青が散る
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『青が散る』(あおがちる)は、宮本輝の大学を舞台とした青春小説。「文藝春秋」の季刊誌「別冊文藝春秋」の1978年夏号(145号)から1982年夏号(161号)に連載。1982年に文藝春秋社から単行本を刊行、1985年に文庫化された。
TBSでテレビドラマ化され、1983年10月21日から1984年1月27日まで全13回放送された。
小説
テレビドラマ版
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スタッフ
概要
東京郊外に新設された大学のテニス部を巡る、テニス、恋愛、さまざまな人の死を描いた青春ドラマ。
原作では大阪府茨木市にある追手門学院大学(作品中に実名は登場しないが、描写や原作者である宮本輝の出身大学であることから推測できる)が舞台であるが、ドラマでは東京郊外の武蔵野学院大学となっている。なお、オンエア当時は架空の大学であったが、2004年に学校法人武蔵野学院によって同名の武蔵野学院大学が開学した。当然ながら本作との関連性はないと言える。その他にも、ドラマ独自のキャストが登場するなど、原作とは異なった内容ではあるが、今なお根強いファンが多い。本作品からは石黒賢、二谷友里恵他、多くの俳優がデビューしており、また二世が多くキャスティングされていることでも話題となった。未ビデオ・DVD化である。
主なキャスト
- 椎名燎平(石黒賢)
- 家業の塗装材料店が傾いたため大学受験をあきらめていたが、経営が持ち直し、新設された三流の私立武蔵野学院大学に入学した。佐野夏子に想いを寄せており、「仲を取り持つ」という金子慎一の強引な勧誘によりテニス部に入部する。
- 金子慎一(佐藤浩市)
- 燎平の親友。新設校である武蔵野学院大学にテニス部を創設し、初代キャプテンに就任する。
- 佐野夏子(二谷友里恵)
- 燎平の同級生。有名洋菓子店の社長令嬢。燎平を始めとする男子大学生の憧れの的であり、マドンナ的存在の女子学生。一見勝ち気で我儘なタイプであるが、異なる一面も持ち合わせている。
- 星野祐子(川上麻衣子)
- 燎平の同級生。父は開業医。佐野夏子とは同じ高校の同級生だった。小学生からテニスをやっていると知った金子慎一の強引な勧誘により入部する。
その他のキャスト
- (燎平の同級生)
- 和泉達雄(利重剛) - 映画の自主制作に燃える学生。
- 二宮耀子(浜尾朱美) - ニュースキャスター志望の学生。和泉達雄と今でいう”ルームシェア”をしている。
- 安斉克巳(清水善三) - 高校時代はテニス界のヒーローで関東ジュニアのチャンピオンだった。現在は急性白血病を患っている。
- 荒井ゆかり(広田玲央名) - テニス部員。二重まぶた整形手術に失敗し、大学に来なくなる。
- 藤井久美(辻靖美) - テニス部員。荒井ゆかりの友人。
- 貝谷朝海(遠藤憲一) - 星野祐子とは小さい頃に同じテニスクラブに所属しており、大学で偶然再会する。
- (燎平をとりまく人々)
- 椎名洋介(井川比佐志) - 燎平の父親。塗装材料店を営んでおり、善良で温厚な人物である。
- 椎名静枝(吉行和子) - 燎平の母親。離婚しており、現在は小料理屋のおかみとして暮らしている。
- 椎名チエ(境真理子) - 燎平の妹。実家で父、兄と共に暮らしている。
- 八木助教授(斉藤洋介) - 武蔵野学院大学フランス文学部教授でありテニス部顧問。燎平達新設第一期生を担任する。
- 端山(村田雄浩) - 大手建設会社社長の息子。東洋文化大学応援団団長。
- 神崎(倉崎青児)-東洋文化大学応援団員 佐野夏子に一目ボレして猪突猛進し、団員が振り回される。
- 高末(掛田誠)-東洋文化大学応援団員。
- 堰 健一”ガリバー”(大塚ガリバー) - 某有名大学の野球部員だったが、挫折して今はミュージシャンを目指している。
- 堰 辰造(早崎文司) - 健一(ガリバー)の父親。中華料理屋「善良亭」の主人。
- 堰 富子(あき竹城) - 健一(ガリバー)の母親。夫婦で店を切り盛りしている。
- 佐野夏子の父(上條恒彦) - 心不全で急死してしまう。
- 佐野夏子の母(高田敏江) - 洋菓子店の経営を取り仕切っている。
- 金子慎一の姉(庄司麻由里)
- 金子慎一の母(石井トミコ)
- 星野祐子の伯母(岩本多代)
- 星野祐子の父(佐原健二)
- 星野祐子の母(柳川慶子)
- 三好圭一
- 矢島健一
- 矢崎滋
ほか
音楽
サブタイトル
話数 | 放送日 | サブタイトル | 演出 |
---|---|---|---|
1 | 1983年10月21日 | 恋し始めたラクダたち | 高畠豊 |
2 | 10月28日 | 歌い始めたラクダたち | |
3 | 11月4日 | ちょっと危険なラクダたち | 八木康夫 |
4 | 11月11日 | 想いみだれるラクダたち | 吉田秋生 |
5 | 11月18日 | 明日が見えないラクダたち | 山田護 |
6 | 11月25日 | 好きと言えないラクダたち | 高畠豊 |
7 | 12月9日 | 恋をせおったラクダたち | 八木康夫 |
8 | 12月16日 | 雨つぶかぞえるラクダたち | 吉田秋生 |
9 | 12月23日 | ふられてゆれて…ラクダたち | 山田護 |
10 | 1984年1月6日 | 春にときめくラクダたち | 吉田秋生 |
11 | 1月13日 | 恋に迷ったラクダたち | 山田護 |
12 | 1月20日 | 冬空にナミダ散らしたラクダたち | 吉田秋生 |
13 | 1月27日 | 歩きつづけるラクダたち | 山田護 |
その他
- 第3話と第7話で演出を担当した八木康夫は、本作の放送終了後にプロデューサーの柳井に呼び出され、以後はプロデューサー業に専念するよう伝えられた。このため、2014年時点で本作は八木がディレクターを務めた最後の作品となっている[4]。
- 本作の放送中(1983年12月)にテレビユー福島(TUF)が開局している(TUFでは第7話「恋をせおったラクダたち」からネット)。
- ウルトラマン80対ゼットンの特撮カットを撮影するといった劇中劇シーンがある。
- 2009年3月31日のひるおび!第一回放送でレギュラー出演する石黒のデビュー作として数シーン取り上げられた。
脚注
テンプレート:前後番組 テンプレート:TBS金曜8時枠の連続ドラマ
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