花園・花貫県立自然公園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
花園・花貫県立自然公園(はなぞのはなぬきけんりつしぜんこうえん)は、茨城県の北茨城市、高萩市、日立市などにまたがる自然公園。
概要
阿武隈高地南部の里川より西側は久慈山地、東側は多賀山地だが、本公園は多賀山地と海岸へかけての地域。北茨城市の花園渓谷と高萩市の花貫渓谷が代表として、県立自然公園にこの名がある。この両渓谷は紅葉の名所としても人気がある。
地域
- 山地 - 花園山、竪破山(太刀割石)、和尚山、栄蔵室山、神峰山、土岳
- 渓谷 - 花園渓谷(花園川、弥次郎の滝、猿ヶ城渓谷、七ツ滝、水沼ダム)、浄蓮寺渓谷、花貫渓谷(花貫川、「海の見えるダム」花貫ダム、不動滝、名馬里が渕)、大北渓谷、土獄
- 神社仏閣 - 花園神社(樹齢500年の三本杉、樹齢600年の天狗槇)、天竜院、浄蓮寺(三十三観音像)、黒前神社
- 海岸部 - 五浦海岸(岩礁、日本の渚百選、五浦美術館、五浦日本美術院跡《岡倉天心の六角堂、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山》、茨城大学五浦美術文化研究所)、伊師浜海岸(鵜の飛来地碁石ヶ浦、いぶき樹叢《天然記念物》)
- 生物 - 鳥類は猛禽類のオオワシ、チョウゲンボウ、ハヤブサなど。食虫植物のモウセンゴケの群落。暖流性と寒流性の種が交差する海藻類(この地が北限とされる種もある)。複数種のセセリ類、シジミ類などのチョウ類。
- 地質 - 御斎所変成岩(雲母片岩、千枚岩、珪岩、緑色片岩)、竹貫変成岩(雲母片岩、片麻岩、石英片岩、角閃岩)
- 湿原 - 亀谷地(北茨城市)、岡見(里美村)
- 樹木 - ブナ(原生林)、シラカバ
- 温泉 - 五浦温泉、五浦元湯温泉、平潟港温泉、湯の網温泉など。
- 港 - 大津港、平潟港(江戸時代、東廻廻船の寄港地)
交通
- 北茨城市の花園渓谷は常磐自動車道北茨城ICから県道299号、茨城県道153号、茨城県道27号等を経由する。
- 高萩市の花貫渓谷は常磐自動車道高萩ICから茨城県道67号、茨城県道10号、国道461号等を経由する。
花貫渓谷では、紅葉シーズンのみ汐見吊橋方面への車両の乗り入れが禁止されているため、有料駐車場から歩くことになる。有料駐車場は11月のみ、駐車場等の維持管理費へ充てるために普通車が一日500円、観光バスが一日2000円も徴収される。このため花貫渓谷から花貫ダムに掛けては県内外から多くの観光客が訪れ、花貫ダムの駐車場を含めて周辺の臨時駐車場は午前中で満車となり道路の両側に路上駐車の列ができる場所もある。このため、対向車とのすれ違いに支障をきたす場合があり、駐車場の空き待ちと合わせて5Km以上の渋滞が発生する。また、最寄りの常磐自動車道高萩IC出口を先頭に渋滞することもあり、最悪の場合は、花貫ダム先から高萩IC付近まで5Km以上の車列がつながることがある。
路線バスの便は、高萩駅から大能行きの便があるが、平日のみの運行(早朝の高萩駅行き、夕方の大能行き各1本)であり観光利用には向かない。タクシーで20分程度である。現在は、紅葉シーズンの土休日のみ、高萩駅からの事前予約制臨時バスが運行されている[1]。
その他
2008年まで不動滝と表記されていた滝が実は乙女滝であり、その下流にある滝が「不動滝」であったことが判明した。同年に立てられた看板では訂正されている。