麻実れい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年8月21日 (木) 23:51時点におけるYOUJI (トーク)による版 (来歴: 研3説明)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:ActorActress 麻実 れい(あさみ れい、1950年3月11日 - )は、元宝塚歌劇団雪組トップスターで、日本女優。本名:信元 孝子(のぶもと たかこ 旧姓:田中)。

東京都千代田区出身。身長172cm、血液型O型。愛称ターコ梅田芸術劇場所属。

来歴

1968年3月、東京家政学院高等学校卒業。同年4月、宝塚音楽学校入学。1970年56期生として宝塚歌劇団に入団。同期には萬あきら条はるき東千晃(元星組トップ娘役)、小柳ルミ子(当時は夏川るみ)らがいる。雪組公演『四季の踊り絵巻/ハロー!タカラヅカ』で初舞台を踏み、翌年、星組に配属。

1972年、『花の若武者』新人公演にて主役・鬼若(若き日の弁慶)に大抜擢。研3(宝塚用語で「入団3年目」をさす)での新人公演主演は当時の新記録だった。同年、雪組に組替え。

1975年、入団6年目にして『ベルサイユのばら-アンドレとオスカル-』でアンドレ役に抜擢され、美貌の長身男役スターとして人気を博す。翌1976年、『星影の人』で土方歳三を、1977年には『あかねさす紫の花』で中大兄皇子を演じ、自身の代表作となった。後に二番手男役スターに昇格。

1978年、『風と共に去りぬ-スカーレット編-』にてレット・バトラーを演じ、人気を決定付ける。当時の雪組トップスター・汀夏子には固定の相手役がおらず、二番手の麻実とよく組んでいた為「男役同士のコンビ」(汀談)[1]と呼ばれた。

1979年宝塚バウホールにて自身のリサイタルとなる『愛の飛翔』に出演。この作品は1984年まで『愛の飛翔Ⅱ』『愛の飛翔Ⅲ』とシリーズ化される作品となる。

1980年、汀の退団に伴い、雪組トップスターに就任。お披露目公演は『花の舞拍子/青き薔薇の軍神-アンジェリクⅡ-』。相手役は星組より遥くららを迎え、抜群の美貌と華・息の合った演技でゴールデンコンビと謳われた[2]

1983年、クロード・アネ原作の『うたかたの恋』にて自身が熱望したルドルフ皇太子を演じ、この作品は現在まで再演され続ける名作となる。

1984年、再演『風と共に去りぬ』で再びレット・バトラー演じるも、相手役・遥はこの作品限りで退団。麻実は新しい相手役を特定せず空位としたまま、次作『千太郎纏しぐれ/フル・ビート』公演中に退団を発表。

1985年4月、『花夢幻/はばたけ黄金の翼よ』を最後に退団。この公演では、相手役を入団4年目(研4)だった一路真輝(当時は一路万輝)が務めた。

退団後は舞台女優として活躍。1995年にはタイトルロールを演じた『ハムレット』で10年ぶりに男役を演じ、第3回(1996年度)読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞[3]。その後2011年には『黒蜥蜴』で再び同賞を受賞している[4]

2001年には初出演した映画『十五才 -学校Ⅳ- 』にて第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し[5]2002年には毎日芸術賞を受賞するなど、女優としての地位を確立している。

2006年紫綬褒章を受章した。

人物・エピソード

  • 東京の神田明神界隈で刀剣金具製造業((つば)など)の父のもと三人姉妹の末子として生まれる。幼稚園時からバレエを習い、高校卒業後、宝塚ファンであった姉達の勧めで音楽学校を受験[6]。初めての受験で合格した。
  • 本来ならば1984年の『風と共に去りぬ』で退団することを決めていたが、偶然にも相手役の遥も退団を決めており、退団の意思を遥が先に切り出した為、「雪組の二本柱が同時に出てしまうと土台ががたついてしまう」という理由で一旦自分の退団予定を取り下げた。遥を送り出した後は「多数の若手娘役たちと組んだりして成長させてあげたい」という意思があり、後任の相手役を決めなかったという[8]

