自由権

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テンプレート:国際化 テンプレート:Liberalism sidebar 自由権(じゆうけん)は、基本的人権の一つであり、国家から制約ないし強制されずに、自由に物事を考え、自由に行動できる権利のことをいう。古くはイギリス権利章典アメリカ独立宣言フランス人権宣言で謳われ、人権と基本的自由の保護のための条約市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)で法的に保障され、今日まで続く歴史を持つ。内容は人間の自由のすべてに及ぶゆえ、その一覧を作ることはまず不可能である。自由権は、人権の中でも特に重要な人権とされる。

日本国憲法においては、内容は経済的自由権、精神的自由権、人身の自由に大別することができる。精神的自由権には、思想・良心の自由や信教の自由、表現の自由、学問の自由などが含まれる。経済的自由権には、職業選択の自由や営業の自由、財産権の保障が含まれる。人身の自由は、奴隷的拘束の禁止や不当逮捕などの禁止による被疑者被告人の人権保障(罪刑法定主義適正手続)などからなる。ただし法の下の平等のように分類できない権利や、生存権や法的に承認される権利のように自由権規約で明記、保障されていても日本国憲法上の位置付けが定着していない権利もある。なお国際人権法の中でも自由権規約には1997年の日本政府第4レポートや国内の裁判所でも直接適用性が認められている。

国家からの自由(対公権力性)ともいわれ、国家への自由ともいわれる参政権と対比される。

精神の自由

経済活動の自由

身体の自由

  • 生存権 (自由権規約第6条)
  • 奴隷的拘束や苦役からの自由(日本国憲法第18条、自由権規約第8条)
    刑罰として課される場合を除き、奴隷のように扱われたり、苦しい労働を強制される事はない。
  • 法定手続の保障(日本国憲法第31条、自由権規約第9条)
    処罰を与えるなど自由を奪う事は、法律の定める手続きに従わずに行なってはならない(適正手続、罪刑法定主義)。
    • 捜査手続上の保障
  • 逮捕に対する保障(日本国憲法第33条、自由権規約第9条)
    現行犯を除き、裁判所の発する令状なしに逮捕されたり、家の中を調べられたりしない。
  • 刑罰の内容の保障
  • 刑事裁判手続上の保障
    • 公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利(=秘密裁判の禁止。日本国憲法第37条第1項、自由権規約第14条)
    • 証人審問権(日本国憲法第37条第2項)
    • 弁護人依頼権(日本国憲法第37条第3項)

大日本帝国憲法では、法律によらなければ逮捕・監禁・審問・処罰を受けないと定めていたが、実際には警察による拷問などが行われ、人身の自由の保障は不十分だった(法律の留保が定められ、これに基づき規制・強制を容認する法律が制定される事で自由は有名無実と化していた)。日本国憲法では、第18条・第31条・第33条・第34条・第36条などで人身の自由の保障について詳細な規定をしている。

尚、人身の自由(身体の自由)に対する制約は公的機関によるもの(刑事事件関連)だけとは限らない。

関連項目