家族ゲーム
『家族ゲーム』(かぞくゲーム)は、本間洋平作の日本の小説。1981年の第5回すばる文学賞を受賞した。またそれを原作とした映画、およびテレビドラマ。
1982年、テレビ朝日で2時間ドラマとしてはじめて映像化された。後に松田優作主演の映画、長渕剛主演の連続テレビドラマで有名になった。2013年には、28年ぶりに櫻井翔主演の連続テレビドラマにて復活した[1]。
多くの問題を抱えた家族が受験に振り回される様子をシュール・コミカルに描いている。
小説
あらすじ
団地に住む四人家族の沼田家。工場を営む父、専業主婦の母、優等生の長男・慎一、そして家族の悩みの種である落ちこぼれの次男・茂之。ある春の日、茂之にとって六人目の家庭教師・吉本がやってくる。無名の大学に七年も在籍しているお世辞にも優秀な人物とは言えない吉本だったが、これまでの家庭教師とは違い鉄拳制裁を加えてでも茂之を逃がさず徹底的にしごき、怯えながらも茂之は言うことを聞くようになり、成績も上昇していく。
一方で、大学を留年しながらも意に介することのない自由人な吉本の存在は、親の期待に応え優等生を演じてきた兄・慎一の心に曇りを生み出す。万引きをしたり、からかってきた昔の同級生を殴ったり、勉強もサボり気味になり生活が沈んでゆく。ついには両親の態度の変化に耐え切れず、「選手交代」と吐き捨てて学校にも行かなくなってしまう。
やがて茂之が志望校を決めなければいけない時期になる。すでに周囲の目が見張るほど成績が伸びており、兄の通うa高は難しいにしても次によいb高を受けてもいいのではと薦められるが、本人はさらに下のc高を主張して曲げない。b高は茂之のいじめっ子も受験するからだ。しかし結局は母の意向に従ってb高に決めてしまい、それを知った吉本は激怒。同時に、一時的な強制で成績は良くなっても、自分のやり方では人間を変えることは出来ないと思い知る。茂之は合格し、両親から感謝される形で吉本は沼田家を去ったが、その口調に以前ほどの迫力が無くなっているのを慎一は見逃さなかった。
再び春がやってきたが、慎一は相変わらず、茂之もやはりいじめっ子に暴行を受けて次第に登校しなくなる。怒鳴り散らす父親に一年浪人してa高に行くと言う茂之だが、慎一は当面の難を逃れるための嘘だと見抜く。しかし父親は納得してしまい、母親は反対するも押し切られ誰も自分の意見を聞いてくれないことに涙を流す。何もかも決めかねている慎一の耳に、母の嗚咽が彼の背中を刺すように押すように聞こえてくる。
刊行情報
- 「すばる」(1981年12月号:当選作掲載)
- 「家族ゲーム」(1982年1月、集英社)
- 「家族ゲーム」(1984年3月、集英社文庫) → のち2013年に新装版文庫(解説・高橋源一郎)
映画
テンプレート:Infobox Film 1983年6月4日公開。監督は森田芳光、主演は松田優作。キネマ旬報ベスト・テン第57回(1983年)日本映画ベストワンなどを受賞した。
あらすじ(映画)
中三の沼田茂之の高校受験を控え、父の孝助、母の千賀子、兄の慎一たちまで家中がピリピリ。出来のいい兄と違って、茂之は成績も悪く、何人もの家庭教師がすぐに辞めていた。そこへ、三流大学の七年生という吉本が家庭教師としてくる。孝助は吉本を車の中に連れて行き、「茂之の成績を上げれば特別金を払おう」と約束する。暴力的な吉本は勉強ばかりか、喧嘩の仕方も教え、成績が徐々に上がり始める。茂之は幼馴染みで同級生の土屋にいつもいじめられていたが、殴り方を習っていた甲斐があり、ついにやっつける。茂之の成績はどんどん上がり、兄と同じAクラスの西武高校の合格ラインを超える。ところが、茂之はBクラスの神宮高校を志望校として届け出、両親が怒り、志望校の変更を吉本に依頼する。吉本は学校に駆けつけると、茂之を担任の前に連れて行って強引に変更させる。西武高校に行きたくない理由を慎一に尋ねると、秘密といって茂之が土屋と同じ高校に行きたくないのは小学生の頃、授業中に茂之が大便をもらしてしまったことを土屋が知っているからだという。あまりのバカバカしさに吉本と慎一は大笑い。結局、土屋は私立高校に行くことになり、茂之は西武高校にみごと合格し、吉本の役目は終わり、祝いをすることになった。孝肋は最近ヤル気を失くしている慎一の大学受験のための家庭教師になって欲しいと依頼する。しかし、一流大学の受験生に三流大学の学生が教えられるわけはないと吉本は断わる。バラバラの家族が横に並んだ食事中に吉本が暴れて大混乱。高校に入ってから問題が生じる。家族をよく理解していない母が部屋でまどろんでいると、ヘリコプターの音が聞こえてくる…。
キャスト(映画)
- 吉本 勝 - 松田優作
- 沼田 孝助 - 伊丹十三
- 沼田 千賀子 - 由紀さおり
- 沼田 茂之 - 宮川一朗太
- 演じる宮川一朗太は、2013年のドラマ版では榎本 貴史役としてゲスト出演している。
- 沼田 慎一 - 辻田順一
- 茂之の担任・英語 - 松金よね子
- 岡本 佳織(美栄子の姉) - 岡本かおり
- 慎一の担任・英語 - 鶴田忍
- 近所の奥さん - 戸川純
- 美栄子の母 - 白川和子
- 美栄子の父 - 佐々木志郎
- 茂之の担任・国語 - 伊藤克信
- 茂之の担任・体育 - 加藤善博
- クボタ書店の店員 - 金子修介
- 土屋 裕 - 土井浩一郎
- 三井 順 - 植村拓也
- 田上 由利子 - 前川麻子
- 樹村 雅美 - 渡辺知美
- 浜本 道子 - 松野真由子
- 菊地 保子 - 中森いづみ
- 山下 美栄子 - 佐藤真弓
- 芝田 友幸 - 小川隆宏
- 若い先生 - 清水健太郎
- 吉本の恋人 - 阿木燿子
スタッフ(映画)
- 監督:森田芳光
- 製作:佐々木志郎/岡田裕/佐々木史朗
