ABUロボコン
ABUロボコン (Asia-Pacific Robot Contest, ABU Robocon) はアジア太平洋放送連合(ABU)が主催する、大学生が製作したロボットによる競技会である。1988年に日本放送協会が主催する日本国内向けのアイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテストが始まり、1991年にNHK大学ロボコン(アイデア対決・ロボットコンテスト 大学部門)が開催されるようになった。1993年、NHK大学ロボコンにタイの大学が参加するようになったのを皮切りに参加国が少しずつ増加した。一時はアメリカ合衆国の大学が参加したこともあったが、次第にアジア太平洋各国が参加するようになり、2002年アジア太平洋放送連合が主催するABUロボコンとして生まれ変わった。NHKが地上波で放映するため、一般への認知度が高いロボット競技会の一つである。
なお、NHK大学ロボコンは第10回を最後に海外チームの参加ができなくなり、ABUロボコンの日本代表選考会となった。
対戦方法
毎年競技課題は変更され、ホスト国のABU加盟局が中心に作成される。ボールを運んだり、投げたり、ブロックを運んだりして、いかに速く目的を達成するかを競う。相手の妨害も可能な場合もあり、大会によっては2台以上のロボットを使用することがある。基本的に、3チーム以上の複合戦はなく、1チーム対1チームの対決である。まず、6~7グループ程度に分けたリーグ戦形式の予選を行い、各グループの1位及びワイルドカードを含めた計8チームでトーナメント形式の決勝を行い、優勝が決定される。
参加国・地域
ABUに加盟する放送局を通じ各国、地域の大学、工科大学の学生によるチームが出場する。開催年度によって参加数には変動がある。原則1か国/地域/放送局につき1チームが出場し、さらに開催国、地域からは2チーム出場する。
日本からはNHKを担当放送局として、第1回の2002年より毎年ABUロボコンに出場している。他、全ての年度(2013年まで)のABUロボコンに出場している国を以下に示す。カッコ内は担当放送局である。
- インド(インド国営テレビ)
- インドネシア(インドネシア国営テレビ)
- タイ(モダナインテレビ)
- ネパール(ネパールテレビ)
- フィジー(フィジーテレビ)
- ベトナム(ベトナムテレビジョン)
- マレーシア(マレーシア国営放送)
- モンゴル(モンゴル公共ラジオテレビ)
開催履歴
各年度における優勝、準優勝大学、ABUロボコン大賞受賞大学ならびに日本代表大学の成績を示す。
回(年) | 開催地、開催国 | 大会テーマ | 優勝、準優勝、ABUロボコン大賞 | 日本代表 |
---|---|---|---|---|
第1回 (2002年) |
東京 テンプレート:Flagicon 日本 |
"Reach for the Top of Mt. Fuji" 「富士山頂をめざせ」 |
テンプレート:Flagiconホーチミン市工科大学 テンプレート:Flagicon中国科学技術大学 テンプレート:Flagicon金沢工業大学 |
豊橋技術科学大学 金沢工業大学 (共にベスト4) |
第2回 (2003年) |
バンコク テンプレート:Flagicon タイ |
"Takraw Space Conqueror" 「タクローの覇者」 |
テンプレート:Flagiconスワンデンディン技術専門学校 テンプレート:Flagiconキングモンクット工科大学 テンプレート:Flagiconチュンナム大学 |
愛知工科大学 (ベスト4) |
第3回 (2004年) |
ソウル テンプレート:Flagicon 韓国 |
"Reunion of Separated Lovers, Gyeonwoo & Jiknyeo" 「織姫と彦星」 |
テンプレート:Flagiconホーチミン市工科大学 テンプレート:Flagicon西南科学技術大学 テンプレート:Flagiconモンゴル科学技術大学 |
東京大学 (予選リーグ敗退) |
第4回 (2005年) |
北京 20px 中国 |
"Climb on the Great Wall Light the Holy Fire" 「万里の長城を照らせ!」 |
テンプレート:Flagicon東京大学 テンプレート:Flagicon北京科学技術大学 テンプレート:Flagiconテンス オブ ラマダンシティ工科大学 |
東京大学 (優勝) |
第5回 (2006年) |
クアラルンプール テンプレート:Flagicon マレーシア |
"Building the World’s Tallest Twin Tower" 「ツインタワー・ビルダー」 |
