占冠村

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テンプレート:Infobox 占冠村(しむかっぷむら)は、北海道上川地方最南部に位置する村。

村名の由来

山田秀三著『北海道の地名』ではアイヌ語の「シ・ムカプ(si-mukap):鵡川の本流」によるとしている[1]が、占冠村公式ホームページでは「シモカプ(shimokap):とても静かで平和な上流の場所」としている[2]。また「シュム・カプ: ヤチダモが多い川岸」としている書籍もある[3]

地理

上川総合振興局管内の最南部に位置する。四方を山に囲まれており、村面積の94%は森林。村内を東西に国道274号JR石勝線が通る。道東自動車道占冠ICが開通し、帯広方面とつながった。2011年10月29日夕張IC-占冠IC間が開通し、札幌方面ともつながった。

  • 山: トマム(苫鵡)山 (1,239m) 、ピヤシリ山 (987m)
  • 河川: 鵡川
  • 湖沼:

人口

テンプレート:人口統計

気候

テンプレート:Climate chart

北海道の盆地特有の気候で、夏と冬、昼と夜の寒暖の差が非常に大きいのが特徴である。冬季は、1月の平均気温は-10.2度、平均最低気温は-18.9度にもなる。[4]特に、12月から3月にかけてが厳冬期に当たり、放射冷却が顕著になると、最低気温が-20〜-35℃にまで下がることも多い。また、寒冷な気候であるのに加え、降雪量も非常に多く、年間で累計8〜9m前後に達し、国から特別豪雪地帯の適用を受けている。

当村で観測された最低気温の極値は-35.8℃(2001年1月14日)、最高気温の極値は33.8℃(2007年8月13日)、最深積雪の極値は134cm(2001年3月4日)[5]

テンプレート:Infobox Weather

隣接している自治体

沿革

かつては農林業、酪農を基幹産業とする山あいの小さな村だった。1952年に村のほぼ全てが水没する巨大ダム・赤岩ダム建設計画が持ち上がったが住民全てが反対し、1961年に中止となった。その当時のダム事業中止は全国的に極めて珍しい例であった。

1981年に村を東西に横断する国鉄石勝線が開業、占冠駅石勝高原駅(現トマム駅)の2駅に特急が停車するようになった。鉄道交通の利便性の良さから、トマム駅周辺はリゾート地として開発された。

2009年5月22日5月23日には、16の国や地域の首脳と日本の首相が集う第5回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(「太平洋・島サミット」)が当村トマムで開催された。

  • 1905年明治38年) 辺富内(へとない)村(現在のむかわ町の一部)から占冠村が分村。
  • 1906年(明治39年) 室蘭支庁(現・胆振支庁)から上川支庁へ管轄変更。
  • 1919年大正8年) 二級町村制を施行し、南富良野村 ・占冠村組合役場を設置する。
  • 1932年昭和7年) 南富良野村 ・占冠村組合役場を解く。
  • 1952年(昭和27年) 北海道開発局、鵡川・赤岩青巌峡一番淵付近に多目的ダム計画を発表(赤岩ダム計画)。ニニウ・トマム(苫鵡)以外全て水没対象となり、村全体で反対運動が発生する。
  • 1961年(昭和36年) 北海道開発局、赤岩ダム計画の白紙撤回を発表。
  • 1981年(昭和56年) 国鉄石勝線が開業。関兵精麦グループと占冠村の第三セクター「シムカップ・リゾート開発公社」により、中苫鵡地区のスキー場を中心としたリゾート開発に着手。
  • 1983年(昭和58年) アルファリゾート・トマム開業。
  • 1989年平成元年) 総合保養地域整備法(リゾート法)による重点整備地区に指定される(北海道内初)。
  • 1992年(平成4年) アルファリゾート・トマムの発展による繁忙期の水不足から「トマムダム」の建設が計画されたが、客足の衰退により中止。
  • 1998年(平成10年)5月 アルファリゾートトマムの施設の4割を所有し、運営主体であるアルファ・コーポレーション(北海道札幌市・関兵の子会社)が自己破産、負債額は1061億円。これにより同社運営の施設が休業。関兵は既に加森観光へ運営委託を要請しており、関兵所有分の残り6割は営業を続けたが、客足は落ち込んだ。
  • 1998年(平成10年)12月 加森観光が占冠村に5億円を寄付。寄付金で村が施設を買い取り、加森観光に無償貸与、営業を再開。
  • 2003年(平成15年)6月 アルファリゾート・トマムの開発を手がけた関兵精麦(宮城県仙台市)が民事再生法を適用する。
  • 2004年(平成16年)4月 関兵が星野リゾート長野県北佐久郡軽井沢町)へトマムの自社所有施設を譲渡する。星野リゾートが譲受区画の運営を自ら手がけることとなり、加森観光所有のトマムと分断した運営が行われる(2005年に星野へ一本化)。その際、老朽化した施設修繕費用が村に請求される。
  • 2004年(平成16年)6月8日 当時の村長、原淳二が任期を残して辞職。
  • 2007年(平成19年)10月21日 道東自動車道トマムIC-十勝清水IC上川郡清水町)間開通。
  • 2009年(平成21年)5月22日5月23日 トマムにて、第5回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(「太平洋・島サミット」)開催。
  • 2009年(平成21年)10月24日 道東自動車道占冠IC-トマムIC間開通。
  • 2011年(平成21年)10月29日 道東自動車道夕張IC-占冠IC間開通。

行政

  • 村長(1932年 - 現在に至る)
  • 初代 久保正信
  • 二代 森岡幸作
  • 三代 峰江英男
  • 四代 森 一
  • 五代 石川留治
  • 六代 斎藤秀翁
  • 七代 中田菊太郎
  • 八代 吉田益雄
  • 九代 小瀧猛
  • 十代 小川一男
  • 十一代 觀音信則
  • 十二代 原淳二
  • 十三代 小林豊
  • 十四代 中村博

経済

基幹産業は農業、酪農、林業。山菜も採れ、名物となっている。石勝線開業後はトマムリゾートなどの観光産業が発展したが、バブル崩壊・運営会社の倒産などがあり、バブル時の最盛期と比べると客数は減少している。

農業協同組合

  • ふらの農業協同組合(JAふらの)占冠出張所

郵便局

  • 占冠郵便局(集配局)
  • 胆振苫鵡簡易郵便局

宅配便

公共機関

警察

姉妹都市・提携都市

教育

  • 中学校
    • 占冠
  • 小学校
    • 占冠中央
  • 小中学校
    • トマム(苫鵡)

交通

道路

鉄道

石勝線の両駅は特急列車のみ運行される区間にあるため、特急列車しか止まらないJRの駅が2つある自治体としては唯一である。

バス

空港

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

  • 道の駅 自然体感しむかっぷ
  • 星野リゾート・トマム
  • ニニウ自然の国
  • 占冠 湯の沢温泉 森の四季
  • 赤岩青巌峡(あかいわせいがんきょう)ラフティングが盛ん。
  • ホロカトマム山林[1] 国連の「2010年 国際生物多様性年」に設立された占冠村ホロカトマムにある生物多様性・自然保護区。

関連項目

脚注

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外部リンク

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  1. テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite book
  4. [2]
  5. [3]