東京タワースタジオ
東京タワースタジオ(とうきょうタワースタジオ)は、東京都港区芝公園四丁目に存在したテレビスタジオ。旧名称は東京タワー芝公園スタジオ。
歴史
かつては、この建物をテレビ東京が日本科学技術振興財団のテレビ事業本部(東京12チャンネル。1973年11月1日から『株式会社東京十二チャンネル』に移管)時代から本社・放送センターとして使用していた。
当初より、この建物及び立地している土地は東京タワーの運営会社である日本電波塔の所有であり、テレビ東京が本社として使用していた当時は日本電波塔に家賃を払って使用していた。そのため、この建物には「東京タワー放送センター」という別称が付与されていた[1]。
しかし、1985年12月12日にテレビ東京が本社を虎ノ門に移転した後、管理主体が関連会社の「ACT」に移管され、「テレビ東京スタジオセンター」として再スタートし、同時にケーブルテレビジョン東京の送出センターが入居した。建物名称はその後(1987年ごろ)変更され、新たに「芝公園スタジオ」となる。
テレビ東京は、虎ノ門への本社移転後も天王洲スタジオ完成まで多くの番組がこのスタジオで収録されていたが、同施設完成後は本来の地権者及び建物所有者である日本電波塔の管理に移行され(スタジオ内設備運営はテクノマックスに委託)、建物名称も「東京タワー芝公園スタジオ」に改められた。さらにその後(2007年ごろ)、運営主体となっている日本電波塔の子会社「株式会社東京タワースタジオ」が設立され、建物名称も正式に「東京タワースタジオ」と再度改められた。
建物が1964年に完成して以来築48年と老朽化していたことなどから、2012年9月30日を以って閉鎖された[2]。なおテクノマックスは、同所の閉鎖に伴い2012年10月から東京メディアシティTMC-A1スタジオの管理を請け負い、このスタジオを同社のメインスタジオとして営業している(テクノマックスは運営のみ、スタジオ管理は国際放映が担当)[3]。
その後、内部の改装工事を行った後、2013年10月1日には建物名称はそのままに、テレビスタジオ及び関連諸室として使用していた場所はパソナグループが運営する「スターライズタワー」という多目的レンタルスペースとして新たに営業を開始した[4]。さらに2014年1月16日には、建物名称を「東京タワーメディアセンター」へと変更している(スターライズタワーは東京タワーメディアセンターのテナントとなった)。
現在は、「スタジオアース」「スタジオジュピター」「スタジオヴィーナス」[5]として、各種イベントなどに使用されている。まれにテレビ番組の収録も行われている。
スタジオ
ハウフルス制作番組の多くがここで収録されていた。末期は第1・第2スタジオのみ使用されていた。
- 第1スタジオ(HD/SD 496平米・約150坪)
- 第2スタジオ(HD/SD 397平米・約120坪)
- 秘密のケンミンSHOW(読売テレビ制作・日本テレビ系)(現在は東京メディアシティ内のTMC-A1スタジオで収録)
- 出没!アド街ック天国(テレビ東京系)(現在は一時期使用していた天王洲スタジオへ再移動)
- MMM (音楽番組)(読売テレビ制作・日本テレビ系)
- 週刊!健康カレンダー カラダのキモチ(中部日本放送[当時]制作・TBS系)
- 第3スタジオ(HD/SD 100平米・約30坪)
- 第4スタジオ(常設機材なし[6] 100平米・約30坪)
※上記スタジオ以外での使用ではBSジャパンの「Premium Korea 韓流ファクトリー」でも当スタジオ施設内の会議室を使用して収録を行なっていたこともある。
テレビ東京(東京12チャンネル)時代
- 第1スタジオ…ヤンヤン歌うスタジオ、ザ・ヤングベストテン、テレビあッとランダムなど、大規模番組
- 第2スタジオ…レディス4(現本社移転後も天王洲スタジオ完成の頃まで継続使用)、きんレモ歌謡曲まいったタヌキの大放送など
- 第3スタジオ…おはようスタジオなど
- 第4スタジオ…スポーツTODAY、メガTONニュースTODAYなど報道・スポーツ系番組専用
入居テナント
- テクノマックス(営業部)
- アクトファースト
