大竹まことのただいま!PCランド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
『大竹まことのただいま!PCランド』（おおたけまことのただいま ピーシーランド）は、テレビ東京系列局ほかで放送されたバラエティ番組（ゲーム番組）。テレビ東京系列局では1989年4月4日から1992年3月31日まで、毎週火曜 18:00 - 18:30 (JST) に放送。番組のメインスポンサーは、NECホームエレクトロニクスとハドソン。テレビ東京では提供クレジットの表示は無かったが、系列外・テープネットの青森テレビではハドソンのみの提供クレジットの表示があった。
概要
この番組の名目は、NECホームエレクトロニクスが当時発売していた家庭用テレビゲーム機・PCエンジンのゲームソフトや、それらに関連した機器を紹介するというものだった。しかしながら、実際の放送内容は司会の大竹まことほか出演メンバーによるバラエティパートがメインを占めており、本来行うべきである新作ゲームの紹介などは番組の冒頭と終盤の短時間に行われる程度であった。
出演者
番組終了時の出演者
- 大竹まこと
- メインの進行役を務めていた。放送当時、他の番組では「キレるキャラ」として共演者や番組制作関係者から恐れられていたが、この番組では主に子供を対象としていたこともあってかそのようなキャラは封印していた。バラエティパートでは他の出演メンバーへ容赦なく突っ込みを入れたり、企画によっては暴走キャラにもなったりで本人も楽しんで番組に臨んでたようである。あまりに他のメンバーへの突っ込みが激しいと、たまに自身の愛人関連のネタで突っ込み返されることもあった。
- ゲームに関してはあまり造詣は深くなく、新作情報に関してもほとんどコメントなどはしなかったが、『PC原人』だけはお気に入りのようだった。番組放送中にはNECのPCエンジン関連製品のテレビCMや広告などにも出演した。
- 市川かおり
- アシスタントを務めていたが、番組後期には体を張ったアクションやどつき系で突っ込まれることも多くなり、ロケの回でも重用されるなど奔走した。女性であるが後述の福田と同じく大竹によく弄られていたキャラであり、過去のアイドル時代の遍歴、テレビ朝日『独占!女の60分』のリポーター時代、自身の貧乏生活などもよくをネタにされ、自身もそれらを自虐ネタとしてよく使っていた。レギュラー出演は番組開始からではなく1989年5月2日からの出演。番組内の企画では、自身のデビュー曲「はにかみ天使」のリバイバルを行いスタジオでも熱唱した。
- 金子恵実
- アシスタントを務めていたほか、ゲームの紹介コーナーでは番組終了まで渡辺とのコンビでナビゲーターを務めていた。番組放送開始前にはアイドルデュオの「ポピンズ」として活動していたことから、名目上は番組の華というポジションだった。彼女も大竹に弄られることが多かったが、一応元アイドルということもあってか、どつき系の突っ込みに関しては他のメンバーよりはやや抑え気味だったようである。番組途中からはなぜかヤンキー風の姐御的キャラへと変貌。番組内の企画では新生ポピンズを結成したり、末期にはソロで新曲や写真集なども発表するなどもしていた。レギュラー出演は市川と同じく番組開始からではなく1989年5月2日からであり、出演当初は18歳。
- 福田英次
- 名目上はアシスタントだが、番組内では最も大竹に弄られたキャラであり、いわゆるリアクション芸人的な立ち位置での出演だった。バラエティパートでは体を張ったアクションを多々要求されたり、ロケでも重用されることが多かったりなど、メンバー内では最も番組のために奔走していたキャラだといえる。当時の福田はこの番組だけが唯一のレギュラー出演だったために、レギュラーの降格を匂わせるネタでもよく弄られた。タヒチアンダンスに挑戦する回では人格が変わったように終始激しく踊り狂い、そのあまりの変貌ぶりに水を得た魚のようだと周囲を驚かせた。
