魔法少女隊アルス
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『魔法少女隊アルス』(まほうしょうじょたいアルス、英文タイトル:Tweeny Witches)は、NHK教育の番組「天才ビットくん」の枠内で、2004年4月9日から2005年3月25日まで放送されていたテレビアニメ。
目次
概要
雨宮慶太原作、STUDIO 4℃制作によるアニメーション作品。いわゆる魔法少女アニメに分類される作品ではあるが、一般的な魔法少女アニメが「魔法を使える少女が異世界から人間の住む現実世界に来る」「異世界からの力を授かって人間の少女が魔法を使う」という形式とは違い、「人間の少女が異世界へ飛ぶ」という形態をとっており、また異世界を舞台にしている関係上、物語もハイ・ファンタジーに限りなく近い形態となっている(魔法少女の項を参照)。
全般的なストーリーとしては魔法世界での伝統や価値観の違いなど、ダーク・ファンタジー的要素がクローズアップされており、子供向け番組には珍しく高度かつ濃密な内容である。しかし話の状況によっては若干内容が破綻していると見受けられる面も少なくない。これは映像面でも作画監督の違いによって若干統一性が見られないケースや、本放送時の放送形態の制約から映像の一部が見られないことによる情報伝達不足による。ただし前者は、アニメーターの個性の尊重や、昔のアニメの感じを出すために意図的に行われたということが、放送終了後に行われたスタッフのトークショーで明らかになっている。
また本作では、日本のテレビアニメでは珍しく、アフレコではなく、声優の声を先に収録してから画面作りを行なうアクターズ・レコーディング(アクレコ)を制作手法として取り入れている。
放送・DVD収録の形式
- 本放送は「天才ビットくん」の枠内9分弱で放送。時間は不定期。
- ただし、夏休み・冬休み等の時期に合わせて40分全て使って既放送分の総集編を放送。総集編では各回4話ずつ放送し、4話分の終了後エンディングも放送。
- DVDでは全40話、第1巻は4話、第2巻以降は各6話収録。
- なお、2007年7月16日から2007年12月12日までファミリー劇場にてDVD収録バージョンで放送されていた。
- 2007年12月27日から29日までNHK BS2のBS冬休みアニメ特選にて全40話を各回90分、全3回にまとめた総集編を放送した。
- 海外では、香港無綫電視明珠台で2007年4月3日より、また台湾、韓国アニマックスでも放送された。アニマックスでは1枠30分のため、2話ずつの放送となっている。
放送版とDVD版の違いについて
放送版とDVD版の違いは次の2つ。
- 実際に作られたバージョンは16:9サイズ形式。DVDではそのまま収録されているが、放送上では4:3に合わせるため、両サイドをカットしている。これはビットくん本編の放送形態との兼ね合いもあり、デジタル教育(地上デジタル放送)でも4:3サイズのままである。
- DVDでは、本放送にはないオープニング(BGMのみ)を収録し、オープニング→本編1→本編2→エンディング→予感(次の話へのモノローグ)と2話単位を1エピソードとして構成している。
あらすじ
テンプレート:不十分なあらすじ 魔法にあこがれていた人間の少女アルスは、ある日、魔法の世界にいた。なぜか人間なのに魔法を覚える事ができたアルス。見習い魔女のシーラ、エバと出会い、アルスはこの未知の世界に期待を膨らませるが、実際は「魔法は人を幸せにする」というアルスの思いが通用しない世界だった。妖精の捕獲、魔女と魔族という魔界の勢力同士の対立と戦い、アルスが父親からもらったという真の魔道書の存在と秘密、そして渦巻く陰謀……さまざまな状況に巻き込まれたアルスの運命は……。
物語上の重要な概念
- 魔法界 / 魔女 / 魔族
- 魔法界に住む者のうち、女性を魔女、男性を魔族と称している。魔族と魔女との間に生まれた子供は女子であれば魔女、男子であれば魔族に引き取られる。ただし男子を生んだ魔女は魔族の世界に住む場合もある。また、魔女が魔法を使えるという伝統を守るため、見習い魔女を対象に「魔女検定」を行っている。これに合格しなかった場合、人間界送りにされる。
- 魔法 / 妖精 / 呪文
