チルダ
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:ダイアクリティカルマーク チルダ (tilde) は、チルドともいい、記号「~」のこと。スペイン語ではティルデ (tilde)、ポルトガル語ではティウ (til) と呼び、鼻音に関する音をあらわすダイアクリティカルマークの一種として使われる。もともと、字母の上に N を小さく書いたことから生じた記号である。
また、単独で用いられるチルダ (freestanding tilde) は、例えば数学においては「ほぼ等しい (similar to)」を表す記号として、UNIX系オペレーティングシステム上ではホームディレクトリを示す記号などとして用いられる。
JIS X 0213の名称は、チルド。
各言語における用法
- スペイン語、バスク語など
- ñ は硬口蓋鼻音 テンプレート:IPA2 を表す。詳しくは Ñ を参照。
- ポルトガル語
- ã, õ は鼻母音を表す。
- エストニア語、ヴォロ語
- õ は非円唇後舌半狭母音[ɤ]を表す。
- グリーンランド語
- 1973年以前の旧正書法には ã, ĩ, ũ があり、母音が長く、かつ後続する子音が長子音であることを示していた。現在は母音字と後続する子音字を重ねることで表す。
- クリミア・タタール語
- ñ は 軟口蓋鼻音 テンプレート:IPA2 を表す。
- リトアニア語
- 正書法上は使用しない。上昇調の高低アクセントを持つ長い音節を表すのに用いられる。母音のほか l, m, n, r の上にもつけられる。辞書や学習書・研究書・およびアクセント記号なしではあいまいになる語を区別する目的で使用される。
- ラトビア語
- 正書法上は使用しない。平板調の声調を表す声調記号として学術書で用いられる。
- ベトナム語
- ガーという声調を表す。ã, ẫ, ẵ, ẽ, ễ, ĩ, õ, ỗ, ỡ, ũ, ữ, ỹ がある。
音声記号
国際音声記号の補助記号として使われる。
単独に用いられるチルダ
単独で用いられるチルダ (freestanding tilde) は、数学においては「≒」などと同様に近似や「ほぼ等しい (similar to)」を表す記号として使われる[1]。
- 「ほぼ等しい」例:<math>x \sim 0 </math>
- 「確率変数が特定の確率分布に従う」例:<math>\boldsymbol{w}_k \sim \mathcal{N} (\boldsymbol{0}, Q_k) </math>
また、X-SAMPAにあっては鼻音化を表す記号として使われている。
コンピュータ
単独のチルダはASCIIに含まれ、キーボードから容易に入力できることから、コンピュータ上においては非常に頻繁に使われる。また、多くのプログラム言語などで特定の役割を与えられている。以下はその例。
- UNIX系オペレーティングシステムでは、チルダはホームディレクトリを表す文字として用いられる(“~”単体で自身のホームディレクトリ、“~ユーザ名”でそのユーザのホームディレクトリ)。また、URLではしばしばユーザ別ホームディレクトリを表す記号として用いられる(例: http://www.example.com/~username/)。
- C言語、およびそれに影響を受けた言語の多くでは、ビットごとのNOTを取る単項演算子として定義されている。
- C++では、クラス名の頭に付けることでデストラクタを表す。
- D言語では、クラス内で ~this と表記することでC++と同様デストラクタを表し、2つの配列を ~ で繋ぐと配列を連結する働きを持っている[2]。
- awk、Perlなどいくつかの言語においては、正規表現マッチングを行う =~ 演算子(awk では ~)と、その否定として !~ 演算子が用意されている。
なお、コンピューター上におけるこの文字の字形は、ダイアクリティカルマークとしての伝統に則って上方に寄せてデザインされている場合と、ハイフンなどと同様に中央の高さにデザインされている場合とがある。また、上に寄せた場合には波打たない直線の形にデザインされるものもある。
符号位置
チルダとされるUnicode上の文字および文字参照は次の通り。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
~ | U+007E |
1-2-18 | ~ |
チルド TILDE テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode |
全角チルダ
この文字の全角 (fullwidth tilde) は「~」であり、UnicodeにおけるコードはU+FF5Eである。この文字は波ダッシュ「テンプレート:〜」(すなわち範囲などを表す「波線」)と字形が似ているが、UnicodeやJIS X 0213では別の文字である。Windows OSでは波ダッシュの代用として全角チルダが使われるので混乱の元となっている。 テンプレート:Main
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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脚注
関連項目
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