魔法使いチャッピー
東映魔女っ子シリーズ | ||
第4作 | さるとびエッちゃん | 1971年10月 - 1972年3月 |
第5作 | 魔法使いチャッピー | 1972年4月 - 1972年12月 |
第6作 | ミラクル少女リミットちゃん | 1973年10月 - 1974年3月 |
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『魔法使いチャッピー』(まほうつかいチャッピー)は、日本のテレビアニメである。東映魔女っ子シリーズの系譜を踏む作品の第5作目にあたり魔法少女アニメに分類される。
目次
概要
本作は、1972年4月3日 - 同年12月25日の毎週月曜日19時 - 19時30分にNET(現テレビ朝日)系列にて全39話が放送された「東映アニメーション魔女っ子シリーズ」の第5作である。
人間の世界にあこがれて、人間界に一家で引っ越してきたチャッピーとその一家が繰り広げるコメディー基調のアニメーション。エピソードは一話完結。
なお、後期より長坂秀佳が脚本に参加し、過疎化や公害、乱開発といった社会問題を取り上げた秀逸なエピソードもあった。
放映から30年以上映像ソフト化の機会をみなかったが、2005年12月に株式会社アイ・シー・エフから8枚組のDVDソフトが発売された。
ストーリー
魔法の国の貴族の娘・チャッピーは、魔法の国のしきたりにうんざりし、人間界に行きたがっていた。そしてダンスパーティーの日、隙を見てオババの魔法の箒を強奪し、実弟・ジュンとペット・ドンちゃんと共に人間界に出発、そして「ニコニコ町」という町に着くと、魔法で家を拵え住み始める。やがて後を追って来た両親も住み着く様となった。
やがて人間界も公害・交通事故・悪人などが氾濫し、思ったよりいい所ではない所では無いと気付くが、チャッピーは荒井姉弟などの人間と触れ合いながら、様々な事件を魔法で解決していく。
人間界の生活も順調にいってきたチャッピーの元に大事件が。水害で遭難しそうになった一平を魔法で救ったが、一平に魔法の使用現場を目撃されてしまった!! 魔法の国の掟を破ったチャッピー一家は大ピンチになり、チャッピーは責任を感じて自害しようとする。だが魔法の国の王のお情けで許される事になった。一息ついた後、チャッピーはいつもの様にすみれ学園に通うが、親友のミチ子はチャッピーを見るなり、「あなた誰?」と言ったではないか!? しかも荒井兄弟やしず子や熊虎までチャッピー達を知らないという。それもそのはず、王はチャッピーを免罪する代わりに、皆の記憶を奪ってしまったのだ! これでは仕方が無い。かくてチャッピー一家はニコニコ町を後にするのであった……。
登場人物
チャッピーとその一家
- チャッピー
- 声 - 増山江威子(第9話のみ野村道子)
- 本作の主人公。本名は「チャッピー・ハンスト・シャルル・グリム・アンド・イソップ・エトセトラ」。魔法の国から人間の世界にやってきた女の子。バトンを振り回すことで様々な魔法が使える。
- ジュン
- 声 - 千々松幸子
- チャッピーの弟。動物に変身する魔法を得意とする。
- ドンちゃん
- 声 - 富田耕生
- チャッピーのペットのレッサーパンダ。人間の言葉が話せ、魔法の力で動く自動車を所有している。
- パパ
- 声 - 矢田耕司
- チャッピーの父親。魔法の国では貴族である。
- ママ
- 声 - 渡辺典子
- チャッピーの母親。チャッピー一家ではパパよりも権力を持つことが多い。
- ジイ
- 声 - 富田耕生
- チャッピーの祖父。孫のチャッピーにはかなり甘い。
