Mr.ビーン
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 Mr. ビーン(Mr. Bean)とは、イギリスのITVにて1990年から1995年まで放送されたコメディ・TVシリーズである。後に劇場用映画やアニメーションも製作されるが、本項ではそれらも含めることとする。
目次
概要
製作はタイガー・テレヴィジョン(現在はタイガー・アスペクト・プロダクションズ)。主演はローワン・アトキンソン。全14話から成り、題名はアトキンソンが演じるメインロールの名前をそのまま付けている。アトキンソンのほかに、リチャード・カーティス、ロビン・ドリスコルが共同で原案・脚本を担当した。製作総指揮はピーター・ベネット=ジョーンズ。
1990年1月1日、第1話「ミスター・ビーン」が放送。視覚的なネタを主とするヴィジュアル・コメディは時代遅れのスタイルでありながら思いがけない人気を博し、以降1995年までに13本のシリーズが作られることとなった。
日本では1990年、NHK総合にて第1話~第3話が「Mr. ビーンの大騒動」として初めて放送された。続いて「~大脱線」「~大パニック」「~大混乱」「~大失敗」と不定期ながらも放送を重ねた結果、マイナーな時間帯(平日の深夜や、年末年始の夕方・深夜などに放送された)にも関わらず徐々にコアなファンを増やしていった。その後1997年9月に日本のポリグラムから全8巻のVHSが発売したことにより、日本のファン層が一気に拡大した。(米国のポリグラムでは1996年に既に発売されていた。)同年12月31日(大みそか)の深夜には「朝までMr. ビーン」と銘打って番組の総集編が放送された。1998年の深夜に放送した「朝までMr.ビーン」では、イッセー尾形が作品への思いを語った。
日本同様、世界各国でもVHS発売に伴ってビーン人気が上昇、1997年に初の劇場版『ビーン』が製作されると世界中でビーン旋風が起こり、1998年2月には同作の日本公開に併せてアトキンソンが初の来日をしたことにより日本でも一大ビーン旋風が吹き荒れた。同年4月から7月はNHK総合で、それまで不定期に放送されてきた全話が順序立ててすべて放送され(「朝までMr. ビーン」も翌年1999年の1月1日(元日)の深夜に再放送)、幅広い世代でさらに知名度を上げていった。
2007年3月16日にTV用としては12年ぶりとなる新作「Mr. Bean's Wedding」がBBCのチャリティー番組「Red Nose Day 2007」内で放送されたほか、劇場版第2作『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』が同年3月30日の全英公開を皮切りに世界各国で公開され、世界各国で初登場第1位を記録した。同作は日本でも2008年1月19日に公開され、初登場第4位を記録している。
その人気は2012年現在も未だに衰えることがない。
2012年にはロンドンオリンピックの開会式に登場。映画『炎のランナー』のメインテーマを演奏するサイモン・ラトル指揮のロンドン交響楽団と共演。シンセサイザーを演奏しコミカルな演技で観客を楽しませた。
作品の特徴
ほとんどの場合において会話は滅多に行われず、アトキンソンの表情や動作のみで笑いを誘う「ヴィジュアル・コメディ」のスタイルをとっている(第一話のみ、序盤に会話シーンがある)。但し、声をネタにしたエピソードが全くないわけではなく、第1話では教会でものみなこぞりてのハレルヤの部分のみを大声で歌うシーンがある。また、アトキンソンではなくゲスト出演の共演者の言動で笑いを取るシーンも存在する。
様々な人間がビーンの行動により被害を蒙るが、殆どの場合、彼に対して突っ込みや文句、抗議、報復に及ぶ事が無く、されるがままか、呆れ顔をされる程度に留まっている事が多い。ビーン自身も数々の犯罪行為を行っているが逮捕、追跡されるシーンは無い(劇場版を除く)。物理法則や科学常識に全く反するネタも多い。
演出面の特徴として笑い声の効果音(ラフトラック:Laugh Track)が多用されている。これにより一見分かりづらい笑いのポイントが明確化されたり、キツすぎるギャグに観客が引くのを和らげる等の効果がある。但し劇場版でこの演出は一切無い。