- 魔法界には100種の妖精が存在しており、その妖精のもつ肉体的要素を触媒とし、呪文を唱えることで魔法を発動させる。呪文は数字の羅列で構成され、発音はギリシア数字に相当するものとされる。ただしアルスの場合は語呂合わせで呪文を唱えている。魔法の例は以下の通り。
- 幻覚魔法の呪文「0141963215」(オイシイクロミツイチゴ)触媒:ピスキーの牙
- 石化魔法の呪文「80588109696」(ヤマゴヤハイレグロックンロール)触媒:キュロプスのへそのゴマ
- ただし、呪文を唱える必要のないもの(グリフォンの羽根をつけたほうきを使う事で飛行魔法が使用可)、妖精ではなく魔女の持つ肉体的要素を触媒として使うもの(魔女の長い髪を触媒として石化解除魔法を使う)、魔女ではなく妖精自身が唱える魔法(エクーの、大切なものと引き換えに子供の願いを一つだけ叶える魔法)といった例外がある。
- 真の魔道書
- 本編の重要なファクターとなるアイテム。これを持っている事であらゆる魔法が使えるようになる。しかし黒魔法を発動させることが可能なため、ジダンが魔法界から持ち去り、人間界でアルスに託していた。
- 黒魔法 / 光の魔法
- 黒魔法は「真の魔道書」「100種の妖精」そして「裏切りの魔女」が揃う事で発動する。この魔法が発動すると魔法界を消滅させる事が可能である。これに対抗するには光の魔法を発動させることだけだが、伝説上でしか伝わっていない。
主な登場人物
- アルス
- 声 - 小島幸子
- 11歳。魔法にあこがれる人間の少女。内心は父がいないことを寂しがっているが、明るく振舞い母のヨーコを支えている(実際は実の母ではなく父方の伯母)。ある日突然魔法界に現れ、魔法界での出来事に翻弄されることに。稲妻魔法に関してはシーラも認めるほどで、魔族を一撃で撃破している。(アルスが人間でありながら魔法を使えるのは母・アテリアの血を引いているからである)後に、真の魔道書によって、黒魔法を発動させたエバを救うため、人間界へ一時帰還し、甘栗を持ち帰った。グランドマスターによると、アルスという名は、人間界の言葉で「光」という意味との事。
- シーラ
- 声 - 桑島法子
- 12歳。A地区の見習い魔女のリーダーであり、風紀取締役。やや男勝りなところがあり、一人称はオレ。優秀な魔女を尊敬しあこがれている真面目な優等生。
- エバ
- 声 - 広橋涼
- 10歳。心優しい見習い魔女。偶然の出会いからシーラとともにアルスと行動することに。周りに流されやすく、忘れっぽい性格でドジを踏むことも多い。家事が得意で、料理は大抵彼女が作っている。終盤で、黒魔法を発動させてしまうが、光の魔法となったアルスによって、救われる。
- グランドマスター
- 声 - 来宮良子
- 魔女の世界を統括する、魔法界の最高権威者。
- アテリア
- 声 - 田中敦子
- グランドマスターを補佐する三賢者の一人だが実際はアルスの実母であり人間であるアルスの父と恋に落ちレノン&アルスを出産した。(もちろんこれは魔女の掟に反する事である)
- クー
- 声 - 梅田貴公美
- 落ちこぼれの見習い魔女。祖母と暮らしている。
- メノウ
- 声 - 安達忍
- シーラの母。シーラを残し魔族の世界に駆け落ちをしたが、ある日アルスたちの前に現れる。
- シグマ
- 声 - 吉野裕行
- 魔族の少年。アルスの持っている魔道書を狙いアルスたちに近づくが……;
グランデ
- 声 - 中田譲治
- 魔族の首領。黒魔法を発動させ、魔法界を捨て、別の世界(人間界)へ行くことを画策する。
- ウィル
- 声 - 山野史人
- 魔族のウィザード。過去に赤ん坊のレノンを連れたジダンと偶然知り合う。
- レノン
- 声 - 泰勇気
- 異次元の海に住む海賊。自分をアルスの“鏡”と称する。実はアルスの兄。
- ジダン
- 声 - 谷昌樹
- 考古学者であるアルス&レノンの父。アルスが幼い頃に旅に出、長年行方がわからない状態。実は遺跡で罠に嵌り魔法界に迷い込み、魔女アテリアと恋に落ちていた。
- ヨーコ
- 声 - 日野由利加
- アルスの母。アルスからは「ヨーコさん」と呼ばれているが実はアルスの伯母だった事が後に判明。
スタッフ
- 企画 - 東北新社
- 企画・原作 - 雨宮慶太
- 監督 - 芦野芳晴