- 現在はタイムリーオフィスに所属しており、俳優、声優、ナレーター、番組司会、キャスター、リポーターなどで活動中。
- 渡辺浩弐
- ゲーム業界側の事情通として、ゲーム関連情報の解説を一手に担うナビゲーターとして出演。番組中期まではボサボサの頭に黒眼鏡と地味な服装という、典型的なオタクキャラでの出演だったが、中期以降は髪も切り眼鏡も外した普通の出で立ちでの出演になった。渡辺自身はゲーム関連の解説がメインであり、タレント業は素人同然だったのだが、徐々に弄られ役としてバラエティーパートへの出演頻度が多くなり、後に「渡辺になっちゃうぞ〜!」「チャレンジザ・PC」「渡辺浩弐 試練の十番勝負」などメインの企画を務めるなどもした。番組収録中に何度か骨折したことがある。
放送初期のみの出演者
主な企画（短命に終わった物も含めている）
- 先取り情報・新作情報
- 一応の建前上はこれが番組のメインとなるコーナーであり、放映開始から終了まで、毎週番組の終盤にPCエンジンの発売前の新作ゲームを紹介していた。発売日が先のものは先取り情報として2本、発売直前のものを新作情報として1本紹介し、これを渡辺がゲーム画面に合わせて詳細を解説し、金子が感想を述べるというような構成だった。ゲームの紹介後には、発売済のゲームの裏技やスーパーテクニックの紹介もあった。また、PCエンジン系列の新製品の発表直後には、いち早く渡辺がスタジオに現物を持ち込んで紹介したり、ゲームショーへのロケ取材のレポートなど、雑誌が主な情報源だった当時に、TVメディアの速報性というアドバンテージを活かした展開も見られた。
- PCエンジン人気ベスト5
- 渡辺と金子の2人が、PCエンジンのゲームを週刊ランキングのベスト5形式で紹介するコーナー。こちらも番組放映初期から終了まで行っていた。初期は上記の新作情報の枠内で行っていたが、途中から番組冒頭へと順番が変更された。放送中期までは視聴者のハガキ投稿による人気投票でベスト5を決めていたが、後期からは毎週決められたテーマやジャンルに沿った人気ランキング形式に変更され、なぜか渡辺がDJ口調でソフト名を述べるなどしていた。1991年秋にコナミがPCエンジンへ参入した際、視聴者からの問い合わせがあまりに多かったことから、この枠を使って急遽コナミの紹介をしたこともある。
- どんなもんだ！
- 放送後期の1991年ごろから始まった視聴者参加型の人気コーナー。基本は子供が出演で、「どんなチーム（子供の紹介は金子恵実）」と「もんだチーム（子供の紹介は福田英次）」に分かれ、毎週決められたテーマに沿った一芸を自慢して対決する。基本は自分の特技、コレクション、芸などを披露するのだが、別に本人でなくても身内や友人やペットなどが代理で参加でもOKと自由度が高かった。個性的な子供が数多く出演し、出演者にはPCエンジンの新作ソフトセットかPCエンジン本体がプレゼントされた。
- 街頭エンジン
- 福田とTVモニターとPCエンジンを背負ったADの2人が街中へと繰り出し、道行く人にその場でPCエンジンのゲームをプレイしてもらうという、初期の頃に行っていた街頭ロケのコーナー。主に普段ゲームをしていないような層を毎回ターゲットにして、福田がゲームの感想を聞いたり、初心者らしい拙いプレイに突っ込みを入れたりと、プレイ中に見せる様々なリアクションを映していた。形式としてはラーマ奥様インタビューをモチーフにしていたと思われる。北海道ロケ時は市川もコーナーに加わったことがある。
- 渡辺になっちゃうぞ〜!