劇中の動作にアドリブは一切なく、細部に至るまでアトキンソンとスタッフらによって入念に計画されているため、1話分を撮影するまでには多大な時間が費やされている。とはいえ、シリーズ前期は内容の異なる2~3本の短いコントで1話分が構成されていたため、そこまで時間を要することは少なかったが、特定のシチュエーションで1話分が終わるようになった後期からは、かなり時間がかかるようになったという。それゆえ、放送スケジュールも最初のうちはほぼ定期的だったが、しだいに不定期になっていった。
本国イギリスでは非常に多くの支持を獲得しており、1992年に放送された第5話「ミスター・ビーンの災難」では1800万7400人という驚くべき視聴者数を記録した。さらにビーンの人気は本国のみに留まらず、世界の200近くの放送局に番組販売され、2002年にはアニメーション化もされていることから、TVシリーズをリアルタイムで見ていない世代を含め世界中のあらゆる年齢層で圧倒的な知名度を誇っている。
そうした人気の一方で、マイノリティネタやイギリス王室ネタなどのブラックジョークも所々に盛り込まれていることから、コメディに馴染みの無い視聴者が困惑させられるという事態が起きた。そのため、NHK総合で放送されたヴァージョンではかなりの場面がカットされている(第1話の日光浴をしている盲人の前で水着を着替えるシーンや、第10話のチャールズ皇太子とダイアナ皇太子妃が描かれたポスターの首から下を切ってしまう場面などがそれにあたる)。
ビーンの人物像
- 1956年9月15日生まれ。
- 具体的な生年月日が設定されてはいるが、アトキンソンにとってビーンとは「常に年齢不詳のミステリアスな男」であるため、アトキンソンが白髪になって以降、ビーンを演じる時(『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』など)は年齢の経過を隠すため白髪を黒く染めて演じるようになった。(ジョニー・イングリッシュなどビーン以外の役を演じる時は白髪のまま演じるが、ビーンの役を演じる時は頑なに黒髪で演じる。ただ例外として、2012年のロンドンオリンピックでビーンの役を演じた時は白髪のまま演じた。)
- 身長180センチ、体重73キロ。
- 具体的な姓名は不明。
- 名前を聞かれても、ただ「ビーン(Bean)」と言うだけで詳しくは話さない。
- 劇場版『ビーン』でビーンが持つパスポートにはファースト・ネーム欄に「ミスター」と記載されていたり、「Blind Date」でファースト・ネームを尋ねられた際、一瞬考えた後「ミスター」と答えたり、『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』でのパスポートにはファースト・ネーム欄に「ローワン」と書かれているなど、製作側でも決まった設定はなされていない。
- 性格はかなり自己中心的である。納得のいかないことには頑として従わず、自らの行動論理を突き通す。小銭を浮かせる類の悪知恵が働き、ケチである描写が散見されるが、7話での慈善活動にはそれなりに貢献している。6話で心臓発作を起こし路上で倒れた男性を彼なりに助けようとしており、無責任な人間ではない。
- アトキンソンによると、ビーンは「9歳の少年と同じ」で、個人の自由を第一にするアナキズム的な思考がビーンの性格の根本となっている。
- 女性は苦手なようである。生のヌードは恥ずかしくて見ることができない。但しイルマ・ゴッブ(後述)と交際していた事がある。
- 室内機器を改良したり、ラジコンの出力を上げたりと意外と機械系に強い。但し電気系統への知識はあまり無く、よく騒動を引き起こす。
- 味覚オンチであるらしく、タルタルステーキの味が理解できなかったり、腐った生牡蠣を平気で平らげた事がある。
- 会話をすることが滅多にない。また、会話をするとしても名乗りや挨拶、注文程度の一言二言をぼそぼそと呟くだけである。
- 劇場版『ビーン』ではビーンが積極的に会話をするという設定変更がなされたが、これはアトキンソンにとって後悔の種となった。
- 最終学歴は大学。数学の三角法に関しては、なぜか人一倍こだわりを持つ。
- 姓名同様、職業に関しても詳細は不明。
- TVシリーズ第2話「帰ってきたミスター・ビーン」ではロンドンに実在するOdeon Leicester Square Cinema(オデオン・シネマズ・レスター・スクウェア)の給仕として、劇場版『ビーン』では同じくロンドンに実在するナショナル・ギャラリー美術館の監視員として登場したため、定職には就いていないと思われる。
