 小国・地鶏・コエヨシ・東天紅鶏・名古屋種・比内鶏・トウマル・オオシャモ・コシャモ・チャボなどの日本鶏・セキショクヤケイ
- ダマジカ舎
- タンチョウ・アカシカ
- バイソン舎
- アメリカバイソン
- カモシカ園
- ニホンカモシカ・タンチョウ・マナヅル
- オオカミ舎
- オオカミ(シンリンオオカミ)
- バードハウス
- オオワシ・フクロウ・ヘラサギ・オシドリ・ヤマガラ ほか
- ワオキツネザル舎
- ワオキツネザル・スバールバルライチョウ
- レッサーパンダ舎
- レッサーパンダ
- ヤマネコ舎
- 里山生態園
- ニホンザル・ニホンジカ・ニホンカモシカ・タヌキ・ホクリクサンショウウオ
- うまや
- 木曽馬・野間馬・アメリカンクウォーターホース・ポニー・ロバ
- やぎ牧場
- トカラヤギ・シバヤギ・ヒツジ
- にわとり広場
- ニワトリ
自然ゾーン
- とんぼの沢(トンボ、メダカなどがいる。)
- 自然散策路「ふしぎの山・ひみつの森・雑木のこみち」
- 六泉池 野鳥観察舎(カルガモ、カワセミなどがいる。)
- 樹間のこみち
- ホタルのおやど(ゲンジボタルの発生するビオトープ。6月の夜間には観察会が催される)
- カエルの谷(モリアオガエルの集団産卵地)
- ふるさとの小路(全長25mの前方後方墳「西金谷長尾塚古墳」のそばを通る)
- ムササビ村(カメラ付き巣箱とモニターが常設されており、中で寝ている野生のムササビを観察することができる。)
遊園地
※()内は料金
- アニマルコースター(200円)
- 子供列車(200円)
- メリーゴーランド(200円)
- パラトルーパー(200円)
- バッテリーカー(硬貨使用、200円)
遊園地は、開園30周年の2014年(平成26年)を目途に遊園地を廃止し、自然体験ができる施設を再整備することを検討中である[8] [9] [10]。
レジャー施設
- バーベキュー広場
- 芝生広場
- 乗馬場(乗馬を体験できる。)
- みはらし広場
- 六泉池(ボートが1回400円で利用できる)
- 自然体験センター
- わくわく田んぼ
営業
交通
- JR富山駅前より地鉄バス16系統「富大付属病院循環」ファミリーパーク前下車。
- 北陸自動車道富山西インターチェンジより約5分、富山インターチェンジより約30分。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 来園者の方へ-ファミリーパークについて2013年4月1日 園長・山本茂行 森を元気に、人を元気に。「富山市ファミリーパーク」
- ↑ テンプレート:PDFlink安河内泰男・動植物園設計・研究センター長 プレック研究所 2013-3-16閲覧
- ↑ 3.0 3.1 3.2 エンリッチメント大賞2006 飼育施設部門 大賞市民ZOOネットワーク 2013-3-16閲覧
- ↑ 4.0 4.1 富山市長定例記者会見 記者会見資料平成21年4月1日 富山市 2013-3-16閲覧
- ↑ 里ノ助とあそぶ-里ノ助のお話富山市ファミリーパーク 2013-3-16閲覧
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 週刊まちぶら 富山市ファミリーパーク-マイタウン富山2011年8月9日 asahi.com:朝日新聞 成川彩・久永隆一 2013-3-16閲覧
- ↑ 7.0 7.1 テンプレート:Cite web
- ↑ 富山市ファミリーパーク新整備計画(案):富山市パブリックコメント
- ↑ 「富山市ファミリーパーク新整備計画(案)」に対するご意見と富山市の考え方:富山市
- ↑ 富山市ファミリーパーク新整備計画(案)PDFファイル:富山市
- ↑ 富山市博物館等共通パスポート
外部リンク
- 富山市ファミリーパーク(公式)
- 「里ノ助」公式ブログ(富山ブログ内)
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