山内久司
山内 久司(やまうち ひさし、1931年11月9日 - )は、テレビプロデューサー、朝日放送顧問。元朝日放送ドラマ部門チーフプロデューサー担当。
目次
来歴・人物
大阪市西区出身。1955年京都大学文学部文学科卒業後に朝日放送に入社。同期に植草貞夫と澤田隆治と槇洋介らがいる。1960年代には脚本家・佐々木守とのコンビによる、『お荷物小荷物』をはじめとする一連の“脱ドラマ”を、1970年代前半から1980年代にかけては必殺シリーズを世に送り出した。その後、制作部長、制作局長、取締役制作局長、取締役常務、代表取締役専務を経て、2001年に役員退任後は、常任顧問を経て顧問として現職に至る。現在は花園大学客員教授も勤める。
山内の手法と体裁とイズムは、かつての部下であった依田正和、福永喜夫、東浦陸夫、森山浩一、辰野悦央、奥田哲雄、内片輝らに受け継がれた。
ラジオからテレビへ
山内は入社から数年間、ラジオ番組の制作や演出を担当していたが、1965年にテレビの制作局に異動になったとたん、上司から連続ドラマの制作を手掛けてくれと懇願された。当時の朝日放送は「近鉄金曜劇場」や「東芝日曜劇場」(TBS系)と言った単発ドラマを数多く手掛けていたが、すでにテレビ界は単発ものから連続ものが主流になる過渡期にあり、なおかつVTRの重要性が高まっていた事もあってか、連続ものの制作がほとんど皆無であった朝日放送は人材が明らかに不足していた。そこでラジオのプロデューサーをしていた山内に声が掛かったと言う訳だが、テレビドラマ制作のデビュー作となった「天まであがれ」では、当初主役を予定していながら突如引退した桑野みゆきの後任を巡り、彼女が所属していた松竹の制作本部長との激しい口論の末、制作本部長に白旗を上げさせる事となった。[1] 若手の藤田尚子と言う人材を起用し、無事に制作に漕ぎ着けた「天まであがれ」ではあったが、出来栄えや視聴率はともに惨憺たる結果であった。が、これを契機に山内は連続ドラマに関する研究を始め、その結果、数多くの大ヒットドラマを生み出す事になる。
主な作品
制作
- 必殺シリーズ[2](『仕事人2007』以降は携っていない)
- 京都殺人案内 シリーズ(土曜ワイド劇場)
- 額田女王(朝日放送創立30周年記念番組)
- 見知らぬ恋人
- ザ・ハングマン シリーズ
- 赤かぶ検事奮戦記 シリーズ
- 京都妖怪地図 シリーズ(土曜ワイド劇場)
- 女捜査官 シリーズ
- 京都マル秘指令 ザ新選組
- 女の一生(朝日放送創立35周年記念番組)
- 特命刑事ザ・コップ
- おみやさん シリーズ
- 迷宮課刑事おみやさん
- 六本木ダンディーおみやさん
- 函館のおんな(「火曜スーパーワイド」の一編。企画として表記)
- 豆腐屋直次郎の裏の顔
プロデューサー
- 天まであがれ(実質上のデビュー作)
- どじょっこさん
- 助左衛門四代記
- 戦国艶物語
- 月火水木金金金
- 豆腐屋の四季[3]
- 花は紅 柳は緑(TBS「東芝日曜劇場」の一編)
- おやじ火山
- お荷物小荷物
- 沖縄編
- カムイ編
- おも舵とり舵
- 負けられません!
- 白雪姫と七人の悪党たち
- 喧嘩は絶対いたしません!
- 女人平家
- 君たちは魚だ
- 入ってまぁす!
- 日本の嫁シリーズ
- 嫁ふたり
- 嫁の縁談
- 嫁チャンポン
- 嫁サこらんしょ
- 新十郎捕物帖・快刀乱麻
- おしどり右京捕物車
- 斬り抜ける(第15話より『斬り抜ける 俊平ひとり旅』に改題)
- 秋は浪花のため息(TBS「東芝日曜劇場」の一編。1974年度芸術祭参加作品)
- 霧の感情飛行
- 東京メグレ警視シリーズ
- チェックメイト78
劇場映画
- 劇場版必殺シリーズ(製作として表記)
- 必殺! THE HISSATSU
- 必殺! ブラウン館の怪物たち
- 必殺! III 裏か表か
- 必殺4 恨みはらします
- 必殺!5 黄金の血
- 必殺! 主水死す(同作のみ企画として表記)
- 必殺! 三味線屋・勇次(企画として参加しているが、宣伝ポスターや広告ではノークレジット)
- 千年の恋 ひかる源氏物語(企画として連名表記)
出演番組
- 白熱!!白髪トーク(2001年10月〜2004年3月の年度下半期、ABCラジオ)
- やしきたかじんプロデュース(2007年3月10日、テレビ大阪)
- たかじんのそこまで言って委員会(2007年5月20日ゲストパネラー、読売テレビ)
- ちょうど裏番組に当たる『パネルクイズ アタック25』(ABCテレビ)を「あんな(制作費の)安い番組やめられまへん」と褒めているのか貶しているのかどちらにも受け取れるコメントをしていた。また、『影同心』(MBS)について「明らかに『必殺』のパクリやで」と言い放った。
著書
- 必殺!テレビ仕事人 朝日新聞社 1987.6
- タイムトリップ「江戸川柳」 PHP研究所 1997.1
- 必殺シリーズを創った男―カルト時代劇の仕掛人、大いに語る 山田誠二との共著 洋泉社 1997.12
雑誌連載コラム
歌謡曲の作詞
- いずれも「中西冬樹(なかにし ふゆき)」名義である。
関連人物・項目
参考文献
脚注
外部リンク
- 朝日放送|必殺シリーズ 極私的回想録
- 関西素材・関西風味―テレビ50年 9.必殺シリーズ・現代性取り入れ常識覆す - 神戸新聞の連載記事(2003年6月3日)、オリジナルの2007年8月20日のアーカイブ