- 原作:本間洋平
- 脚本:森田芳光
- 企画:多賀祥介/山田耕大
- 撮影:前田米造
- 美術:中澤克巳
- 編集:川島章正
- 録音:小野寺修
- スクリプター:竹内健二
- 助監督:金子修介
- 制作補 :桜井潤一
作品解説
冒頭は伊丹十三自身の『女たちよ!』所収のエッセイ「目玉焼きの正しい食べ方」のパロディが描かれる。カウンターのような横長の食卓に家族が一列にならぶ異様な食事シーンは、観る者に強い印象を与えた。まるでレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐 (レオナルド)」のように家族が横に並んだ食事中に吉本が暴れるが、これは家族と食事を考える大きなテーマとなっている[2][3]。また音楽は一切入らず、代わりに食べるときの音など、効果音が強調されている。
映画賞受賞
- 第7回日本アカデミー賞(1983年)新人俳優賞:宮川一朗太
- ブルーリボン賞(1983年)監督賞:森田芳光
関連商品(映画)
ソフト情報(映画)
書籍
- 森田芳光脚本「シナリオ家族ゲーム」(1984年3月、角川文庫)
テンプレート:森田芳光監督作品 テンプレート:キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベスト・ワン
2時間ドラマ(テレビ朝日)
1982年、11月8日『月曜ワイド劇場』で放送。続編の『家族ゲームII』は1984年3月12日放送。
あらすじ(テレビ朝日)
キャスト(テレビ朝日)
スタッフ(テレビ朝日)
映画版との違い
- 沼田家の二人の子が兄弟ではなく姉弟である点。
- ハナ肇演じる父の口癖が「うまくねえなぁ」。
- ラストで家庭教師はインドに渡るという設定。
ソフト情報(テレビ朝日)
連続テレビドラマ(TBS)
テンプレート:Sidebar with collapsible lists
『家族ゲーム』
1983年8月26日 - 9月30日、TBSテレビにて20:00 - 20:54(JST)に放送された。全6回。主演は長渕剛。
あらすじ(I)
キャスト(I)
- 吉本 剛(ごう)- 長渕剛
- 沼田 茂之 - 松田洋治
- 沼田 慎一 - 三好圭一
- 富所先生 - 成田光子
- 羽村先生 - 庄司麻由里
- 隣の女・ヨシエ - 久我冴子
- あこがれの少女・ヒロミ - 境真理子
- ヨシオ - 須藤真一
- 町子 - 森永孝子
- 土屋 - 松永大
- 沼田 紀子 - 白川由美
- 沼田 広造 - 伊東四朗
スタッフ(I)
- プロデューサー:柳井満
- 原作:本間洋平「家族ゲーム」(集英社刊)
- 脚本:筒井ともみ
- 演出:吉田秋生(よしだあきお(TBS社員)。ヨシダアキミ(漫画家)では無い) / 前川英樹
- 音楽:惣領泰則
- 主題歌:長渕剛 「GOOD-BYE青春」(作詞:秋元康、作曲:長渕剛、編曲:瀬尾一三)
- 挿入歌:長渕剛「-100゚の冷たい街」(作詞:長渕剛、作曲:長渕剛、編曲:瀬尾一三・長渕剛)
サブタイトル
各話 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|
1 | ボクの家庭教師は暴力先生・なのダ | 14.9% |
2 | ケンカがこわくて勉強ができるか・なのダ | 13.9% |
3 | いびられたたかれ、でもウレシイぼく・なのダ | 17.0% |
4 | 秀才アニキの万引き事件・なのダ | 15.9% |
5 | 落ちこぼれのチャレンジ宣言・なのダ | 17.3% |
6 | あばよ、ボクの愛した家庭教師・なのダ | 20.2% |
『家族ゲームII』
1984年4月20日 - 7月13日(全11回)TBSテレビにて20:00 - 20:54(JST)に放送された。
前作の好評を受け制作された。物語としては前作とは無関係であり、設定を改変し吉本のキャラクターを活かしたスピンオフ作品[4]のTBSオリジナルドラマ。
あらすじ(II)
キャスト(II)
- 吉本 剛 - 長渕剛
- 鬼教師であるものの、卒業後殿村和人がリンチされているのを目撃し、リンチしていた中学生を殴り和人を助ける。作造の信楽焼オタクが原因で信楽焼恐怖症になる。
- 殿村 梨絵 - 二谷友里恵
- ヤクザの娘との理由で卒業式に出られずにいる。
- 殿村 和人 - 松田洋治
- 名門高校に受かるものの、中学卒業後同級生からリンチを受けたのが災いし、高校に行けず不登校になる。通称「カズ」。
- 殿村 豊 - 三好圭一
- 高校卒業後、母親である泰子と喧嘩し大学に行かずレストランで住み込みで働く。通称「ユタ」。
- 和人の担任教師 - 梶三和子
- 「小雪」のママ - 日向明子
- 「小雪」の銀ばーさん - 武知杜代子
- シゲル - 石倉三郎
- マスオ - 西田恭平
- 純次 - 遠藤憲一
- 殿村 寅造 - レオナルド熊
- 殿村興業の社長。
- 殿村 作造 - 遠藤太津朗
- 豪農でケチ。信楽焼オタク。
- 殿村 泰子 - 白川由美
スタッフ(II)
- プロデューサー:柳井満
- 脚本:筒井ともみ
- 音楽:瀬尾一三
- 演出:吉田秋生 / 山田護
- 主題歌:長渕剛「孤独なハート」(作詞:秋元康、作曲:長渕剛、編曲:瀬尾一三)
- 挿入歌
- 長渕剛「スローダウン」(作詞・作曲:長渕剛、編曲:長渕剛・山里剛)
- 長渕剛「太陽へ続くハイウェイ」(作詞・作曲:長渕剛)
原作及びパート1との相違点
- 吉本剛以外の登場人物がドラマオリジナルになっている。
- 前作で出演した長渕、松田、三好、白川以外の出演者が大幅に入れ替わっている。
- 学校も名前が変わっている。
サブタイトル(II)
