PCエンジン
テンプレート:Mboxテンプレート:Infobox コンシューマーゲーム機 PCエンジン(PC Engine)とは、1987年10月30日に日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)から発売されたHE-SYSTEM規格に基づく家庭用ゲーム機。当時のメーカー希望小売価格は24,800円。
目次
概要
任天堂のファミリーコンピュータが発売から4年経過し、その市場を受け継ぐポストファミコンとして開発、市場に投入され、ファミリーコンピュータやセガ・マークIIIと競合。後にスーパーファミコンやメガドライブと競合した。NECグループとしてはコンシューマ初参入ハードで[1]、ハードウェアとソフトウェアの開発はハドソン(現・コナミデジタルエンタテインメント)が担当していた。
発売当時としては常識を覆す高速・高性能であり[2]、任天堂のシェアを崩すには至らなかったが、新規ハードとして一定の普及に成功し国内市場では1992年時点でスーパーファミコンに次ぐ24,7%のシェアを占めていた[3]。コア構想に基づき多くの本体・周辺機器が発売され、光学ドライブ・CD-ROM・マルチタップなどの機器はライバル機種や次世代機でも採用されており進歩的な設計であった[4]。
開発経緯と設計思想
1985年にハドソンで「プログラマーにとって、もっとゲームが作りやすいハードができないか」というコンセプトでPCエンジンの開発が企画され、チップ開発が始まった[5]。PCエンジンのハード開発企画はシャープやソニーに持ち込んだが折り合わず[6][7]、NECホームエレクトロニクスと共同開発する事となった。
ポストファミリーコンピュータとして作られたPCエンジンは、以下の特徴がある。
- ゲームソフトにHuCARDというICカード型のROMカートリッジを採用した。後に、そのコンパクトな形状を活かしたPCエンジンGTという携帯型ゲーム機も開発された。
- PCエンジン本体をコア(核)とし、様々な周辺機器を拡充していく「コア構想」を展開した。
- 家庭用ゲーム機としては世界初となる光学ドライブを搭載し、CD-ROMをゲームソフトとして採用した[2]。
- 本体と同時発売のマルチタップを用いることで、最大5人までの同時プレイを可能にした。
HE-SYSTEM
日本電気ホームエレクトロニクスとハドソンによって提唱された規格。ライセンス商品の証明としてPCエンジンに関連する本体とソフトウェアには必ずロゴが記載されている。なお、「HE-SYSTEM」(エイチイーシステム)の「HE」はHome Entertainmentの略であり、『ホーム・エンターテイメント・システム』という意味である。
コア構想
PCエンジンは「コア構想」という拡張思想を持ち、パーソナルコンピュータのようにコア(核)の役割を持たせ、様々な周辺機器を接続することでゲーム以外にも対応させる。いわば周辺機器のエンジンに見立たものであり「PCエンジン」の命名はここが由来。周辺機器による拡張が前提であり、本体にはゲーム機として最小限の機能しか無い。多人数での同時プレイにはマルチタップを必要とし、ゲームデータのバックアップには外部記憶ユニットを用いる。一部機種を除いた本体の後部には拡張バスが標準装備されており、周辺機器の接続は主にこれを使う。多くの周辺機器が発売されたが、拡張バスを用いる機器は排他仕様であり、ハードの組み合わせによっては接続・使用できない商品があるといった問題点もあった。構想の要であった拡張バスは、CD-ROM2本体により占有されるか一体化されたDuoの登場により消滅した。その後の周辺機器の接続には残ったHuCARDスロットやコントローラーポートを用いた。
ソフトウェア媒体と規格、ゲームのバックアップについて
ソフトウェア媒体と規格
PCエンジンは周辺機器によりバージョンアップを繰り返し、1つのハードで多数のソフトウェア規格が出来た。
バックアップについて
- 初期 - パスワードで再開する。
- 中期 - 拡張バスに接続する周辺機器でセーブデータのバックアップが可能になった。
- 1988年12月4日にCD-ROM2本体の機能として、セーブ機能単体では1989年8月8日に提供。
