超常現象
超常現象(ちょうじょうげんしょう、Paranormal Phenomena)とは、現在までの自然科学の知見では説明出来ない現象のことである[1]。
概要
「Paranormal (超常)」 という表現は1915年–1920年に作り出されたものであり[2]、 paraはラテン語で「~を超えた」という意味である[3]
Paranormalという表現は、アンブレラ・ターム(広い領域をまとめて呼ぶための用語)であり、サイキック現象(霊能力、超能力)、テレパシー、超感覚的知覚、サイコキネシス、幽霊などを指す語である[3]。この世界に存在すると思われるもののオーソドックスな科学では説明不可能なこと、[3]。あるいは、オーソドックスな科学が調査対象にしていない現象を指している[4]。
超常現象には特殊な能力を持つとされる人間が関わっているもの(予知、透視、念写など)や、偶然では説明がつきそうにない出来事(心霊写真、妖精、妖怪など)や不思議などが含まれる。
「超常」は、かつて宗教の分野だとされてきた諸現象を自然科学の対象とする上での必要性から生じた「超自然」の言い換え語なのではないか、という指摘もある。「超自然現象」は超常現象の元の言い方で、中国語圏や朝鮮語圏では現在でも用いられている。
尚、物理学者のブライアン・ジョセフソンは世に超常現象、心霊現象などと呼ばれる、オーソドックスな科学者が扱いたがらない諸現象も、科学者として積極的かつ肯定的姿勢をもって探求している。
超常現象に分類されることのある事象
- 予知夢[4]
- ドッペルゲンガー[4]
- 憑依[4]
- 呪い[4]
- 火星効果[4]
- 火の玉[4](ウィルオウィスプ、人魂、鬼火、狐火、球電)
- 人体自然発火現象[4]
- 電気人間[4]
- UFO[4]
- 地球外生命[4]
- タイム・スリップ[4]
- 形態因果作用[4]
- 臨死体験[4]
- 生まれ変わり(Reincarnation、転生)[4]
- ゼノグロッシア、真性異言
- ファフロツキーズ
- シンクロニシティ (精度の高い偶然の一致、暗合、共時性)
- 妖怪
ウィリアム・ジェームズの法則
アメリカの心理学者であり哲学者のウィリアム・ジェームズは「超常現象を信じたい人には信じるに十分な証拠が出る一方、信じたくない人には否定をするに十分な曖昧さが残る。そういうレベルの証拠しか出ないのが超常現象であると述べた。研究者のコリン・ウィルソンはこれを「ウィリアム・ジェームズの法則」と冗談交じりで名づけた。[5]
人物
- ジョン・ディー[4]
- ヴァレンタイン・グレイトレイクス(Valentine Greatrakes)[4]
- エマニュエル・スウェーデンボルグ
- ダニエル・ダングラス・ホーム[4]
- エウザピア・パラディーノ(Eusapia Palladino)[4]
- アイリーン・ギャレット(Eileen Garrett)[4]
- ニーナ・クラギナ(Nina Kulagina)[4]
- ユリ・ゲラー[4]
- ドリス・ストークス(Doris Stokes)[4]
- チコ・ザヴィエル(Chico Xavier)[4]
- コーラル・ポルゲ(Coral Polge)[4]
- ホセ・アリーゴ(José Arigo)[4]
- サティヤ・サイ・ババ(Sathya Sai Baba)[4]
- マシュー・マニング(Matthew Manning)[4]
- ミシェル・ゴークラン(Michel Gauquelin)
- 江原啓之
研究家・団体・学問
- 研究家
- ユング[4]
- チャールズ・フォート[4]
- ロバート・ソーレス(Robert Thouless)[4]
- ギュスターヴ・ジュレ(Gustave Geley)[4]
- ケネス・バチェルダー(Kenneth Batcheldor)[4]
- 韮澤潤一郎[4]
- 田中餌蝋[4]
研究家関連項目:超心理学者
- 団体
- 学問
懐疑派
- 人物
- ハリー・フーディーニ(1874 - 1926)(奇術師。当時流行していた降霊術で行われていたインチキを暴いた。)
- ハリー・プライス(1881 - 1948)(ゴーストハンター)
