江差町
テンプレート:Infobox 江差町(えさしちょう)は、北海道檜山振興局中部にある日本海に面した町。檜山振興局の所在地。町名の由来はアイヌ語で岬を意味する地名エサシ (esasi) であり、宗谷総合振興局の枝幸町と同じ語源である[1]。放送局の天気予報などでは当町を「道南の江差」、枝幸町を「北見枝幸」と呼んで区別することが多い。江差追分発祥地。
目次
地理
面積 109.57 km²。檜山管内中部に位置する。西部は日本海に面し、厚沢部川の河口を有する。東部は山岳地帯。奥尻島と結ぶフェリーが運航されている。町には厚沢部川が流れ、沖には鴎島が浮かぶ。
人口
隣接している自治体
気候
沿岸を流れる対馬海流の影響で比較的温暖である。ケッペンの気候区分では本州と同じ温暖湿潤気候(Cfa)に属する。道内の中では降水量が多いものの、冬季の気温が高いために降雪量は少ない。
沿革
- 1900年(明治33年) - 檜山郡江差市街26町と五勝手村(ごかってむら)が合併、一級町村制、檜山郡江差町。
- 1955年(昭和30年) - 檜山郡江差町と泊村(とまりむら)が廃止、新たに江差町を設置。
函館市、松前町と並び、北海道で最も早く開けた地域の一つ。江戸時代はニシンの漁場および北前船によるヒノキアスナロなどの交易港で、「江差の五月は江戸にもない」といわれるほど栄えた。松前藩の所領であるが、1868年(明治元年)戊辰戦争の際に、旧幕府脱走軍の占領を受けた。その際、旧幕府海軍の主力艦である開陽丸が江差沖で座礁沈没した。廃藩置県後、一時期青森県に属していたが、1872年(明治5年)に開拓使函館支庁に移管、町役人を廃し、戸長役場を置いた。1882年(明治15年)、函館県に属し、1886年(明治19年)の県廃止後に北海道庁に属し、1897年(明治30年)檜山支庁が置かれた。
漁業不振や若年層の町外流出により人口は減少傾向にある。1997年(平成9年)には道内の支庁所在地として初めて過疎地域の指定を受けた。さらに支庁所在地ではただ一つ、道庁のある札幌市への直行交通機関がない。2005年度より銀嶺バスが札幌 - 乙部 - 江差間で運行を行ったが、2006年度を最後に運行されていない。
姉妹都市・提携都市
財政
平成22年度決算による財政状況
- 住基人口 8,940人
- 標準財政規模 38億6,004万4千円
- 財政力指数 0.26 (類似団体平均0.52)~非常に悪い
- 経常収支比率 83.6% (類似団体平均83.1%)~類似団体平均をやや上回っているが、財政の弾力性は高まっている。
- 実質収支比率 10.1%(類似団体平均6.5%)
- 実質単年度収支 3億8,553万8千円~標準財政規模の10.0%の黒字額
- 地方債現在高 74億6,889万2千円(人口1人当たり83万5,447円)
- 普通会計歳入合計 54億4,667万1千円
- 地方税 8億6,826万3千円(構成比 15.9%)
- 地方交付税 27億6,369万4千円(構成比 50.7%)~歳入の50%以上を交付税に依存
- 地方債 3億2,617万1千円(構成比 6.0%)
- 普通会計歳出合計 50億4,829万8千円
- 人件費 8億9,250万5千円(構成比 17.7%)
- うち職員給 5億4,233万1千円(構成比 10.7%)
- 扶助費 5億5,620万6千円(構成比 11.0%)
- 公債費 11億1,840万1千円(構成比 22.2%)
- 人件費 8億9,250万5千円(構成比 17.7%)
基金の状況
- 1財政調整基金 9億1,597万2千円
- 2減債基金 1億4,193万8千円
- 3その他特定目的基金 1億4,204万円
- 合計 11億9,995万円(人口1人当たり13万4,223円)
定員管理の適正度(平成22年度)
- 人口1,000人当たり職員数 10.74人(類似団体平均10.60人)~平均的な職員数:類似団体平均の1.0倍
- 一般職員93人 (うち技能系労務職0人)、教育公務員3人、消防職員0人、臨時職員0人 一般職員等合計 96人
- ラスパイレス指数 91.8 (道内市町村平均96.6)~北海道で20番目に低い。財政健全化のため職員人件費削減にも取り組んでいる。
- 参考
- 一般職員等(96人)一人当たり給料月額 30万1,100円 (職員手当を含まない)