- カートリッジ内蔵式のバッテリーバックアップと比べ容量が大きい。これは1台で複数ゲームのデータを管理する為である。外付けのため交換も可能。
- 後期 - 拡張バス廃止・占有及びゲームのデータの肥大化に伴いHuCARDスロットやコントローラーポートを使用する機器でのバックアップも併用される。
NECとハドソンの戦略
販売戦略
NECホームエレクトロニクスはハードウェア製造メーカーで、当初はゲームソフトの自社開発ができなかった。代わりにハドソンがローンチタイトル及び初期のラインナップを充実させている。NECホームエレクトロニクスはPCエンジン発売の同年にNECアベニュー(ゲームソフト開発・音楽ソフト開発会社)を設立させた。
1989年の年末商戦前には販売戦略をリニューアルしており以下の3機種を柱とした。
- 路線の継続 - PCエンジンコアグラフィックス
- 廉価版 - PCエンジンシャトル
- 上位機種 - PCエンジンスーパーグラフィックス
1991年にSUPER CD-ROM2に移行し、翌1992年中頃にはソフト供給はCD-ROM中心になる。1994年末にPCエンジンの次世代機PC-FXが発売される。PCエンジンはPC-FXよりも後までソフトが供給され1999年6月に発売されたデッド・オブ・ザ・ブレイン 1&2を最後にソフトの供給が終了した。
広告戦略
専門番組にハドソンが提供・協力、一部は日本電気ホームエレクトロニクスも提供をしている。それに加えコロコロコミックのタイアップ記事[8]、週刊少年ジャンプの読者コーナー[9]など、影響下にあるメディアでPCエンジンの話題を多く取り上げ、また任天堂によるスーパーファミコンの発表まではファミコンの上位的な位置づけのハードとしてイメージ戦略を行った。
サードパーティー
初期にはナムコやタイトーなどが参入。特にファミコンソフトの製造における優遇措置関連で任天堂とのトラブルになっていたナムコはPCエンジンに注力し、ソフト供給ではハドソン・NECアベニューと共に初期の三本柱となった[10]。ハード立ち上げ時から強力なソフトラインナップを集め、ファミリーコンピュータへの移植が難しかったアーケードゲームが移植された。その後、アイレム・コナミ・データイースト・日本物産なども参入。CD-ROM2システムの発売により日本テレネット・マイクロキャビン・コーエー・日本ファルコムといったPCゲームのソフトハウスも参入し、パーソナルコンピュータ用ソフトも移植された。参入せず開発のみ行い、他社名義で販売した例としてはカプコン[11]とコンパイル[12]がある。
日本国外展開
北米市場ではTurboGrafx-16(ターボグラフィックス16)の商品名で発売され、CD-ROM2にあたるTurboGrafx-CD(HES-CDR-01 TurboGrafx-16と同時発売)やPCエンジンGTと同機能のTurboExpress(HES-EXP-01 1990年11月発売)、PCエンジンDuoと同機能のTurboDuo(HES-DUO-01 1992年10月発売)なども発売された。
TurboGrafx-16は本体の大きさが国内版に比べ横幅が倍になっているが、これは本体が小さくて価格が高いと割高感が出て敬遠されるという海外の消費者心理を考慮したためである。またCD-ROMユニットは本体後部に接続する形式を取っているが、CD-ROMユニットの大きさは国内版と同じのため、組み合わせると、さらに特異な形状(真上から見ると『凸』型)となる。
欧州市場ではフランスを除いて正式販売は行われなかった。フランス版PCエンジンは、当時日本で販売されていた本体をRGB仕様に改造したのみで、本体の形状や商品名称などは日本と同様PC Engineとなっていた。イギリスではNTSC出力のままの米国モデルがTelegames社より極少数販売された実績がある。
TurboGrafx-16の名称は、Sega Genesis(北米版メガドライブ)及びSuper Nintendo Entertainment System(北米版スーパーファミコン)が搭載していた16ビットCPUの話題性に対抗するため、PCエンジンは画像処理周りなど一部の処理を16ビットで行っていたため、この様な商品名となった。
