Olive
『オリーブ』(Olive)は、日本の女性向けファッション雑誌である。マガジンハウスより1982年(昭和57年)に創刊された。
概要
当初は月2回刊。発売時のキャッチコピーは「Magazine for City Girls」。当初は女子大生向けの情報誌として、男性向け雑誌『ポパイ』の姉妹誌という位置づけであった。
1983年(昭和58年)リニューアルされて『ポパイ』より独立。
「Magazine for Romantic Girls」のキャッチコピーを掲げ、「リセエンヌ」(lycéenne 仏:lycéeの女子学生)などのライフスタイルを提示、中高生を含む、ティーン向けの文化をキャッチおよび発信する雑誌となった。
2000年(平成12年)7月18日号をもって休刊し、月刊誌にリニューアルされて一時復刊されるが、2003年(平成15年)6月18日発売の8月号をもって再び休刊となった。
現代文化雑誌としての『オリーブ』
『オリーブ』は、特に1980年代においては、実用的なファッション雑誌というより、のちに「ガーリー(>girlish)」と呼ばれる、新しいタイプの都会的少女文化を提示するサブカルチャー雑誌というべき存在であった。主要読者層の想定としてミッション系、一貫教育校などの中高生や帰国子女を含み、音楽、映画、インテリア、絵本など文化記事に力を入れ、当時『オリーブ』の愛読者でリセエンヌ的なファッションやライフスタイルにこだわる若い女性はオリーブ少女といわれた。
しかし、1990年代以降、読者層としていた10代の女性の指向が以前より現実的なものになり、より実用的なファッション雑誌に読者が流れた。『オリーブ』の提示した先鋭的な美意識が拡散し一般的なものになるにつれ、それまで唯一無二のものであった『オリーブ』の立ち位置が曖昧になってしまったともいえる。1990年代の『オリーブ』は文化や生活全般を題材にするという姿勢は崩さないものの、より地に足のついた実践的な記事が増える傾向にあり、2000年代のスローライフに通じるようなコンセプトが強まっていった。
『オリーブ』的とされる事柄
- 帽子(ニット帽、ベレー帽など)
- 古着
- フランス映画
- カフェ
- アフタヌーン・ティー
- 絵本
- 北欧雑貨
- ハーブティ、アロマ、草花
- オードリー・ヘップバーン
- 手作りのお菓子
- オーガニック・フード
- 薄化粧、ナチュラルメイク
- チープ・シック
- 色鉛筆・クレヨン
- DURALEX(デュラレックス社)のグラス「ピカルディ」
- ネオアコ
- 渋谷系
関連人物
- 泉麻人 - 初期に「アボワール徳川」名でコラムを連載していた。
- 市川実日子 - 1994年(平成6年)から専属モデルをつとめ、姉の市川実和子とともに誌面に登場することもあった。
- 湯沢京(現・湯沢薫) - 1990年代に専属モデルをつとめた。現在はアーティストとしても活躍
- 佐伯日菜子 - 1990年代に専属モデルをつとめた。
- 古谷美央 - 1990年代に専属モデルをつとめた。
- eri - 2001年(平成13年)からは連載を開始した。
- 小沢健二 - 1990年代の本誌によく登場していた。1994年(平成6年)から1997年(平成9年)まで「DOOWUTHYALIKE」を連載。
- 栗尾美恵子 - 初代専属モデルをつとめた。当時外国人モデルの多かった本誌の唯一の日本人専属モデルでもあった。
- 酒井順子 - 泉麻人の後を引きつぎ、1980年代に「マーガレット酒井」の筆名でコラムを執筆していた。
- 堀井和子 -1988年(昭和63年)から、エッセイ「eating」を連載。
- 中島らも -1990年年代にコラム「こちら中島らも事務所」を連載。
- しまおまほ - 休刊直前頃に、「ひとりオリーブ調査隊」を連載していた。
- ティア&ケリ - 1987年(昭和62年)より専属となった双子モデル。
- 遠山こずえ - 1990年代中期に5代目編集長を担当しており、1990年代の本誌の、ナチュラル・生活派指向のコンセプトを推進した。
- 仲世朝子 -1986年(昭和61年)から、イラストエッセイ「のんちゃんジャーナル」を連載。
- 平中悠一 - 1990年(平成2年)から、小説「Go! Go! Girls (⇔swing-out Boys)」(第1部47回)を連載。
- 蜷川実花 - ガーリーフォトの流れを作り、1990年代の本誌によく登場していた。
- 山田詠美 - 1988年(昭和63年)から、小説「放課後の音符(キイノート)」を連載。
- 淀川美代子 - 1980年代に3代目編集長として、「ロマンティック・ガール」を掲げ本誌のファンタスティックなコンセプトを確立した。
- 酒井景都 - 1996年(平成8年)より専属モデルをつとめた。
- 高橋マリ子 - 2000年代の本誌に頻繁に登場していた。
- 山崎まどか - 2001年から2002年にかけ「東京プリンセス」を連載。
- 近田まりこ - スタイリスト。
- 大森伃佑子 - スタイリスト。
- 堀越絹衣 - スタイリスト。
- 高橋律子 - 1969年(昭和44年)生まれの元読者、金沢21世紀美術館のキュレーター(学芸員)。2012年(平成24年)に同館で開かれた「Olive1982-2003 雑誌『オリーブ』のクリエイティビティ」を企画[1]。