やきそば弁当
やきそば弁当(やきそばべんとう)とは、マルちゃんブランドを展開する東洋水産が北海道エリアで販売するカップ焼きそばである。なお、『やきそば弁当』は東洋水産の商標登録である[1]。
本項では東北、信越地方限定販売の『焼そばバゴォーン』についても記述する。
目次
概要
1975年(昭和50年)「やきそば弁当」発売開始[2][3]。北海道は、従来から東洋水産のインスタント製品のシェアが高い地域であり、東洋水産の「やきそば弁当」が北海道のカップ焼きそばのトップブランドとして定着している。その高い人気から充実した様々な商品展開を行っている。
2010年(平成22年)2月以降の出荷分より、「やきそば弁当」シリーズの全てがJASマーク認定となった[4]。
この関係で北海道では「昔ながらのソース焼そば」が販売されていなかった時期もあったが、2007年(平成19年)2月以降、東北、信越地方と共に販売が再開された。
名前の由来として『スープを入れているため、厚みのある大きなカップの形状から、「弁当箱に似ている」』との説明がある[3]。
東洋水産において当商品と同様に全国展開しない地域限定商品として「ダブルラーメン」「やきっぺ」「屋台十八番(袋入りフライ麺)」等がある。
当初はプラスチック製の二重構造の入れ物で下の蓋がスープ用、上の蓋が麺用及び湯切り用であったが、近年製造形は通常のカップラーメン同様紙製に切り替わっており湯切り用の穴が設けられた紙製蓋により湯切りされるようになった。
日清食品は、対抗して同様の商品「やきそばできました。」を2003年(平成15年)から北海道限定で発売している。
高いシェアの理由
社名が示すように東洋水産では元々、鯨、鮭、カニ、サンマ、イワシなどの魚類の加工や缶詰の製造が盛んで、水産業の流通経路と物流網が北海道の隅々に確立されていた[5]。そこへ、東洋水産製品の食品を導入したのがきっかけで他のメーカーよりも早くシェアの拡大に成功した[5]。他のメーカーが参入する時には、広大な土地柄もあり販売網の確立が困難(ぺヤングなど撤退したメーカーもある)で、後に対抗するようになった日清食品を例外とすると既に販売網を整えていた東洋水産に対抗できなかった。
特徴
「野菜・肉」の入ったかやく袋・「青のり・紅しょうが」の粉末と一緒の別袋で粉末の「中華スープ」が付属する。やきそばのソースの味は、少し甘めでマイルドな味わい。他社のカップ焼きそばとは、一線を画す。一般的なカップ焼きそばの調理方法では、熱湯を注いで麺を茹で上げた後、通常その湯は捨てるが、この製品は、湯を別の器に注ぎ粉末スープを溶かすことで、中華スープが出来上がる。
ラインアップ
※ 太字は現在販売中の商品
やきそば弁当シリーズ
- 「やきそば弁当」 - レギュラーサイズでめん質量100g
- 「大判やきそば弁当」 - 麺の量がレギュラーサイズの1.3倍
- 「でっかいやきそば弁当」 - 麺の量がレギュラーサイズの2倍
- 「やきそば醤油弁当」 - 醤油味のソース
- 「やきそば塩弁当」 - 塩味の焼きそばで中華スープの替わりに粉末の「コンソメスープ」が付属する。
- 「やきそば弁当ちょい辛」 - (2007年2月発売)甘辛口のソース
- 「やきそば弁当おかか風味」 - 鰹節を用いた和風のソース
- 「やきそば弁当ガーリック醤油」 - ガーリックと唐辛子の利いた醤油味のソース
- 「濃いやきそば弁当」 - 辛口ソース
- 「やきそば弁当 おかげさまで発売35周年」 - (2010年1月発売)やきそば弁当発売35周年を記念して発売された商品 具のキャベツの量が通常のやきそば弁当の物より35%増量されている。
- 「あんかけ風やきそば弁当」- (2010年2月発売)従来の製品とは、調理工程が異なり、「湯切りをした後、熱湯を再びおよそ半分目まで注ぎ、別添えの「あんの素」を入れてかき混ぜてから食べる。」という斬新な商品となっている。やきそば弁当シリーズにあった中華スープは付属しない。
- 「やきそば弁当 坦坦麺」 - (2010年7月発売)汁なしのピリ辛坦坦麺風ソース
- 「やきそば弁当 たらこ味」 - (2011年2月発売)たらこ味のソースとたらこ風味の別添オイル
- 「やきそば弁当 Calbeeポテトチップスのりしお味」 - (2011年7月発売) カルビーとのコラボ商品 カルビーポテトチップスのりしお味をイメージした塩味の焼きそば ポテトチップスは入っていない。
- 「がんばれ!受験生 やきそば勉当で必勝祈願!しょうが焼き味」 - (2012年1月発売)しょうが焼き味の焼きそば 中華風しょうがスープ付き 北海道限定ではなく全国発売。
- 「やきそば弁当 ナポリタン味」 - (2012年1月発売)ナポリタン味の焼きそば コンソメスープ付き。
- 「やきそば弁当 はま塩」 - (2012年7月発売)海鮮風塩味の焼きそば。
- 「やきそば弁当 中華風醤油」 - (2013年2月発売)オイスターソースを利かせた中華風醤油ソース いりごまのふりかけ付き。
- 「やきそば弁当 塩」 - (2014年2月発売)塩味の焼きそばで、以前販売されていたやきそば塩弁当とはソース、かやく等が異なる。
焼きうどん弁当
CM
CMには、古くはブラザートムや明石家さんま、今田耕司、柳沢慎吾などが登場していた事もあった。2004年(平成16年)には山田孝之、2005年(平成17年)に波田陽区、2006年(平成18年)には石原良純が起用された。2007年(平成19年)以降は北海道出身のタカアンドトシが起用されている。