宝塚歌劇団時代の主な舞台

初舞台・星組時代

雪組時代

  • 1973年2月、『花吹雪』 - 酒井主膳 役/『愛のラプソディ』
  • 1973年11月、『たけくらべ』 - 新人公演:信如 役(本役:汀夏子)/『ラブ・ラバー』
  • 1974年5月、『若獅子よ立髪を振れ』 - 新人公演:松平容保 役(本役:神代錦)/『インスピレーション!』
  • 1974年11月、『紅椿 雪に咲く/ファンキー・ジャンプ』
  • 1975年2月、『フィレンツェに燃える』 - オテロ 役/『ザ・スター』
  • 1975年8月、『ベルサイユのばら-アンドレとオスカル-』 - アンドレ
  • 1976年1月、『白鷺の詩』 - 黒鳥の王 役/『ムッシュ・パピヨン』
  • 1976年6月、『星影の人』 - 土方歳三 役/『Non,Non,Non』 - ミスター・クロック 役
  • 1977年2月、『鶯歌春』/『マンハッタン・ラグ』
  • 1977年7月、『あかねさす紫の花/ザ・レビュー』 - 中大兄皇子(天智天皇) 役
  • 1978年1月、『風と共に去りぬ-スカーレット編-』 - レット・バトラー 役
  • 1978年6月、『丘の上のジョニー』 - アラン 役/『センセーション!』
  • 1979年1月、『春風の招待』 - ジョセフィーヌ、エクトール 役/『ハロー!ホリデー』
  • 1979年8月、『朝霧に消えた人』 - 三浦左馬介 役/『オールマン・リバー』
  • 1979年10月、リサイタル『愛の飛翔』
  • 1980年2月、『去りゆきし君がために』 - フェルナンド 役
  • 1980年8月、バウホール公演『クレージーなそよ風』 - 鳥売りの青年、ビル、ジミー 役

雪組トップ時代

  • 1980年10月、『花の舞拍子』/『青き薔薇の軍神-アンジェリクⅡ-』 - フィリップ・デュ・プレシ・ベリエール 役
  • 1981年1月、バウホール公演『恋の特ダネ』 - ロバート 役
  • 1981年5月、『彷徨のレクイエム』 - ウロンスキー、ミハイル、フェリックス 役
  • 1981年11月、『かもめ翔ぶ海』 - 悠太郎 役/『サン・オリエント・サン-太陽讃歌-』 - 太陽神 役
  • 1982年5月、『ジャワの踊り子』 - アディナン 役
  • 1982年9月、リサイタル『愛の飛翔Ⅱ』
  • 1982年11月、『パリ変奏曲』 - カール・ハインリッヒ 役/『ゴールデン・ドリーム』
  • 1983年5月、『うたかたの恋』 - ルドルフ 役/『グラン・エレガンス』
  • 1983年12月東京宝塚劇場公演『うたかたの恋』 - ルドルフ 役/『ハッピーエンド物語』
  • 1983年8月、『ブルー・ジャスミン-砂漠の愛-』 - カシム・ベン・フセイン 役/『ハッピーエンド物語』
  • 1984年3月、『風と共に去りぬ』 - レット・バトラー 役
  • 1984年5月、リサイタル『愛の飛翔Ⅲ』
  • 1984年9月、『千太郎纒しぐれ』 - 千太郎 役/『フル・ビート』
  • 1985年1月、『花夢幻』/『はばたけ黄金の翼よ』 - ヴィットリオ・アラドーロ 役 *退団公演