北米では1992年4月より、取り扱いがNECテクノロジー社とハドソンの共同出資であるターボ・テクノロジー社に変更され、そのキャンペーンとして発売予定のTurboDuo(価格$299.99)に250ドル相当の特典(イースI・II、PC原人、PC原人2、ゲート オブ サンダー、ダンジョンエクスプローラー、専門誌『TURBO FORCE』、$50のソフト購入割引券)を添付させる「Add $250 Value」を実施。また1992年のサマーCESに合わせてTurboGrafx-16の本体価格を$69.99に引き下げた。
TurboDuo発売後、既存のTurboGrafx-CDユーザ向けにスーパーシステムカードと3-in-1 CD(PC原人、PC原人2、ゲートオブサンダー)と$50のソフト購入割引券をセットにしたバリューパックが$95で販売された。ちなみに旧来のシステムカードは起動画面がTurboGrafx-CDのロゴになっていたが、スーパーシステムカードは国内版と同じ「SUPER CD-ROM2 SYSTEM」の起動ロゴになっている。
北米でのTurboGrafx-16の販売はGenesisとSNESに苦戦した。日本ではヒットしCD-ROMゲーム機としてのPCエンジンの地位を確立したPCエンジンDuoも、北米版では同時期に発売されたSega CD(北米版メガCD)より普及せず、1993年中には市場からほぼ淘汰された。アメリカのゲーム雑誌GameProは「任天堂による日本のサードパーティの囲い込み」や「北米版ローカライズや広告宣伝の不備」も失敗の原因として挙げており、「1991年には市場がほとんど死んでいた」と評している。
晩年は慢性的なソフト不足を補うため国内向けのソフトが輸出販売され、HuCARDのピンアサインを変換するアダプタも非公式に流通した。
販売台数
GameProの推計によると北米での最終的な出荷台数は約250万台、その他の地域(ほぼすべて日本)750万台、合計1000万台[13]。 朝日新聞2001年12月1日(夕刊)「ウィークエンド経済 第765号」にて『だが、PCエンジンは世界で580万台売るヒットになる。』と書かれている。当時のファミ通記事では国内のPCエンジン販売台数はHuカード機が392万台、CD-ROM(Duo含む)が192万台という数字が出ている。
仕様
- CPU:HuC6280(音源内蔵)
- CPU部:6502互換
- VDC (Video Display Controller):HuC6270
- VCE (Video Color Encoder) :HuC6260
- ※ CPU・VDC・VCEの詳細はHuC62を参照の事。
- メモリ
- 表示解像度(単位は画素)
- 256×240
- 320×240
- 336×240
- 512×240[17]
- TV の表示範囲に入るのは 224 ライン程。横方向の画素数は256、336、512の3種類から任意で切り替え可能。
- VDC(HuC6270)に16ビットのレジスタがあり、横512の座標も問題なく扱える。
- 画素単位で制作したグラフィックを横512画素で表示するにはVRAMの容量が不足するが、BG画面(後述)を使う事で表示可能。[18]
- 同時発色数
- 最大512色(BG:8×8ドット内256色中16色 スプライト16×16ドット内256色中15色+透明色)
- NTSC信号出力の際に、カラーバースト信号を切ってモノクロ表示にすることが可能。
- スプライト
- 最大64個(1個のスプライトサイズは16×16から最大32×64 カラー指定256色中15色+透明色)
- 横方向へ16×16のサイズを最大16個(横320ドットモード時は14個に制限される。これはスプライトを横に16個並ぶ設定にするとオーバークロック状態になり(VRAMのアクセスタイムを超える駆動をする)、PCエンジン本体の動作保証が出来ないことから、NECのガイドラインにより設定された。※初期に発売されたR-TYPEなどは例外的に使用[19]
- バックグラウンド(BG画面)
- 1画面(1キャラクタ8×8画素固定で最大2048個定義 カラー指定256色中16色)[20]
本体バリエーション
- NEC製
型番 | 名称 | 発売日 | 拡張バス | 備考 |
---|---|---|---|---|
PI-TG001 | PCエンジン | 1987年10月30日 | 有 | 初代機。この機種のみ映像出力がRF端子となっている。 |