- 輝企画
- JCNみなと新宿(ケーブルテレビジョン東京) みなとエリア(ヘッドエンド)
備考
- 同所で最大面積を誇る第1スタジオであるが、実際の床面積は約150坪であり、テレビ東京が同所を本社として使用していた当時においても、また閉鎖された2012年時点においても、「在京局のグランドスタジオ」としては最小と言えた。1985年にテレビ東京が虎ノ門の現在地に本社を移転したことで、テレビ東京の「グランドスタジオ」は50坪広くなった(200坪の第1スタジオ)が、実はそれでも在京局のグランドスタジオでは最小面積である。
ちなみに、次に狭いのが日本テレビ汐留本社のS1スタジオで、面積211坪である。在京局のグランドスタジオは200坪台半ばが平均的な面積のようであり[7]や、日本の放送局にあるスタジオとしては最大面積の350坪を誇るNHK放送センターのCT-101スタジオはもはや別格と言って良い広さである。 - 立地としては丘の中腹に建っていることから、正面玄関は4階に設置されていた。なお、同所では4階を指して「L階(Lobby=ロビー階)」と呼んでいた。
- スタジオの立地の良さから、在阪民放各局が東京での番組収録の際にはこのスタジオを使う事も多かった[8]。
- 噂の類ではあるが、同所が墓地に隣接していることから、建物内で心霊現象が起こると言われた。もっとも、この類の話は在京局のほとんどで言われており、同所に限ったことではないとも言える。
- 過去に「ボキャブラ天国」「あらびき団」を収録していた関係で、お笑い出世に縁があるスタジオとして若手お笑い芸人には芸人のトキワ荘とも呼ばれていた。
- 2009年7月には、アメージング・レース(シーズン15)の日本収録の際、タスクの1つとして東京タワースタジオ内で「すしルーレット」というゲームをおこなった。
脚注
関連項目
- 東京メディアシティTMC-A1スタジオ - 実質的な移転先。
- 日本テレビ麹町分室 - 東京都千代田区二番町にある日本テレビの旧本社・放送センター。現在もスタジオとして使用中。
- テレビ朝日アーク放送センター - 東京都港区六本木のアークヒルズ内にあるテレビ朝日の旧本社・放送センター。六本木ヒルズへの本社移転後は同社傘下のテイクシステムズが「テイクスタジオ」として管理していた。その後テレビ朝日直接管理に再移行し現在に至る(詳細は当該項を参照)。
- 朝日放送 - かつて芝公園に東京支社が立地されており、テレビスタジオとしてABC会館ホールを備えていた。
外部リンク
- 東京タワースタジオ
- The Amazing Race((英語:*CBS アメリカ))
- スターライズタワー(2014年時点での同所)
- スターライズタワー・公式ブログ(スターライズタワー内覧会についての記事)
- ↑ テレビ東京の現本社も同社の親会社である日本経済新聞社の所有であり、現本社ビルの正式名称は「日経電波会館」である。
- ↑ 東京タワースタジオ、今年9月末で閉鎖へ文化通信.com 2012年3月10日
- ↑ スタジオ営業変更のお知らせ 株式会社テクノマックス 2012年9月
- ↑ 若手アーティストを支援する新施設 「スターライズタワー」が東京タワーにオープン fashionsnap.com、2013年10月11日。
- ↑ 「スタジオマーキュリー」もあるが、工事中としている。
- ↑ 第4スタジオは芝公園スタジオとして運営していた当時、常設機材の老朽化や稼働率の低さから一旦閉鎖していた時期もあったが、1989年にTBSビジョンなど外部技術会社の払い下げ機材などを購入し、使用を再開した。
しかし常設した中古機材も老朽化が進んだ事で再び閉鎖され、後に常設機材をすべて撤収し、スタジオの場所のみを貸し出すという「箱貸し」での使用に切り替えていた。 - ↑ 他はTBSテレビのA・B両スタジオが共に260坪、テレビ朝日の第1スタジオが245坪)、民放では最大面積である300坪を誇るフジテレビのV4スタジオ(数字だけを見れば、同所第1スタジオの2倍の広さを誇る。
- ↑ このスタジオの他には、世田谷区にあるTMC砧スタジオ・レモンスタジオなどがよく使われる。