ZUNTATA
ZUNTATA(ズンタタ)とは、タイトーのサウンド開発部門の総称である[1]。三拍子を口ずさむ「ずん、たっ、たっ」を捩った名称である。
変遷
タイトーのサウンド開発部門が1983年に発足し、『TAITO GAME MUSIC Vol.2 ダライアス』(アルファレコード、1987年)で初めてこの名称が使われた[2]。その後、ゲーム業界で加熱したサウンド開発部門(サウンドチームとも言う)によるライブ活動の際にはZUNTATAのスタッフからホーンセクションも入れた大所帯バンドを結成し演奏を披露した。バンド活動を行ったのは、当時セガのS.S.T.BANDがアルバムをリリースしていたポニーキャニオンから「ZUNTATAもライブをやりませんか?」と誘われたのがきっかけだという[3]。ライブでは演劇仕立ての演出[4]を行なう等、先進的な創作表現を行なっている。後にHAGGYやばびーらによるZUNTATA J.A.M(Junky As Machine)なるユニットも組まれ、電車でGO!シリーズのイメージソング等を歌った。
発足当初はアルファレコードのGMOレーベルからアルバムをリリースしていた。後にサイトロンレーベル(サイトロン・アンド・アートとポニーキャニオンの共同による)を経てタイトーの社内レーベル「ZUNTATA RECORDS」(販売はソニー・ミュージックマーケティング)を設立する。
近年、タイトーがスクウェア・エニックス・ホールディングスの子会社となった後、タイトー本体のリストラが進みつつあり、全盛期のスタッフは退社する者が相次いでいるが、従来のサウンド開発業務は現在も遜色無く行われている。現在はゲームサウンド開発の他に、着信メロディ制作やモバイルサイト、イベントの企画など音に関連した多彩な業務を行っている。また、Ustreamを利用してインターネット生放送を不定期的に行なっている[5]。
他社作品への楽曲提供も稀に行っており、1997年の『ガメラ2000』(デジタルフロンティア)を皮切りに、『ダークラビリンス』(エイチーム)などへの楽曲・効果音の提供が行われている。
2011年3月には東京・渋谷においてダライアスバースト アナザークロニクル開発者トークショーと併わせ12年ぶりにZUNTATA単独でライブを行った[6]。
スタッフ
在籍している、またはかつて在籍していた主なスタッフおよびその代表作は以下の通り。
- 小倉久佳(OGR)
- ダライアスシリーズ、ニンジャウォーリアーズ、影の伝説、奇々怪界、ギャラクティックストーム、ゾイドインフィニティ
- 河本圭代(TAMAYO)
- レイフォースシリーズ、きらめきスターロード♪イントロ倶楽部♪
- 高木正彦(Mar.)
- ナイトストライカー、レイメイズ、ラスタンサーガ、ウォーリアーブレード、ガメラ2000、フルスロットル
- 中澤秀一郎(SHU)
- クレオパトラフォーチュン、ランディングギア、ジェットでGO!2
- 古川典裕(中山上等兵)
- ニンジャウォーリアーズ(PCエンジン版)、ダイナマイトリーグ、スペースガン、アラビアンマジック、グリッドシーカー、ライトブリンガー、パズルボブル2、電車でGO!、カオスヒート、タクトオブマジック
- 渡部恭久(Yack.)
- メタルブラック、サイバリオン、カイザーナックル、ルナーク、ファイターズインパクト、旋光の輪舞、カスタムロボ
- 海野和子(Karu.)
- ミズバク大冒険、プリルラ、逆鱗弾、パズルボブル、あっかんべぇだぁー、オペレーションタイガー、クレセントテール
- 高萩英樹(HAGGY)
- サイキックフォースシリーズ、武刃街、バトルギア1、2、ゾイドインフィニティ
- 殿村裕誠 (Tono)
- ダイノレックス、クイズHQ、(ディレクターとして)レイフォース、レイストーム
- 今村良雄 (IMA、Y.I.)
- ワイルドウエスタン、ちゃっくんぽっぷ、エレベーターアクション
- 君島正 (KIMI)
- アルカノイド、バブルボブル
- 八木下直人 (YAG)
- ワイバーンF-0、ファイナルバブルボブル
- 小塩広和 (COSIO)
- アルカノイドDS、スペースインベーダーエクストリーム、電車で電車でGO!GO!GO! れぼりゅ~しょん、ダライアスバースト、グルーヴコースター
- 石川勝久(ばびー)
- 効果音担当(ダライアス外伝、メタルブラック、カイザーナックル、ファイターズインパクト、ジェットでGO!ポケット、ダライアスバーストなど)
- 土屋昇平
- ホーンテッドミュージアム、ダライアスバースト、グルーヴコースター
その他
- TAITORUS RECORDS(たいとらす れこーど) - 1999年に発足した第二の自社レーベル。ゲーム以外のマスメディアへの音楽配信等を行なっている。
- カラオケ - タイトーのカラオケ事業だった通信カラオケ(現在はエクシングに事業譲渡されている)用のメドレー曲の作曲も行っている。
関連項目
- S.S.T.BAND - セガの楽曲を演奏するバンド
- コナミ矩形波倶楽部 - コナミのサウンドチームおよびバンド
- GAMADELIC - データイーストのサウンドチームおよびバンド
- ALFH LYRA(旧名はアルフ・ライラ・ワ・ライラ) - カプコンの楽曲を演奏するガールズバンド
- J.D.K.BAND - 日本ファルコムの楽曲を演奏するバンド
- SNK新世界楽曲雑技団 - SNKのサウンドチームおよびバンド
脚注
- ↑ ZUNTATAオフィシャルサイトZ-FIELD 内「ZUNTATAについて」。
- ↑ Player 2007年 3月号 ZUNTATAインタビュー記事。
- ↑ 「超アーケード」(多根清史・箭本進一・阿部広樹著、太田出版、2002年)pp.202 - 215
- ↑ 「超アーケード」によれば、脚本はデータイーストの木内達也(当時ゲーマデリック所属)が手がけていたとのこと。
- ↑ Ustream配信サイト(ただしアーカイブは余り残されていない)
- ↑ ZUNTATA,12年ぶりの単独ライブ。Ver.Up「Unlock A」の情報も公開された「ダライアスバースト AC」ライブ&開発者トークショーレポート 4Gamer.net
外部リンク
- Z-FIELD(ZUNTATAオフィシャルサイト)
- ga-core - ZUNTATAインタビュー