販売エリア
- 北海道限定品として知られた商品であり、空港やJR北海道の駅などの売店では、お土産品として「リボンナポリン」「コアップガラナ」「サッポロ・クラシック」などと共に販売されている。
- 東京ではJR東日本・有楽町駅前の」交通会館ビルにある北海道のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」でも購入できる。通常サイズの他「大判やきそば」や「でっかいやきそば」も揃っている。
- 大阪ではWhityうめだにある北海道のアンテナショップ「きたれしぴ」で発売されていることもある。
- 他地域では東北地域及び関東地域のセブンイレブンやローソン等の一部CVS、イオンの一部店舗で常時・不定期販売が行われている。その他、ミニストップなどのコンビニやスーパーマーケットなどで不定期に行われる「北海道フェア」などの催事において期間限定で販売されることがある。
焼そばバゴォーン
概要
東北地方及び信越地方では、具材や麺が「やきそば弁当」に類似した「焼そばバゴォーン(焼そばBAGOOOON)」(やきそばバゴォーン)が販売されており、これらの地域では2014年(平成26年)現在も絶大な人気を誇る。名前とパッケージ(容器を含む)、およびわかめスープ付きでパッケージには「三陸産わかめスープ付」と表記されている点が異なる[7]。
「焼そばバゴォーン」は1979年(昭和54年)3月に販売開始。1981年(昭和56年)3月には中華スープが添付されるようになり、1985年(昭和60年)3月には前述したとおりわかめスープに変更され現在に至る。当初は全国展開で販売していたが、営業力が弱くブランドが定着しなかった地域から順に販売を終了し、結果的に営業力が強くブランドが定着した東北と信越のみの地域限定販売商品となった[3]。バゴォーンが定着しなかった地域向けに代替商品として「昔ながらのソース焼そば」が開発され[3]、1996年2月に販売開始された[8]。ただし、地域外でも一部店舗では定期・不定期で販売が行なわれている。
「焼そば弁当」シリーズ、および「昔ながらのソース焼そば」シリーズ、「焼そば名人」シリーズ同様、2010年(平成22年)2月以降の出荷分より、「焼そばバゴォーン」シリーズの全てがJASマーク認定となった。
特徴
ソースの味は、「やきそば弁当」の方が若干こってりとしていて甘さを伴い、ソースの量がやや多く「バゴォーン」の約1.3倍がある。一方「バゴォーン」の方はソースの量が比較的少なめで少々薄口で若干塩辛い。「バゴォーン」シリーズはソース焼そばに限らず、後発の「バゴォーン 凄太」とその後継商品に当たる「焼そばバゴォーン 濃厚甘口」を除く「焼うどんバゴォーン」や「バゴォーン はま塩」(現・「バゴォーン 海鮮うま塩味」)、「バゴォーン ちょい辛」もソースの味がいずれも薄口気味である。「バゴォーン ちょい辛」を除く「バゴォーン」シリーズには好みに応じて別途ふりかけるスパイスは添付されていない。
ラインアップ
- 焼そばバゴォーン
シリーズ基本形となる「バゴォーン」のオリジナル版(ソース味)の味自体は、1985年3月以降のバージョンからほとんど変わっていない。
- 焼そばバゴォーン - レギュラー
- 焼そばバゴォーン はま塩 - (2001年2月発売)塩味の焼そば。2013年7月8日より商品名を「焼そばバゴォーン 海鮮うま塩味」に改名した[9]。
- 焼そばバゴォーン 濃厚甘口 - (2013年2月発売)焼きうどんを除く同シリーズ唯一の濃口系ソースが採用されている。
- 焼そばバゴォーン チリトマト味 - (2014年2月発売)[10]
- 過去にあった商品
- 大(だい)焼そばバゴォーン - (1990年代前期〜中期)レギュラーの大盛版。意外と短命に終わった。
- 焼きそばパキューン - (1990年前後)少量化した廉価版。
- ブタ焼きそばバゴォーン - (1995年頃)北海道のみ未発売。発売開始から1年足らずで販売終了。
- 復刻版 焼そばバゴォーン 30周年記念品大盛 - (2009年4月27日発売)1979年発売当時の味をほぼ再現し、更に三陸産わかめスープが添付したが同年6月までの完全限定商品として全国で発売された[11]。
- 焼うどんバゴォーン - (2005年3月〜2011年1月発売)焼そばバゴォーンの焼うどん版。先述の「焼そばバゴォーン 凄太」の発売開始に伴い2011年1月を以って販売終了となった。
- 焼そばバゴォーン 凄太(すごぶと) - (2011年2月発売)先述の「焼そばバゴォーン 濃厚甘口」の発売開始に伴い2013年1月を以って販売終了。焼きうどんを除く同シリーズ唯一の太めの麺が採用されていた。
- 焼そばバゴォーン ちょい辛 -(2009年2月発売)シリーズ発売30周年を記念して、オニオン風味のブラックペッパー(粗挽き黒胡椒)が添付された物。ソースの味はレギュラーと全く同一。先述の「焼そばバゴォーン チリトマト味」の発売開始に伴い、2014年3月を以って販売終了となった。
CM
CMは後述する2007年(平成19年)度のCMを除き、上記の「焼きそば弁当」と同じタレントが出演している。なお、2007年度のCMに限り「昔ながらの〜」シリーズと「バゴォーン」シリーズは、眞鍋かをりが担当しており、2008年(平成20年)度以降は、タカアンドトシで、同社の「昔ながらのソース焼そば」、「焼そばバゴォーン」と共通の作りである。