レイフォース
テンプレート:Infobox 『レイフォース』(RAYFORCE)は、1994年にタイトーが制作・販売したアーケード用縦スクロールシューティングゲームである。欧州でもアーケード版がリリースされており、タイトルは“GUNLOCK”となっている。
概要
8方向レバーと2つのボタン(ショット、ロックオンレーザー)で自機「X-LAY」を操作し、アイテムを取ることでパワーアップ(ショットの威力強化、ロックオンレーザーの同時発射数の増加)しながらステージを進める。全7面×1周。
自機前方に表示されている照準(ロックオンマーカー)を低高度の敵機に合わせることで捕捉(ロックオン)し、その状態でボタンを押すことで自動追尾するレーザーを発射、攻撃する。最大で8発まで(2人同時プレイ時は2人合わせて8発)同時に発射でき、耐久力のある敵には複数発ロックオンできる。ロックオン状態は約4秒で自動的に解除される。
一度に多くの敵機をロックオンレーザーで破壊することで、敵の得点に倍率がかかるようになっている(最大128(=27)倍)。このため、高得点を狙うにはロックオン順序、ロックオンレーザーの発射タイミングのパターン化が必須であり、そのパターン構築が本作の醍醐味の1つとなっている。逆に、高得点を狙わず、効率的な敵の破壊に重点を置いた攻略をすることで、難易度を相対的に低下させることも可能である。
続編の『レイストーム』、『レイクライシス』にもロックオンレーザーが採用されているが、内容はそれぞれ大きく異なっている。
解説
メインショットが一種類のみでボンバーなどの緊急回避動作がないなど、時代に逆行するかのようなデザインの作品であったが、初心者に対して馴染みやすいシンプルさと、上級者のプレイにも十分堪え得るゲーム構成を兼ね備え、全国のゲームセンターにおいてロングランヒットを記録した。
しかし、当時のゲームセンターは対戦格闘ゲームが中心に設置されており、基板自体の出回りは今一つだった。当時のゲーメストでも「もう少し出回っていれば」とコメントされている。
本作は、ステージ構成のみでそのストーリーを表している。「防衛艦隊を突破して宇宙からかつての母星である敵本星に降下、地下都市最深部にあるマザーコンピュータの破壊を目指す」という物語展開が、文字や音声を一切使わず、ゲーム開始から終了までノーカットで絶え間なく続くステージの流れのみで表現されている。
そのエンディングが悲劇的なものであったことと、同社がかつて制作した『ガンフロンティア』や『メタルブラック』に複数のエンディングが存在していたことから、本作においても、最終ステージの行動によって別パターンのエンディングが存在するのではないかという噂が流れていた。これについては、開発者がゲーム誌上で公式に否定している。
本作のヒットを受け、『R-GEAR』というタイトルで続編が開発されていた。本作と同じくF3システム基板を使用し、基本的なゲームシステムはそのままで新しいロックオンレーザーを搭載した新機体が追加されていたが、開発途中でプラットフォームがPlayStation互換のFXシステム基板に変更されたため、R-GEARとしての開発は放棄され、タイトルも『レイストーム』に変更された。レイストームのR-GRAY2は、この時の新機体のアイデアが流用されている。またR-GEARは、そのお蔵入りまでの過程から、俗に『レイフォース1.5』とも呼ばれている。
アイテム
本作で出現するアイテムは、以下の3種類である。いずれも、特定の敵機を破壊することで出現する。
- パワーアップ
- 正四面体形をした赤色のアイテムで、これを3つ取得することで自機のメインショットが1段階パワーアップする。
- スーパーパワーアップ
- 上記パワーアップアイテムが黄色になったもの。1つ取得するだけで自機のメインショットが1段階パワーアップする。
- レーザー
- 緑色で「L」の字が描かれたカプセル状のアイテム。これを取得するとロックオンレーザーの同時発射数が1つ増加する。
ステージ構成
ステージ構成と各ステージBGMのタイトルは以下の通り。
舞台 | ステージタイトル | BGM | 中ボス | ボス | ボスBGM | |
---|---|---|---|---|---|---|
AREA 1 | 敵本星リング状小惑星帯 | RED POWER TO PIERCE THROUGH | PENETRATION | デュアルランス | AGGRESSIVENESS | |
AREA 2 | 敵本星衛星軌道 | THE GRAVITY OF BLUE SIDE | G | アーマースケイル ポセイドン | ギラソル | |
AREA 3 | 敵本星上空 | THE PHANTASM OF SILVER | VISION | アスラ | ギガ | |
AREA 4 | 敵本星地表付近 | THE FISSURE OF CONSCIOUSNESS | CRACKING! | G.P.M.S.-2 | ||
AREA 5 | 敵本星地下都市 | TOWARD THE DARKNESS | INTO DARKNESS | オーディン | ATROCITY | |
AREA 6 | 敵本星地下深奥部 | THE END OF DEEP LAYER | MÖBIUS | ファランクス | ダイナモ | |
AREA 7 | 敵本星中核 | RELEASING INFINITELY | THE PLOT THICKENS QUARTZ | テンタクル | ダークコンヒューマン | THE FATES DOOMSDAY |
移植
本作は移植作品の日本国内での発売に際して、『レイヤーセクション』(LAYER SECTION)とタイトルを変更されている。これは、国内に同名のゲームメーカーが存在していたため、名前の重複を防ぐための措置だったとされている。
- 1995年9月14日、セガサターン用ソフトとして発売。開発はビング、販売はタイトー。家庭用のテレビサイズに合わせるために敵出現配置などが若干修正されており、またBGMもアーケード音源ではなくサントラバージョンのモノラル再生になっているが、概ね完全な移植となっている。原作準拠の縦画面表示モード(アーケードモード)も搭載されており、そちらは原作通りの構成を完全に再現している。北米及び欧州では『Galactic Attack』のタイトルでアクレイム・エンタテインメントより発売された。
- 1997年、Windows用ソフトとして発売。開発・販売はゲームバンク(1999年にはサイバーフロントより再発売される)。画面レイアウトが大幅に変更されており、また一部演出が省略されているなど、移植度は低い。
- 2007年1月25日、PlayStation 2用ソフト「タイトーメモリーズII 上巻」に収録。タイトルは原題通り『レイフォース』となっている。アーケード版の完全移植であるが操作遅延が大きい。オプション設定で、アーケード版と同様に縦画面で出力させることもできる。
- iOS版 2012年1月13日配信。若干操作性、視認性に難はあるが、アーケード版音源を収録しているなど、移植度はおおむね良好。タッチ操作でも操作しやすいよう移動速度が調整され、一部敵キャラクターの色やエフェクトなどが変更された「Remix MODE」を搭載。メモリ容量の関係か、iPod Touchでは処理落ち・コマ落ちしやすいのが難点。
続編
サウンドトラック
- 「RAYFORCE」
- 「RAYFORCE RUBBING BEAT」
- 1997年、ズンタタレコードより発売。アレンジサウンドトラック。
- 「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」
- 2005年、ズンタタレコードより発売。レイフォース(基板オリジナル音源とCD音源)、レイストーム、レイクライシスのシリーズ3作品のBGMを収めたオリジナルサウンドトラック。特典映像を収録したDVDを同梱。
- 「レイフォース オリジナルサウンドトラック -PCB Version-」
- 2009年、iTunes Storeにて配信。基板オリジナル音源。