1975年の日本シリーズ

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テンプレート:Infobox プロ野球日本シリーズ 1975年の日本シリーズ(1975ねんのにっぽんシリーズ、1975ねんのにほんシリーズ)は、1975年10月25日から11月2日まで行われたセ・リーグ優勝チームの広島東洋カープパ・リーグ優勝チームの阪急ブレーブスによる日本プロ野球日本選手権シリーズである。

試合結果

第1戦

10月25日 阪急西宮球場 入場者24694人 延長11回時間切れ引き分け

広島 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 3
阪急 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3

(広)外木場義郎金城基泰道原裕幸水沼四郎
(急)足立光宏山口高志河村健一郎
本塁打
(急)大熊忠義1号ソロ(1回外木場)、ボビー・マルカーノ1号2ラン(1回外木場)

[審判]パ久喜勲(球)セ山本文男 パ道仏訓 セ岡田功(塁)パ大野 セ谷村友一(外)

初回、ゲイル・ホプキンスのタイムリーヒットで先制を許した阪急は、その裏すぐさま大熊忠義ボビー・マルカーノと本塁打攻勢で3-1と逆転。しかし広島は持ち味の粘りを見せ、5回に三村敏之の犠牲フライで1点を返し、8回に山本浩二のタイムリー三塁打で同点に追いつく。なお1死1、3塁と逆転のチャンスだったが、阪急はここでルーキー山口を投入。2者連続三振でピンチを切り抜けた。広島は延長10回にも四球とヒットで2死満塁のチャンスを迎えるが、水沼四郎が投ゴロで無得点。広島は9回途中から外木場を救援した金城基泰が1人の走者も許さない完璧なピッチング。試合は延長11回引き分けに終わった。また、この試合の所要時間4時間29分は当時のシリーズ最長試合時間を9年ぶりに更新するものであり、試合時間が4時間を越えるのもこれが初めてであった。

第2戦

10月26日 西宮 入場者36418人

広島 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
阪急 1 0 0 0 4 0 0 0 X 5

(広)●佐伯和司(1敗)、渡辺弘基池谷公二郎宮本幸信若生智男道原裕幸水沼四郎
(急)○山田久志(1勝)-河村健一郎
本塁打
(広)シェーン1号ソロ(8回山田)

[審判]セ谷村(球)パ大野 セ山本文 パ道仏(塁)セ平光清 パ岡田豊(外)

初回長池徳士のタイムリーで先制した阪急は、5回、打者9人を送る猛攻で一気に突き放し、試合を決めた。山田久志は8回のリッチー・シェーンの本塁打による1点に抑え完投。シリーズ3度目、7試合目の挑戦にして初勝利を挙げた。なお、広島の5番手投手として登板した若生は、阪神在籍時代の1964年の第6戦以来11年ぶりのシリーズ登板となったがこれはシリーズ最多ブランク登板となった。[1]

第3戦

10月28日 広島市民球場 入場者25000人

阪急 0 3 1 0 0 0 0 0 3 7
広島 0 0 0 0 0 2 2 0 0 4

(急)○山口高志(1勝)-河村健一郎中沢伸二
(広)金城基泰渡辺弘基池谷公二郎、●宮本幸信(1敗)-水沼四郎
本塁打
(急)中沢伸二1号2ラン(9回宮本幸)、大橋穣1号ソロ(9回宮本幸)
(広)山本浩二1号2ラン(6回山口)

[審判]パ岡田豊(球)セ平光 パ大野 セ山本文(塁)パ久喜 セ岡田功(外)

舞台は広島へ。広島は、第1戦で好投した金城が一転して不調。2回には福本豊、大熊、加藤英司の3連続タイムリー、3回には大橋穣にタイムリー二塁打を浴びて降板。しかし広島も後半、山口高志をとらえる。6回には山本浩の2ラン、7回には三村敏之の2点タイムリーで一度は同点に追いつく。9回、中沢、大橋の連続本塁打で辛うじて突き放した。山口は苦しいピッチングながら完投。阪急はシリーズ記録にあと1本となる18安打を放ちながら残塁11と拙攻が目立った。

第4戦

10月30日 広島 入場者25002人 延長13回時間切れ引き分け

阪急 0 1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 1 4
広島 0 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 4

(急)足立、戸田、山口-中沢
(広)外木場-道原、水沼
本塁打
(急)森本1号ソロ(2回外木場)
(広)山本浩2号ソロ(2回足立)、山本一1号ソロ(2回足立)