各話 | サブタイトル |
---|---|
1 | ボクに抱きつくヘンな家庭教師・なのダ |
2 | たんたんタヌキの中間テスト・なのダ |
3 | レイプされたのはボクの先生・なのダ |
4 | アニキを悩ますピンクのブツブツ・なのダ |
5 | 落ちこぼれがクセになりそうなボク・なのダ |
6 | 先生とアニキのトルコ行進曲・なのダ |
7 | 思春期にめざめてしまったボク・なのダ |
8 | ボクのハチャハチャ家庭内暴力・なのダ |
9 | ボクをまどわす秋祭のユーワク・なのダ |
10 | 内申書グルッと回ってタヌキの目・なのダ |
11 | 愛を責めずにセイ・グッバイだぜ・なのダ |
『家族ゲーム スペシャル アニキの家庭教師は花の女子大生・なのダ』
1985年4月5日、19:20 - 20:51に放送された。
連ドラパート1の、その後を描いている完結編。
あらすじ(スペシャル)
キャスト(スペシャル)
- 吉本 剛 - 長渕剛
- 中森 陽子 - 高樹沙耶
- 沼田 茂之 - 松田洋治
- 沼田 慎一 - 三好圭一
- タカオ - 西田恭平
- 大泉 今日子 - 田沢令子
- 沼田 紀子 - 白川由美
- 沼田 広造 - 伊東四朗
スタッフ(スペシャル)
- プロデューサー:柳井満
- 脚本:筒井ともみ
- 音楽:戸塚修
- 演出:吉田秋生
- 主題歌:長渕剛「GOOD-BYE 青春」(作詞:秋元康、作曲:長渕剛、編曲:瀬尾一三)
関連商品(TBS)
連続テレビドラマ(フジテレビ)
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 2013年4月17日から6月19日までフジテレビの毎週水曜日22:00 - 22:54(JST)枠で放送されていた日本のテレビドラマ。
作品解説(フジテレビ)
この作品でフジテレビ系の水曜22時台のドラマ枠が再開された[1]。
原作及び過去のドラマ・映画では描かれなかった吉本の過去にまつわる回想シーンも挿入されている。忽那汐里が演じる浅海舞香/立花真希/水上沙良は、今作のオリジナルの登場人物である。
沼田佳代子を演じる鈴木保奈美にとっては、民放の連続ドラマの出演は15年ぶりとなる[5]。
1983年公開の映画『家族ゲーム』で沼田茂之役を演じた宮川一朗太が、沼田一茂の同僚役で第1話・最終話にゲスト出演した[6]。
キャッチコピーは「壊れるまで、キミと向きあおう。」
放送
初回は30分拡大、22:00 - 23:24に放送。第4話・第7話・最終話は15分拡大、22:00 - 23:09に放送[7]。
あらすじ(フジテレビ)
立派な一戸建てに住み、優秀な家族に恵まれ、周囲からは何不自由も無い理想の一家に見える沼田家。しかし、一家の次男で中学生の茂之は、高校進学も危ういほど成績が振るわないうえに引きこもりを始め、家族にとって悩みの種であった。
沼田家の家長・一茂とその妻の佳代子は、「東大合格率100%」とキャッチコピーを掲げる吉本荒野のホームページをインターネット上で見つけ、茂之の6人目の家庭教師として吉本を迎える。一茂は吉本に、茂之を学校に登校させ、長男の慎一が通う県内トップの名門高に進学させるよう依頼。さらに、1週間以内に茂之を学校に行かせることが出来れば10万円のボーナスを出すと約束し、出来ない場合はクビにするという条件を出す。条件を受け入れた吉本も「吉本の行動に一切手出し、口出しはしない」と一茂と佳代子に約束させ、「契約違反が生じた場合は1000万円の罰金を科する」など文言を盛り込んだ雇用契約書を一茂に提示、内容を読まずに一茂はサイン押印する。
その結果、吉本の常軌を逸していながらも緻密で計算に満ちた指導が始まり、一茂が提示した条件をクリアし雇用は継続。以後も吉本の型破りな指導は続き、茂之の成績は上昇し友人関係も改善されていく。一方、彼の言動は茂之だけでなく沼田家全員にも影響を及ぼしていき、一茂の浮気が発覚し、佳代子は本音を吐露、一家の長男の慎一は、吉本の本性をさぐる鼬ごっこに気を取られて成績が下降し始め問題児の立場に逆転していく。こうして形だけの平穏を保っていた家族の歯車は、吉本の手により次第に狂わされていく。
キャスト(フジテレビ)
主人公
- 吉本 荒野(よしもと こうや)<偽名> / 田子 雄大(たご ゆうだい)〈31〉
- 演 - 櫻井翔(嵐)
- 本作のメイン主人公。茂之・慎一の家庭教師。1982年1月17日生まれ。血液型はAB型。
- 沼田家が茂之のために家庭教師を雇うのは吉本で6人目。“東大合格率100%”と謳っているスーパー家庭教師であるが、生徒本人だけでなく家族の素行調査をしたり、目的達成のために手段を選ばず突飛で冷酷な行動をする。ミステリアスで神出鬼没であり、茂之のみならず家族のいる場所にも突然居合わせたりする。口癖は「いいね〜」。
- 本作の主人公として設定されているものの彼自身は謎が多く絶対的な主人公とは言えない立場が設定されている。