- シリーズ構成・脚本 - 小原信治
- キャラクターデザイン・世界観デザイン - 中山大輔
- 色彩設計 - 鷲田知子
- CGI監修 - 斉藤亜規子
- CGI監督 - 伊藤真由、坂本拓馬
- 撮影監督 - 五関寿
- 音響監督 - 三好慶一郎
- 音響制作 - 東北新社
- 音楽 - 寺嶋民哉
- 音楽プロデューサー - 田中照久
- 音楽制作 - レントラックジャパン、電通ミュージック・アンド・エンタテインメント、インスパイア・ホールディングス
- ラインプロデューサー - 米森裕人
- アニメーションプロデューサー - 田中栄子、笠木浩
- プロデューサー - 田中渉、鶴崎りか、横山真二郎、服部洋之、田中信作
- エグゼクティブプロデューサー - 二宮清隆、島本雄二、田中栄子
- アニメーション制作 - STUDIO 4℃
- 制作 - 総合ビジョン
- 製作 - 魔法少女隊Project(東北新社、電通、Beyond C.)
主題歌
- エンディングテーマ「DuDiDuWa*lalala」
- 作詞 - KOTOKO / 作曲 - 中坪淳彦、KOTOKO / 編曲 - 中坪淳彦 / 歌 - KOTOKO(ジェネオンエンタテインメント)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 美術監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
Destiny 1 | 魔女の国 | 芦野芳晴 青木康浩 |
芦野芳晴 | 東潤一 | 2004年 4月9日 | |
Destiny 2 | 百匹の妖精 | 青木康浩 | 4月16日 | |||
Destiny 3 | 魔法のホーキ | 久保まさひこ | 4月23日 | |||
Destiny 4 | 妖精エクー | 清水保行 | 4月30日 | |||
Destiny 5 | 魔導書 | 吉田徹 | 5月7日 | |||
Destiny 6 | グリフォンの羽 | 青木康浩 | 中山大輔 | 山口賢一 | 5月14日 | |
Destiny 7 | ピスキーの牙 | 芦野芳晴 | 野村和也 | 5月21日 | ||
Destiny 8 | 旅立ちの港 | 青木康浩 | 5月28日 | |||
Destiny 9 | 魔女検定 | 清水保行 | 勝井和子 | 6月4日 | ||
Destiny 10 | ハイドラの襲撃 | 古屋勝悟 | 関口英樹 | 6月11日 | ||
Destiny 11 | 魔女の伝統 | 久保正彦 | 野村和也 | 6月18日 | ||
Destiny 12 | ハッピーバースデー | 片渕須直 | 吉田徹 | 6月25日 | ||
Destiny 13 | 魔族シグマ | 古屋勝悟 | 山口賢一 | 7月2日 | ||
Destiny 14 | シーラの迷い | 青木康浩 | 7月9日 | |||
Destiny 15 | 呪われた魔法 | 吉田徹 | 7月16日 | |||
Destiny 16 | エバの勇気 | 芦野芳晴 | 安藤裕章 | 関口英樹 | 7月23日 | |
Destiny 17 | 潜入!魔族界 | 清水保行 | 末永宏一 | 9月3日 | ||
Destiny 18 | 真のウィザード | 青木康浩 | 吉田徹 | 9月10日 | ||
Destiny 19 | 絶体絶命 | 吉田徹 | 芦野芳晴 | 田村晃 | 9月17日 | |
Destiny 20 | 魔法少女隊 | 青木康浩 | 9月24日 | |||
Destiny 21 | 異次元の海 | 古屋勝悟 | 10月1日 | |||
Destiny 22 | 海賊レノン | 安藤裕章 | 野村和也 | 10月8日 | ||
Destiny 23 | 裏切りの魔女 | 浦谷千恵 | 10月15日 | |||
Destiny 24 | 希望の光 | 芦野芳晴 | 山口賢一 | 10月22日 | ||
Destiny 25 | 疑惑 | 吉田徹 | 10月29日 | |||
Destiny 26 | バラバラな心 | 青木康浩 | 11月5日 | |||
Destiny 27 | 滅亡の前兆 | 古屋勝悟 | 11月12日 | |||