- オタク系の趣味を視聴者がスタジオで披露するという中期の頃にやっていたコーナー。主に視聴者所有の珍品コレクション系のお宝紹介が多かった。
- チャレンジザ・PC
- 放送中期に行われていたコーナーで、ゲーム業界人の渡辺がゲーム素人の視聴者と対戦するというものだった。毎回渡辺が負けるのがお約束だったが、この結果にいつの間にか「渡辺が素人に挑戦」とコーナー名が変わった。
- 大竹まことのアイドル花の診断室
- 新人アイドル、またはデビュー前のアイドルを、医師に扮した大竹（ドクター大竹）と、ナースに扮したアシスタントの市川や金子が、芸能界の適正を診断するという、不定期開催のコーナー。出演のアイドルの顔を小型のCCDカメラでのぞき込むように映したり、キス顔などを要求したりなど、ややアブノーマルな路線だった。
- マイナースポーツ体験
- 放映当時マイナーとされた、カバディ、コーフボール、セパタクローなどのマイナーなスポーツに出演メンバーが挑戦し体験するコーナー。
- 市川かおり 金子恵実 “密告”情報コーナー
- 放映中期に番組のエンディング前にやっていた、視聴者からの投稿ハガキを紹介するコーナー。元は視聴者が市川や金子のプライベートの現場を偶然目撃したことを、ハガキで番組へ報告したものを紹介したからことから始まった。その後は市川や金子以外にも他のメンバーに関する報告なども加わったり、番組の感想・質問・要望、視聴者の近況、ネタの投稿など幅が広がっていった。しかし、中には1人で一度に84枚も投稿してくる者や、インスタント食品の蓋や葉っぱに住所を書いて投稿してくる者など、徐々に受け狙いのエスカレートした投稿が多くなり、最終的には何でもありのコーナーと化した。一旦終了したが番組終盤に復活した。
エピソード
- 「指での段ボール突き破り」に大竹のマネージャーが挑戦したが、突き立てた指が人体学上曲がり得ない方向に曲がってしまった。
- 渡辺浩弐がブーメランを投げたところ、戻って来たのを受け損ねて肋骨を折った。渡辺は中国拳法の企画でも骨を折っている。
- 番組中期までの渡辺のオタクファッションは、あれは演出上での意図したものだったと、番組終了後に雑誌上で語っているテンプレート:どこ。
- 水性の絵具を食パンに塗布して食べる小学生が出演した。「甘い味がする」との言葉を受け、他の出演者たちも食べてみると次々と「甘い」と言葉を漏らした。絵具メーカーによると有毒の絵具もあるとのことであり、番組で紹介する時を最後にという約束で実践したという。
- 牛乳瓶の蓋を集めている小学生が登場し、彼が数千枚所持するコレクションの中から自慢の「印刷がズレているエラーの蓋」を見せたところ、大竹はそれをあっさりと数千枚の中へと投げ込んだ。
- 金子自身もポピンズ時代には、イマジニアのファミコン用ソフト『聖剣サイコカリバー』の主題歌を歌っていたなど、ゲーム業界とは少なからず縁があった。
- サーカスの技に挑戦する企画で逆立ちしようとした金子の上着がめくれ、ブラジャーが見えてしまった。オンエア上はカットされた。
- 出演者全員で水鉄砲で遊ぶという企画の中で、白い服を着ていた金子のブラジャーが透けてしまった。こちらはカット無し。
- チャレンジザ・PCで視聴者に負け続けた渡辺は、業界人の職権で発売前にゲームを入手し、事前に特訓を積んで挑んだこともあったが結局敗北した（大竹や福田から「外道」と呼ばれた）。
- 番組最後の視聴者からのおはがき紹介コーナーに、「いかに変なものを郵便として送ることが出来るか」という趣旨で送られた郵便物が届いたことがある。かつおだしの素の箱をハガキ大に切り取ったものや、干したスルメイカなどが紹介された。
- 福田は、番組開始当初は収録の前日に台本を一生懸命読み込んで覚えて読み合わせをしないととても番組には参加できなかったが、出演回数を重ねるにつれ、最終的には台本を読まなくても大丈夫になるくらいに成長したと最終回に本人は語っている。
- 北海道では番組開始直後の半年間は未放送、1989年10月にテレビ北海道が開局しネットされた。広島県では当初はテレビ朝日系の広島ホームテレビで時差ネットで放送されていたが、1990年ごろにフジテレビ系のテレビ新広島へ移動した。福岡県でも当初はテレビ朝日系の九州朝日放送で時差ネットで放送されていたが、90年3月で放送終了。TVQ開局までの1年間は放送されなかった。91年4月にテレビ東京系列局として開局したTXN九州（現・TVQ九州放送）へ移動し、以後は同時ネットとなった。佐賀県ではフジテレビ系のサガテレビで時差ネットで放送されていたが、TVQが開局したことによって同局で視聴する視聴者もいた。
スタッフ
- 構成
- 前期：朝和眠、小林哲也
- 末期：望月敏
- TD：三上知足
- CAM：大武茂
- 音声：細田和明
- 技術：ACT
- 編集：芝公園スタジオ
- 音響効果：大庭弘之（NOISE）
- スタイリスト：阿部（旧姓:石田）万由利
- メイク：西島容子
- 企画協力：エポニーアイズ
- 協力：トマホーク
- ディレクター：浅井敏春、堀脇慎志郎、〆谷浩斗、高柳克
- プロデューサー：平隆夫（テレビ東京） → 中村豊志（テレビ東京）、藤田貴己（G・カンパニー）
- 製作：テレビ東京、G・カンパニー