- 慎一の調査から、自身は「東大卒の吉本荒野」ではなく、生命維持装置に繋がれた弟が本物の東大卒の吉本荒野で、自身はその兄である「雄大」であると自身の口から慎一に語り、教師になったのも教師への夢が叶った途端に事故に遭った弟の夢を代理で演じており、教員免許を所持していないため家庭教師として指導していると偽名を使用した理由を慎一に打ち明ける。その後、吉本が過去に中学校で教壇に立っていたことや本名が「田子雄大」であることが慎一の調査で分かる。その調査によると、教師時代、自身の教え子・真田宗多の相談を反故にしたことで、真田は教師や保護者に信頼されていた本物の吉本荒野に悩みを打ち明けるようになり、教え子に裏切られたと勘違いした吉本は真田をいじめ、事実を隠蔽するため全ての真実を知っている本物の吉本荒野を階段から転落させ昏睡状態にした容疑を慎一にかけられるが、否認したため結果的に慎一を孤立させる状況に追いやった。沼田家に同居を自ら提案した上で寝食を共にしながら慎一と茂之の指導をしていた。その後、問題を抱え苦しむ子供たちと向き合ってこなかったのは一茂の責任であることを始めとする沼田家の問題をぶちまけた挙句、それでも沼田家が吉本の忠告を信じていなかったため、吉本が家庭教師として担当する以降の沼田家を崩壊させる要因を作ったのは全て吉本自身が仕掛けた罠であると沼田家全員に明かして沼田家を出た。しかしその後、家庭崩壊した沼田家全員が集まる席に再度突然現れ、仕込んでいた盗聴器を回収し、「家族を再生させろ」と慎一に言い残し去って行った。
- 実は中学校で「田子雄大」として教壇に立っていた頃、真田宗多をいじめていたのは本物の吉本荒野であった。熱血で生徒思いの田子は2回に渡り吉本のいじめ行為を止めようとしたが、逆に吉本に脅され、自己保身のために真田の相談を反故にした。本物の吉本荒野が意識不明になった後、真田と直前まで電話し、自殺を止める為逃げ込んだ小屋を探すものの駆け付けた時は既に命を絶った後であった。自分の裏切りが彼を自殺に追い込んだと悔いて、「いつまでも彼のそばにいて、守ってあげるのは不可能。だから、生徒を自らの力で悪と戦える強い人間に育てなければならない」と学校教育の限界を感じ、中学校教師を止め各地を回り、死にかけたことから家庭教師として生徒の指導を行うことを決めた。そのため自分の中で「田子雄大」を殺し、絶対悪である「吉本荒野」になりすまし、問題のある生徒と向き合っていく。沼田家を指導する以前に3人の生徒を更生させた実績があると沙良の口から語られた。
- 真田の命日に彼が自殺した山小屋にいた吉本を慎一が訪ねて行き、沼田家に絆を与えてくれたことを感謝され、ひさびさに「田子雄大」として心からの笑顔を見せた。
- 慎一に「どうしても腑に落ちないことがあります。沙良さんに会えたのはあなたの部屋に置いてあった劇団のチラシがきっかけでした。
それで想像力を働かせてみたんです。もしあなたがわざとチラシを置いて行ったとしたら。 俺が8年前のあの胸を打つエピソードに共感して家族の再生に乗り出すところまで予測できたんじゃないかって。 彼女が教えてくれた8年前の真相は本当に真実なんですか?」と尋ねられると「いいねぇ〜」と返した。
- 沼田 慎一(ぬまた しんいち)〈16〉
- 演 - 神木隆之介
- 本作の視点側の主人公で沼田家の長男。1996年11月14日生まれ。血液型はAB型。
- 有名私立進学校・成邦館高校2年生。学校の成績は学年で10番以内、所属する陸上部では数々の優秀な成績をおさめるなど、周囲からは文武両道で家族思いの優等生と思われている。だが、実は家庭内で優等生を演じるストレスを発散するために万引きやむかついた相手の自転車をパンクさせるいたずらを繰り返し行っているなど問題を抱えた性格で、吉本からそれを出会った当初から見抜かれており、サイコパスぶりから沙良や吉本は第2の吉本荒野に成りかねないと危惧していた。対して、度を越した吉本の指導方法に疑問を抱き、吉本の素行を独自に調査する。決まったレールの上で物事を判断する性格でレールから外れた物事の判断には疎く、型破りかつレールの外れた人格である吉本のような人間に対して畏怖している。吉本の素行調査に没頭する余り、学業や部活の成績も下降線を辿り始めている。この素行調査は吉本にも知られてしまい、万引きをしている現場写真などを撮られて、弱みを握られた上に吉本が先回りし、事実を隠蔽されてしまうことがほとんどである。しかし、吉本を解雇しようと各方面から証拠を掴んだ上、家族会議を開き、吉本の解雇処分の是非を家族に問うが茂之をはじめとする家族の反発に遭い、逆に自身が家族から孤立する状況に追い込まれた。その後は真希と付き合うようになり、高校を中退して家を出て働くことも考え始め、家庭崩壊後は高校を中退し、怠惰な生活を送るようになる。その後、横浜市立沢北高校特進科の編入試験に合格し、疎遠になっていた飛鳥との関係も取り戻した。
沼田家
- 沼田 茂之(ぬまた しげゆき)〈14 → 15〉
- 演 - 浦上晟周
- 次男。1998年5月12日生まれ。血液型はA型。
- 横浜市立室山第一中学校3年生。前島亜美のファン。当初、学校の成績はクラスで下から5番目。授業中にトイレへ行くのを我慢し、耐え切れずその場で便失禁してしまったことが切っ掛けでクラス内でいじめに遭うようになり、さらに唯一の友人と信じていた園田からも裏切られ、中学3年の1学期から部屋に引きこもり不登校になる。吉本はその姿が過去の真田と似ているため第2の真田宗太に成りかねないと危惧していた。吉本の型破りな指導を受け、徐々に内向的な性格が変わっていく。 その一端として成績が目に見えて向上、さくらへの勇気ある告白も成功し、交際関係へと発展したが後に別れる。また、さくらの一件で疎遠になっていた園田との間に再び友情が芽生え、山尾を除くいじめっ子とも和解し友達となるが、後に三井たちが率いる山尾のいじめに加担することとなった。吉本解雇の是非を問う家族会議においては、学校に通学出来るようになったこと、友人も出来たこと、成績が向上したことを吉本に感謝した上で家族の誰よりも早く吉本の解雇に反発した。家庭崩壊後は再び引きこもるようになった。園田の呼びかけもあって再び登校するようになるが、エスカレートしていく山尾いじめにまたしても巻き込まれていく。吉本から「お前が家族を救え」と言われ、佳代子が離婚を決断した際、両親の離婚に反対した。その後、山尾へのいじめをやめさせるよう、三井たちを説得。園田・真野とともに成邦館高校を受験し、合格した。