テンプレート:Flagiconホーチミン市工科大学 テンプレート:Flagiconサムットソンクラーン技術大学 テンプレート:Flagiconマレーシア工科大学 |
東京農工大学 (ベスト8) |
第6回 (2007年) |
ハノイ テンプレート:Flagicon ベトナム |
"Halong Bay Discovery" 「ハロン湾の伝説」 |
テンプレート:Flagicon西安交通大学 テンプレート:Flagiconスラバヤ電子工学ポリテクニック テンプレート:Flagicon10月6日大学 |
金沢工業大学 (ベスト8) |
第7回 (2008年) |
プネ テンプレート:Flagicon インド |
"Govinda" 「ゴヴィンダ」 |
テンプレート:Flagicon西安交通大学 テンプレート:Flagiconテンス オブ ラマダンシティ工科大学 テンプレート:Flagicon西安交通大学 |
豊橋技術科学大学 (ベスト4) |
第8回 (2009年) |
東京 テンプレート:Flagicon 日本 |
"Travel Together for the Victory Drums" 「旅は道づれ 勝利の太鼓を打て」 |
テンプレート:Flagiconハルビン工業大学 テンプレート:Flagicon香港大学 テンプレート:Flagiconハルビン工業大学 |
豊橋技術科学大学 (ベスト4) 金沢工業大学 (ベスト8) |
第9回 (2010年) |
カイロ テンプレート:Flagicon エジプト |
"Robo-Pharaohs Build Pyramids" 「ロボ・ファラオ ピラミッドを築け」 |
テンプレート:Flagicon電子科技大学 テンプレート:Flagiconラクホン大学 テンプレート:Flagicon電子科技大学 |
金沢工業大学 (予選リーグ敗退) |
第10回 (2011年) |
バンコク テンプレート:Flagicon タイ |
"Loy Krathong, Lighting Happiness with Friendship" 「ロイ・クラトンの火をともせ!」 |
テンプレート:Flagiconトゥラキット・バンディット大学 テンプレート:Flagiconカンペンペット工科大学 テンプレート:Flagicon東京大学 |
東京大学 (ベスト8) |
第11回 (2012年) |
テンプレート:Flagicon 香港 | "In Pursuit of Peace and Prosperity" 「平安大吉(ペンオンダイガ)」 |
テンプレート:Flagicon電子科技大学 テンプレート:Flagiconラクホン大学 テンプレート:Flagicon東京大学 |
東京大学 (ベスト4) |
第12回 (2013年) |
ダナン テンプレート:Flagicon ベトナム |
"THE GREEN PLANET" 「グリーン・プラネット」 |
テンプレート:Flagicon金沢工業大学 テンプレート:Flagiconラクホン大学(チーム1) テンプレート:Flagiconスラバヤ電子工学ポリテクニック |
金沢工業大学 (優勝) |
第13回 (2014年) |
プネ テンプレート:Flagicon インド |
"A SALUTE TO PARENTHOOD" |
テンプレート:Flagiconラクホン大学 テンプレート:Flagicon名古屋工業大学 |
名古屋工業大学 (準優勝) |
第14回 (2015年) |
ジョグジャカルタ テンプレート:Flagicon インドネシア |
"ROBOMINTON: BADMINTON ROBO-GAME" |
関連項目
- アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト - NHKが主催に関与する、高等専門学校生を対象としたロボット競技。競技形式や本大会におけるロボコン大賞をはじめとする各賞など、本大会の運営フォーマットの原型となっている。
- NHK大学ロボコン - 本大会の日本代表選考会。
- 海老沢勝二 - 本大会の開催に関与した人物。ABUロボコン開始当時、NHK会長およびABU会長であった。
外部リンク
- Robocon Official Site NHKロボコンの公式ページ
- Asia-Pacific Broadcasting Union アジア太平洋放送連合公式ウェブサイト
- 各年度の公式ウェブサイト
- ABU Robocon 2012 ABUロボコン2012 公式ウェブサイト
- ABU Robocon 2013 ABUロボコン2013 公式ウェブサイト
- Robocon India ABUロボコン2014 公式ウェブサイト
- ROBOCON 2015 ABUロボコン2015 公式ウェブサイト