- ジェームズ・ランディ(1928 - )(奇術師、作家。)
- カール・セーガン(1934 – 1996)(天文学者、科学啓蒙家)
- リチャード・ドーキンス(1941 - )
- スーザン・ブラックモア(1951 - )
- 大槻義彦(1936 - )
- 皆神龍太郎(1958 - )
- 団体
- サイコップ(CSICOP)
- Japan Skeptics
- と学会
懐疑派関連項目:トンデモ本、疑似科学、科学における不正行為、アドホックな仮説
出典・脚注
- ↑ デジタル大辞泉
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 3.0 3.1 3.2 テンプレート:Cite web
- ↑ 4.00 4.01 4.02 4.03 4.04 4.05 4.06 4.07 4.08 4.09 4.10 4.11 4.12 4.13 4.14 4.15 4.16 4.17 4.18 4.19 4.20 4.21 4.22 4.23 4.24 4.25 4.26 4.27 4.28 4.29 4.30 4.31 4.32 4.33 4.34 4.35 4.36 4.37 4.38 4.39 4.40 4.41 4.42 4.43 テンプレート:Cite book
- ↑ 立花隆『臨死体験(下)』
関連文献
- LYNN PICKNETT, THE ENCYCLOPEDIA OF THE PARANORMAL, 1990
- (翻訳)リン・ピクネット『超常現象の事典』青土社、1994、ISBN 4791753070
- John & Anne Spence, The Encyclopedia of the World's Greatest Unsolved Mysteries, 1995, ISBN 0747214387
- (翻訳)ジョン・スペンサー、アン・スペンサー 『世界怪異現象百科』原書房 、1999、ISBN 4562031662
- Brian David Josephson, The Paranormal and the Platonic World.
- (翻訳) ブライアン・ジョセフソン『ノーベル賞科学者ブライアン・ジョセフソンの 科学は心霊現象をいかにとらえるか』徳間書店、1997(訳・解説:茂木健一郎・竹内薫)、ISBN 4198607028
- 宮城音哉『神秘の世界』岩波書店、1961
- J.ミッチェル、R.リカード『怪奇現象博物館―フェノメナ』北宋社、1987
- サイモン・ウェルフェア 、ジョン・フェアリー『アーサー・C・クラークのミステリー・ワールド』角川書店、1986、 ISBN 4048410091
- サイモン・ウェルフェア 、ジョン・フェアリー『(アーサー・C・クラーク) 超常現象の謎を解く (上・下)』飯倉書房 (1996 ISBN 484220219X ISBN 4842202203
- 同名旧版 (ISBN 4898000290 ISBN 4898000304) の改訳新装版
- コリン・ウィルソン『超常現象の謎に挑む』教育社、1992、ISBN 4315512702
- 『超常科学謎学事典』小学館、1992、ISBN 4092073046
- と学会 (山本弘、志水一夫、皆神龍太郎) 『トンデモ超常現象99の真相』洋泉社、1997、 ISBN 4896912519 ISBN 4796618007
- 志水一夫 『トンデモ超常学入門―志水一夫の科学もドキ!』データハウス、1997 ISBN 4887184417
- 菊池聡『超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ』講談社、1998 ISBN 406257229X
- 菊池聡『超常現象の心理学―人はなぜオカルトにひかれるのか』平凡社、1999、 ISBN 4582850286
- 皆神龍太郎、志水一夫、加門正一 『新・トンデモ超常現象56の真相』太田出版、2001、ISBN 4872335988
- 羽仁礼 『超常現象大事典―永久保存版』成甲書房 2001 ISBN 4880861154
- 『全国超常現象家名鑑』