- 沼田 一茂(ぬまた かずしげ)〈48〉
- 演 - 板尾創路
- 慎一・茂之の父親。1965年9月10日生まれ。血液型はB型。
- 一部上場企業である電気メーカー「パシフィック電機」の人事部課長。家庭内の問題は放置気味である。以前は花形の営業マンだったが、営業部から人事部に異動となった途端歪んだ人格になり、同期やかつての同僚等をリストラすることを内心では快感に思っている。慎一には「一」、茂之には「茂」、「一茂」という名前から1文字ずつ取り、それぞれ2人の息子に自分の名前を授ける。舞香とキスしている写真を妻に見られたのが原因で、妻が夫に関係する家事を放棄するようになり、自ら家事をしなければならない状況に置かれる。そして、慎一の成績が下降している問題を解決するため、吉本に家庭教師を依頼する。かつて佳代子の父・泰彦の会社に対して横領事件を起こしてしまい、人事部へ左遷、佳代子が実家から絶縁される原因を作ってしまった。泰彦からもらうはずの小切手も会社でなんとかなるという理由で一茂自身から断り、借金返済の為に再び早期退職者の退職金を横領したことが勝野によって社内に明るみになり解雇される。家庭崩壊後は仕事を探すためにハローワークを訪れるが、自身のプライドを捨て切れなかったため、なかなか仕事が決まらなかった。家族が集結した席で家を売却する決意を告げ、家と自家用車を売却。一家は引っ越し、自身の就職先も見つかった。
- 就職先では研修期間を経た後、店長として働いている。
- 沼田 佳代子(ぬまた かよこ)〈45〉
- 演 - 鈴木保奈美
- 慎一・茂之の母親。1968年3月8日生まれ。血液型はA型。
- 専業主婦。旧姓:前園。指の爪を噛む癖がある。インターネットの情報で吉本を知り、茂之の家庭教師に選び依頼する。近隣住民の視線や世間体を何よりも気にしている。茂之の誕生パーティ中、夫の浮気が発覚したことで夫と口論になり、茂之の誕生パーティが切っ掛けで家族が一つになれることの期待から「家族が変われると思った」と心情を吐き出す。夫の浮気が発覚した上に一茂と浮気相手の舞香がキスしている写真を見せられたことで、夫婦間はさらに冷え切った状態になる。自身は吉本の口車に乗ってしまい、ネット株の投資を始める。やがてネット株で1000万円を越える損失を出してしまい、無理を承知で勘当された父に助けを求める。夫は父が経営する会社の取引企業の社員で、将来有望だと父が見込み勧められるまま、 一茂と見合い結婚をする。夫が取引している父の会社に対して横領事件を起こしてしまい、実家から絶縁される。借金の肩代わりを父に頼むが断られてしまい、自らの生命保険で借金返済に充てることを考え、命を絶とうとしているときに吉本が止めに入ったため自殺未遂に終わる。家庭崩壊後は一時一茂と離婚することを決意するが、後に離婚を思い留まる。
その他
- 水上 沙良(みずかみ さら) / 立花 真希(たちばな まき)<偽名> / 浅海 舞香(あさみ まいか)<偽名>〈21〉
- 演 - 忽那汐里(中学時代:恒松祐里)
- 沼田家の崩壊に終始関わっている謎の女性。
- 当初は「パシフィック電機」総務部社員浅海舞香として登場し、飲食店での会計時に財布を紛失し困っていた時に偶然居合わせた一茂が代わりに支払ったことで知り合い、不倫関係になる。その不倫の発覚を皮切りに沼田家の崩壊が始まる。
- なおそれと同時に、吉本の過去を調べる慎一の前に「吉本荒野を訴える会」なるサイトの管理人立花真希として現れる。一茂とは偶然に出会ったわけではなく、吉本の状況を探るため作為的に一茂に近づいたことや自分が留学中に弟の家庭教師として両親が吉本を雇い、彼によって家庭崩壊へと導かれた家族が3年前に一家心中を図り、死亡したことを慎一に打ち明け、吉本を沼田家から追い出すため2人が協力関係になる。
- 留学生活を楽しんでいる最中の真希が、両親が多額の借金を背負ったため、留学費用が払えなくなり帰国させようとした親に対して「死んで生命保険で払えばいい」と暴言を吐いたことこそ、自身の家族を自殺に追い詰めたと、吉本が指摘する。自責の念に苦しんでいる真希を見た慎一がお互いに「自己中心的な考えを持つ者同士」として同情を感じ、徐々に2人の心が惹かれあっていき、後に交際関係へと発展する。
- その後浅海舞香という人物は総務部に同姓同名の別人が存在していることが判明し、まだ舞香に未練が残っていた一茂は関係を続けたいと願う。そのため慎一と激しく衝突し、沼田家が家庭崩壊のクライマックスを迎える。
- 家庭崩壊後、真実を求める慎一が吉本の暮らしていた部屋にあったチラシから、彼女の正体が劇団カナリカの劇団員・水上沙良であることが分かる。実は彼女は田子雄大の教え子であり、自殺した真田の幼なじみでもある。田子雄大に依頼されて浅海舞香、立花真希という人物を演じていたと自白し、8年前の真実を知っていることもあり事実と異なる状態に田子は「それでも良い」と言っていたことに対して「本物の吉本荒野が被害者なんて許せない」と思っており、真相を慎一に打ち明ける。
- 最上 飛鳥(もがみ あすか)〈17〉
- 演 - 北原里英
- 慎一の彼女で同級生。東大卒の兄がいる。慎一が始めた吉本の素行調査に協力していたが、慎一が素行調査並びに真希に傾倒するようになったせいで慎一との間に距離が出来始め、ついには慎一から「好きな人が出来た」と別れを告げられた。慎一が高校を中退した後も彼のことを心配しているが、飛鳥が家庭崩壊状態の沼田家を訪れた際、飛鳥が慎一に放った言葉が彼にとって吉本を擁護するように聞こえてしまい、慎一から暴行を受ける。その後、慎一のバスでの告白により関係を取り戻す。
- 井本 京香(いもと きょうか)
