ズンドコ節
『ズンドコ節』(ズンドコぶし)は、日本の歌謡曲の楽曲のひとつである。ヅンドコ節と表記されることもある。
目次
海軍小唄
元々、『ズンドコ節』は『海軍小唄』(かいぐんこうた)と呼ばれていた。軍歌のひとつといわれることもあるが、実際のところは戦地に赴く男たちの本音を歌った流行歌のようなものである。まんだらけは炭鉱や漁港で歌われていたリズムを元に門司区出身の学生M・K氏が福岡県にて在学中に作曲したものと推定している[1]。1945年頃に流行った曲である。
作詞・作曲者が不詳であり権利上の問題が発生しないため、多くの歌手によってリメイク版が製作されている。なお、リメイク版の多くは七五調の歌詞となっている。
ズンドコ節(街の伊達男)
戦後まもなく田端義夫により『ズンドコ節(街の伊達男)』としてリリースしたものがヒットする。この時初めて『ズンドコ節』の名前が付く。田端のエレキギターによるリードギターと伴奏のアコースティックギターの二本の演奏によって歌われている。演奏は当時流行していたブギのリズムに乗った軽快かつブルーステイストに溢れたもので、それ以前の流行歌におけるギター演奏にはないポップな感覚があり、日本ポップス史の観点から見て特筆すべきものである。田端は四国への巡業のため大阪の天保山から乗り込んだ連絡船の中で、闇屋が歌う歌に感銘を受け、それをブギにアレンジして昭和22年(1947年)に吹き込んだ。歌詞の内容は『海軍小唄』を当時の伊達男の恋に置き換えている。
東京ズンドコ節
ズンドコ桜
『ズンドコ桜』は、『ズンドコ節』の変形のひとつである。1952年4月に田端義夫と安城美智子によってリリース。
- 作詞:大高ひさを
- 作曲:不明
- 編曲:倉若晴生
アキラのズンドコ節
1960年に小林旭がカバー。『海から来た流れ者』シリーズの第2弾『海を渡る波止場の風』のテーマ曲として誕生した。歌詞は大きく変わり、曲のテーマは「若い男女の恋物語」となった。
元々は小林の『アキラの鹿児島おはら節』のB面曲であったが、こちらのほうがヒットした。
お座敷ズンドコ
朝丘雪路が『お座敷ズンドコ』としてカバー。オムニバスCD『スタコイ・ポップスVol.2』収録。
- 作詞・作曲:不明
- 編曲:長洲忠彦
ドリフのズンドコ節
テンプレート:Infobox Single 「ドリフのズンドコ節」は、ザ・ドリフターズの楽曲で、3枚目のシングル。1969年11月1日にリリースされた。
解説
- 「海軍小唄」(かいぐんこうた)と呼ばれていた「ズンドコ節」を、ザ・ドリフターズがカバーしたもので、テンプレート:要出典。テーマは小林旭と同じく「若い男女の恋物語」だが、原曲の「海軍小唄」の歌詞も6番(ほぼ原曲の1番である)をはじめとして所々に使われている。
- 1番から6番まであり、1番を加藤茶,2番を仲本工事,3番を高木ブー,4番を荒井注,5番をいかりや長介,6番をメンバー全員で歌っている(6番に入る前に、いかりやが「元歌!」と叫んでいる)。
- 1970年の『第12回日本レコード大賞』で「大衆賞」を受賞、またこの年から始まった『日本歌謡大賞』の「放送音楽賞」も受賞した。
- 志村けんがドリフターズに加入後「志村けんバージョン」も発売(シングル「ゴーウェスト」のB面に収録)されたが、CD『ドリフだヨ!全員集合(青盤)』のライナーノーツによると、この「志村けんバージョン」は、荒井注がソロを担当している4番だけを志村に差し替えて編集した以外は1969年版と全く同一の録音であるという。
- この他、「ズンドコ節(海軍小唄)」という題名で、元の歌詞通りに歌っているバージョンも存在する。アレンジは同じ。4番まであり、4番は1番と同じ歌詞。「ドリフのズンドコ節」とは違い、全て全員で歌っている。このバージョンは、最近発売されたCDでは、2008年10月22日に発売された「ドリフの軍歌だよ 全員集合!!」に収録されている。