PC-KD863G | PC-KD863G | 1988年9月27日 | 無 | PCエンジンをCRTディスプレイに内蔵させたもの。RGB接続により画面が鮮明に映る。そのためゲーム雑誌では画面撮影の用途に使われたという。発売当時の価格は138,000円。 |
PI-TG5 | PCエンジンシャトル | 1989年11月22日 | 無[21] | 拡張バスを省いた廉価版。 |
PI-TG3 | PCエンジンコアグラフィックス | 1989年12月8日 | 有 | 初代PCエンジンのモデルチェンジ版。映像出力をRF信号からコンポジット映像信号にしたもの。 |
PI-TG4 | PCエンジンスーパーグラフィックス | 有 | グラフィックチップを2つ搭載して、表示能力を2倍にした上位機種。 | |
PI-TG6 | PCエンジンGT | 1990年12月1日 | 無 | PCエンジンの携帯型ゲーム機。 |
PI-TG7 | PCエンジンコアグラフィックスII | 1991年6月21日 | 有 | コアグラフィックスのモデルチェンジ版。 |
PI-TG8 | PCエンジンDuo | 1991年9月21日 | 無 | SUPER CD-ROM2本体との一体型。システムカードが内蔵され本体だけで起動する。CD蓋部のロック機構や専用バッテリー端子など独特の機能がある。 |
PI-TG9 | PCエンジンLT | 1991年12月13日 | 有 | 従来のPCエンジンと同様の筐体に、開閉式の液晶モニター、スピーカー、TVチューナー、コントローラー等を内蔵したもの。 |
PI-TG10 | PCエンジンDuo-R | 1993年3月25日 | 無 | PCエンジンDuoの廉価版。ヘッドフォン端子やバッテリー端子等を省いた。 |
PCE-LD1 | レーザーアクティブ | 1993年12月1日 | 無 | パイオニア製レーザーアクティブのOEM。 |
PCE-DUORX | PCエンジンDuo-RX | 1994年6月25日 | 無 | Duo-Rのマイナーチェンジ版。 |
- 他社製
型番 | 名称 | 発売日 | 拡張バス | 備考 |
---|---|---|---|---|
CZ-830C-BK | X1 twin | 1989年4月 | 無 | PCエンジンをシャープが開発していたパソコン、X1に内蔵させたもの。 |
CLD-A100 | レーザーアクティブ | 1993年8月20日 | 無 | パイオニア製。 |
周辺機器
発売された本体が多岐にわたるため、それぞれの本体に対応する周辺機器は以下のページを参照すること。
- CD-ROM2 - CD-ROM2#周辺機器
- SUPER CD-ROM2 - SUPER CD-ROM2#周辺機器
- PCエンジンDuo - PCエンジンDuo#周辺機器
- PCエンジンシャトル - PCエンジンシャトル#周辺機器
- PCエンジンコアグラフィックス - PCエンジンコアグラフィックス#周辺機器
- PCエンジンGT - PCエンジンGT#周辺機器
- PCエンジンLT - PCエンジンLT#周辺機器
- PCエンジンスーパーグラフィックス - PCエンジンスーパーグラフィックス#周辺機器
CD-ROM
型番 | 名称 | 発売日 | 備考 |
---|---|---|---|
CDR-30 | CD-ROM2 | 1988年12月4日 | PCエンジンのCD-ROMドライブ。 |
PI-CD1 | SUPER CD-ROM2 | 1991年12月13日 | 上位規格のCD-ROM2システム。 |
セーブ用外部メモリ
型番 | 名称 | 発売日 | 備考 |
---|---|---|---|
HC66-6 | 天の声2 | 1989年8月8日 | 拡張バスに接続するセーブ用外部メモリでハドソンが発売。バックアップブースターからAVブースターの機能を省いた廉価版。価格・流通量の多さにより利用者数はバックアップブースターより多い。名前の由来はハドソンのRPG『桃太郎伝説』のパスワードが「天の声」という名称だった事による。 |