魔法の国の住人
- オババ
- 声 - 津田延代
- 魔法の国の最長老の魔女。チャッピーたちとは血縁関係はない。時々人間界に来る事が有る。
- ミガミガ
- 魔法の国の大公。チャッピーの伯父。
- 王様
- 魔法の国の王様。人間に魔法の使用現場を目撃されたチャッピーに対して寛大な措置を取る。
ニコニコ町の人たち
- 荒井 ミチ子
- 声 - 小串容子
- チャッピーのクラスメートの友達。勝気で男勝りな性格。
- 荒井 一平
- 声 - 白川澄子
- ミチ子の上の弟。腕白な男の子。
- 荒井 二平
- 声 - 野沢雅子
- ミチ子の下の弟。一平とは逆におっとりした男の子。兄弟ともイタズラ好きで、ジュンといつも張り合っている。
- 荒井 洗吉
- 声 - 槐柳二(第3話のみ永井一郎)
- ミチ子・一平・二平の父親。妻を亡くし、男手一つで子供3人を育てる。職業はクリーニング屋。
- 中村 しず子
- 声 - 渡辺典子
- チャッピーのクラスメートの友達。ミチ子とは違いお淑やかな性格。団地住まい。
- 熊沢 虎男
- 声 - 白川澄子
- チャッピーのクラスメートのガキ大将。通称「クマトラ」。長身の「カマイタチ」と小柄の「アオガエル」の2人の子分が居る。
スタッフ
- 企画:飯島敬(東映動画)、宮崎慎一(NET)
- 製作担当:江藤昌治
- キャラクターデザイン:高橋信也
- 美術:山崎誠、横井三郎、伊藤英治、浦田又治、遠藤重義
- 録音:二宮健治、波多野勲、神原広巳、高橋拓夫、荒川文雄
- 音響効果:E&Mプランニングセンター
- 音楽:筒井広志
- 選曲:賀川晴雄
- 現像:東映化学
- 制作:東映、NET
主題歌
- オープニングテーマ - 「魔法使いチャッピー」
- 作詞 - 小薗江圭子 / 作曲 - 筒井広志 / 歌 - シンガーズ・スリー(テロップでは「スリーシンガーズ」」と誤記。)
- エンディングテーマ - 「ドンちゃんのうた」
- 作詞 - 小薗江圭子 / 作曲 - 筒井広志 / 歌 - 富田耕生
- 挿入歌 - 「魔法のワルツ」
- 作詞 - 小薗江圭子 / 作曲 - 筒井広志 / 歌 - 小野木久美子
- 「魔法のワルツ」は最終回で挿入歌として使われた。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|
1 | 魔法家族がやってきた | 辻真先 | 芹川有吾 | 高橋信也 |
2 | 怪獣ちゃんもお友達!! | 滝三郎 | 勝田稔男 | 端名貴勇 |
3 | パパはナニ屋さん | 雪室俊一 | 池田宏 | 永樹凡人 |
4 | 男の意地くらべ | 辻真先 | 佐々木勝利 | 荒木伸吾 |
5 | ドンちゃんの妹 | 明比正行 | 小田克也 | |
6 | ママがとられた | 城山昇 | 葛西治 | 細田暉雄 |
7 | 栄光への500メートル | 辻真先 | 金子允洋 | 永樹凡人 |
8 | 魔法の国に帰さないで | 城山昇 | 大谷恒清 | 阿部隆 |
9 | 狙われたバトン | 吉野次郎 | 久岡敬史 | 端名貴勇 |
10 | 幻のD51 | 城山昇 | 芹川有吾 | 荒木伸吾 |
11 | 三ツのおねがい | 勝田稔男 | 木暮輝夫 | |
12 | お婆さんの意地くらべ | 辻真先 | 佐々木勝利 | 高橋信也 |
13 | パパの日記帳 | 山本寛巳 | 小田克也 | |
14 | 民宿お化け騒動 | 明比正行 | 端名貴勇 | |
15 | すてきな一日園長 | 押川国秋 | 池田宏 | 永樹凡人 |