- ロンドン市内の低賃金アパート(ベッド・シット)の2階に住んでおり、自室には洗面台のみで、バス、トイレ、キッチンは無い。入り口にブレーカーが設置されており4話でコイン投入式である事が判明している。10話でキッチンが付いた部屋に転居しており調度品が一新されている。その後も住居を変えているらしく、映画『ビーン』における彼の住所は「ロンドンN10、ハイベリー、アーバーロード12、"ラッパ水仙荘"、ミセス・ウィケット方」とされている。
- 肘当て付きのツイード・ジャケットと細長いネクタイ、寸詰まりのズボンがトレードマークである。
- 自動車の運転が非常に達者で、ドリフト走行や、曲乗りも難なくこなす。
- 女性歌手シャーリー・バッシーの大ファンである。
その他のキャラクター
- テディ
- ビーンの一番の親友であるクマのぬいぐるみ。初登場は第5話「ミスター・ビーンの災難」。ビーンはクリスマス・プレゼントを買ったり、漫画を読み聞かせるなどテディをこよなく愛しているが、時には誤ってテディの首を取ってしまったり、ペンキを塗る刷毛代わりにしたり、洗濯して縮ませたりと粗雑に扱うこともある。夜はきちんとベッドに寝かしつけ、朝は起こさないように気を配るなど人間同様に扱っている。名前の由来はテディ・ベアのテディと思われる。
- ビーンの愛車。第1話「ミスター・ビーン」ではオレンジ色の'69年製モーリス Mini MK II(ナンバープレートは「RNT 996H」)に乗っていたが、物語の最後に事故で全損。第3話「ミスター・ビーン、とんだヤブヘビ」からは2台目として、ライム・グリーン色にペイントされ、ボンネットがつや消し黒に塗られた'77年製MKⅢ ブリティッシュ・レイランド 製Mini 1000(ナンバープレートは「SLW 287R」)に乗っている(ちなみに、ライム・グリーン色はイギリス人にとって最も軽蔑すべき色として知られている)。運転席側のカギが破損したため、運転席のドアに南京錠を取り付けてある。第11話「ミスター・ビーン、学校へ行く」では軍隊のデモンストレーション用に用意されていたミニ(ナンバープレートは「ACW 497V」)とビーンの乗ってきたミニが取り違えられ(これはビーン自身が故意に取り替えた)、「SLW 287R」の方は無残にも戦車で押しつぶされた。この際、ビーンは無事だった南京錠とスライドボルトを回収している。最終話「おやすみなさい、ミスター・ビーン」では同型・同色・同番号「SLW 287R」のミニが再び登場している。辻褄を合わせると「ACW 497V」のミニに「SLW 287R」のプレートと南京錠とスライドボルトを取り付けたと考えられる。DVD特典映像のベストビッツ・オブ・ミスタービーンでは屋根裏部屋にタイヤ、ハンドル、ドア、ヘッドランプ等のごく僅かに残った部品が置かれている。実際に撮影で使用されたミニは北イングランドのカンブリア州ケズウィックのCars of the Stars Motor Museum(スター自動車博物館)に保管されている。映画「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」ではヒッチハイクで同型車種(ナンバープレートは「207 UHO 75」)が登場する。
- イルマ・ゴッブ(演 - マチルダ・ジェグラー)
- 眼鏡をかけたビーンのガールフレンド。初登場は第3話「ミスター・ビーン、とんだヤブヘビ」。本人はビーンを好意的に思っているが、ビーンはそこまで親密な仲だとは感じていないようで、むしろ無関心のようにも見受けられる。しかし一方で第4話「ミスター・ビーン、町へ行く」では、ディスコで他の男性と踊るイルマを見てビーンが思わず嫉妬してしまう場面があり、実際の所ビーンがイルマをどう思っているのかは定かではない。第7話「メリー・クリスマス、ミスター・ビーン」でビーンに愛想を尽かして以来、TVシリーズには登場していない。ビーンは完全にフられたと思われたが、「Torvill & Bean」でまた再登場してデートをしている。
- リライアント・リーガル