- 演 - 岡千絵
- 菜穂
- 演 - 真下有紀
- 上川 紗枝
- 演 - 弘中麻紀
- 上記3名は沼田家の近所に住む主婦友達。佳代子をネットスター証券主催の株式セミナーに誘う。また、佳代子に隠れて沼田家の悪口を言っていた。
- 勝野(かつの)
- 演 - 内田滋[8]
- 一茂の部下。かつて一茂にきつい叱責を受けた過去があり、一茂の横領事件を会社に告発し、解雇させる。その際、彼を「泥沼田課長」と侮辱した。
茂之のクラスメイトと担任
- 園田 満(そのだ みつる)〈15〉
- 演 - 松島海斗
- 茂之の同級生。学校の成績はクラスで5番目。インターネット上でのハンドルネームは「そのちゃん」。前島亜美サイン入りの写真集を盗む目的で茂之に近づいたことで仲良くなり、やがて、茂之を標的としたいじめに加担するようになる。その後、吉本の一計で再び茂之との友人関係が修復。盗んでいた写真集を茂之に返し、山尾と関わるのを止める。後に山尾いじめに加担するようになるが、茂之の説得もあって、山尾とも和解する。その後、茂之、真野と共に成邦館高校を受験し、合格する。
- 山尾 泰司(やまお やすし)
- 演 - 西本銀二郎
- 茂之のいじめを先導するリーダー。粗暴かつ陰湿な性格。吉本にいじめの現場を録画され、それを親・学校・教育委員会・文部省・マスコミに公表されたくなければいじめを止めろと脅されいじめを止める。いじめを止めた後も相川たちクラスメートを誕生会に行かないよう扇動するなどして茂之を仲間はずれにしていたが、園田や三井たちが茂之と仲良くなり、さらには最後まで残っていた竹下も茂之と和解したことにより孤立。今度は自分が三井たちからのいじめのターゲットになってしまったが、茂之によって助けられる。
- 三井 拓海(みつい たくみ)
- 演 - 江口祐貴
- 市原 学(いちはら まなぶ)
- 演 - 吉田翔
- 竹下 陸(たけした りく)
- 演 - 仙石流星
- 上記3名は山尾の仲間。茂之をいじめている男子グループ。山尾同様、いじめを止めた後も茂之を仲間はずれにしていたが、後に三井と市原は山尾と関わることが面倒になり茂之と和解。竹下は三井たちが茂之と和解した後もしばらくの間山尾と関わっていたが、後に和解する。山尾が孤立してからは山尾をいじめるようになったが、茂之の説得によって、いじめを止める。
- 稲垣 雫(いながき しずく)
- 演 - 鈴木葵
- 愛甲 広香(あいこう ひろか)
- 演 - 岩田陽葵
- 上記2名はクラスの女子で、茂之へのいじめを黙認していた。吉本に脅された後は茂之に好意的に接する。しかしそれは保身のための表面上の優しさで、本音では山尾らと同様に茂之をクラスの厄介者としか思っておらず「にやけている顔が気持ち悪い」「席替えしたい」などと陰で口汚く罵っていた。
- 相川 武夫(あいかわ たけお)
- 演 - 川崎槙吾
- クラスの学級委員。自己保身から茂之へのいじめを黙認していたが、「見て見ぬふりをした奴も共犯」と山尾たちのように吉本に脅されたことで、クラス内で茂之を無視できなくなった。
- 兵頭
- 演 - 坂本充広
- 茂之のクラスの担任。クラスの問題に全く気付いていなかった。
田子雄大の関係者
- 吉本 荒野(よしもと こうや)<本物>
- 演 - 忍成修吾
- 東大卒の中学教師。高柳の甥。雄大は元同僚だった吉本荒野の名を借り、口癖の「いいね〜」や興味を持った相手をデジカメで撮る行為を真似している。文武両道、容姿端麗、性格が明るい好青年で、他の同僚や生徒に人気があった。慎一の調査では田子とは性格が合わず、田子からいじめを受けた真田が彼に相談し、高柳に相談しようとしていたところ、いじめが発覚するのを恐れた田子に階段から突き落とされたものと思われていたが実際は反社会性人格障害の傾向が強い危険な思想を持つモンスターティーチャーで、ストレス発散および人体実験と称し真田に暴力をふるっていた。それを雄大に咎められた腹いせに、女子生徒に対して強引に性行為を要求した噂を流し、彼を社会的に抹殺しようとした。さらには、水上沙良を脅して、彼女の裸の写真を撮影し、雄大に罪を着せようと画策する。沙良と雄大を守るため写真入りのかばんを奪おうとした真田と揉み合いになる中で、学校の階段から突き飛ばされ、頭を打ちつけて昏睡状態に陥る。以降人里離れた井上病院に入院しており、生命維持装置でつながれている。
- 吉本 多恵
- 演 - 佐藤直子
- 植物状態で入院している息子の面倒を見ている荒野の母親。運び込まれた際は「犯人をつかまてくれ」とわめきちらし、雄大から息子の本性を聞かされると「いじめの事実を隠ぺいしてほしい」と泣きついた。吉本に無理やり協力させられているようで、慎一にも命令されたこと以外の言葉を喋ったため田子に注意された他、最終回でも「息子はもう罰を受けた、だから私たちには関わらないでほしい」と訴えるも、前述の身勝手で利己的な性格から拒否された。
- 真田 宗多(さなだ そうた)
- 演 - 吉井一肇
- 雄大の教え子。雄大が毎日のように訪れている廃校で奇声を発しているときに握り締めている人形の持ち主。その人形はお守りとして雄大が作り、真田にプレゼントした物。
- 慎一の調べでは、雄大からいじめを受け、悩みを打ち明けたい本物の吉本荒野も昏睡状態に陥り、精神的に追い詰められて自殺したと考えられていたが、実際は吉本からいじめを受け、雄大に罪を被せようとした吉本の鞄を奪おうと揉み合いになり突き飛ばして昏睡状態にした責任から、生きていると洗いざらい話さなければならなくなりそうすると田子と沙良に迷惑がかかると思い山奥の小屋で自殺してしまう。自殺する直前まで田子と電話で話していた。吉本から奪った沙良の写真は燃やし、カメラも壊していた。