宝塚歌劇団退団後の主な活動

舞台

  • シカゴ(1985年、1986年)(ヴェルマ・ケリー 役)
  • マクベス(1987年 - 1989年)(マクベス夫人 役)
  • 危険な関係(1988年、1993年)(メルトゥイユ侯爵夫人 役)
  • 双頭の鷲(1990年)(王妃 役)
  • サド侯爵夫人(1990年)(侯爵夫人ルネ 役)
  • メアリー・ステュアート(1990年、1993年、1996年)(メアリー・ステュアート 役)
  • 桜の園(1991年、2003年、ただし演出家は別)(ラネーフスカヤ 役)
  • ハムレット(1995年、1997年、1998年)(ハムレット 役)
  • 蜘蛛女のキス(1996年、1998年)(蜘蛛女 / オーロラ 役)
  • グリークス(2000年)(アンドロマケ 役)
  • オイディプス王(2002年、2004年)(イオカステ 役)
  • タイタス・アンドロニカス(2004年、2006年)(タモーラ 役)
  • エリザベス・レックス(2004年)(エリザベス1世 役)
  • 箱根強羅ホテル(2005年)(山田智恵子 役)
  • 黒蜥蜴(2006年)(緑川夫人/黒蜥蜴 役)
  • 夏の夜の夢(2007年、2009年)(タイターニア / ヒポリタ 役)
  • かもめ(2008年)(アルカージナ 役)
  • 山の巨人たち(2008年)(伯爵夫人イルセ 役)
  • ストーン夫人のローマの春(2009年)(カレン・ストーン 役)
  • コースト・オブ・ユートピア(2009年)(ヴァルヴァーラ 役他)
  • 冬のライオン(2010年)(エレノア・オブ・アキテーヌ 役)
  • 水の手紙 井上ひさしへのラブレター(2010年)
  • おそるべき親たち(2010年)(イヴォンヌ 役)
  • 朗読劇・停電の夜に(2010年)
  • トップ・ガールズ(2011年)(イザベラ・バード / ジョイス / キッド夫人 役)
  • キネマの天地(2011年)(立花かず子役) 
  • みんな我が子(2011年)(ケイト・ケラー役)
  • サロメ(2012年)(ヘロディア役)
  • サド侯爵夫人(2012年)(サン・フォン伯爵夫人役)
  • しゃばけ(2013年)(おたえ役)
  • 鉈切り丸(2013年)(建礼門院役)
  • おそるべき親たち(2014年)(イヴォンヌ役)
  • 昔の日々(2014年)

映画

テレビドラマ

受賞歴

  • 1996年 第3回読売演劇大賞 最優秀女優賞『ハムレット』『エンジェルス・イン・アメリカ』
  • 1997年 第18回松尾芸能賞 演劇優秀賞『蜘蛛女のキス』
  • 2000年 第7回読売演劇大賞 優秀女優賞『リトル・ナイト・ミュージック』『恋の三重奏』
  • 2000年 第25回菊田一夫演劇賞『リトル・ナイト・ミュージック』『恋の三重奏』『二十世紀』
  • 2001年 第35回紀伊国屋演劇賞『二十世紀』『グリークス』
  • 2001年 第24回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞『十五才・学校IV』
  • 2002年 第43回毎日芸術賞『サラ』
  • 2003年 第10回読売演劇大賞 優秀女優賞『くしゃみ』『オイディプス王』
  • 2004年 第11回読売演劇大賞 優秀女優賞『桜の園』『サラ』『AOI』
  • 2004年 第54回芸術選奨文部科学大臣賞『桜の園』『AOI』
  • 2005年 第12回読売演劇大賞 優秀女優賞『タイタス・アンドロニカス』『エリザベス・レックス』
  • 2006年 第6回朝日舞台芸術賞 舞台芸術賞『黒蜥蜴』
  • 2007年 第14回読売演劇大賞 優秀女優賞 『黒蜥蜴』
  • 2011年 第18回読売演劇大賞 最優秀女優賞 『冬のライオン』『おそるべき親たち』
  • 2012年 第19回読売演劇大賞 優秀女優賞 『トップ・ガールズ』『みんな我が子』

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

  • テレビ西日本(宝塚現役当時にこの放送局のテーマソングを遥と共に歌っていた)

外部リンク

テンプレート:宝塚歌劇団 テンプレート:宝塚版 ベルサイユのばら 主要キャスト テンプレート:宝塚版 風と共に去りぬ 主要キャスト テンプレート:宝塚歌劇団雪組主演男役

テンプレート:毎日芸術賞
  1. 毎日新聞社発行 「毎日グラフ別冊 タカラヅカよ永遠に!」1984年6月30日発行 41頁
  2. 朝日新聞 2014年1月1日付 別刷り紙面 2頁 大阪本社発行
  3. 演劇大賞 過去の受賞作 第3回
  4. 演劇大賞 過去の受賞作 第18回
  5. 第24回日本アカデミー賞優秀作品助演女優賞欄参照
  6. 宝塚歌劇団発行「宝塚グラフ」1983年5月号 44-45頁
  7. 由美子へ・取材ノート 第19章 レクイエム(ベルばらkidsわ~るど 宝塚プレシャス 2007年8月14日)
  8. 宝塚 DREAM FOREVER-100周年、そして、輝ける未来へ-#22「麻実れい」番組内で本人が発言