Destiny 28 | 総攻撃 | 安藤裕章 | 野村和也 | 11月19日 | ||
Destiny 29 | 真の魔導書 | 芦野芳晴 | 末永宏一 | 田村晃 | 11月26日 | |
Destiny 30 | レノンの正体 | 浦谷千恵 | 12月3日 | |||
Destiny 31 | 切ない思い | 芦野芳晴 | 千葉ゆみ | 2005年 1月7日 | ||
Destiny 32 | 本当に守るべきもの | 青木康浩 | 1月14日 | |||
Destiny 33 | パパは生きている | 古屋勝悟 | 1月21日 | |||
Destiny 34 | 約束 | 芦野芳晴 | 吉田徹 | 1月28日 | ||
Destiny 35 | 崩壊 | 清水保行 | 2月4日 | |||
Destiny 36 | 脱出 | 芦野芳晴 | 清水保行 | 2月11日 | ||
Destiny 37 | 終焉 | 青木康浩 | 長町英樹 | 2月18日 | ||
Destiny 38 | 黒魔法 | 2月25日 | ||||
Destiny 39 | 光の魔法 | 芦野芳晴 | 千葉ゆみ | 3月18日 | ||
Destiny 40 | 希望 | 芦野芳晴 | 野村和也 | 3月25日 |
魔法少女隊アルス THE ADVENTURE
番外編として「魔法少女隊アルス THE ADVENTURE」が制作されている。内容はシリアスな本編とは違い、妖精の活躍や魔法少女隊の日常などコミカルな要素を描いた全6作。
当初「天才ビットくん」の枠内で2005年夏季に放送予定と発表されていたが、その後予定が発表されることなく放送は未定のままだった。なお、キャラクターデザインの中山大輔は2006年11月13日、ブログでのファンの発言に対し、「2年ほど前に制作終了し完成しております。現在は放送局との契約が切れるまでの間寝かせている状態です。じきにお目にかかるものとおもいます。」とコメントしている。
その後2007年になってDVDが発売されることが公式サイト上にて明らかにされ、同年11月22日に各巻2話収録の単体版全3巻(アルス巻・シーラ巻・エバ巻)と、3巻をセットにした初回限定版のDVD-BOXが発売された。
なお、このDVDが発売されたのに合わせ、テレビで放送された本編を「ディスティニー編」と称するようになっている。
韓国、台湾では「Destiny編」と共に、本「THE ADVENTURE編」もTV放送されている。なお「Destiny編」と異なり、こちらは各1話ずつの放送である。また、放送順序が下記収録エピソードと異なり、「封印された心」が最終話「疾風怒涛の魔法少女隊」の前になっている。
収録エピソード
収録巻 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ / 演出 / 作画監督 |
美術監督 |
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アルス巻 | 1 | 魚になった魔法少女隊 | 片淵須直 | 安藤裕章、浦谷千恵 田村晃、野村和也 |
岡本有香 |
2 | 封印された心 | 川邊優子 | 野村和也、千葉ゆみ | ||
シーラ巻 | 1 | 妖精白書 | 青木康浩、長町英樹 | ||
2 | 氷の魔女と氷炎の竜 | 片淵須直 田中栄子 |
古屋勝悟 | ||
エバ巻 | 1 | ドラゴンハウスの秘密 | 川邊優子 | 芦野芳晴、田村晃 | |
2 | 疾風怒涛の魔法少女隊 | 片淵須直 田中栄子 |
吉田徹 |
漫画
小学館の少女漫画雑誌ちゃおに2ページ漫画という形態で連載された。作画は陣名まい。ただしアニメの内容に沿った構成ではなく、少女向けのショートコミックという体裁をとっている。
パチスロ
2011年9月に藤商事よりパチスロ(5号機)『マジカルスロット 魔法少女隊アルス』が発売され、ホールで稼働開始した。
「超・灼熱体感スロット」と銘打っており、300回転周期で訪れるリアルチャンスゾーンで発動する「スーパー・アタック・ラッシュ・タイム(SART)」、7が揃うことでARTが上乗せされる「マジカル7チャンス」、アニメで使われた映像を使用した予告演出や連続演出などが盛り込まれている。