収録曲
カバー
- サザンオールスターズ - 2013年のAAAイベント『昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦』でカバー。
八田英士のズンドコ節 「さすらい」
1970年代に八田英士(元・永田英二)によって、『さすらい』というタイトルでリリースされたシングル。
零心会のズンドコ節
1986年に零心会によるカバー。テレビドラマ『ザ・ハングマンV』のエンディングテーマ。
T-BACKSのズンドコ節~お花見編~
きよしのズンドコ節
2002年に氷川きよしがカバー。歌い出しは、小林旭のものに似ている。曲のテーマは当初「若い男女の恋物語」にする予定だったが、氷川と作詞者・松井の意向で急遽「故郷にいる母親への思い」が3番として追加された。オリコン週間チャートで最高5位の大ヒットとなり、この年以降全国の盆踊り大会で使われている。
福岡ソフトバンクホークスの細川亨が「きよしのズンドコ節」を埼玉西武ライオンズ時代から登場テーマ曲として使用している。
2002年の第53回NHK紅白歌合戦にはパパイヤ鈴木とおやじダンサーズと一緒に登場。2008年の第59回NHK紅白歌合戦は自身初の大トリとしてこの曲を歌った。
その他
- 1953年にロッククライマーで東京緑山岳会(当時、後どんぐり山の会を創設)の富岡久也が田端の『ズンドコ節(街の伊達男)』の替え歌『一の倉ズンドコ節』(『一ノ倉ズンドコ節』『谷川小唄』とも)を作詞。
- アニメ『もーれつア太郎(第1作)』(NET系列)50回「八百×最大のピンチニャロメ!」で、イヤミが開いている農業教習所で肥料蒔きを教える時に、『ドリフのズンドコ節』が流された。
- アニメ『スイートプリキュア♪』(朝日放送制作・テレビ朝日系列)41回「ファファ〜♪ 最後の音符はぜったい渡さないニャ!!」で、ハミィがフェアリートーン・ファリーに「その音符を奪われると世界は悲しみのズンドコになるニャ。」と言い聞かせ、ファリーが「ズンドコ!?」と言い返すと、ハミィとファリーが「ズンドコ節」を歌って踊り、プリキュア達はあっけに取られてしまった。
- アニメ『ドラえもん』2005年版626話「たけしのズンドコ誕生日」で、ドラえもんのひみつ道具「日本標準カレンダー」を横取りし、自分の誕生日(6月15日)を「国民の祝日」にした剛田武(ジャイアン)が、「きよしのズンドコ節」を「たけしのズンドコ節」に替えて歌った。テレビ朝日のフィーチャーフォン・スマートフォンサイトにおいて着うた配信されている[2]。
- 日本の酒造メーカー『高橋酒造』が、2006年末に自社製品の一つである米焼酎「しろ」のCMに於いて、ズンドコ節をCMソング用に新たに作曲、2007年にかけて使用している。
- カリフォルニア・ギター・トリオが2002年に発売した「Cg3+2」というアルバムには、キング・クリムゾンの「21世紀のスキッツォイド・マン」をリミックスした「Zundoko-Bushi」(邦題「21世紀のズンドコ節」)が収録されている。
- アメリカ合衆国のジャズユニット「ピンク・マルティーニ」が、2013年9月発売のアルバム「Get Happy」中に日本語でカバーした。
脚注
- ↑ まんだらけズンドコ節 - YouTube しかしこれまでこの有名な曲の作者が どこの誰だかはわかりませんでした 今回まんだらけがカバーすることにしたとき そこを調べてみました 作者は当時22歳のM・Kさんという学生さんでした 出身は門司で 福岡の学校にいっている時にこの唄を作っています
- ↑ 『たけしのズンドコ節』の着うた配信がスタート! みんなで♪ズンズンズン ズンドコ たけし♪、テレビ朝日(ドラえもん公式サイト)、2014年6月13日。