蓮池薫
蓮池 薫(はすいけ かおる、1957年9月29日 - )は、日本の翻訳家。新潟県柏崎市出身。1978年から2002年まで北朝鮮による日本人拉致問題の被害者として、北朝鮮で生活。新潟県立柏崎高等学校を経て[1][2]、中央大学法学部卒業、新潟大学大学院修了、文学修士。新潟産業大学経済学部准教授。新潮ドキュメント賞受賞。蓮池透の実弟。
人物
1978年7月31日、中央大学法学部3年在学中に、夏休みで実家に帰省していたところを[3]当時交際していた女性とともに、新潟県柏崎市の海岸で北朝鮮の工作員、通称チェ・スンチョル[4]並びに共犯者・自称韓明一(ハン・ミョンイル)こと通称ハン・クムニョン[4]及び通称キム・ナムジン[4]に拉致され、24年間、北朝鮮での生活を余儀なくされる。その間ともに拉致された女性と結婚、一男一女をもうける。
2002年10月15日帰国後、2005年から学校法人柏専学院嘱託職員となり新潟産業大学で韓国語の教育に従事するかたわら、2004年9月24日中央大学に復学[5]。勉学に励みながら翻訳者としての仕事をこなし、2005年に初訳書『孤将』を刊行。2008年3月、中央大学法学部卒業。卒業にあたり、「やはり悔しい。拉致という悲惨さを感じずにはいられなかった」[6]と心中を語った。
2008年4月から新潟産業大学国際センター特任講師、2009年から新潟産業大学経済学部特任講師、2010年から新潟産業大学経済学部専任講師。同年、新潟大学大学院現代社会文化研究科社会文化論専攻(韓国・朝鮮史)博士前期課程入学。同修了、文学修士。2013年4月、准教授に昇格。
拉致される前からポピュラー音楽が好きで、帰国直前のNHKのニュースでは音楽を聴く蓮池の写真が公開されている。帰国直後には兄である透に「CDは知らないだろ?」と言われ(その時、「馬鹿にするな!北朝鮮にもCDはある」と反論した事が、蓮池透著の「奪還」に書かれている)、ボブ・マーリーとレーナード・スキナードのCDを見せられたり、南こうせつから『国境の風』を収録したMDをもらったりしている。
著書
- 『蓮池流韓国語入門』文春新書、2008年 ISBN 978-4166606597
- 『私が見た、「韓国歴史ドラマ」の舞台と今』講談社、2009
- 『半島へ、ふたたび』新潮社 2009年 のち文庫(第8回新潮ドキュメント賞受賞)
- 『夢うばわれても 拉致と人生』PHP研究所 2011
- 『拉致と決断』新潮社 2012年 ISBN 978-4103165323
訳書
- 金薫『孤将』新潮社、2005 のち文庫 ドラマ『不滅の李舜臣』の原作小説)
- 朴美景『走れ、ヒョンジン!』ランダムハウス講談社、2005
- ハン・チャンウク『成功への道—お金持ちになる「心得71」あなたも自分を変えてみませんか』産経新聞出版、2005
- 咸翰姫 許仁順『冬ソナと蝶ファンタジー-韓国から見た日本の韓流ブーム』ポプラ社、2006
- クォン・デウォン『ハル 哲学する犬』ポプラ社、2006
- キム・ジョンヒョン『母よ ヘギョンの愛した家族』ワニブックス、2006
- 成和鏞『2015年のサムスン アジア最強企業の未来戦略』光文社、2006 Lee Jae Yong's Samsung in 2015
- ユ・サンチョル チョン・ヒョンモク チョン・ガンヒョン アン・ヘリ キム・ジュンスル『韓流熱風—映画・テレビドラマ・音楽 強さの秘密』朝日新聞社、2006
- リュ・シファ『君がそばにいても僕は君が恋しい』綜合社、2006
- 孔枝泳『私たちの幸せな時間』新潮社、2007
- クォン・デウォン『ハル〈2〉哲学する犬からの伝言』ポプラ社、2007
- ひとの役に立つ人間になりなさい。徳は才に勝る。-人生でもっとも大切な2つの訓え- (コウ・チョン・ヘソン)
- ユ・ヒョンミン 王一民『母と旅した900日』ランダムハウス講談社、2008
- パク・ヒョンウク『もうひとり夫が欲しい』新潮社、2008
- ホ・ジノ キム・ヘヨン『ハピネス』ランダムハウス講談社、2008
- チョン・オクピョウ『韓国最強企業サムスンの22の成功習慣』阪急コミュニケーションズ、2008
- 李明博『オモニ ホームレスから大統領へ』講談社 2008
- 孔枝泳『楽しい私の家』新潮社、2010
- 孔枝泳『トガニ 幼き瞳の告発』新潮社 2012
脚注
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- ↑ 4.0 4.1 4.2 国際手配被疑者一覧 警察庁
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