16 | 嵐の山の少女 | 夏目幸治 | 葛西治 | 木暮輝夫 |
17 | パパありがとう | 滝三郎 | 勝間田具治 | 荒木伸吾 |
18 | 無人島冒険ごっこ | 辻真先 | 久岡敬史 | 細田暉雄 |
19 | 赤ちゃん泥棒 | 夏目幸治 | 山本寛巳 | 永樹凡人 |
20 | こんにちはフェニックス | 辻真先 | 勝田稔男 | 高橋信也 |
21 | ホームラン番長 | 芹川有吾 | 端名貴勇 | |
22 | イルカの楽園 | 夏目幸治 | 田中清 | 高橋信也 |
23 | 祭りだワッショイ | 辻真先 | 大谷恒清 | 木暮輝夫 |
24 | 逃げ出した悪魔 | 小川敬一 | 田中清 | 永樹凡人 |
25 | ドンちゃんの虹 | 吉野次郎 | 平野純 | |
26 | 空とぶ自転車 | 辻真先 | 永樹凡人 | 上村栄司 |
27 | ドンちゃん大洪水 | 岡崎稔 | 端名貴勇 | |
28 | 独立!ガラクタ公園 | 長坂秀佳 | 寒竹清隆 | 木暮輝夫 |
29 | 動物の王子さま | 夏目幸治 | 勝田稔男 | 田島実 |
30 | 待っていてオッタマゲター! | 長坂秀佳 | 大貫信夫 | 上村栄司 |
31 | 最高殊勲婆さん | 夏目幸治 | 岡崎稔 | 端名貴勇 |
32 | あこがれの京都 | 芹川有吾 | 平野純 | |
33 | リンゴ村リンゴりんご大作戦! | 長坂秀佳 | 勝田稔男 寒竹清隆 |
木暮輝夫 |
34 | 出たよ出ましたチャンバラ時代 | 古沢日出夫 | 石黒育 | |
35 | お金と友情 | 夏目幸治 | 宮崎一哉 | 白川忠志 |
36 | ジャンプだ!四回転ウルトラC | 辻真先 | 岡崎稔 | 端名貴勇 |
37 | さようなら雪ン子 | 夏目幸治 | 大貫信夫 | 上村栄司 |
38 | 想い出のクリスマス | 明比正行 | 江藤文男 | |
39 | チャッピーどこへゆく | 辻真先 | 田中清 | 端名貴勇 |
ネット局
- 北海道テレビ
- 青森テレビ
- テレビ岩手
- ミヤギテレビ
- 山形放送
- 福島中央テレビ
- 山梨放送
- 新潟総合テレビ
- 長野放送
- 北日本放送
- 北陸放送
- 静岡放送
- 名古屋放送(現:名古屋テレビ 通称メ〜テレ)
- 毎日放送
- 山陰放送
- 岡山放送
- 広島ホームテレビ
- 山口放送
- 瀬戸内海放送
- 九州朝日放送
- 長崎放送
- 熊本放送
- テレビ大分
- 鹿児島テレビ
- 沖縄テレビ
ほか
劇場版
1972年7月16日、『東映まんがまつり へんしん大会』内で、第7話のブローアップ版が公開された。
- 併映は、『魔犬ライナー0011変身せよ!』『仮面ライダー対じごく大使』『変身忍者嵐』『超人バロム1』『国松さまのお通りだい』の5本。
- 本プログラムは大半が変身物で占められているため、一見『チャッピー』は「変身」とは関係無いように見えるが、劇中ではチャッピーがレーサーに変身するシーンがある。
日本国外での状況
イタリアに輸出され "La maga Chappy" (魔女チャッピー)のタイトルでテレビ放映された。
補足
- 番組ではEDが終わった後、チャッピーやドンちゃんのコメントで終わるようになっている。担当は、最終回を除く奇数回がチャッピー、偶数回がドンちゃんだった。
- 上記の通りこの番組は12月25日に終了したため、「東映アニメーション魔女っ子シリーズ」では唯一、年を越していない。
- 後番組は『バビル2世』となったため、『魔法使いサリー』から続いた「魔女っ子」シリーズはここでいったん途切れた。