日産・ラフェスタ

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ラフェスタLAFESTA )は、日産自動車が販売する7人乗りのミニバン。そのルーツは1982年登場のプレーリーにまで遡る。初代(2011年6月以降は「ラフェスタJOY」)の生産は日産自動車九州(旧・九州工場)が担当。2代目「ハイウェイスター」はマツダからのバッジエンジニアリング車種となる(生産はマツダ宇品第2工場)。

概要

ムラーノの発表会上で同時発表された6車種の1つ。リバティの後継車種にあたり、日産自動車としては初めて、ルノー・メガーヌと共通のCプラットフォームを採用した。後席ドアにはリバティと同様に両側スライドドアを採用している。ガソリンの給油口は「リバティ」が左側であったのに対し、ラフェスタはほかのアライアンスプラットフォーム採用車同様に右側となった。

SHIFT_ワードは前期型は「SHIFT_open feeling(開放感を、シフトする)」、後期型は「SHIFT_easy driving(ミニバンの運転のしやすさをシフトする)」。スペース確保のしやすいスクエアフォルムとし、窓を大きくとり、大型サンルーフであるパノラミック・サンルーフを標準装備するなどの工夫で全ての席で開放感を高めている。電動シェードとUVカット機能を備える(ただし、マイナーチェンジ後のモデルではパノラミックルーフがオプション設定になっている)。

ヨーロッパでは、プジョー・307などで採用されたこの大型サンルーフだが、日本での本格的な採用はクーペなどを除きほぼこれが初めてのことであり、初期コンセプトの核として投入されており、ライフスタイル提案型の車となった[1]。発売当初は、グレード構成が「20S」、「20M」、「プレイフル」のみだったが、2005年8月のマイナーチェンジからは、「ハイウェイスター」が追加された[2](プレイフルは廃止)。なお、前期型に用意されたプレイフルには専用の大型ルーフレール、フロントグリル、前後バンパーが装備された。

室内空間は、箱形の形状とすることにより、ボディサイズが小さいながらも十分な広さを獲得し[3]、3列目についても、パノラミックルーフの収納空間により頭上スペースは小さめとなるものの、足元空間についてはクラストップレベルとした[4]。また、センターコンソール上端には、3列目まで涼風温風が届く送風システムが標準で装備されており、室内居住性向上へのさらなる配慮がなされている。また、このクラスとしては静粛性も高い。リアハッチは樹脂製Assy。

型式記号は「B30」で、前身のプレーリー→リバティ (M10-M12) よりも型式上車格が上がっている[5]。また、生産工場もプレサージュなどと同じ九州工場(福岡県京都郡苅田町)である。

2代目「ハイウェイスター」はプレマシーのバッジエンジニアリングならびにOEM車両となり、全幅1.750mmの3ナンバーとなる。日産にとって登録車の乗用車を他社からOEM供給されるのは史上初となる。

歴史

初代・B30型(2004年-2012年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 エンジンは軽量化と低速域でのトルクを重視したという新開発のMR20DE型直列4気筒2.0Lエンジンを搭載駆動方式はFFまたは4WDで、トランスミッションは駆動方式やグレードに関係なく軽い力で操作できる電動アシストシフト付きのエクストロニックCVTになり、「20M」(モデル途中で廃止)とモデル途中から追加された「ハイウェイスター」には6速マニュアルモード内蔵のパドルシフトが付く[6]。また、サスペンションは他のCプラットフォーム採用車と共通となるが、補強については日産が独自に行った[7]。さらに、ショックアブソーバーの設計などについても日産独自に行われた[8]