PI-AD7 | バックアップブースター | 1989年11月12日 | HuCARD専用ユーザー向けセーブ用外部メモリでインターフェースユニット(IFU-30)に比べると機能を絞り込んだ分値段が安い。内容保持に単3電池を使用するため電池が切れたらデータも消失する。本体通電中なら電池交換してもデータは保持される。初期型RF出力の白いPCエンジンでの使用を前提としてAVブースターの機能を併せ持つ。 |
PI-AD8 | バックアップブースターII | 1989年12月8日 | バックアップ用電源がキャパシタ(コンデンサ)に変更され、通電により充電されるようになった。また、AV出力を搭載したコアグラフィックスでの使用を前提としており、AVブースター機能を削除し、価格も下げられた。 |
HC692 | 天の声BANK | 1991年9月6日 | HuCARD型のセーブ用外部メモリ。言わばPCエンジン用SRAMカード。それまでの外部記憶ユニットのセーブデータを4台分バックアップできる。バンク切り換え式でゲームタイトルごとの管理はできない。電池は内蔵リチウム電池でユーザでは交換不可能。電池が尽きるとデータが消えるが非常に長持ちで、PCエンジンのハード・ソフトが商品寿命の終了までは機能を持続したと推測される。なお、隠し要素としてハドソンの人気ゲームのデータが初めから記録されていた。 |
PI-AD19 | メモリーベース128 | 1993年3月 | パッド端子に接続して使用するセーブ用外部メモリ。後期、ゲームの複雑化によるセーブ容量の増大に対応するべく登場。容量は128KBでそれまに比べ非常に大きいが対応ソフト以外は使用不可能。 エメラルドドラゴン・リンダキューブ・プライベートアイドル・ぽっぷるメイルの4本には本体のバックアップメモリとの間でセーブデータをコピーするなどの操作が出来る管理ツールを内蔵。エメラルドドラゴン・リンダキューブは共通のツールでデータの互換性があるが、プライベートアイドル・ぽっぷるメイルは両者との互換性はない。 |
映像/音声出力
型番 | 名称 | 発売日 | 備考 |
---|---|---|---|
PAD-105 | ACアダプタ | 1987年10月30日 | |
PAD-106 | ACアダプタ | ||
PI-AD2 | AVブースター | 1988年4月8日 | 拡張バスに接続するコンポジット映像信号出力用の機器。初代PCエンジンでの使用が前提の商品。専用のDIN5ピンコネクタで本体と接続するコアグラフィックスと違い、汎用のAVケーブルをダイレクトに挿すことができる。 |
PI-AN2 | AVケーブル | 1989年11月22日 | 初代PCエンジン以外で使用可能なステレオAVケーブル。 |
PI-AN3 | RFユニット | AVブースターとは逆にコンポジット映像信号出力のマシンに使用し、RF信号を出力するための機器。 | |
PI-AD20 | バーチャルクッション | 1992年12月18日 | エアークッションにサブウーファーを内蔵。音声が出力されるとクッション内の空気が振動する機器。アンプ・エアークッション本体・カバーに別れている。AVブースター等が付いたPCエンジンと直接接続するのは困難で、TV側の外部出力端子から接続されるのが一般的。発想は先進的だが本体価格が高く、長期間使用するとエアークッションの空気が漏れる・接触不良で音声や振動が出ない等の影響か普及には至らなかった。 |
CA-54 | PCエンジンコネクターケーブル | NEC製テレビ専用の接続ケーブル。一部のNECのTVに「PCエンジン端子」があり、ケーブル一本で映像/音声の入力・電源供給が可能。 |
パッド関連
型番 | 名称 | 発売日 | 備考 |
---|---|---|---|
PI-PD001 | PCエンジンパッド | 1987年10月30日 | 初代PCエンジンに同梱されていたパッド。 |
PI-PD002 | ターボパッド | PI-PD001に連射機能を付けたもの。 | |
PI-PD003 | マルチタップ | 1987年10月30日 | パッドを5つまで接続できる純正機器。本体のみではパッドを1つしか接続できなかった弱点が逆に普及を促し、ファミコン以上に多人数同時プレイソフトを登場させることとなった。2人用や4人用のサードパーティ製のものもあった。 |
PI-PD4 | ターボスティック | 1988年10月1日 | NEC-HE純正では唯一のジョイスティック型コントローラ。 |
