岩出市
テンプレート:Infobox 岩出市(いわでし、英語表記:Iwade-City)は、和歌山県の北部(紀北地域)に位置する市。2006年4月1日に那賀郡岩出町が市制を施行し発足した。
前身である岩出町は1956年9月30日に新設合併により発足した。市制施行により、町時代に属していた那賀郡は住所から姿を消した。
隣接する紀の川市よりも人口は少ないものの、官公庁施設(警察署・振興局など)を有し、那賀地域の中心の都市でもある。人口は、1994年の関西国際空港開港に伴う開発で、減少から増加に転じている。
目次
人口
関西空港が開港するまで、人口が少なく商店なども少ないのどかな田園地帯であった。
関西空港開港時、「開発などは泉佐野などまでであり、(表側のみ風が吹き裏側には風が吹かない扇風機に例えられ)関西空港が出来ても扇風機の裏側と同じだ」と言われていた南泉州・和歌山県北部で、関西空港開港により発展した数少ない地域である。
紀泉台・桜台などのニュータウンの開発により近年テンプレート:いつでは、市内のあちこちで宅地開発や団地・マンションの新築が進み人口増加が顕著で、直近10数年間テンプレート:いつは人口が前年より下落している年や近年では前月より人口が下落している月はない。 また、県内では珍しく若年層の比率が高く、総人口に対しての15歳以下の人口率が18.69%と全国的にみてもかなり高い。なお、県内の市町村で人口が増加している市町村は岩出市を合わせ日高町と上富田町と3つしかない。市内の中学校2校は、県内中学校における生徒数1位2位の規模であるほか、県内では珍しく小学校なども新設され、10年間の間に2校の小学校が新設されている。
平成22年度の国勢調査(速報値)でも、岩出市の人口増加率は4.04%(県内30市町村で首位)と県内では最も高く全国的に見ても高い水準を保っている。
なお、人口は5万人程度であり規模としては小さな市であるが、人口規模以上に小売店・飲食店やショッピングセンター・コンビニエンスストア・洋菓子店・美容室・接骨院・歯医院などが異常なほど乱立しており(特に国道24号沿い)、商業地としては紀北有数である。市内には大手全国チェーンの店舗や関西などでの有力店などが多く、県内でも同市にしかない店も多く存在し、隣接する和歌山市・紀の川市のほか、泉南市・阪南市など大阪府南部側からの買い物客も少なくない。
特徴
岩出市の特徴は、県内の他の都市とは違い、大阪府内から転入し岩出市内に在住しながらも勤務先のほぼ9割は大阪府や隣接する和歌山市内へマイカーでの通勤者が多いことである。また岩出市からは隣接する和歌山市の紀伊駅・大阪府泉南市のJR阪和線・和泉砂川駅、南海線・樽井駅を利用し大阪府内への通勤・通学者が多く和歌山府民や新住民と言われ大阪府のベッドタウンとなっている。参考までに付け加えると、和歌山府民(新住民)は家に寝に帰るためだけに岩出市内に居住するため、住居地への政治・地域振興の関心が無いとされる。また、前述の事から新住民の大半は、変質者(挙動不審者)による犯罪(例:近隣住民への迷惑行為・住居・建造物不法侵入・窃盗・放火・未成年者誘拐)や未成年者の街頭犯罪(例:自動二輪車での暴走行為・深夜徘徊・器物損壊・自転車窃盗など)を犯し、年々増加傾向にあり治安の悪さが度々問題視されており、常に警察官が市内各所を巡回パトロールし警戒に努めている。
本市は人口が5万人余りで市役所を中心点に半径2.5㎞と小規模な面積であるが、紀北地域の東西の道路はすべて岩出市を通過し周辺の市町からの道路も岩出市へ繋がっていることから、市内では岩出橋などを中心に岩出市内へと入る道路が時間帯に関係無く各所で頻繁に渋滞が起きている。大阪方面へ向かう県道63号泉佐野岩出線は4車線化されており、京奈和自動車道の岩出ICも建設される予定であり未だに発展が進んでいる。
また、隣接する泉南市の和泉砂川駅周辺には和歌山府民(新住民)の通勤者向けに月極駐車場が多く和歌山ナンバーの車などが多く通勤利用者が増えているため、近年はJR阪和線の特急が停車するようになってしまった。
岩出市寄りの和歌山バイパスの川辺付近では、ショッピングセンターや小売店・大手電気屋などの出店が進みなど近隣への経済効果なども起こっている一方、岩出市内のバイパスや県道沿いに多くの店舗があることから、隣接する紀の川市では店舗の撤退が起きている。特に、岩出市内での電気店・ガソリンスタンドや小売店などの大手チェーン店の値下げ競争が激しいため、紀の川市内ではバイパス沿いでも企業の進出がなく衰退が進んでおり、買い物などもマイカーで岩出市内へと向かう人が多いことから、隣接する紀の川市では商店街や旧市街が寂れてしまっている。特に紀の川市粉河地区は、昭和時には県外でも粉河寺と共に粉河と名が知れ渡るほど商店街があったが、現在はシャッター街へと変わり果ててしまっている。
地理
和歌山県の北部に位置し、市の南部を紀の川が流れている。市の北部は大阪府と接している。
