池辺晋一郎
テンプレート:Infobox Musician テンプレート:Portal クラシック音楽 池辺 晋一郎(いけべ しんいちろう、戸籍上は「池邉」が正しい、1943年9月15日 - )は、日本の作曲家。血液型 は O型。
目次
人物・来歴
茨城県水戸市出身。1963年東京都立新宿高等学校卒業。1967年、東京芸術大学卒業。1971年、同大学院修了。中学・高校時代には、クラリネットを吹いていた経験もある。高校で合唱をしていた際、そこで宇野功芳(音楽評論家)が講師をしていた。東京藝術大学で池内友次郎、三善晃、矢代秋雄に師事。大学で1年先輩の三枝成彰と親交があり[注 1]、共に当時の若手作曲家のホープとみなされていた。在学中に書いた室内楽曲「クレパ七章」で注目され、武満徹の目に留まり一時期彼のアシスタントを務めた。9曲の交響曲をはじめとする演奏会用作品の他、黒澤明や今村昌平の監督作品をはじめとする映画音楽、校歌、NHK大河ドラマ[注 2]やアニメ『未来少年コナン』などのテレビ番組の音楽も多く手がけている。
また、アマチュア音楽界、特に合唱とは深い関係を持っている。全日本合唱連盟の役員を長年務める一方で、1984年に混声合唱組曲「悪魔の飽食」を神戸市役所センター合唱団の委嘱で作曲したことがきっかけとなって、うたごえ運動とも交流がある。全日本吹奏楽コンクールの課題曲もたびたび委嘱されて作曲している。2007年より、せたがや文化財団音楽事業部音楽監督を務め、イベントの際には舞台上で短いトークを披露する。
『N響アワー』(NHK教育テレビ)に2009年3月までの13年間司会者として出演した。日本中国文化交流協会理事長。日本作曲家協議会元会長。日本音楽作家団体協議会元会長。東京音楽大学教授。2007年4月1日より横浜みなとみらいホール館長。ダジャレ好きで有名。広島カープファン[1]。女優の香川京子は父の従妹である。
「九条の会」傘下の「マスコミ九条の会」呼びかけ人[1]、「世田谷・九条の会」呼びかけ人を務めている[2]。
受賞歴
- 1966年、日本音楽コンクール第1位。
- 1968年、音楽之友社賞。
- 1971年、ザルツブルグテレビオペラ祭優秀賞。
- 1974年、文化庁芸術祭優秀賞(1982年、1983年、1984年にも)。
- 1976年、イタリア放送協会賞(1989年にも)。
- 1980年、毎日映画コンクール音楽賞(1984年、1990年にも)。
- 1984年、日本アカデミー賞最優秀音楽賞(1990年、2009年にも)。
- 1989年、国際エミー賞優秀賞。
- 1991年、尾高賞(1999年にも)。
- 1997年、NHK交響楽団・有馬賞。
- 2002年、放送文化賞。
- 2004年、紫綬褒章。
- 2011年、横浜文化賞。
主要作品
オーケストラ作品
交響曲は「シンフォニーI」などシンフォニー+ローマ数字で表記されることもある。
- 交響曲第1番
- 交響曲第2番「トライアス」(日本フィルハーモニー交響楽団委嘱作品)
- 交響曲第3番「エゴ・パノ」
- 交響曲第4番
- 交響曲第5番「シンプレックス」
- 交響曲第6番「個の座標の上で」
- 交響曲第7番「一滴の共感へ」
- 交響曲第8番「大地/祈り」(神奈川フィルハーモニー管弦楽団委嘱作品)
- 交響曲第9番(東京オペラシティ文化財団委嘱作品)
- 多年生のプレリュード(読売日本交響楽団委嘱作品)
- 「ダイモルフィズム(同質二像)」〜オルガンとオーケストラのために
- チェロとオーケストラのための協奏曲 「木に同じく」
- フルートとオーケストラのための協奏曲 「砂の上に対座して」
- ファゴットとオーケストラのための 協奏曲 「炎の資格」
- 氷上燐光 ~ハープとオーケストラのための協奏曲
- 一本の緑陰樹として 三絃とオーケストラのための協奏曲
- ピアノ協奏曲第1番
- ピアノ協奏曲第2番「お前は私を」
- ヴァイオリン協奏曲
吹奏楽作品
- アマデウスのピアノがきこえる(モーツァルトのピアノ・ソナタ集による2群の吹奏楽とオルガンのためのコンポジション)
- 「ランドスケイプ」〜吹奏楽のために〜 (1990年度全日本吹奏楽コンクール課題曲A)