HC63-8 | ジョイタップ3 | 1988年10月4日 | 純正品。マルチタップの廉価版で、3つまでしかパッドを接続できない。 |
PI-PD5 | ターボパッドII | 1989年11月22日 | PCエンジンシャトルの形状に合わせたターボパッド。 |
PI-PD06 | ターボパッド(ブラック) | 1989年12月8日 | コアグラフィックスの色調に合わせたターボパッド。初代PCエンジンでは別売りだったが、PCエンジンコアグラフィックス以降の機種ではそれぞれ色調を合わせた連射パッドが標準装備されることとなった。 |
NAPD-1001 | アベニューパッド3 | 1991年1月31日 | 3ボタン操作のフォーゴットンワールドの発売に合わせて登場。IIIボタンはSELECTかRUNボタンのいずれかに設定して使用する、連射もできるのでRUNボタンに設定してスローモーション(ポーズの連射)をかけることも可能。 |
PI-PD08 | ターボパッド(グレー) | 1991年6月21日 | コアグラフィックスIIの色調に合わせたターボパッド。 |
PI-PD10 | PCエンジンマウス | 1992年11月27日 | 後期、PCから移植等の一部ゲームに対応。親指で押せるセレクトボタン・ランボタンも付いており、当時としては珍しい4ボタンマウスだった。 |
PI-PD11 | コードレスマルチタップセット | 1992年12月18日 | PCエンジンDuoに合わせたデザインの純正品。パット信号を赤外線で伝達することでコントローラのコードレス化を実現。コードレスマルチタップ自体はPCエンジン本体のパッド端子に接続する。コードレスパットを5本揃えれば5人同時プレイ可能である。受信可能距離は約3mまで。 |
PI-PD12 | コードレスパッド | コードレスマルチタップ用のパッド。 | |
PCE-TP2 | ターボパッド(ホワイト) | 1993年3月25日 | |
NAPD-1002 | アベニューパッド6 | 1993年5月28日 | 6ボタンパッド。ストリートファイターIIの移植に対応する形で登場。 |
PCE-TP1 | アーケードパッド6 | 1994年6月25日 | 6ボタンパッド。PC-FXの標準パッドとデザインがほぼ同じ。 |
グラフィック
型番 | 名称 | 発売日 | 備考 |
---|---|---|---|
PI-AS1 | アーティストツール | 1989年9月29日 | グラフィックソフト。イラストブースターがなくてもパッドで描画可能。画像の保存機能は無し。 |
PI-AD3 | プリントブースター | 本体に接続できるプリンター。ペンを差し込んで使うペンプロッター式。 | |
PI-AD4 | イラストブースター | 専用ペンタブレット。透明なので下絵をなぞることができる。 | |
PI-AD5 | フォトリーダー | ペン型モノクロイメージスキャナ。プリントブースターのリーダ端子に接続して使用する。 |
発売中止
- 通信ブースター
- 通信ツールというソフトと併用し、NECが運営していたテキストベースのパソコン通信「PC-VAN」に接続出来るというもの。キーボードも発売されてBASICのプログラミングなども可能になる予定もあった[22]。モニタ試験も行っていたが、開発期間が長引き性能が陳腐化した等の理由で発売中止となる。
PCエンジンのソフトをプレイする環境
各ソフトの規格に対応する機器
一般に多く流通したソフトを遊ぶにはSUPER CD-ROM2が可動する環境があれば良いが、本体、周辺機器共に多くのバリエーションが存在するため、システムの組み合わせパターンは数多い。分類すると下記のようになる。なお下記では、初代PCエンジン・PCエンジンコアグラフィックス・PCエンジンコアグラフィックスIIを合わせ「コアマシン」と称する。
- 発売されたソフトの規格
- 動作可能な本体、ハード、システムの組み合わせ
- HuCARD
- 全PCエンジンハード
- HuCARD(PCエンジンスーパーグラフィックス専用)
- PCエンジンスーパーグラフィックスのみ
- CD-ROM2
- SUPER CD-ROM2