  • 2004年9月2日 - ムラーノの発表会でフーガなどとともに横浜市大さん橋ホールにて先行公開される[9]
    • 12月2日 - ラフェスタを販売開始。型式はB30(4WDはNB30)型。当初のグレード体系は「20S」・「20M」・「PLAYFUL(プレイフル)」の3グレード。また、オーテックジャパンによる特装車「ライダー」及び福祉車両「ライフケアビークル」から「アンシャンテ 助手席スライドアップシート車」も同時発表。
  • 2005年4月27日 - 「20S」をベースに、パールスウェード/ネオソフィールコンビシート、本革巻3本ステアリングホイール、木目調のパワーウィンドウスイッチフィニッシャー、ホワイトのバンパー組込みハロゲンフォグランプを装備した特別仕様車「20S プレミアムインテリア」を発売。
    • 8月25日 - 専用エアロパーツや16インチアルミロードホイールなどを採用した「ハイウェイスター」を追加。
    • 10月 - 商品デザイン部門において2005年度グッドデザイン賞を受賞。
    • 12月7日 - 一部改良。「20S」はフロントグリルをメタルブラックに変更し、「PLAYFUL」と「ハイウェイスター」はフォグランプとオートライトシステムを追加。シフトノブは握り易い大きなグリップを採用し改良された。グレード体系を一部変更し「20M」を廃止する替わりにステッチを施したシートデザインを採用した「20S Pセレクション」、「20G」を追加。
  • 2006年6月1日 - コンランとのコラボレーションで製作された「LAFESTA + CONRAN(ラフェスタ プラス コンラン)」を発表。20S・Pセレクションをベースとし、シート生地にパールスエードを採用し、大型ルーフレール、15インチアルミホイール、専用グリル、インテリジェントキー、オートスライドドアなどを追加。また、ボディカラーにはホワイトパールのほかに専用色としてショコラパールメタリックを設定。
  • 2007年5月15日 - マイナーチェンジ。フロントバンパー・フロントグリル・ヘッドライトのデザインを変更してすっきりかつ上質な雰囲気を獲得するとともに、リアのランプとバンパーのデザインも変更。リアバンパーはマイナーチェンジに伴って廃止された「PLAYFUL」のものになった。また、前期型ではCIマークの真下に配置されていた「LAFESTA」のエンブレムの位置も助手席側リアランプの下に変更された。内装ではシートの形状やシート表皮を変更し、前席・2列目に大型ヘッドレストを採用。メーターは平均燃費・瞬間燃費・渡航可能距離などを表示する液晶オド・ツイントリップ2連リングメーター(「ハイウェイスター」は専用ブルーメタリックリング、その他グレードはシルバーリング)となり、ドアトリムにクロスを採用。前期型では全車標準装備(-73,500円でレス設定も可能だった)となっていたパノラミックルーフは10万5,000円のメーカーオプションとなった。以上のことから後期型は「パノラミックルーフによる開放感」よりも「運転のしやすいミニバン」を重点においていることもあり、SHIFT_ワードも「SHIFT_easy driving」に変更された。
    • 10月5日 - オーテックジャパン扱いの「ライダー スポーティパッケージ」をベースに、スモークに変更した専用フロントグリル、専用10th Anniversaryエンブレム、専用ボディサイドグラフィック、専用スポーティフロアカーペット、専用キッキングプレート、スムースエントリーパック(両側スライドドアイージークローザー、助手席側リモコンオートスライドドア、インテリジェントキー、エンジンイモビライザー)を装備した「ライダー」シリーズ10周年記念特別仕様車「ライダー 10th アニバーサリー」を発売(2008年5月までの期間限定販売で、成約者全員に専用本革車検証入れが進呈された)。
  • 2008年10月30日 - 仕様向上(11月1日販売開始)。「ハイウェイスター」に、リモコンオートスライドドア(助手席側)、インテリジェントキーとエンジンイモビライザーを標準装備化。また、カーウイングスナビゲーションシステム(HDD方式)装着車にETCユニットを追加設定された他、全車に運転席・助手席SRSカーテンエアバッグシステムを標準装備した。
  • 2009年11月20日 - 仕様向上(12月15日販売開始)。「20S」・「20G」のグレード名称を「JOY X」・「JOY G」に改名。「JOY X」は従来の「20S」にオートスライドドア(助手席側)と両側スライドドアオートクロージャーを標準装備し、ホイールカバーのデザインを変更しながらも価格を2WD車で約11.2万円、4WD車で10.5万円引き下げた。「JOY G」は従来の「20G」に16インチアルミホイールを追加し、インテリアの質感を上げる為、インスト部の色味を変更した。また、全グレードの4WD車で寒冷地仕様を標準設定した。今回の仕様向上を機にメーカーオプションとして設定されていたカーウイングスナビゲーションシステムは省かれた。
  • 2011年6月15日 - 「ハイウェイスター」のフルモデルチェンジを受け、ラインアップが「JOY X」のみに縮小されたが引き続き併売。売りのひとつであるパノラミックルーフのオプション設定は継続される。尚「ハイウェイスター」と区別するために、車名も「LAFESTA JOY」(ラフェスタ ジョイ)に改められた。
  • 2012年5月 - 生産終了。在庫販売のみとなった。
    • 12月26日 - 販売終了。ホームページの掲載も終了。「ラフェスタ」の名は、ハイウェイスターのみとなった。

2代目・B35型(CWEFWN/CWFFWN/CWEAWN型(社内型式B35型)、2011年 -)

テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 マツダ・プレマシーのバッジエンジニアリングであるため、基本的なメカニズムは同車そのものである。したがって、エンジンはマツダ製の2.0L・DISIならびにMZRエンジンを採用(但し、商標権の都合でカタログやサイト等ではそれらの言葉が使われず、DISIは「2.0L直噴ガソリン」、MZRは「2.0Lガソリン」と表記される)。いずれの場合にも「NISSAN」のエンボス加工が施されたヘッドカバーが装着される。サスペンションについてもプレマシー同様、フロントがマクファーソンストラット、リヤがマルチリンク

  • 2011年1月28日 - マツダ・日産の共同プレスリリースで、日産へのプレマシーのOEM供給を発表。その時点では車名は明らかになっていなかった[10]
    • 4月21日 - 発売に先駆け、2代目「ハイウェイスター」の外観と内装をホームページにて公開[11]。同年5月10日には発売予定日と装備類・スペック等が追加公開された。
    • 6月15日 - 「ハイウェイスター」のみフルモデルチェンジ[12]。プレスリリース上では同年5月に発売予定であったが、東日本大震災の影響で同日に順延された。2代目は3代目プレマシーをベースにOEM供給を受けたモデルとなったが、その理由は「投資効率」と「市場のニーズ」、そして「出すタイミング」を総合的に判断し、自社生産よりもマツダからのOEMとしたほうが日産とマツダの双方にとってWin-Winになると判断したからである[13]
      変更箇所は多岐にわたっており、外観はヘッドランプフェンダー、サイドターンシグナル(ウインカー)レンズ以外のフロント周りが大幅に変更された他、サイドドアはプレマシーの特徴である「NAGAREライン」を撤去した専用品が与えられ(但し、フェンダーを流用しつつも不自然なデザインにならないようにしたため、わずかな痕跡は残る)、リヤバンパーは形状は同一だがフルカラードになり、バックドアガーニッシュはめっき仕上げになっており、そのガーニッシュ部分に車名ロゴが刻印される(プレマシーは左側テールランプの下に車名ロゴがある)。なお、プレマシーがベースとなったことで、初代の売りのひとつであったパノラミックルーフはもちろん、通常のサンルーフもオプション設定がなくなった。
      プレマシーに設定される「KARAKURI(カラクリ)7thシート」や「アドバンストキーレスエントリーシステム」、アイドリングストップ機構「i-stop」はそのまま採用されるが、商標権の関係で前者は「フレキシブルシート」、中者は「インテリジェントキー」、後者は「PURE DRIVE(アイドリングストップシステム)」に名称が変更された。
      ラインナップは「ハイウェイスター Jパッケージ(プレマシー「20CS Aero Style(「20CS」ベースの特別仕様車)」相当[14]、2WD車のみ)」・「ハイウェイスター(同「20E」相当)」・「ハイウェイスターG(同「20S」相当)」の3種だが、全車にアルミホイールエアロパーツが装備されるなどベース車より若干装備が増え、その分価格も上昇している。なお、プレマシーにある福祉車両は設定がない。自動車検査証等に記載される車両型式は2WD車はCWEFWN型、4WD車はCWEAWN型(いずれもプレマシーの車両型式の後に日産の"N"を付記した型式)となるが、取扱説明書等に記載される社内型式は駆動方式を問わず日産流のB35型となる。
      またアイドリングストップシステムを搭載していることから、日産が展開するエンジン進化型エコカー「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」の第6弾の車種となっており、「ハイウェイスター」・「ハイウェイスターG」の2WD車にはリアに「PURE DRIVE」エンブレムも装着される。また、エンジンルーム内のシリンダーヘッドカバーには「NISSAN」のエンボス加工が施された専用品が装着される。ボディーカラーはプレマシーの7色から2色減って計5色となるが、専用色としてRX-8MPVに設定される「スパークリングブラックマイカ」が用意される。
    • 12月20日 - 特別仕様車「エアロパッケージ」を発売。「ハイウェイスター」全グレードをベースに、フロントプロテクター、エアロマッドガード、青色発光LEDのキッキングプレートを装備。ボディカラーはスパークリングブラックパール、クリスタルパールホワイトパール、アルミニウムシルバーメタリック[15]の3色のみを設定する。なお、本仕様車はオーテックジャパンの扱いとなる。
  • 2012年4月5日 - 特別仕様車「ハイウェイスターG スプレモ[16]」を発表(4月26日販売開始、本特別仕様車はプレマシーの「20S プレステージスタイルII」に相当)。「ハイウェイスターG」の2WD車をベースに、ピアノブラック調のセンタークラスターフィニッシャー、専用本革/ジャカードシート(ブラック+専用ブラウンパイピング&ダークグレーステッチ)、LEDサイドターンランプ内蔵電動格納式リモコンカラードドアミラー、光輝仕様の専用17インチアルミホイール、クロームメッキアウトサイドドアハンドル、テールパイプフィニッシャーを装備。ボディカラーは「エアロパッケージ」と同じ3色のみを設定する。併せて、仕様向上も行い、「ハイウェイスター」・「ハイウェイスターG」の2WD車に運転席・助手席SRS サイドエアバッグシステム&SRSカーテンエアバッグシステムやリアスタビライザー(後者は「ハイウェイスター」は電動スライドドア+スライドドアイージークローザー装着車とセットで装備)を新たに標準装備した。
  • 2013年2月14日 - マイナーチェンジ(「ハイウェイスター Jパッケージ」は4月5日販売開始)。2WD車のアイドリングストップ搭載車でパワートレインを刷新し、エンジンに新世代高効率直噴エンジン(プレマシーでは「SKYACTIV-G 2.0」と呼ばれるPE-VPS型)、トランスミッションに新世代高効率6速AT(プレマシーでは「SKYACTIV-DRIVE」と呼ばれる6速AT)を採用(エンジンヘッドカバーは前期に続いて専用品となり、マツダのCIマークと「SKYACTIV TECHNOLOGY」の代わりに「NISSAN」のエンボス加工が入る)。さらに、アイドリングストップシステムの改良等を行ったことで燃費を向上し、「ハイウェイスター」と「ハイウェイスターG」の2WD車は「平成27年度燃費基準+10%」を達成した。この他、シートバックポケットを運転席にも追加し、ラゲッジアンダーボックスの収納容積を拡大したことで利便性を高めた。ボディカラーはメトロポリタングレーパール、カッパーレッドパールと入れ替えでメテオグレーパールとジールレッドパール[17]を追加(ただし、「ハイウェイスター Jパッケージ」は新色2色は未設定)し、アルミホイールのセンターキャップをブラック塗装化。インテリアでは「ハイウェイスターG」は本革巻シフトノブのデザインを変更し、センタークラスターフィニッシャーのオーディオ装着部分周辺にピアノブラック調を採用。「ハイウェイスター Jパッケージ」と「ハイウェイスター」はシート地のデザインを変更した。また、特別仕様車として発売されていた「ハイウェイスターG スプレモ」は新たにダイレクトモード機構付ステアリングシフトスイッチ、ASCD(オートスピードコントロール装置)、自動防眩式ルームミラー、6スピーカーを標準装備しカタロググレード化した。