ゲスト
- 榎本 貴史(えのもと たかし)
- 演 - 宮川一朗太(第1・最終話)
- 「パシフィック電機」営業部社員。一茂の同期入社で共に営業部所属時代は営業成績を争ったライバル関係にあったが、突如、戦友と思っていた一茂にリストラを勧告される。中学受験を控える娘がいる。突然パシフィック電機をリストラされた理由を一茂本人の口から聞かされる。
- 真野 さくら(まの さくら)
- 演 - 有川結女(第4 - 5話・最終話)
- 横浜市立室山第一中学校3年1組。中学1年生時代の茂之の同級生。園田の幼馴染。茂之に陣中見舞いの手紙を渡したことが切っ掛けに茂之と交際関係に発展する。しかし、この交際関係は茂之と園田の友情を再び結ばせるための吉本の策略によるものであり、吉本に買収されていた。後に成邦館高校を受験し、合格する。
- 高津(たかつ)
- 演 - 平間壮一(第5 - 6話)
- 慎一が所属する陸上部の部員で補欠。他の部員にいじめられ、慎一に相談するも、「だったら勝手に死ねよ!」と慎一が突き放したことが決定打となり、部室で自殺を図るも未遂に終わる。その後、慎一から「俺のせいじゃないよな」と半ば強引ながら同調させられる。
- 高柳(たかやなぎ)
- 演 - 田村泰二郎(第6・9話)
- 吉本荒野の叔父。田子雄大・吉本荒野が同じ中学校に勤めていた時代の教頭で現在は退職している。慎一が会った際にかつての生徒だった水上 沙良とも対面しているがなんの反応もなかった。単に覚えていなかったのか、田子により買収されていたのか不明。
- 丸川(まるかわ)
- 演 - 佐伯新(第6・9話)
- 西口(にしぐち)
- 演 - 児玉貴志(第6・9話)
- 上記2名は田子雄大・吉本荒野の同僚教師。吉本荒野の体罰に加担していたが、実は雄大に依頼されて、教師を演じていた劇団カナリカの劇団員。
- 羽間(はざま)
- 演 - 武子太郎(第6・9話)
- 丸川・西口同様雄大に依頼されて、雄大・吉本荒野の同僚教師を演じていた劇団カナリカの劇団員。
- 前園 泰彦
- 演 - 村井國夫(第7話)
- 佳代子の父親で慎一と茂之の祖父。実業家で、パシフィック電機の取引会社を経営。娘を一流企業に勤める取引会社の社員である一茂と見合い結婚させたが、一茂の不祥事がきっかけで彼と離婚することを佳代子に勧める。娘が父の願いを聞き入れなかったことで愛想を尽かし縁を切る。その後、娘から借金返済の申し入れや吉本の助言で小切手を渡すが一茂に断られる。
- 前園 光子
- 演 - 上岡紘子(第7話)
- 佳代子の母親。
- 若林
- 演 - 岩瀬亮(第8話)
- 慎一・飛鳥の担任。進路希望を白紙で出したことについて事情を聞くため、慎一や佳代子を呼び出す。慎一たちは万引きの件だと勘違いしていた。
作品の評価
- 小説家の柚木麻子は、『週刊朝日』2013年5月3日・10日号(1週目放送後の発売号)において、森田芳光による映画版のシュールなおかしみと比較して、「ミヒャエル・ハネケ作品風のひんやりした不快感」があると述べ、櫻井翔の「誰もがうすうす気付いていながら触れる勇気がなかった、櫻井の底の見えなさと笑顔の奥のうっすらした狂気」をさらけだした怪演に引き込まれたと評価している[9]。
- 2013年に日本で盛り上がったトレンドをカテゴリー別にまとめた「Twitterの2013年」各部門TOP10が発表され、「家族ゲーム」がテレビドラマランキングの4位となった。[10]
スタッフ(フジテレビ)
- 原作 - 本間洋平『家族ゲーム』(集英社文庫刊)
- 脚本 - 武藤将吾
- 音楽 - 本多俊之
- 演出 - 佐藤祐市、岩田和行
- 主題歌 - 嵐「Endless Game」(ジェイ・ストーム)
- 演出補 - 山内大典
- CG - 中村明博
- フードコーディネーター - 住川啓子
- スタント - 釼持誠
- 医療監修 - 佐々木理恵
- 株式投資監修 - 橋本顕愛、Financial Academy
- フラダンス指導 - 祐下かおり、牧野亨子(第3話)
- ギター指導 - 本多数浩(第3話)
- インラインスケート指導 - 小泉博、小泉アキラ(東京ボンバーズ / 第4話)
- 作品協力 - 高橋陽一『キャプテン翼』(集英社 / 第7話)
- 撮影協力 - EAT&Co、イーアンド株式会社、旧新座小学校、日本ウェルネス高等学校中野キャンパス、横浜商科大学、みなとみらいグランドセントラルタワー、ハマロケ歌うんだ村 仲町台店、明海大学、相鉄バス株式会社、横浜ランドマークタワー スカイガーデン、パセラリゾーツ横浜西口店、ハマポール イアス、オホーツク美幌食堂、アーバンドック ららぽーと豊洲
- 編成企画 - 水野綾子
- プロデュース - 稲田秀樹、小林宙
- プロデュース補 - 鈴木里佳子
- 制作 - フジテレビ
- 制作著作 - 共同テレビ
放送日程(フジテレビ)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率[11] |
---|---|---|---|---|
第1話 | 2013年4月17日 | 君は成績を上げたいと思うかい? 異常なる家庭教師が弟を壊す | 佐藤祐市 | 12.0% |
第2話 | 4月24日 | 弟が家庭教師の犬になる! | 13.7% | |
第3話 | 5月テンプレート:01日 | 誕生日会に家庭教師がクラス全員招待! | 岩田和行 | 11.1% |
第4話 | 5月テンプレート:08日 | 弟にラブレター?? 家庭教師強引にデートを仕込む! | 佐藤祐市 | 12.2% |
第5話 | 5月15日 | 慎一は沼田家が生み出したモンスターだ | 岩田和行 | 12.4% |