- コアマシン + CD-ROM2 + システムカードVer.3.00(SUPER SYSTEM CARD) or アーケードカードPRO
- コアマシン + SUPER CD-ROM2
- PCエンジンスーパーグラフィックス + ROM2 Adapter + CD-ROM2 + システムカードVer.3.00(SUPER SYSTEM CARD)or アーケードカードPRO
- PCエンジンスーパーグラフィックス + SUPER CD-ROM2
- PCエンジンLT + SUPER ROM2 ADAPTER + SUPER CD-ROM2
- PCエンジンDuo系列機
- アーケードカード専用CD-ROM
- コアマシン + CD-ROM2 + アーケードカードPRO
- コアマシン + SUPER CD-ROM2 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
- 以下も含め、SUPER CD-ROM2上(Duo系列機含む)でのアーケードカードPROの使用は公式にはサポート外
- PCエンジンスーパーグラフィックス + ROM2 Adapter + CD-ROM2 + アーケードカードPRO
- PCエンジンスーパーグラフィックス + SUPER CD-ROM2 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
- PCエンジンLT + SUPER ROM2 ADAPTER + SUPER CD-ROM2 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
- PCエンジンDuo系列機 + アーケードカードDUO or アーケードカードPRO
ダウンロード販売サービス
- ドリームライブラリ
- 2000年6月1日、セガとの提携によりドリームライブラリ向けに配信された(2003年1月31日にサービス終了)。
- Windows PC向けのレトロゲーム配信サービス。2003年よりラインナップが追加されている。
- バーチャルコンソール
- 2006年12月2日、任天堂との提携によりWiiのダウンロード販売サービスであるバーチャルコンソール向けに配信されている、2013年12月25日からはニンテンドー3DS向け、Wii U向けも配信を開始。
- PCエンジンアーカイブス
- PC Engine GameBox
- 2010年12月20日、iOS用ソフトPC Engine GameBox(発売元:ハドソン)のダウンロード配信が始まった。『パワースポーツ』以外のゲームはアドオン購入となる。
- PCエンジンライブラリー
- 2014年4月よりWindows Storeにてダウンロード販売が始まった。
クラウドサービス
- PCエンジンライブラリー
その他
- 「PCEngine」という商標名はコナミデジタルエンタテインメント及びNECビッグローブの登録商標(第2272123号ほか)となっている(発売当時はハドソン及びNECホームエレクトロニクス)。「PCエンジン」では商標登録されていない。
- PC-88VAのOSを「PC-Engine」と呼ぶが、PCエンジンとの関係はない。
- 拡張バスにはRGB出力が含まれている[23]。電波新聞社は、ここからRGB信号を取り出すコネクターの発売が予定していたが企画倒れとなったため、結果としてPCエンジンの映像出力方法はRF接続とRCA端子のみで、正規の方法ではS端子やRGB端子への接続が出来ない。
- 同様のコンセプトを持つ品として、テクナ-ト(業務用基板を取り扱う会社)より「PCメイト」と言うRGB出力/業務用筐体に接続出来る機能を持つ基板が当時販売されていた。ゲーメストに広告が載っていたが、価格が2万円と高価だった。この基板をさらに改造して、業務用として設置できるようクレジット機能(コインの投入数分だけRUNボタンの押下を受け付ける)を搭載したものも存在した。
- 富士見ファンタジア文庫から1990年2月に刊行された『悪の江ノ島大決戦』(とまとあき・塚本裕美子著)では、当時発売直後のシャトルやスーパーグラフィックスなどが作中のアイテムとして登場し、ゲーム機本体とライトノベルという、タイアップが行われた。