- 河川 : 紀の川
隣接している自治体
歴史
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、那賀郡岡田村・溝川村・高塚村・大町村・清水村・宮村・高瀬村・備前村・西野村の区域をもって岩出村が発足。
- 1908年(明治41年)8月1日 - 岩出村が町制施行して岩出町となる。
- 1956年(昭和31年)9月30日 - 岩出町が山崎村・根来村・上岩出村および小倉村の一部(大字山崎および上三毛の一部[1])と合併し、改めて岩出町が発足。現在の市域となる。当時の人口は約13,000人。
- 2006年(平成18年)4月1日 - 岩出町が市制施行して岩出市となる。県内で9番目の市。単独市制施行は有田市以来50年ぶり。
行政
- 市長:中芝正幸(なかしばまさゆき、任期は2016年10月18日まで)
岩出市への移行
岩出町が属した那賀郡は6つの町で成り立っていたが、このうち岩出町以外の5つの町は2005年11月7日に合併して「紀の川市」となった。
岩出町は住民登録人口が5万人を突破した後、町民へのアンケートの結果[2]などを受けて、単独で市制施行をすることを決定した。2005年国勢調査人口でも5万人を超え(50,838人)、国の地方自治法と和歌山県の条例が定めた市制施行要件を完全に満たした。
単独市制としては、全国では2002年4月1日に千葉県印旛郡富里町と沖縄県島尻郡豊見城村が市制を施行し「富里市」と「豊見城市」になって以来4年ぶりの事例となる。また、和歌山県内では歴史の項目に記しているように有田市が、近畿地方では2001年10月1日に滋賀県栗太郡栗東町が市制を施行し「栗東市」になって以来4年半ぶり。
岩出町議会は2006年1月13日に、和歌山県議会は3月3日に市制施行を可決。3月17日に官報に告示され、正式に決定した。
以前は、「和歌山県那賀郡岩出町大字○○」と書かなければならず、マンションやアパートなどの集合住宅の場合には、とても長い住所表記が必要であったが、市に昇格した事で、住所表記も5文字少なくなった。
(例:和歌山県那賀郡岩出町大字西野209番地 → 和歌山県岩出市西野209番地)
施設
県の機関
- 那賀振興局[3]
- 紀北県税事務所
- 和歌山県警察 岩出警察署 - 管轄は岩出市と紀の川市
- 和歌山県植物公園緑花センター
経済
産業
金融機関
日本郵政グループ
- 岩出郵便局(清水)
- 紀泉台(きせんだい)郵便局(相谷=あいだに)
- 岩出中黒(なかぐろ)郵便局(中黒)
- 根来(ねごろ)郵便局(根来)
- 岩出水栖(みずす)郵便局(水栖)
- 各郵便局にはゆうちょ銀行のATMが設置されており、岩出郵便局ではホリデーサービスを実施(2011年6月現在)。
※岩出市内の郵便番号は「649-62xx」(岩出郵便局の管轄/和歌山市の小倉地区もこれに該当)となっている。
地域
教育
- 高等学校
- 中学校
- 小学校
交通
鉄道
市の北西部を阪和線が通過しているが、市内に駅は設置されていない。但し、バスやマイカーなどで隣接した和歌山市北野地区に位置する紀伊駅、泉南市の和泉砂川駅・南海樽井駅、泉佐野市の日根野駅を利用することが多い。
路線バス
- 和歌山バス那賀JR岩出駅 - 近畿大学 - JR和泉砂川駅 - 南海樽井駅 JR阪和線紀伊駅 - 紀泉台・桜台・近畿大学を結ぶバスや南海和歌山市駅 - 南海・JR橋本駅を結ぶバスも走っている。
- 南海ウイングバス南部:JR岩出駅 - 近畿大学 - JR和泉砂川駅 - 南海樽井駅を結んでいる
- コミュニティバス
道路
市の北西部を阪和自動車道が通っているが、市内にインターチェンジはない。
名所・旧跡・観光スポットなど
- 根来寺 - 国宝の大塔を有し、境内は国の史跡、庭園は国の名勝に指定。新義真言宗総本山の寺院
- 西国分塔跡 - 国の史跡
- 増田家住宅 - 大庄屋屋敷、国の重要文化財
- 一乗閣 - 旧和歌山県議会議事堂、県指定文化財
- 桃井家住宅 - 大庄屋屋敷、市指定文化財
- 地士の門長屋 - 金田家の門長屋、市指定文化財
- 大宮神社 - 旧郷社
- 上岩出神社
- 和歌山県植物公園緑花センター
- 岩出市民俗資料館
- 岩出市立岩出図書館
出身有名人
- 吉村茂夫 - 南海電気鉄道元社長・会長
- 高井観海 - 真言宗智山派管長、智積院55世能化、大正大学教授、智山専門学校校長
- 平田豊 - 画家
- 宮崎充登 - プロ野球選手
- 龍田直樹 - 声優
- 沖田総平 - アナウンサー
- 田中和仁 - 体操選手
- 田中理恵 - 体操選手
- 田中佑典 - 体操選手
脚注
- ↑ 現在の大字船戸。
- ↑ 「新市名」及び「市制施行に関するアンケート調査」について(リンク先は Internet Archive によるアーカイブページ(元ページ消滅のため))
- ↑ [1]