[審判]セ岡田和(球)パ久喜 セ平光 パ大野(塁)セ谷村 パ道仏(外)

2回、阪急が森本潔、広島が山本浩、山本一義と本塁打の応酬。広島は3回に山本浩のタイムリーで1点追加するが、阪急も7回、無死満塁から加藤の一塁ゴロの間に1点を返し、長池のタイムリーで同点に追いつく。試合はシリーズ2度目の延長戦へ。延長13回表、阪急は7回からロングリリーフの山口が自らタイムリーヒットを放ち、勝ち越し。しかし粘る広島はその裏、2死満塁から佐野嘉幸がセンター前にはじき返した。逆転サヨナラかと思われたが、センター福本の好返球で2塁走者の木下富雄がタッチアウト。結局引き分けに終わった。広島は外木場が13回完投。1試合投球数シリーズ記録の200球を熱投した。一方阪急も、第3戦で157球完投した山口が連投、7イニング110球を投げ抜き、両チーム・エースのタフネスぶりが際立った。なお、試合時間4時間49分は第1戦で記録した4時間29分を上回り、2010年の日本シリーズ第6戦(中日ドラゴンズvs千葉ロッテマリーンズ ナゴヤドーム、5時間43分)にて更新されるまで35年にわたってシリーズ最長記録だった。また、史上初めて引き分け試合が複数記録された。

第5戦

10月31日 広島 入場者25077人

阪急 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2
広島 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

(急)○山田(2勝)、S山口(1勝1S)-河村
(広)●佐伯(2敗)、金城、宮本幸-道原、水沼
本塁打
(広)衣笠1号ソロ(2回山田)

[審判]パ道仏(球)セ谷村 パ久喜 セ平光(塁)パ岡田豊 セ山本文(外)

広島はここまで1安打と不振だった衣笠祥雄の本塁打で先制したが、すぐさま阪急が小刻みに点を重ねて逆転。6回、1死1、2塁でシェーンが左中間に打ち返した打球をセンター福本豊がフェンスを向いたままキャッチする超ファインプレー。古葉監督が後々まで「あれが抜けていれば」という打球だった。9回、山田が無死から2連打を浴びると、先発、ロングリリーフをこなした山口がまたも登板。後続を3連続凡退に退けた。

第6戦

11月2日 西宮 入場者30371人

広島 0 2 0 0 0 0 0 1 0 3
阪急 0 1 0 5 0 0 0 1 X 7

(広)●池谷(1敗)、金城、渡辺弘、宮本幸、若生-道原、水沼
(急)足立、○戸田(1勝)、S山口(1勝2S)-中沢
本塁打
(広)ホプキンス1号ソロ(8回山口)
(急)中沢2号2ラン(4回池谷)
[審判]セ山本文(球)パ岡田豊 セ谷村 パ久喜(塁)セ岡田功 パ大野(外)

1-2と1点リードされた阪急は4回、中沢の2ランで逆転、さらにヒットと四死球を絡めて今回一気に5点。広島は6回より救援した山口から、8回ホプキンスが意地の本塁打を放つが、反撃もここまで。最後は大下剛史が右飛に倒れ、阪急が球団創立40年目、シリーズ挑戦6度目にして初の日本一の栄冠を手にした。

表彰選手

注 この大会で、広島カープが優勝した場合は、球団の資本の関係でマツダから最優秀賞の自動車が贈呈され、トヨタ自工からは賞金が贈呈される予定だったが、阪急優勝であったためトヨタ提供の自動車が贈られた。

テレビ・ラジオ中継

テレビ中継

    • なお、第7戦は関西テレビで放送される予定だった。
    • 在広3局においては当然ながら初の日本シリーズ中継となった。開局1ヶ月にも満たないテレビ新広島放映権こそ獲れなかったものの、関西テレビ製作の西宮からの3試合をネットできた。
    • 関西地区ではこの年春の腸捻転解消により、第3・4戦は新ネット局(TBS毎日放送NET朝日放送)で放送された。
    • NET1962年東映VS阪神第3・4戦(共に神宮)を中継して以来、実に13年ぶりのシリーズ中継となったが、皮肉にも同局初中継の第3戦同様、延長戦引き分け試合となった。

ラジオ中継

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. それまでの最多ブランク登板は1960年の第2戦で登板した荒巻淳の10年。