- 劇中に何度も顔を見せるブルーの三輪自動車。車種はリライアント・リーガル Supervan III。ナンバープレートは「GRA 26K」。登場するたびに、ビーンが運転するミニにぶつけられたり、横転させられたりして酷い仕打ちを受けている。第12話「もううんざり、ミスター・ビーン」ではヒッチハイクしているビーンを快く乗せようとしたにも関わらず、ビーンに無視されたりもした。そもそもイギリスでは貧しい階級の人間を象徴する車種であり、日常的な笑いのネタとして認識されているだけに、作品の回を重ねるごとにリーガルが登場するだけで大きな笑いが入るようになる。誰が運転しているのかは永遠の謎。
- その他
- 基本的にイルマ以外の人物がビーンと大きく関わることは滅多にないが、第10話「ミスター・ビーンの日曜大工」ではビーンがバスで知り合ったという2人の男性、ルパートとヒューバート(演: アンディ・グリーンハー、ルパート・ヴァンシタート)がビーンの家を訪れ、大晦日を共に過ごした。また、第8話「426号室のミスター・ビーン」ではドラッグクイーンのダニー・ラ・ルーが出演している。その他でもちょっとした役などで、ポール・ボーン、ルドルフ・ウォーカー、リチャード・ブライアーズ、ジョン・ジャンキン、ロジャー・ロイド・パック、アンガス・デイトン、ニック・ハンコック、キャロライン・クエンティン、リチャード・ウィルソン、デイヴィッド・シュナイダーなどイギリスを代表する俳優やコメディアンが数多く登場している。
原点と影響
- ビーンというキャラクターについて、アトキンソンは映画『ぼくの伯父さんの休暇』でジャック・タチが演じた「ユロ伯父さん」に多大な影響を受けたと語っている。無口で間抜け、寸足らずのズボンを穿いているなど「ユロ伯父さん」のキャラクターは事実ビーンと共通する部分が多い。
- ビーンのキャラクターが生まれた経緯には諸説あるが、アトキンソン曰く、1979年に創造された「睡魔に襲われる男」というネタがビーンの原案になった様である。しかしながら、1980年代初頭にエディンバラ・フリンジでアトキンソンが演じたネタにもビーンと共通する部分が見られることから、アトキンソンはオックスフォード大学在学中、すでにビーンの原案を温めていたものと思われる(従ってビーンを演じる前に出演したコメディ・ドラマなどでも似通ったネタを度々見せている)。
- サイレント映画の流れを汲んだ視覚的な笑いが、言語の壁を越え、世界で人気を呼んだ重要な理由である。ゆえにアトキンソンがビーンに関して「一人歩きして、私の手の届かないところまで行ってしまった」と語るほど、製作側の予想を遙かに超える一大フランチャイズに成長した。TVシリーズが世界中でVHS化された際などは、あまりの熱狂ぶりでアトキンソンも「マドンナになった気分だ。でも全然楽しくなかった」と語っている。
作品リスト
回 | タイトル | 日本語版タイトル | NHKの放送タイトル | NHKの放送サブタイトル | ITV初回放送日 |
---|---|---|---|---|---|
1 | Mr. Bean | ミスター・ビーン | Mr. ビーンの大騒動 | カンニングはだめよ 教会ではお静かに |
1990年1月1日 |
2 | The Return of Mr. Bean |
帰ってきたミスター・ビーン | Mr. ビーンの大騒動 | トイレは一人で まずい料理を出されたら |
1990年11月5日 |
3 | The Curse of Mr. Bean |
ミスター・ビーン、とんだヤブヘビ | Mr. ビーンの大騒動 | 恐怖の飛び込み台 超デラックスサンドイッチ |
1990年12月30日 |
4 | Mr. Bean Goes to Town |
ミスター・ビーン、町へ行く | Mr. ビーンの大脱線 | とにかくこの世は知恵しだい なぜか何かがなくなる日 |
1991年10月15日 |
5 | The Trouble with Mr. Bean |
ミスター・ビーンの災難 | Mr. ビーンの大脱線 | 歯を治すのも楽じゃない とても楽しいピクニック |
1992年1月1日 |
6 | Mr. Bean Rides Again |
ミスター・ビーンのおでかけ | Mr. ビーンの大脱線 | なぜかなにか起こる道 旅は道連れ変な人 |
1992年2月17日 |
7 | Merry Christmas, Mr. Bean |
