田久保忠衛
田久保 忠衛(たくぼ ただえ、1933年(昭和8年)2月4日 - )は、日本の外交評論家、政治学者。杏林大学名誉教授。専門は国際政治学、アメリカ外交。博士(法学)。保守系政治団体日本会議代表役員。
略歴
千葉県生まれ。家は水戸藩士の家系。曾祖父は天狗党の乱に参加して、流罪になっている。
学歴
職歴
経歴
時事通信在職中から多くの著作で知られた。アメリカ外交の専門家として知られ、リチャード・ニクソンの研究家でもある(著書『戦略家ニクソン』は日本語で著された唯一のニクソンの伝記である)。論壇活動も活発に行なっており、親米保守派の論客として知られる。民社党(現在は民主党の派閥の一で「民社協会」)と関係が深く、社会思想研究会に参加しその後も関係団体の政策研究フォーラムの理事や、「民社党と語る会」の幹事、民社人権会議代表幹事を務める。社会思想研究会の後輩には後に産経新聞社長となる住田良能や「新しい歴史教科書を作る会」の理事となる弁護士の高池勝彦がいる。
「新しい歴史教科書をつくる会」・「体罰の会」顧問。財団法人ディフェンスリサーチセンター・日本財団理事。日本会議代表委員。映画「南京の真実」の賛同者。日本国際フォーラム理事[1]。
国家基本問題研究所の筆頭副理事長を務める。テンプレート:要出典範囲。
安倍晋三の訪米(2013年2月)について「最大の成果は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加への政治的な決断だった。」と絶賛し、共同声明については「国内世論の分裂あるいは党内の意見対立を中和する以上の意味は持たない」と二次的な問題だとの考えを示している。また、日本は米国の軍事的役割の一部を担うよう動いていくのであるから、そのためにもTPPを取っかかりにして貿易、投資で日本経済を躍進させなければならないと述べている[2]。
著書
単著
- 『カーター外交の本音―「道義」戦略と日本の対応』(日本工業新聞社, 1977年6月)
- 『日本をめぐる米中ソの動き』(内外情勢調査会, 1978年)、講演冊子
- 『戦略の構図―米ソに揺さぶられる日本』(高木書房, 1979年1月)
- 『日本工業倶楽部木曜講演会講演要旨. 第713回』(日本工業倶楽部, 1980年)、講演冊子
- 『レーガン戦略と日本の破局』(講談社, 1981年1月)
- 『超大国 敵の敵は味方―ワシントン=モスクワ=北京の暗闘』(山手書房, 1981年2月)
- 『新局面の米中ソ関係と日本』(内外情勢調査会, 1982年)、講演冊子
- 『日本工業倶楽部 木曜講演会講演要旨 第772回』(日本工業倶楽部, 1983年)、講演冊子
- 『米ソ覇権の構図―世界を操る超大国の思惑』(日本教文社, 1983年10月)ISBN 4531061438
- 『環太平洋経済圏―動き出す新経済圏構想』(教育社 入門新書[時事問題解説] , 1985年6月)ISBN 431550131X
- 『「新世界秩序」と日本―21世紀への予兆』(時事通信社, 1992年2月)ISBN 478879201X
- 『ニクソンと対中国外交』(筑摩書房, 1994年12月)ISBN 4480856803
- 『戦略家ニクソン―政治家の人間的考察』(中公新書, 1996年7月)ISBN 4121013093
- 『日本の領土―そもそも国家とは何か』(PHP研究所, 1999年2月)ISBN 4569604099
- 『激動する国際情勢と日本』(国際関係基礎研究所, 2000年12月)、講演冊子
- 『ブッシュ政権の対アジア政策はどうなっているか』(アジア親善交流協会, 2001年3月)、講演冊子
- 『新しい日米同盟―親米ナショナリズムへの戦略』(PHP新書, 2001年5月)ISBN 4569616151
- 『アメリカの戦争』(恒文社, 2003年12月)ISBN 4770411103
- 『早わかり・日本の領土問題-諸外国と何をモメているのか?』(PHP研究所, 2007年4月)ISBN 456969134X。「日本の領土」(同、1999年刊)の増訂版
- 『激流世界を生きて―─わが師、わが友、わが後輩』(並木書房, 2007年10月)ISBN 4890632204
- 『米中、二超大国時代の日本の生き筋』(海竜社, 2009年9月)ISBN 4759310827
共著
- (高橋英夫・有馬真喜子・坂野潤治他)『言論は日本を動かす. 第5巻』(内田健三編. 講談社, 1986年5月)ISBN 4061889451
- (日下公人・志方俊之・西村眞悟)『国益会議-「アメリカ一極支配時代」を日本はいかに生き抜くか』(PHP研究所, 2003年7月)ISBN 4569629237
- (古森義久)『反米論を撃つ』(恒文社, 2003年11月)ISBN 4770411081
- (中曽根康弘・石原慎太郎・安倍晋三他)『憲法の論点-『正論』傑作選』(『正論』編集部編. 産経新聞ニュースサービス, 2004年10月)ISBN 4594048102
- (古森義久)『文化人の通信簿-媚中度から歴史認識まで徹底採点!』(扶桑社, 2005年5月)ISBN 4594049419
- (平沼赳夫・櫻井よしこ・大原康男他)『日本の正道-真の保守政治を確立するための政策提言』(平沼赳夫,正しい日本を創る会編. PHP研究所, 2007年7月)ISBN 978-4569692913
編著
- 『「国家」を見失った日本人-外国人参政権問題の本質』(小学館, 2001年1月)ISBN 4094050914
共編著
- (今井隆吉・平松茂雄)『ポスト冷戦と核』(勁草書房, 1995年3月)ISBN 4326351055
- (平松茂雄・新井弘一)『戦略的日本外交のすすめ』(時事通信社, 1998年2月)ISBN 4788798042
- (太田正利・平松茂雄)『日本外交の再点検―検証「吉田ドクトリン」』(時事通信社, 2000年5月)ISBN 4788700549
- (平松茂雄・斎藤元秀)『テロの時代と新世界秩序』(時事通信社, 2002年10月)ISBN 4788702665
雑誌記事
「正論」などの保守系論壇誌で櫻井よしこらジャーナリストとの対談特集が時折組まれるほか、近年「週刊新潮」や「週刊文春」など週刊誌のアジア外交政策関係の記事で、「外交評論家」の肩書(客員教授となってからは杏林大学の役職は無記載)で時事についての意見を述べている。
- 社会思想研究1960年9月号「曲り角にきた日本農政」
受賞歴
関連項目
脚注
外部リンク
テンプレート:日本国際フォーラム- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 「小国転落」回避したTPP決断産経新聞 2013年2月25日