10ナンバーズ・からっと
テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox 『10ナンバーズ・からっと』(テン・ナンバーズ・からっと)は、サザンオールスターズの2枚目のオリジナルアルバム。1979年4月5日発売。『TENナンバーズ・からっと』との表記もされる。
発売元はビクター音楽産業のInvitationレーベル。
後にCD化され、1984年6月21日、1989年6月25日、1998年4月22日、2008年12月3日の計4回再発されている。
解説
「いとしのエリー」発売直後に発売されたアルバムである。シングルカットとなる「思い過ごしも恋のうち」も収録。
このアルバムの歌詞カードには何曲か歌詞が正しく載っておらず「☆◎♂」などの記号で埋められている作品がある。同バンドはオケを録り終えてから歌詞を考えるという順番で楽曲を作っているが、当時はとにかく忙しく締め切りに間に合わなかった結果、シングルになった以外の曲は桑田の下書き段階のものをそのまま掲載し、全く歌詞ができていなかった3曲は記号になった。1998年の再発盤でその3曲以外は極力直しているが、記号のものは原版をそのまま写し、 公式サイトでも未だに正しい歌詞は公表されていない。ただし歌詞集「ただの歌詩じゃねえか、こんなもん」や中国でリリースされた企画盤アルバム(海賊版ではなく公式に発売されたもの)では記載されているものもある。第一興商の通信カラオケDAMなどでは歌唱時に歌詞が表示されるが、曲の終了時に“本社聞き取りによるオリジナルです”などと表示される。
また、このアルバムは桑田自身が「駄作」としている作品である。当時は休みも無く朝から晩までテレビ出演に忙殺され、深夜になってようやく作曲・レコーディング作業に入る状態であった為、ノイローゼ状態に陥り満足の行く曲作り・アレンジが出来なかったとされ、当時のテレビ番組で桑田もそのようなことを連呼している。また、多忙・ノイローゼと相まってか、ジャケットの撮影時は桑田がスタッフとケンカをした直後で、場が非常に険悪な雰囲気のまま撮影したらしく、桑田自身もこのジャケットは怒った状態で写っている事を振り返っている。
同バンドの初期の楽曲はバーニングが権利を持っており、本作もプロデュースはバーニングプロダクションによるものである。
1998年の再発盤の初回限定盤は、オリジナルLP復刻ジャケット(紙ジャケット)仕様で、シャララカンパニーの佐藤輝夫によるライナーノーツが封入されている。
収録曲
シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。なお、オリジナル・アナログ盤では6曲目からがB面となっていた。
タイトルの後ろに※の表示がされているものは、上記の通り歌詞が記号となっているもの。
- お願いD.J.
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:新田一郎
- 間奏中にはDJのウルフマン・ジャックの物まねをした桑田の語りが収録されている。近年になって桑田は、この部分を録音したことを恥じているという。ちなみに桑田は1980年にフジテレビで映画『アメリカン・グラフィティ』が放映される際、彼の吹き替えを担当した。
- 奥歯を食いしばれ ※
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
- 本作にのみ収録。パーカッションが前面に打ち出された曲である。
- ラチエン通りのシスター
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
- 思い過ごしも恋のうち
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:新田一郎
- 4枚目のシングルとしてシングルカットされた。シングルバージョンは本アルバム収録バージョンとコーラスやホーンセクションアレンジが違い、この後のコンピレーション版などにはこのアルバムバージョンで収録されている。
- アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
- この曲のラストには飛行機の飛行音が収録されており、この音がTYPE 2に、ひいてはB面に繋がるようになっている。
- アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2) ※
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
- この2曲の別歌詞バージョンが「日清焼そばU.F.O.」のCMソングになっている。ちなみにTYPE 3はシングル「いとしのエリー」にのみ収録されているためTYPE 3が一番先に世に出ていることになる。歌詞はTYPE 1、3ともに同じであるが、前曲からのつながりのためイントロとアウトロが別テイクになっている。
- 気分しだいで責めないで
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/管編曲:新田一郎
- 2枚目のシングル。イントロをはじめアレンジはかなり違ったものになっており、別テイクによる新録になっている。この後のコンピレーション版などは全て本作でのアルバムバージョンが収録されている。
- Let It Boogie
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:兼崎ドンペイ
- LION「ザクトライオン」のCMソングになった。
- ブルースへようこそ ※
- 作詞・作曲・編曲:サザンオールスターズ
- 「思い過ごしも恋のうち」のB面曲として同曲と同様にシングルカット。歌詞は男の同性愛らしき事を歌っている箇所がある。曲のタイトルはトム・ウェイツの同名曲からの引用。
- いとしのエリー
- 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦編曲:新田一郎
- 3枚目のシングル。後にレイ・チャールズも全英語詞でカバーした。
参加ミュージシャン
- 桑田佳祐 - ボーカル、ギター、コーラス(#1~10)
- 大森隆志 - リードギター、コーラス(#1~10)
- 原由子 - キーボード、コーラス(#1~10)
- 関口和之 - ベース、コーラス(#1~10)
- 松田弘 - ドラムス、コーラス(#1~10)
- 野沢秀行 - パーカッション、コーラス(#1~10)
Special Guests
- ラチエン通りのシスター
- アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
- 薗田憲一&ディキシー・キングス - ホルン
- アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)
- 薗田憲一&ディキシー・キングス - ホルン