メリー・クリスマス、 ミスター・ビーン |
Mr. ビーンの大パニック | まじめにやってよクリスマス | 1992年12月29日 |
8 | Mr. Bean in Room 426 |
426号室のミスター・ビーン | Mr. ビーンの大パニック | ルームナンバー426 | 1993年2月17日 |
9 | Mind the Baby, Mr. Bean |
子守りは大変、ミスター・ビーン | Mr. ビーンの大パニック | ベビーシッターはつらいよ | 1994年4月25日 (当初の予定は'93年2月17日) |
10 | Do-It-Yourself, Mr. Bean |
ミスター・ビーンの日曜大工 | Mr. ビーンの大混乱 | 日曜大工はお手のもの | 1994年1月10日 |
11 | Back to School, Mr. Bean |
ミスター・ビーン、学校へ行く | Mr.ビーンの大混乱 | 学校での一日 | 1994年10月26日 |
12 | Tee Off, Mr. Bean |
もううんざり、ミスター・ビーン | Mr. ビーンの大失敗 | ティーオフ | 1995年9月20日 |
13 | Goodnight, Mr. Bean |
おやすみなさい、ミスター・ビーン | Mr. ビーンの大失敗 | 病院ではお静かに 一日のできごと |
1995年10月31日 |
14 | Hair by Mr. Bean of London |
ミスター・ビーンの床屋 | - | - | 未放送 (DVD・VHSに収録) |
※NHKの放送タイトルには全て「コメディー決定版」が付く。
※日本で2002年6月にUPJより発売されたDVD-BOX「ミスター・ビーン コンピレーション」と、それが後に単巻発売された廉価版DVDには、ITV初回放送時のオリジナル版が収録されている。第10話「ミスター・ビーンの日曜大工」でビーンが電動リクライニング・チェアを操作して老婦を転倒させるシーンは、他局への番組販売版に収録されているのみで、オリジナル版には収録されていない。
その他の作品
- 初期作品の一部として制作されていた可能性のある「The Library」「The Bus Stop」という2本の短編と、TVシリーズの総集編として製作された「ベスト・ビッツ・オブ・ミスター・ビーン」がDVDの特典映像として収録されている。
- 共同製作者でもあるリチャード・カーティスのプロデュースによるBBCのチャリティー番組「Comic Relief: Red Nose Day」のために下記の作品が製作・放送されたが、リージョン1(北米版)のDVDセットに収録された「Blind Date」「Torvill & Bean」を除き、チャリティ用に販売されたVHS(再発なし)以外にパッケージ販売はされていない。
- 同じく「Comic Relief」の企画で、ブルース・ディッキンソンの「(I Wanna Be) Elected」(アリス・クーパーのカヴァー曲)のPVにも特別出演したが、この映像はお蔵入り状態で今は見ることが難しい。
- アイルランド人グループ、ボーイゾーンのUKチャート2位を記録した"Picture Of You"のPVではビーンが特別出演している。
劇場用映画
劇場版の2作は、映画として成功させるためにアトキンソンやその他のスタッフによって設定が一部変更されている。また、時系列も特に意識せずに製作されているため、TVシリーズの前後に位置する作品なのか、もしくはTVシリーズの間に位置する作品なのかははっきりと示されていない。
- 監督: メル・スミス
- 出演: ローワン・アトキンソン、ピーター・マクニコル、ハリス・ユーリン、パメラ・リード
- 公開に伴ってアトキンソンが初来日を果たし、日本ではビーン旋風が巻き起こった。本作が地上波で放送された際には『完全版』と銘打って未公開シーンが追加された。地上波で放送された未公開シーンは後に発売されたBDの特典映像として収録されている。
- Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! Mr. Bean's Holiday (2007年) ※日本公開は2008年
- 監督: スティーヴ・ベンデラック
- 出演: ローワン・アトキンソン、エマ・ドゥ・コーヌ、ウィレム・デフォー、マックス・ボルドリー