車名の由来

イタリア語で「祝・休日」、「楽しいできごと」の意味。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:NISSAN テンプレート:NISSAN Timeline

テンプレート:自動車
  1. この後すぐにステーションワゴン車で本田技研工業が類似コンセプトの「スカイルーフ」を採用したエアウェイブを、約半年後にはトヨタが「パノラマルーフ」採用のトール2ボックス型コンパクトカーラクティス」を発売。しかも各車ともにステアリングシフトも採用している。その後も各社が続々と新型車や特別仕様車に大型サンルーフを採用し、トレンドとまでなっている。
  2. セレナとは異なり3ナンバーではない。
  3. 日産 ラフェスタ CORISM
  4. 日産 ラフェスタ 試乗レポート Autoc one
  5. 30番台はプレサージュなど中型車に割り当てられる。なお、ラフェスタ以外で型式に30番台が割り当てられている一般向け車種(プレサージュ・スカイラインティアナエクストレイルなど)はすべて3ナンバー。
  6. 2008年4月現在ではハイウェイスターのみにパドルシフト標準装備。
  7. 新車試乗記 第351回 日産 ラフェスタ 20M MOTOR DAYS
  8. 新車レビュー 日産 ラフェスタ carview
  9. この日の発表会には当時の中田宏横浜市長も出席した。
  10. テンプレート:PDFlink - 日産自動車・マツダ共同プレスリリース 2011年1月28日
  11. テンプレート:Cite press release
  12. テンプレート:Cite news
  13. テンプレート:Cite news
  14. 2012年4月の一部改良により、現在はカタロググレードの「20CS エアロ」相当
  15. プレマシーでの名称はスパークリングブラックマイカ、クリスタルホワイトパールマイカ、アルミニウムメタリック。
  16. スペイン語で「最高」の意味。かつて3代目スタンザのグレード名でも使用された。
  17. プレマシーでの名称はメテオグレーマイカ、ジールレッドマイカ。その他のバッジエンジニアリング車でも「マイカ」表記は「パール」に差し替えられる