水俣駅
水俣駅(みなまたえき)は、熊本県水俣市桜井町一丁目1番地にある肥薩おれんじ鉄道線の駅。かつては九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の駅であった。また、JR九州山野線が分岐していた。
駅構造
島式1面2線と相対式1面1線のホームで中線(通過線)もある。ただし、現在は中線と島式ホーム外側の3番線は使用停止状態になっており、相対式2面2線のように運用されている。有人駅である。トイレは改札内・外にあり、男女別の水洗式。
- 営業時間
- 6:30 - 17:55
- のりば
1・2 | ■肥薩おれんじ鉄道 | 八代・出水方面 |
3 | 使用停止 |
列車の発着は基本的に駅舎側の1番線で、列車交換がある時に2番線も使用する。ただし11時台の上り八代行きの1本のみ列車交換が無いにも関わらず2番線発着である。
JR鹿児島本線だった2004年3月12日までは全ての優等列車が停車していたほか、3番線や中線も使用され当駅折り返しの列車も数多く設定されていた。改札口に行先発車標(反転フラップ式案内表示機)や行灯式の座席案内標が設置され、特急有明も始発列車の10号(小倉行き)と終列車の49号(小倉発)の1往復が当駅発着で夜間滞泊も行われていた。なお、廃止された山野線も3番線に発着していた。また、近隣の水俣港と天草諸島の本渡市や牛深市(現天草市)を結んでいた牛深・本渡航路のフェリーの連絡駅としての面も持っており、休日を中心に天草諸島を訪れる観光客や島に里帰りする利用客で大変混雑し賑わっていた。そのため当駅発着列車とフェリーの連絡運輸も行っていたが、このフェリーも道路交通事情の改善(天草五橋、天草瀬戸大橋、黒之瀬戸大橋の開通、無料開放化)、JR九州から肥薩おれんじ鉄道への経営分離による都市間長距離優等列車の廃止、天草飛行場開港や天草エアラインの運航開始などによる大幅乗客減のため2007年までに全て廃止されている。
肥薩おれんじ鉄道に経営移管された際、発車標や座席案内標は撤去された。開業時は八代方面から当駅折り返しの区間列車が数本設定されていた。現在は八代方面からの列車は全て出水方面に延長されて設定されておらず、当駅発着の区間列車は早朝6時台に当駅始発隈之城駅行き(出水駅 - 水俣駅間は回送運転)が1本設定されているのみである。
国鉄時代は山野線が発着していた3番線の隣に広大な貨車入れ換え用のヤードや側線を持ち、八代駅、出水駅、川内駅に並ぶ鹿児島本線や山野線の貨物列車の主要な中継基地(ターミナル)の一つであった。また、駅の北西側にあるチッソ水俣工場(水俣本部)への専用線が存在しており、コンテナ車やタンク車による化学薬品や製品の貨物輸送が行われていた。当時は駅の南西側にスイッチャーの格納庫や小規模の入れ換え線があり、本線からの貨物列車は側線や中線から一旦この入れ換え線に引き込んだ後、スイッチバックする形で専用線に入って工場に向かっていた。しかし1982年(昭和57年)11月15日のダイヤ改正でトラックやタンクローリーの輸送に転換されて廃止され、専用線も程なく撤去された。専用線跡は廃止後30年以上が経過しているため宅地化や駐車場化されていて遺構はほとんど残っていないが、一部が道路に転用されているほか、駅構内の入れ換え線跡や入れ換え線と専用線の分岐跡も一部は駐車場になったものの大部分が空き地のままで小さな木造の橋梁跡などの遺構が遺っており、駅南西の八ノ窪踏切前にも入れ換え線があった事を示す車止めが遺されている。その後1984年2月1日に全ての貨物取取り扱いが廃止され、側線は廃車予定の貨車の留置などに使用するためにしばらくは遺されたものの国鉄の分割民営化後に全て撤去され、こちらも跡地は住宅地や水俣自動車学校の敷地に転用されている。現在では駅構内の上り線(八代方面)側に機関車入れ換え線の跡や入れ換え線に通じていた渡り線のポイントレールが遺っており、入れ換え線跡は安全側線として使われているほかすぐ後ろにある新地踏切にも遺構が遺り、下り線(出水方面)側に当時機関車の入れ換えに使われていたシーサスクロッシングのポイントレールや機関車電留線が撤去されずにそのまま遺されており、かろうじて賑やかだった当時の駅構内の姿を垣間見ることが出来る。
歴史
- 1926年(大正15年)7月21日 - 国鉄川内本線の駅として開業。
- 1927年(昭和2年)10月17日 - 鹿児島本線編入により、鹿児島本線の駅となる。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - チッソ専用線、山野線貨物列車廃止。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 全ての貨物取り扱い廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、九州旅客鉄道の駅となる。
- 1988年(昭和63年)2月1日 - 山野線廃止。
- 2004年(平成16年)3月13日 - 九州新幹線の部分開業に伴う鹿児島本線(八代駅 - 川内駅間)の経営移管により、肥薩おれんじ鉄道の駅となる。
駅名の由来
「水俣」とは「川が二股になったところ」、あるいは「川が2つに分かれたところ」と言う意味で、この地が水俣川と湯出川の合流地点にある事から付いた地名である。
駅周辺
北東側は水俣市の中心市街地で、駅周辺も市街地が広がっている。
至近
- ビジネス旅館「桂」- 約1分(駅舎の斜め右にある)
- チッソ水俣本部・JNC水俣製造所 - 駅正面をまっすぐ。
- 水俣市役所
- 水俣郵便局
- 水俣昭和郵便局
- 水俣百間簡易郵便局
- 蘇峰記念館 - 徳富蘇峰記念施設
- 徳富蘇峰・蘆花生家
- 日本一長〜い運動場 - 山野線跡地
遠方
水俣病関連施設
- もやい館 - 水俣市総合もやい直しセンター
- おれんじ館 - 水俣市南部もやい直しセンター
- 熊本県環境センター
- 水俣市立水俣病資料館
- 国立水俣病情報センター
路線バス
熊本県内を営業エリアとする産交バスと、鹿児島県から乗り入れる南国交通のバスが利用できる。
- 産交バス
- かつては熊本交通センターまでの快速便もあった。
- 南国交通
隣の駅
廃止区間
- 九州旅客鉄道
- 山野線
- 東水俣駅 - 水俣駅