第6話 | 5月22日 | 緊急家族会議! 議題は家庭教師解雇の件 | 佐藤祐市 | 12.9% |
第7話 | 5月29日 | 沼田家崩壊は3年前から始まっていた! 母佳代子の絶望 | 岩田和行 | 13.6% |
第8話 | 6月テンプレート:05日 | 家庭教師による家族ゲーム、結果発表! | 佐藤祐市 | 12.6% |
第9話 | 6月12日 | 吉本の衝撃の過去! 崩壊の先に… | 岩田和行 | 12.4% |
最終話 | 6月19日 | あの男が家庭教師になった理由〜彼は誰を殺したのか? | 佐藤祐市 | 16.7% |
平均視聴率 13.0%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
受賞歴
- 「第17回日刊スポーツ・ドラマグランプリ(GP)」の春ドラマ選考で、
作品賞、主演男優賞(櫻井翔)、助演男優賞(神木隆之介)、助演女優賞(鈴木保奈美)の4冠を獲得[12]。
- 「第77回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞」で、
作品賞、脚本賞、監督賞、主演男優賞(櫻井翔)、助演男優賞(神木隆之介)、ドラマソング賞(嵐)の6冠を獲得。
- 『第30回ATP賞』の総務大臣賞を受賞。
- 第68回『日本放送映画藝術大賞』放送部門で優秀主演男優賞(櫻井翔)、優秀音楽賞、優秀衣装デザイン賞を受賞。
- 第23回 TVLIFE年間ドラマ大賞2013で 作品賞、主演男優賞(櫻井翔)、助演男優賞(神木隆之介)、助演女優賞(鈴木保奈美)、主題歌賞(嵐)の5冠を獲得。
関連商品(フジテレビ)
Blu-ray
「家族ゲーム Blu-ray BOX」
- ディスク枚数: 4枚
- 販売元 - ポニーキャニオン
- 発売日 - 2013/11/29
- 時間 - 598 分
- 〔特殊内容/特典〕
- 特典映像 - メイキング、制作発表、ヒット祈願、トークイベント、ノンクレジットエンディング
- 〔封入特典〕初回限定ブックレット
- 〔外付け特典〕クリアファイル
DVD
「家族ゲーム DVD-BOX 」
- ディスク枚数: 7枚
- 販売元 - ポニーキャニオン
- 発売日 - 2013/11/29
- 時間 - 598 分
- 〔特殊内容/特典〕
- 特典映像 - メイキング、制作発表、ヒット祈願、トークイベント、ノンクレジットエンディング
- 〔封入特典〕初回限定ブックレット
- 〔外付け特典〕クリアファイル
家族ゲーム オリジナル・サウンドトラック
- 収録曲
- 遊戯 ~opening~
- 神話
- 枯渇
- 迷路#1
- 虚無
- 偏執
- 疑惑
- 遊戯
- 迷路#2
- 管鼓
- 寂寥
- 集塵
- 漆黒
脚注
- ↑ 1.0 1.1 バラエティの“水10”からドラマの“水10”へ。記念すべき第一弾は嵐の櫻井翔主演の『家族ゲーム』 2013年1月29日閲覧
- ↑ 例えば見田宗介「現代日本の感覚と思想」講談社学術文庫P27-28。見田は現代家族の虚構性を表すものとしている。
- ↑ ただし、黒澤明の『赤ひげ』(1965年)に同様の構図の食事シーンがある。
- ↑ 番組冒頭で原作とは直接関係のないスピンオフ作品であるとの告知テロップが表示された。
- ↑ 主人公・櫻井翔、ポスター撮影開始!そして共演者発表!最強の布陣で送る2013年版『家族ゲーム』!2013年3月21日閲覧
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 第4話は、一部地域を除き、21:59 - 22:00にミニ番組『家族ゲームいいねぇ』も別途放送。
- ↑ http://ameblo.jp/shige-uchida/entry-11499189818.html 『家族ゲーム』と『猫弁』告知
- ↑ テンプレート:Cite journalリンク先の文章は一部のみ。
- ↑ 2013年日本を盛り上げたのは?TwitterトレンドTOP10発表(モデルプレス) - 2013年12月12日閲覧
- ↑ 全放送回と平均の出典。家族ゲーム Sponichi Annex 芸能、2013年6月20日参照。
- ↑ 「家族ゲーム」が4冠/日刊スポーツドラマGP春(nikkansports.com) - 2013年7月8日閲覧
外部リンク
- 映画
- テレビドラマ(フジテレビ)
- 家族ゲーム - フジテレビ
- 家族ゲーム - フジテレビ番組基本情報
テンプレート:TBS金曜8時枠の連続ドラマ テンプレート:フジテレビ水曜10時枠の連続ドラマ テンプレート:ザテレビジョンドラマアカデミー賞 テンプレート:Asboxテンプレート:Asbox テンプレート:Asbox
- 壊れたファイルへのリンクがあるページ
- 文学関連のスタブ
- 1982年の小説
- 日本の小説
- 家族を題材とした作品
- いじめを題材とした小説
- 東京都を舞台とした作品
- 1983年の映画
- 日本のドラマ映画
- 日活製作の映画作品
- 森田芳光の監督映画
- 日本のコメディ映画
- 家族を題材とした映画作品
- いじめを題材とした映画作品
- 1982年のテレビドラマ
- テレビ朝日のテレビドラマ
- 1983年のテレビドラマ
- 1984年のテレビドラマ
- 1985年のテレビドラマ
- TBS金曜8時枠の連続ドラマ
- 2013年のテレビドラマ
- フジテレビ水曜10時枠の連続ドラマ
- 共同テレビのテレビドラマ
- 文学を原作とするテレビドラマ
- コメディドラマ
- ホームドラマ
- いじめを題材としたテレビドラマ
- サスペンスドラマ