- 職員給(給料+手当)÷一般職員等(96人)=564万9千円~給料月額の18.8か月分
健全化判断比率・資金不足比率
平成23年度決算~確報値
- 健全化判断比率
- (全公営企業会計で資金不足額がなく、比率が算定されず)
平成20年度~平成21年度まで、 実質公債費比率(ピーク時28.6%)で財政健全化団体となった。
経済
- 現在の基幹産業は漁業である。近年は史跡や景観の観光資源を活用した観光事業に力を入れて、多くの観光客の誘致に努力している。
- 北海道が進めた支庁再編問題の際に立てられた、「檜山支庁(現・檜山振興局)廃止反対」を訴える看板が町内のいたる場所にあった。
立地企業
- 株式会社五勝手屋本舗
- 江差ウインドパワー株式会社
- 江差塗工房
金融機関
農協・漁協
文化
宗教
郵便
- 江差郵便局(集配局)
宅配便
公共機関
警察
教育
専修学校
高等学校
中学校
小学校
幼稚園
学校教育以外の施設
- 檜山地域人材開発センターまなびっく(社団法人桧山地域人材開発センター運営協会が運営する認定職業訓練による職業訓練施設)
住宅団地
- 道営住宅南ヶ丘団地
- 道営住宅円山通り
- 道営檜山団地
交通
鉄道
町内に鉄道はない。かつて北海道旅客鉄道江差線江差駅があったが、2014年5月12日に廃止された。
バス
- 函館バス - 江差営業所を設置
タクシー
檜山圏エリアに属するタクシー会社
- 江差交通
- 桧山ハイヤー
道路
港湾
- 江差港
- ハートランドフェリー 江差 - 奥尻
文化財
重要文化財
- 旧中村家住宅(北海道檜山郡江差町)主屋・文庫倉・下ノ倉
天然記念物
- ヒノキアスナロおよびアオトドマツ自生地
北海道指定無形民俗文化財
- 江差沖揚げ音頭 - 江差追分会館、江差沖揚げ音頭保存会
- 江差五勝手鹿子舞 - 江差追分会館、江差五勝手鹿子舞保存会
- 江差三下り - 江差追分会館、江差三下り会
- 江差追分 - 江差追分会館
- 江差餅つき囃子 - 江差追分会館、江差餅つき囃子保存会
江差町指定無形民俗文化財
- 江差鮫踊り - 江差追分会館、江差鮫踊り保存会
- 江差田沢鹿子舞 - 江差追分会館、江差田沢鹿子舞保存会
- 江差土場鹿子舞 - 江差追分会館、江差土場鹿子舞保存会
- 江差鹿子舞 - 江差追分会館、豊川町郷土芸能保存会
- 江差追分踊り - 江差追分会館、江差追分踊り保存会
江差町指定史跡
- 戊辰の役戦死者の墳墓地
- かもめ島砲台跡(南北2か所)
- 北前船飲用井戸
- 北前船係船柱及び同跡(かもめ島周辺)
その他
- 江差町郷土資料館(旧檜山爾志郡役所庁舎) - 北海道指定有形文化財(建造物)
- 正覚院寛保津波の碑 - 北海道指定有形文化財(美術工芸品)
- 法華寺寛保津波の碑 - 北海道指定有形文化財(美術工芸品)
- 江差姥神町横山家 - 北海道指定有形民俗文化財
- 江差姥神神社祭礼山車・神功山人形および付属品 - 北海道指定有形民俗文化財、姥神大神宮渡御祭にて公開
- 江差姥神神社祭礼山車松宝丸 - 北海道指定有形民俗文化財、姥神大神宮渡御祭にて公開
- 檜山奉行所正門 - 江差町指定有形文化財(建造物)
- 旧関川家別荘 - 江差町指定有形文化財(建造物)
- 金丸家住宅母屋および土蔵 - 江差町指定有形文化財(建造物)
- 開陽丸遺跡 - 遺物は江差町指定有形文化財
- 江差町指定有形文化財(美術工芸品)上記含め15件
- 江差町指定有形民俗文化財12件
名所・旧跡・観光・祭事・催事
祭事
出身有名人
- 青坂満(江差追分名人)
- 香澄(本名:木村香澄/ミュージシャン・STVラジオパーソナリティ・民謡歌手・第29回江差追分全国大会優勝者)
- 吉野 寿(ミュージシャン・eastern youth)
- 出村龍聖(宗教家)
- 出村龍日(宗教家)
脚注
関連項目
- はこだて観光圏
- 姥神大神宮
- 姥神大神宮渡御祭
- 繁次郎(幕末ころ、江差に住んでいたとんち名人)
- ペギー葉山(1971年に「江差想失恋」のシングル曲を発売)
- 佐々木基晴(1989年に「江差夢しぐれ」のシングル曲を発売)
- 五木寛之(1989年に青春の門(第7部挑戦篇)で江差を舞台に執筆 )
- 松音ゆかり(1992年に「江差恋唄」のシングル曲を発売)
- にしんそば
外部リンク
- 行政