- 『ビーン』から約10年ぶりに製作された劇場版第2作。アトキンソン曰く、「ビーンが演じられるのはこの作品で最後となる」。日本での公開はイギリスでの公開から1年近く遅れたが、アトキンソンは公開時期に合わせて再び来日した。
アニメーション
- ミスター・ビーン Mr. Bean: The Animated Series
- 2002年よりITV1にて放送開始。アトキンソンによるプロデュース作品で、本人の声やモーションキャプチャにより二次元上でも完璧に動きや世界観を再現している。日本ではカートゥーン ネットワークで放送され、DVDも発売されている。アニメ版ではTVシリーズ中盤でビーンに愛想を尽かしたはずのイルマや、TVシリーズには出てこないオリジナルのキャラクターが登場するなどTVシリーズとは設定が一新されている。
またアニメ版はTVゲーム化もされており、2009年2月20日にPlayStation 2、Wii、PC、ニンテンドーDSにて欧州でのみ発売された。プレイヤーはコミカルなビーンを操り、テディを捜してアクションや愛車のミニを操作してのカーレースからパズルなど様々なミニゲームなどしながら世界を旅するアドベンチャーゲームとなっている。
パロディ化
- ニッポン放送の深夜のラジオ番組内でお笑いコンビのナインティナインがパーソナリティーを担当している「ナインティナインのオールナイトニッポン」の番組内に「ビーン」というコーナーを設け、岡村隆史がモノマネをしていた。
- フジテレビの番組「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!!」では第5話「ミスター・ビーンの災難」の歯医者のエピソードを床屋に置き換えてパロディ化し、内村光良がMr. ウーンとして演じた。
- 志村けんが、第4話「ミスター・ビーン、町へ行く」の第1エピソードをTVでそっくりそのまま演じたことがある。教会で睡魔に襲われる「教会ではお静かに」もそっくりなコントが加藤茶と共演で演じられたことがある。
- ぐっさんのモノマネのレパートリーにミスタービーンが存在し、多数のテレビ番組で披露している。また、アトキンソン本人と共演したこともある。[1]
- パキスタンには、PAKビーンというMr.ビーンのそっくりさんがメディア出演している。本名はモハメッド・アスフといい、YouTubeで投稿したのがきっかけでパキスタン中に広がり、人気コメディアンになっている。なお、アトキンソン本人も認めている[1]。
オープニングとエンディング
オープニングとエンディングでは、ハワード・グッドール (Howard Goodall) 作曲による聖歌調のテーマ曲に乗せて映像が流れる。同曲を歌う聖歌隊はシリーズの初期と後期で異なり、初期はサウスワーク大聖堂聖歌隊、後期はクライスト・チャーチ大聖堂聖歌隊による録音が使用されている。
- オープニング
- 第1話「ミスター・ビーン」を除いて、オープニングの映像は天から射すスポットライトの中をビーンがうつぶせになって落ちてくるというものである。初期のオープニングは背景のないモノクロの映像が用いられたが、後期のオープニングではロンドン郊外にある高級住宅地リッチモンドの石畳やセント・ポール大聖堂をモチーフにした背景が付け足され、映像もカラーになった。
- 初期のオープニングの時、NHKでは独自に「コメディー決定版! Mr.ビーンの大騒動」のロゴを出してから上記の流れに移っていた。ちなみに第1回の時もオープニングがあった。
- オープニングの映像に乗せて流れているテーマ曲は以下のような歌詞である。
- "Ecce homo qui est faba" (ビーンという男に目を向けよ)
- エンディング
- エンディングの映像は、オープニングで落ちてきたスポットライトの中にビーンが戻り、吸い込まれるようにして再び天に昇っていくというもの。オープニングの映像と同じで初期の映像はモノクロ、後期の映像はカラーである。この映像の有無は話数によって異なる。
- エンディングの映像に乗せて流れているテーマ曲は以下のような歌詞である。
- "Vale homo qui est faba" (ビーンという男にさよならを告げよ)
脚注
外部リンク
- ↑ 2013年2月26日放送 NHK-BS1『ワールドWaveトゥナイト』にて。