- 1996年創刊の雑誌『ユーズド・ゲームズ』(現・『GAME SIDE』)では、PCエンジンの熱狂的なユーザのことを「PCエンジニア」と呼んでいた。この言葉は同誌2号のメガドライブ特集記事で誕生したものである。
- PCエンジンのパッド端子は汎用のミニDIN8pinコネクタを採用している。同じミニDIN8pinコネクタを採用しているPC-9801用のキーボード延長ケーブル(2014年現行品 KB-K98-3K、KB-K98K)をPCエンジンのパッド延長ケーブルとして使える。
メディア展開
専門誌
- 月刊PCエンジン(小学館)
- マル勝PCエンジン(角川書店)
- 電撃PCエンジン(メディアワークス)- 『電撃G's magazine』として現存
- PC Engine FAN(徳間書店インターメディア)
- ファミコン通信増刊 PCエンジン通信(アスキー)
テレビ番組
脚注
関連項目
ソフト一覧
- Category:PCエンジン用ソフト - 日本語版ウィキペディアに記事の作成されているタイトルのリスト(タイトルでの五十音順)
- PCエンジンのソフトウェア一覧
- PCエンジンのゲームタイトル一覧 - 日本で公式発売された全タイトルのリスト(発売日順)
その他
外部リンク
テンプレート:家庭用ゲーム機/NEC- ↑ ただしNECはエポック社のスーパーカセットビジョンやカシオのPV-1000へチップ供給を行っていた。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite web
- ↑ 週刊ファミ通700号 『ゲームの歴史』、p.127
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ ドリマガ 2003年10月10・24日合併号
- ↑ 滝田誠一郎『ゲーム大国ニッポン 神々の興亡 2兆円市場の未来を拓いた男たち』青春出版社、2000年、p.180
- ↑ 平林久和「急にハドソンのことが語りたくなった -」 Hisakazu Hirabayashi Official Blog 2011年1月21日
- ↑ ハドソン#ハドソン全国キャラバンによる。
- ↑ さくまあきらが担当。
- ↑ 多根清史『日本を変えた10大ゲーム機』ソフトバンク新書、2008年、p.100
- ↑ サイドアーム、サイドアーム・スペシャル、F1ドリーム、ソンソン2、ポンピングワールド、ストリートファイターIIダッシュなど
- ↑ エイリアンクラッシュ、デビルクラッシュ、サイバーナイト、GUNHED、精霊戦士スプリガン、スプリガン mark2、シルフィアなど
- ↑ The 10 Worst-Selling Consoles of All Time
- ↑ 14.0 14.1 多根清史『日本を変えた10大ゲーム機』ソフトバンククリエイティブ・ソフトバンク新書、2008年、p.98
- ↑ ガンヘッド、スーパースターソルジャー等、主にドラムパートをサンプリングドラムで鳴らすのに使用された。
- ↑ ポピュラス(HuCARD版)のみカード側にメインRAM:32KBを増設。
- ↑ HuCARDの「TVスポーツバスケットボール」の選手選択画面や、CD-ROM2の「シャーロックホームズ」の全編、「シャドウオブザビースト」のOPデモで使用。縦スクロールシューティングゲームで縦画面仕様のアーケードゲームの雰囲気に似せた、通称「縦画面モード」をオプション・裏技で選択可能。
- ↑ 高解像度なソフトが少ない理由は、画素単位で制作したグラフィックをフル画面表示しづらい・スプライトが複数並び易く、横並び制限によるスプライト欠けが生じ易いからである。
- ↑ 岩崎啓眞「PCエンジン版R-TYPEのコト」Colorful Pieces of Game 2010年10月4日
- ↑ この仕様により多重スクロールは苦手である。そのため背景の一部をスプライトにする・バックグラウンドのキャラクタを複数用意してアニメーションさせる、横方向ではそれに加えラスタースクロールを併用することで対応している。なお、これらは他のゲーム機でも使われるテクニックである。
- ↑ 専用のバックアップユニットのみ接続可能
- ↑ Japanese Secrets! - The Tsushin Booster Page
- ↑ ●PCエンジン(PCEngine)