稚内空港
稚内空港(わっかないくうこう、テンプレート:Lang-en-short)は、北海道稚内市声問村声問にある国管理空港(旧 第二種(A)空港)である。
目次
概要
稚内市中心部より東方に約12km、ノシャップ岬(日本海・市街地側)と宗谷岬(オホーツク海側)間の宗谷湾岸を通る国道238号沿線の荒涼とした草原地帯に位置している。日本最北のジェット化空港として、札幌、東京などに路線を持ち、宗谷総合振興局管内の拠点空港として重要な役割を担っている。
空港周辺に緑地帯の「稚内空港公園」があるほか、空港から市街地側に3 km離れたところにオオハクチョウの飛来地として知られる大沼がある。
滑走路は08/26方向に2,200mで、平行誘導路は無く、滑走路両端にターニングパッドを備える。着陸帯の幅は300mで、計器着陸に対応している。計器着陸装置 (ILS) は滑走路08に装備されている。冬季の荒天により就航率が低下する(通常は100%近い就航率が、冬季は70%台となる)ことに対応するため、2007年より滑走路を滑走路26側に200m延長し2,200mとする事業が進められ、2009年10月に完成したのち同年11月19日より供用を開始した[1]。
空港ターミナルビルは滑走路南側に1棟ある。内部は国内線用の設備のみ持ち、国際線の設備は特に備えていない。ボーディングブリッジは1基を備える。なお、滑走路北側に面していた旧ターミナルは海洋スポーツセンターに転用されたこともあったが、2009年に解体された。
年間利用客数は、国内178,616人(2013年度)[2]。
1997年より実現した東京線の通年就航を維持するため、地元居住者が当該路線を利用する場合に補助金を支給する「市民運賃助成制度」が稚内市により制定[3]されていたが、割引運賃の拡充を理由に2005年4月をもって終了した。
歴史
- 1960年(昭和35年) : 1,200mの滑走路で供用を開始し、丘珠空港便が不定期で就航する。
- 1974年(昭和49年) : 丘珠空港便が定期便となる。利尻空港便が就航する。(いずれも日本近距離航空 (NKA) による運航)
- 1978年(昭和53年) : NKAにより礼文空港便が就航する。
- 1980年(昭和55年) : NKAにより千歳空港便が就航する。
- 1987年(昭和62年) : 滑走路を1,800mに延伸し供用するとともにジェット化される。ターミナルビルが開業する。全日本空輸 (ANA) により東京国際空港便が夏季のみの季節運航便として就航する。
- 1988年(昭和63年) : 滑走路を2,000mに延伸し供用する。計器着陸装置 (ILS) を導入する。
- 1994年(平成6年) : 利尻・礼文線がエアーニッポン(ANK、日本近距離航空を改称)からエアー北海道に移管される。
- 1995年(平成7年) : ANAにより関西国際空港便が夏季のみの季節運航便として就航する。
- 1997年(平成9年) : 東京国際空港便の通年運航を開始する。
- 1998年(平成10年) : ターミナルビルを増築する。
- 2000年(平成12年) : 運用時間を、8時30分から20時に変更する。
- 2003年(平成15年)3月31日 : この日をもって利尻・礼文線の運航を休止する[4]
- 2004年(平成16年) : ANAにより名古屋空港便が夏季のみの季節運航便として就航する。
- 2005年(平成17年) : 運用時間を、8時30分から18時30分に変更する。名古屋空港便を中部国際空港便に変更する。
- 2009年(平成21年)11月19日 : 滑走路を2,200mに延伸し供用を開始する。
- 2010年(平成22年) : 丘珠空港便を休止するとともに、新千歳空港便が増便される。
- 2012年(平成24年) : 搭乗率低迷のため、この年の運航をもって関西国際空港便・中部国際空港便が休止される[5]。
- 2013年(平成25年)7月12日 - 8月22日 - フジドリームエアラインズ (FDA) により名古屋(小牧)との間に直行チャーター便が計19往復運航される[6]。
施設
地上4階、地下1階建てのターミナルビルが設置されており、うち1階から4階を旅客エリアとして使用している。
運営は、稚内空港ビル株式会社が行っている。
- 1階 : 航空会社カウンター、航空貨物窓口、到着ロビー、警察官派出所
- 2階 : 出発ロビー、搭乗待合室、売店、レストラン
- 3階 : 送迎デッキ(無料)
- 4階 : 展望台(無料)
拠点・焦点都市としている航空会社
当空港をハブ空港(拠点都市)または焦点都市として運航している航空会社は存在しない。
就航路線
国内線
休廃止された路線
- 全日本空輸 (ANA)
- エアー北海道 (ADK) (日本近距離航空→エアーニッポン→エアー北海道)
交通
稚内市街まで約12km(14分)、宗谷岬まで約23km(23分)である。
自動車
約200台分の駐車場(無料)が設置されている。
空港アクセス道路(北海道道1059号稚内空港線)からの主な経路は以下の通り。
- 稚内市街:北海道道121号稚内幌延線 - 国道238号 - 国道40号
- 宗谷岬:北海道道121号稚内幌延線 - 国道238号
路線バス
脚注
関連項目
- 東声問駅 - 1987年の新滑走路運用開始を記念し、6月1日の1日間のみ営業されたJR天北線の駅。
- ANAクラウンプラザホテル稚内 - 全日空の就航路線数増加に合わせて1993年に稚内市が開設したホテル。2014年4月までは稚内全日空ホテルとして営業していた。なお、所有権は後に譲渡されている。
- 北海道の関与団体の一覧 - 稚内空港ビル株式会社は北海道の「関与団体」として指定されている。
- 大韓航空機撃墜事件
外部リンク
- 稚内空港ビル webサイト
- 稚内空港 - 国土交通省北海道開発局港湾空港部
- 稚内空港 - 国土交通省東京航空局
- ↑ 稚内空港就航率改善の取組についてテンプレート:リンク切れ - 稚内開発建設部
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 同様の補助制度は、日本国内では山形空港に関連する航路でも実施されている。
- ↑ ANKの利尻 - 千歳線が通年運航となった。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 日刊宗谷(2013年1月12日付)
- ↑ テンプレート:PDFlink - フジドリームエアラインズ(2013年5月9日付、同年7月31日閲覧)
- ↑ ANAウイングスの機材・乗務員で運航する便あり。