- 「胎動の時代」〜吹奏楽のために〜 (2000年度全日本吹奏楽コンクール課題曲III)
合唱作品
混声合唱
- 混声合唱のための相聞I・II(1970年)初演:東京混声合唱団
- 混声合唱のために「恩愛の輪」(1972年)
- 合唱による構成〈銅山〉(1973年)
- 無伴奏混声合唱のための「エンカテインメント」(1977年)初演:東京混声合唱団
- 混声合唱組曲「六つの子守歌」(1978年)
- 混声合唱組曲「冬にむかって」(1979年)
- 合唱による童話「淋しいおさかな」(1981年)初演:松原混声合唱団
- 混声合唱組曲「異聞・坊ちゃん」(1983年)
- 「東洋民謡集Ⅰ」(1984年)初演:東京混声合唱団
- 混声合唱組曲「悪魔の飽食」(1984年)
- 混声合唱組曲「港の心」(1985年)
- 混声合唱曲集「風の航跡」(1985年)
- 混声合唱組曲「初恋物語」(1986年)
- 混声合唱組曲「明治は遠いたけくらべ」(1986年)
- 混声合唱による童話「一本の木、一軒の家、一人の息子」(1986年)
- 「古代の樂」(1988年)
- 児童合唱・混声合唱とピアノのために「海のトランペット」(対馬丸の子供たち)(1989年)
- 混声合唱組曲「今はない木々の歌」(1989年)
- 混声合唱組曲「交響詩ひめじ」(1989年)
- 混声合唱組曲「すみだがわ」(1989年)
- 混声合唱組曲「地球(テラ)への帰還」(1990年)
- 混声合唱組曲「人体詩抄・抄」(1990年)
- 合唱オペラ「タロウの樹」(1991年)
- 「東洋民謡集II」(1992年)
- 混声合唱組曲「宛名のない手紙」(1993年)委嘱初演:東京六大学混声合唱連盟
- 混声合唱組曲「希望へのエアメ-ル」(1993年)
- 合唱のための探偵劇「歌の消息」(1994年)
- 混声合唱組曲「レクイエム“いのちこそ”」(1994年)
- 阪神大震災鎮魂組曲「1995年1月17日」(1995年)
- 伊藤整の詩による3つの合唱曲「雨と風と春の夜と…」(1995-99年)
- 混声合唱組曲「沖縄の雲へ」(読み方:ウチナーのくもへ、2002年)
- 混声合唱組曲「正義の基準」(2002年)
- 混声合唱曲集「ひたすらに…白秋」(2004年)
- 混声合唱のための「相聞 Ⅲ」(2005年)
- 無伴奏混声合唱のための「5つのマドリガル」
- 混声合唱組曲「走る」(2007年)
- 混声合唱組曲「飯豊山〜我が心のアルカディア〜」(2008年)
- 混声合唱曲集「いのちと、こころと… -金子みすゞの詩による7つのうた-」(2008年)
- 混声合唱曲集「魂のいちばんおいしいところ」(2011年)[3]
- 混声合唱曲「煉瓦頌」
女声・児童合唱
- 女声合唱曲集「シェイクスピアの4つの恋唄」(1980年)
- 女声合唱組曲「時は流れても」(1980年)
- 女声合唱曲集「花の四季」(1982年)
- 勇敢な少年たちのための音楽劇「ぞっとする物語」(1986年)
- 女声合唱曲集「江戸の風」(1990年)
- 児童合唱組曲「空にかいた12の童話」(1990年)
- 女声合唱組曲「彼女の物語」(1990年)
- 女声合唱曲「森の人々と共に闘う」(1991年)
- 女声合唱組曲「海の墓標」(1993年)
- 児童合唱組曲「八幡浜の空と海と山と」(1993年)
- 女声合唱曲「瓦礫の中から」(1995年)
- 石垣りんの詩による2つの女声合唱曲(1997年)
- 「うぇーべるん」女声合唱のために(1997年)
- 女声合唱曲集「この世界のぜんぶ」(2002年)
男声合唱
- 男声合唱組曲「王様」(1985年)
- 男声合唱曲集「ガルシーア・ロルカの五つのシャンソン」(1988年)
- 男声合唱曲「GLORIA」(2004年)
- 「東洋民謡集 IV」(2005年 スウェーデン王立男声合唱団、オルフェイ・ドレンガーの委嘱・初演)
- 博物館の機関車(1973年) - NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲
- 時は流れても(1979年) - NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲
マンドリンオーケストラ
- マンドリン・マンドリアーレ(1986年)
- マンドリン・マンドリアーレ2「ヴィヴァ!カンツォーネ!」(2006年)
オペラ
バレエ
- 動と静 ― アブ・シンベルの幻覚
邦楽
- 雲烟〜二面の箏、十七絃と弦楽器のために
- 紡ぐ〜二十絃箏のために
- 歴〜尺八、二面の箏と十七絃のために
- 桜樹峨峨〜雅楽のために
校歌
- 東京都立城東高等学校校歌(作曲)
- 足立区立青井小学校校歌(作曲)
- 高松市立牟礼南小学校校歌(作曲)
- 富山高等専門学校校歌(作曲)片岡輝(ひかる)(作詞)
など多数。
テレビドラマ
- 少年ドラマシリーズ / なぞの転校生 (1975年、NHK)
- 大河ドラマ (NHK)
- 八甲田山 (1978年、TBS)
- 連続テレビ小説 (NHK)
- 金曜ドラマ / 深夜にようこそ (1986年、TBS)
- 正月時代劇 / おらが春 (2002年)
テレビアニメ
- 未来少年コナン(1978年)
ラジオ
- 日曜名作座(劇中曲)
放送関係
映画
- 黒澤明監督作品
- 今村昌平監督作品
- 実相寺昭雄監督作品
- その他
- 少年時代(1990年、篠田正浩監督) ※主題歌である井上陽水の「少年時代」の作曲には関わっていない。
- 瀬戸内ムーンライト・セレナーデ(1997年、篠田正浩監督)
- バルトの楽園 (2006年、出目昌伸監督)
- 監督・ばんざい!(2007年、北野武監督)
- 劒岳 点の記(2009年、木村大作監督)※クレジットでは「指揮」。監督が選んだクラシック曲の演奏(仙台フィルハーモニー管弦楽団)を指揮した。
- 春を背負って(2014年、木村大作監督)
著書
- 『音のいい残したもの 同時代の窓から』(音楽之友社、1982)
- 『スプラッシュ 池辺晋一郎対談集』(カワイ出版、1993)
- 『おもしろく学ぶ楽典』(音楽之友社、1995)
- 『空を見てますか…音と交わる、人と話す』(芸術現代社、1999)
- 『バッハの音符たち 池辺晋一郎の「新バッハ考」』(音楽之友社、2000)
- 『モーツァルトの音符たち 池辺晋一郎の「新モーツァルト考」』(音楽之友社、2002)
- 『空を見てますか…1 音も人も時代とともに』(新日本出版社、2003)
- 『空を見てますか…2 世紀末の始まりのころ』(新日本出版社、2003)
- 『空を見てますか…3 しゃべって書いて、というこころ』(新日本出版社、2003)
- 『空を見てますか…4 世紀のハードル跳びこえて』(新日本出版社、2003)
- 『ブラームスの音符たち 池辺晋一郎の「新ブラームス考」』(音楽之友社、2005)
- 『オーケストラの読みかた スコア・リーディング入門』(学習研究社、2005)
- 『シューベルトの音符たち 池辺晋一郎の「新シューベルト考」』(音楽之友社、2007)
- 『ベートーヴェンの音符たち 池辺晋一郎の「新ベートーヴェン考」』(音楽之友社、2008)
- 『空を見てますか…5 言葉と音楽のアツイ関係』((新日本出版社、2009)
- 『シューマンの音符たち 池辺晋一郎の「新シューマン考」』(音楽之友社、2010)
- 『ドヴォルザークの音符たち 池辺晋一郎の「新ドヴォルザーク考」』(音楽之友社、2012)
共著
過去の出演番組
- N響アワー(NHK教育テレビ) 1996年から2009年3月末まで司会者を務める。同年4月より作曲家西村朗に交代する。
- 芸術ジャーナル(NHK-FM) 月1回「作曲家の眼」と題し出演、日本人作曲家の作品を中心とした現代音楽の選曲とパーソナリティを務めた。ゲスト扱いだが実質固定枠だった。「芸術ジャーナル」自体は2002年3月31日で終了。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- 池辺晋一郎(全音楽譜出版社サイト内)
- 池辺晋一郎(東京コンサーツ内)
- 池辺晋一郎楽譜CD/マザーアース
- テンプレート:Allcinema name
- テンプレート:Kinejun name
- テンプレート:Imdb
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