河合楽器製作所

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テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox 株式会社 河合楽器製作所(かわいがっきせいさくしょ)は、静岡県浜松市中区に本社を置く楽器メーカーである。商標名は英字大文字でKAWAI。ピアノ販売では2010年現在世界第2位のシェアを占める[1]

概要

日本楽器製造(現・ヤマハ株式会社)に勤務していた河合小市が独立し、1927年(昭和2年)に河合楽器研究所として設立された。1935年(昭和10年)に合名会社1951年(昭和26年)に株式会社へと改組する。1952年(昭和27年)に河合小市が逝去すると、1955年(昭和30年)、娘婿の河合滋が社長に就任。1956年(昭和31年)にカワイ音楽教室を創設、音楽教育事業によるユーザ層の拡大に乗り出すと共に、1989年(平成元年)に河合弘隆が社長に就任し、滋は会長に専任となった。

河合滋が社長を務めていた頃は、業界に先駆けてピアノの割賦販売を打ち出すなど、同業のヤマハと切磋琢磨し、日本の音楽普及に貢献した。バブル時代にはゴルフ場事業等にも進出し、非ピアノ事業の育成を企図した多角化を行ったが、近年はピアノ事業に回帰する姿勢を鮮明にしている。

ピアノを中心とした楽器製造・販売のほか、近年はカワイ精密金属など(長野県)でピアノの部品素材のノウハウを生かした半導体素材の生産も行っている。かつてはDTM関連製品やムーンサルト、F-I、Rockoonシリーズ等のエレキギター/エレキベース、K5000シリーズなどのシンセサイザーを製造・販売していたが、現在では楽譜作成ソフトウェア「スコアメーカー」や入力用の小型キーボード「HYPERCAT」を除き撤退している。出版部門は「カワイ出版」のブランドで、多くの楽譜、音楽書を出版している。音楽書以外にも絵本等の出版も行っている。

また、ピアノの製造過程で出る端材を活用して、木製の玩具なども発売している他、学校向けのスポーツ用具(体育授業用の跳び箱や卓球台など)も製造している

ヤマハが特約店方式で各地の楽器店と契約しているのに対し、全国に直営店を展開している。

グランドピアノ1990年代まではドイツ製ピアノの影響が強い製品を製造していたが、現在ではスタインウェイの特徴を取り入れ、近代化されたRXシリーズを中心に、手作り工程と入念な出荷調整を取り入れた高級機SKシリーズ、コンサート用のSK-EXシリーズを出荷している。アップライトはKシリーズを出荷している。いずれも炭素繊維強化プラスチックを採用してレスポンスを改善したアクションを特徴としている。また騒音対策としてエニタイム仕様やピアノマスク仕様のピアノも出荷している。

他にも外装部が透明アクリル樹脂でできているクリスタル・ピアノ「CR-40A」を1971年から受注販売している。

連合赤軍あさま山荘事件の発生当時、連合赤軍に占拠されたあさま山荘の所有者であった(正確には当社の健康保険組合の所有)。

教育事業

音楽教室の他に、主に幼稚園・保育園を対象に体操教室・英語教室・絵画造形教室などを開講している。

その他

名古屋市のCTV栄ビル屋上と、東京・銀座京橋寄り)にネオンサインを設置している。後者(カワイピアノ)は、銀座を舞台にした1989年の刑事ドラマ『ハロー!グッバイ』(日本テレビ系)のオープニングに登場し、「銀座の風景の一部」として繰り返し映っている(ファーストカットの早朝、中盤のライトアップされた夜間、3度目の昼間)。

名古屋栄ビル屋上にあるネオンサインは、過去に名古屋のローカル番組にて、「あの鍵盤は何を演奏しているのか?」との疑問から調査を行ったことがある。実際にネオンサインの表示に合わせて演奏してみるも、どの曲かは全く分からなかった。担当者に聞き込みを行ったところ、特に曲は決めず適当に表示していたことが発覚した。後日改められ、現在は童謡の「夕焼け小焼け」が演奏されている。

製品写真

関連項目

脚注

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外部リンク

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  1. 読売テレビ秘密のケンミンSHOW2011年2月3日放送分より。